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2010年03月20日 イイね!

日本旅館とリゾートホテル

日本旅館とリゾートホテル昨日付のエントリでも少し触れましたが、私にとって浮かんでは消える"ミニバン購入計画"。
振り返るとこれまでの車歴はほどんどを4ドアセダンが占めていますが、元々はミニバンやステーションワゴンにとても興味を持っていました。それも今のように一般的な選択肢に数えられる遥か以前、まだ私が運転免許を持っていなかった中学生や高校生のころから好きなボディタイプだったのです。

もちろん当時は、特に国産車にはこれらカテゴリーで純粋に個人オーナー向けのキャラクターを持つモデルは少なめでした。ましてや上級モデルとなると、ステーションワゴンではクラウンやセドリック。ミニバンという言葉は当時まだ一般的で無く、国産ではハイエースやキャラバンの豪華装備仕様が上級に位置づけられていました。
しかしご想像の通り、これらはあくまでも商用バンがメインで、それに豪華な装備を加えて仕立て上げたもの。根本の部分では純粋な個人オーナー向けとは言い難い面があったのです。

ミニバンで言えば1990年に登場した初代の「トヨタ・エスティマ」は革命的な存在でした。
アンダーフロアに直列4気筒エンジンを傾斜させて配置、モノフォルムの3ナンバー専用ボディは全くほかに似たものがありませんでした。若干フロア面の高さが気になりましたが、広々とした室内には虚飾がなく、純粋に乗用車として生まれた上級モデルであることを実感させてくれたものです。
走らせると床下からのノイズは大きめでしたが、低重心による安定性や見た目から想像される以上に優れたコーナーリング性能が素晴らしい出来ばえ。善くも悪くも特徴的なエンジンレイアウトに尽きるという面はありましたが、この独創的なモノフォルム・ミニバンは真剣に欲しいと思わせた一台でした。

ところがこれまで、仕事で取材車両やレンタカーなどでミニバンやステーションワゴンに触れる機会は多々あれど、未だに自らの愛車として購入するには至っていません。特にサラリーマンを辞めてからは"仕事の道具"として利便性が高いことは重々承知していますが、最終的に購入という決断が出来ずに来ています。
その最大の理由は車高による実用性の低下。もっと言えばタワーパーキングを使えなくなることに対しての懸念にあります。

とは言うものの、やはり取材機材を積んで移動することはもとより、頻繁に車が移動事務所になり車内でパソコン作業をしたり、長距離移動では車内で仮眠をする機会も多い身としては、「ミニバンやステーションワゴンだったら・・・」と思う場面も数知れず。
先日の出張では荷物積載スペースの関係であきらめた4人乗車も、ミニバンなら何の苦もなくクリア出来たことでしょう。

そんな私が気に入っているミニバンのひとつが、写真の「ルノーグランセニック」。
ルノーと言えばエスパスに代表されるヨーロッパにおけるミニバンの先駆者的なメーカーですが、このグランセニックは日本流に言うと3ナンバーサイズのLクラスボディを有する7人乗りのミニバン。

搭載されるエンジンは4気筒の排気量1,998cc、4速オートマチックを介して前輪を駆動するという、スペック的にはごく平凡な内容です。車両重量は1,610kgですから、試乗した時の印象としても大人フル乗車での高速道路巡航やワインディングは少々辛いものがありました。
装備群も電動パノラミックグラスルーフやセンターレイアウトのデジタルメーターなどは備えていますが、日本車のように"至れり尽くせり"とか"痒い所に手が届く"という感じではありません。

ただ、押しつけがましさが無い点に私は好印象を抱いています。
日本車の高級ミニバンでは善くも悪くも作り手によって懇切丁寧なユーザーシミュレーションがなされているように思えます。こうして生まれた装備は確かに便利ですが、画一的な使い方を強いる面があるような気もするのです。
しかしこのグランセニックの場合、空間全体の使い方や小物入れひとつひとつの使い方にしても、ユーザーにある程度の"フレキシブルな余地"を残している雰囲気があります。例えばポケットひとつ取ってみても、国産車なら「ここには財布、ここは携帯電話」というように予め置き場が決められているような感じですが、欧州車ではいくつかあるポケットからユーザーが自由に「ここには財布を置こう、携帯電話はこっちに置こう」と決められるのです。

この辺は国民性の違いといいましょうか、高級な日本旅館と欧州系リゾートホテルのサービスの違いでも感じられる部分ではないでしょうか。
部屋に設えられた収納、例えば机の上には凝った細工の小物入れが用意されていて腕時計や女性の装飾品をきちんと収納できるようにされている日本旅館。対して洒落たバスケットが用意されていて、ここに身の回り品を入れるも良し、近所を散歩する時に持って出ても良しのリゾートホテル。

どちらも"おもてなし"をしっかり提供してくれている結果なのですが、なんとなく日本旅館的なミニバンに触れる機会が多いだけに、リゾートホテル風のミニバンを所有してみたくもなったりするものなのです。
 
Posted at 2010/03/23 21:53:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記
2010年03月17日 イイね!

蘇った"亡霊"

蘇った"亡霊"迷走が続く日本の政界。
現政権も歴史的な政権交代による発足から半年が過ぎましたが、内閣支持率の急落がニュースを賑わせています。夏の参院選に向けて、"パフォーマンス"的な要素の強い「事業仕分け」を再び行うようですが、さすがにもう多くの国民が現状に危機感を抱き、かつ派手な人気取りの"パフォーマンス"に対しては冷静な視線を送ることになるではないかと思います。

さて、そんな迷走を続ける政権が、またまたおかしなことを考えているようです。

●首都高:事実上値上げ 年内にも距離別料金
毎日jp(毎日新聞)  2010年3月17日 2時34分

首都高速道路阪神高速道路に、距離別料金を導入することの検討を始める、というニュースです。

ご記憶の方も多いことでしょう、この距離別料金については2007年に首都高速道路が導入案を発表して論議を呼びました。当時、私のブログでも2007年10月10日付のエントリで触れましたが、結果的にこの案は利用者からの反対が強く、景気回復の足かせになるという判断もあって導入が見送られた経緯があります。

あれから2年半ほど過ぎて、再び"亡霊"のように蘇ってきた距離別料金。

続報では国土交通大臣が導入を検討していることは認めたものの、具体的な理由については明確にされていません。

この制度導入では私も過去のエントリで触れたように、例えば利用距離による均一料金という不公平さを是正することであったり、都心部への過剰な車の流入を防ぐロードプライシング的な要素など、効果的と認められる面も存在しています。
しかし、そもそも景気回復が急がれる中で得策ではないとされて見送られているだけに、景気回復は導入におけるひとつの大前提になるでしょう。

もちろん新規路線の開設や、既に開業から長い時間を経ている路線に対する維持補修に係る費用が必要であるという理由もあります。しかしながら民間企業体である道路会社なのですから、まずは自らの経営体質改善などを進めた上で、どうしても収支的に難しい局面に立って初めて利用者への追加負担を求めるのが筋だと思います。

なにより気になるのは政治の側がどのようなグランドデザインを描いて導入を検討しているのかが明確ではない点。
地球温暖化防止策の一貫として都市部での自動車利用を抑制する考えがあるのなら、一方で高速道路無料化を掲げていることは大いに矛盾をはらんでいます。
都市部の渋滞緩和策として位置づけるのであれば、少なくとも交通量の多い東名高速と東北自動車道などを首都高速を介さずに行き来できるルートが開通してから実行するのが、利用者側として当然求めるところではないかと思います。
料金の徴収はETCがメインになるでしょうが、そもそもETCを管理する団体や首都高速のファミリー企業など、まだまだクリアにしていかなければならない組織的な問題点も残されているのが実情です。

果たして国家として長期的な交通インフラ構築を考えた上での検討再開なのでしょうか。
多くの矛盾が見え始めている現政権の動きに対しては、夏に向けてよりシビアな市民の視線が注がれることになるでしょう。
 
Posted at 2010/03/18 21:52:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記
2010年03月11日 イイね!

時代の変遷

時代の変遷昨日、新規クライアントさんを訪ねて新しいプロジェクトのキックオフミーティングを行った帰り道のこと。

やや混雑気味の環状8号を南下、東名高速道路の東京インターを目指して走っておりました。
ふと赤信号に引っかかって停車した交差点で、写真の建物を久しぶりに間近でじっくりと眺める機会がありました。

「M2(エム・ツー)」。

バブル経済の勢いを駆って、マツダが展開した商品企画プロジェクト。広島の本社に対して流行の最前線となる東京に新しい会社を立ち上げ、新規商品企画やマーケティングなどを担っていました。

当時のマツダは販売網を5チャンネルに拡大、車種ラインナップも次々に新型モデルを投入する拡大路線の真っ最中。
その中からは世界的にライトウェイトオープンの市場を再開拓したユーノス・ロードスターなど、自動車史においてエポックメイキングとなる存在も誕生しています。

M2は、そんなラインナップの中から独自の感性で付加価値や商品力を高めたモデルを提案しました。
第1弾となったのは初代ユーノス・ロードスターをベースにした「M2 1001」。走りの性能を高めることに重点が置かれ、4点式ロールバーを標準装着。足回りはもちろん、エンジンにも手が加えられ、全国限定300台が販売された稀少価値の高い車でした。
当時、友人がこの車を購入したので運転させてもらった経験もありますが、軽やかに高回転まで吹け上がるエンジンと、オープンボディを感じさせない剛性感のある走りに感銘を受けたものです。

「1001」が大好評だったことを受け、およそ1年後に第2弾としてリリースされた「M2 1002」もやはり初代ユーノス・ロードスターがベース。ただし1001とはキャラクターを変え、今度は走りの性能はノーマルそのままに、エクステリア/インテリアの質感を高め、ジェントルな雰囲気を強調したモデルとなりました。
ダークブルーの専用外板色に、これまた専用のアイボリー色を採用した本革シート。インパネ表皮にもアイボリー塗装が施されるなどした「1002」は、どちらかというと車のインテリアを重視する私にとって気になる存在でした。

第3弾はそれまでの2台とは異なり、ユニークな軽自動車スポーツモデルのオートザムAZ-1がベースモデルに選ばれました。「M2 1015」という名称を与えられたモデルは、特徴的なガルウィングドアなどはそのままに、オリジナルのエアロパーツで武装していました。
当初は限定50台を発売、後に希望者のリクエストに応えて追加生産もあったと言われており、これも完売御礼となりました。

しかし、この「1015」がリリースされた1993年の時点で、日本はバブル経済崩壊の影響を受けつつあったのです。

1994年、再び初代ユーノス・ロードスターをベースとした「M2 1028」がデビュー。
この時点でベースとなるロードスターはマイナーチェンジを受け、排気量1,800ccのエンジン搭載モデルが登場していました。そこでこの1,800ccエンジン車をベースに、第一弾である「1001」のコンセプトを復活させて走りの性能を徹底的に磨き上げたのがこのモデル。
10点式アルミロールケージを採用、ベース車が従来型より重くなっていることに対してはFRPフルバケットシートの採用などで軽量化を促進。なんと軽量化のために折り畳み式のソフトトップを廃して、軽量デタッチャブルハードトップを標準化する徹底ぶりでした。

この「1028」は景気後退の波を受けて、280万円と「1001」などよりもかなり安価な値札がつけられ、300台限定でリリースされました。
さらにM2では第5弾、第6弾と新規モデルの計画を温めていたのですが、販売実績に見合わない多チャンネル化などが影響してマツダの経営が急速に悪化。
このため、M2も1995年に短い歴史の幕を閉じてしまったのです。

さて、写真の建物ですがM2の本社ビルであり、特徴的なデザインが当時も大いに話題を呼びました。この建物の中には本社機能のほかにショールーム、ディーラー店舗、書店、レストラン、レンタカー店などが入居していました。
私も1993年に、当時勤めていた十勝スピードウェイでロードスターオーナーを対象とした大規模なミーティングイベント「ロードスター北海道ブランチ」を立ち上げるにあたり、協力依頼や打ち合わせのためにここを訪れた経験があります。

M2が解散して以降は、ディーラー店舗機能だけが細々と残っていましたが、2002年に株式会社メモリードが建物を買収。
以降、内装をリニューアルして斎場として使われ、現在に至っています。

実はこのビル、現在でも外壁に「M2」の文字が残されています。
建物の存在感などから1990年代前半の激動の日本経済を省みることが出来ますが、善くも悪くも日本に"勢い"のある時代だったことに間違いはありません。
真の意味で世界的なブランドと肩を並べる性能や商品力を日本車が持てたのも、独創的な先端技術が普及したのも、こうした時代背景があればこそだったのですから。
 
Posted at 2010/03/13 19:38:07 | コメント(1) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記
2010年03月08日 イイね!

走る広告塔

走る広告塔去る2月2日に国土交通省は高速道路無料化社会実験計画の案を発表しました。
その内容については既に何度も報道されていますが、全国の高速道路網において事実上の"枝葉部分"のみを無料化するという、効果については非常に限定的にならざるを得ない内容となっています。
また同時に現行の割引制度は廃止され、新たな仕組みに移行するとのこと。この中で注目すべきはETCを装着した乗用車・軽自動車に限定されている上限金額制度が、新たに決済方法を問わず、かつ大型車にも適用となる点でしょう。

これらは物流コストの引き下げ効果が謳われていますが、果たしてそんなに単純なものなのでしょうか。
個人的な予想としては、運輸業界に対しては道路通行料金分の運賃値引き圧力が荷主からかかっても不思議ではないと思います。その上、消費者からも同様の意見が声高に叫ばれるようになると、運輸業界も無視し続ける訳にはいかなくなるでしょう。
その場合、次に業界内で元請けから下請けに対する値引き要請がなされる可能性もあり、傭車の運行をしている事業者には厳しい状況が待ち受けている可能性もあるわけです。
このような面については政府も官公庁も考慮しているとは思えません。業界の現実を差し置いての制度改革は、決して理想通りの結果を招くとは限らないのです。

ところでトラック業界のみならず、バス業界も厳しい経営環境が続いています。
こうした社会インフラ的な業種は、健全な労使関係や契約関係を構築できる環境を整えた上で、適正な競争原理を働かせる事が求められますが、何故か特定のところに労務面や財務面での皺寄せが行ったり、変に行政側から業界の抱える根本的な問題解決をせずに口をはさむ事で競争原理が働かなくなったりしています。

経営的に厳しい状況が続いている業界ですが、ちょっと気になる行政側の取り組みがニュースになりました。

●伊賀観光をPR、デコトラそろい踏み
YOMIURI ONLINE (読売新聞)  2010年3月5日 6時49分

三重県伊賀市は"忍者の故郷"として知られる町。市内には「伊賀流忍者博物館」や「上野城」、さらに当地で生まれた松尾芭蕉の生家や「芭蕉翁記念館」などの観光スポットが存在しています。

これらをPRするラッピングを市内の運送会社のトラックに施したというのが今回ご紹介するニュース。
国からの交付金を受けて伊賀市上野商工会議所に委託して実施した事業とのことです。

当然、ラッピングをされたトラックは全国各地を走り回ります。行く先々、走る道のりで多くの人の目に触れますから、市の認知度向上効果は高いものが期待されるところです。さらに副次的な効果としては、こうしたラッピング車両はとても目立つ存在なので、運転手の意識向上につながり安全運転を一層励行するようになる効果もあるのではないでしょうか。

今回のような取り組みは、全国各地に波及する可能性もあると思います。
トラックやバスに地域色豊かなラッピングを施すことは、全国的なPR効果を期待できます。そしてこうしたラッピングを通じて地域活性効果と運輸事業者支援という二つのメリットが良い相乗効果を生むのではないでしょうか。

公営交通、特に路線バスでは広告ラッピングが今や当たり前になり貴重な収入源となっています。
その一方で遠隔地へと走るトラックや長距離バスに対して行政や観光協会が広告主となるのも、面白い取り組みであり今後の展開に注目していきたいと思います。
 
Posted at 2010/03/10 23:27:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記
2010年03月06日 イイね!

国際基準と日本固有の自動車

国際基準と日本固有の自動車いきなり霊柩車の写真が表示されて、驚かれたという方もいらっしゃるかと思います。もし不快な思いをされた方がいらっしゃいましたら、まずはお詫びいたします。

霊柩車については2008年2月20日付のエントリで、都市部の葬祭場などで"宮形霊柩車"の乗り入れを拒否する動きが加速しているという話題をご紹介しました。

一口に霊柩車と言ってもいくつかの種類があり、写真のように豪華な"お宮"を架装したもっとも一般的に想像されるであろうものを"宮型霊柩車"といいます。これには装飾や素材によって細かな分類があるほか、名古屋や金沢、関西など地域によって伝統的な特色ある車両も存在しています。
一方、近年になって増えているのが"洋型霊柩車"。華美な装飾はなく、一見すると大型のステーションワゴン風。ただしリアクォーターウィンドゥ部にガラス窓はなく、代わって"ランド棒"と呼ばれるS字もしくは直線的な金属の装飾バーが備えつけられています。
このほかにはマイクロバス型やバン型なども、地方を中心に使われています。

さて、近年は前述のように近所住民との関係から葬祭場への乗り入れが難しくなっている宮型霊柩車ですが、さらにここに来て法規的な問題も出てきました。

●国土交通省、乗用車外装基準―タクシーと霊柩車は適用を猶予
GAZOO.com

自動車が既に国際的な工業製品となっている中、各国で異なる法規を統一化しようという動きが加速しています。背景には1993年にEU(欧州連合)が発足したことなどがあるかと思いますが、輸出産業の中心である自動車業界にとっては主要市場の法規や安全基準が統一化されれば、仕向け地ごとの差異を無くすことが出来るのでコストダウンや省力化、ひいては省資源化などにもつながるのです。

日本も独自性の強い法規や安全基準が多々ありましたが、こうした国際化の波によって廃止されたり変更されたというものも多いです。例えば100km/hで鳴るスピードアラーム(速度警報装置)や、パーキングランプ(駐車灯)の装備義務が廃止されました。

こうした統一化はECE基準と言われる規格をベースとしており、最近は歩行者保護規制が車の開発において重要視されています。
例えばノーズ先端が低い車の場合、歩行者との衝突時に先端が自動的にポップアップするボンネットフードを装備して衝撃の緩和を図るような工夫がされるようになりました。

そしてもうひとつ、根本的な形状を見直すことで歩行者保護を図ろうということになったのです。具体的には「ECE R26 外部突起要件対応」という基準であり、日本の保安基準などもこれに対応することになりました。
2001年6月の時点で保安基準などの改正はされていたのですが、2009年1月1日以降の生産車に対しては適用がスタートしています。
自動車メーカーはこの改正にあわせて、アンテナやミラー、灯火類、カメラなど細部に渡って基準をクリアできる緩いRを持った突起にするよう改めています。また、往年の高級車では定番装備だった"ボンネットマスコット"のように、適合が難しいものについては廃止を進めています。

こうしたことを踏まえて最初にご紹介した霊柩車の記事に戻ります。
そう、宮型霊柩車は"お宮"の部分に多数の突起があるため、新しい保安基準をクリアできないのです。さらにタクシーの一部も屋根に装着している"行灯"と呼ばれる表示装置の形状によっては保安基準に適合しない事態が発生してしまうのです。

ところがこれらを変更するのは容易なことではありません。
特に霊柩車の場合は"お宮"は職人の手作りゆえに造り直すにも時間やコストが想像以上に必要となります。事実、多くの霊柩車では新車に入れ替える場合でも車台のみを入れ替えて"お宮"は載せ換え対応で何十年も使い続けているケースも珍しくありません。

そこで霊柩車とタクシーについては2016年度まで適用を猶予することとなったようです。

現実問題として、果たして霊柩車の事故率がどの程度なのかというデータは持ち合わせていませんが、余り事例として耳にしたことはありません。
とは言っても最終的には適合させることになるでしょうが、そうなると宮型霊柩車の運用を止めざるを得なくなる事業者も出てくるような気がします。個人的には霊柩車については文化的な側面も有していると思っていますので、何らかの基準緩和策などを講じても良いのではないかと思っていますが・・・。
 
Posted at 2010/03/08 13:53:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記

プロフィール

各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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