長野はガソリンが高い。
長野県に住んでいるのでもう特に気にしなくなりましたが、やっぱり隣県に行くと値段の違いが気になります。
そして上田あたりは値段が高いお店が多く、松本や諏訪あたりは安い店が多い。長野市付近もまあまあ安い。
じゃあなんで高い県内でも値段ちょっと違ってくるのか。という個人的まとめor考察です。
今回はJIS規格で決まっているレギュラーガソリンと、各社あまり差のない灯油系についての考察です。
理由①
広い県なのに油槽所が少ない
長野県で使用する石油類は、その約80%が鉄道によって運ばれてきます。

こんなのがほぼ毎日何往復か走る。冬場は臨時貨物も(下諏訪カーブ)
石油類は、海のある県の製油所から貨物列車で毎日県内のターミナル駅へ運ばれ、そこから油槽所に備蓄。そこからタンクローリーで、各地の小規模な備蓄タンクやガソリンスタンド、ホームセンター等へ配送されます。
そして、鉄道から荷降ろしできる油槽所が長野県には3個所しかありません。
2箇所は松本市の南松本駅付近。

空になったタンク貨車の入れ替え。機関車もハイブリッドの時代(南松本)
もう1箇所は坂城町の坂城駅付近です。

この撮影場所のすぐ後ろが駅(坂城)
過去には、長野市の長野駅や上田市の西上田駅、東御市の田中駅、辰野町の辰野駅、飯田市の元善光寺駅等にもありましたが、現在までに全て廃止されています。(長野駅は厳密にはダイヤが設定されていないだけ)
ということは、県内で使用する石油類の80%がこの2箇所に届けられ、そこからタンクローリーで陸路で輸送するわけです。
1人でタンクローリー1台の輸送となる距離が長ければその分コストがかかるわけで……特に長野県はどこに行くにも基本は峠越え。燃料代もかかりますし、道路規格のため有料道路を通らざるを得ない場合も……
ガソリンの高い地域はこれら油槽所から離れているからという理由が挙げられます。
理由②
海沿いの製油所からの距離の違い
鉄道輸送に関わってくるもう一つの理由が、両基地の製油所からの距離です。
南松本駅は三重県の四日市駅(5往復)と千葉県の千葉貨物駅(1往復)、川崎貨物駅(1往復)から石油が輸送されてきます。距離はそれぞれ約220km、約320km、約240km。
坂城駅は神奈川県の根岸駅から運ばれてきます。こちらは約300km。
県内に運ばれてくるルートは次のとおりです。

青が神奈川、千葉方面からの貨物。南の方のオレンジが四日市→南松本の貨物。
坂城駅までの県内ルートは、富士見から中央線で入り、塩尻、松本を抜けて篠ノ井へ。そこで南にスイッチバックして坂城駅まで至ります。
群馬県から軽井沢へ……は、碓氷峠区間が廃線になっているため不可能。山梨から佐久方面へは、途中で機関車の付け替えが必要な事、線路規格が低い事、小諸駅で線路がつながっていない事から不可能であり、スイッチバックが必要となります。
貨物列車は、JR貨物が線路を保有する鉄道会社に使用料を支払って運行されています(一部JR貨物自前の線路あり)。つまり、この距離の違いが鉄道での輸送コストに関わり、ガソリンの値段に関わってきます。
そして3箇所の油槽所、保有会社が異なります。
坂城駅の油槽所は、エネオス、エッソ、モービル、ゼネラルを展開するJXTGエネルギー。
南松本駅の油槽所は、1箇所が昭和シェル系列のジャパンオイルネットワーク。もう1箇所が日本オイルターミナル。
南松本の日本オイルターミナルは、国内の石油各社が出資した輸送会社です。
つまり他系列の油槽所に近くても、系列の油槽所が遠ければ輸送コストかかり安くならないと考えられます。
理由③
小売店の経営戦略
単純で真っ当な理由ですが、地味に値段に関わってきます。
国道沿いや高速道路のIC付近等のガソリンスタンドが多い地域や、灯油を販売するホームセンターが付近にあれば、戦略の一つとして値段を下げます。
そのため、ガソリンスタンドの多い国道やIC付近は値段が安くなる……はずです。
また、小売店のを展開する会社の経営戦略で、あえて値段を下げない戦略も考えられます。
例えば顧客の大幅増加によってガソリンが無くなること、サービスの悪化、待ち時間の増加を防ぐために、あるラインよりは下げない等。閑散地域での採算の問題、ブランドイメージの維持等も考えられます。
ということで自分なりの調査と考察に基づいてグダグダ書いてみました。
専門家ではないので、異論、意見等あればどうぞ。
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Posted at
2018/01/04 12:47:29