「日本百名道」(須藤英一著 新版)の番外編に出ている
「小豆島 寒霞渓(かんかけい)ブルーライン(香川県)」
近場にありながら、
フェリーという「アクセスの煩雑さ」から
「百名道走破」の対象としては、
永年見て見ぬふりをしてきた「名道のひとつ」だ。
1970年の開通当時は有料道路だったが、
1981年に無料開放されて、その名を「寒霞渓道路」と呼ぶようになったらしい。
岡山県、日生(ひなせ)港からフェリーに乗船。
乗船待ちの我が「ポルシェ マカン」
約1時間の船旅で、対岸の小豆島「大部港」に到着する。
ここから「小豆島スカイライン」経由で
「寒霞渓ブルーライン」を目指すのであるが、
道の駅「大阪城残石記念公園」に立ち寄る。
https://www.travel.co.jp/guide/article/14306/
ここは、その名の通り、
豊臣氏滅亡後、徳川家康によって再建される事となった大阪城の
築城の石材が積み出された場所のひとつで、
「残念石」と云われる積み出されることの無かった石が
何百年もたって今なお積み残ったまま置かれている・・。
遠き日、競って徳川家への忠誠心を表さんと、
莫大なお金や労力を提供した家臣大名たちの労苦を今に伝える場所だ。
有名な「ホテルオリビアン」のあたりから
「小豆島スカイライン」に取り付き、
高度を上げてゆく。
寒霞渓 山頂駐車場到着
山頂からの景観
山頂からの景色を堪能したら、対岸の「草壁港」へ下る道が
今回の走破目的道「寒霞渓ブルーライン」となる。
最も賑わうのがロープウェイから見下ろす渓谷の映しい紅葉シーズンだ。
https://www.youtube.com/watch?v=-Eb--2cGLcw
ロープウェイからの景観には及ばないが、
そのワインディングロードから見下ろすことが出来る
奇岩や瀬戸内海の景色を味わいながらの下りルートであった。
下山後、
小豆島の特産品醤油の手作りを守る蔵を見学して、
特別な醤油を何種類か求める。
昔ながらの樽仕込みの醤油蔵
醤油蔵の併設カフェで、
七輪で醤油を付け焼きしながら食べることのできる「焼き餅」や
「しょうゆプリン」のおやつタイムを楽しんだ。
「しょうゆプリン」や「しょうゆソフト」などは、
あたかも「キャラメル」のような味わいで美味である。
http://yama-roku.net/yamaroku/cafe.html
その後は、
オリーブ公園へ。
http://shodoshima.or.jp/?p=297
明治時代から国の農業政策のひとつとして
この地に苦労の末、根付かせた「オリーブ栽培」
今や、醤油と並び、ここ小豆島の特産品として
全国各地に付加価値の高い国産オリーブオイルとして出荷されている。
この日の宿泊は、
引き潮の時だけ渡れる「エンジェルロード」を見下ろす場所に建つホテル。
チャックイン時、ちょうどこの日の干潮時とあって、
対岸の小島まで「恋人たちの聖地(?) エンジェルロード」を散歩する。
翌朝の満潮時、その道は見事に海中に沈んでいた・・・。
この日は、
小豆島の観光テーマパークともいえる
「二十四の瞳映画村」や
「八日目の蝉」ロケ地に立ち寄る。
http://24hitomi.or.jp/
https://www.my-kagawa.jp/course/2694/
映画のセットが残り、
物語の背景となった「昭和」な街並みのおみやげ物屋が並び、
さながら「昭和」をテーマとするミニテーマパークのようであった。
校舎のセット(近くに本物の分教場もあり見学した)
「日本の棚田百選」に選定されている「中山千枚田」は
映画「八日目の蝉」の劇中にも登場した伝統行事「虫送り」でも有名
http://www.shodoshima.jp/shukuhaku/2012/06/2012_2.html
「中山農村歌舞伎舞台」
https://www.my-kagawa.jp/course/2694/
「内海湾」対岸から眺めた「寒霞渓」
途中、子供のころ親しんだような「街のパン屋さん」
「あずきベーカリー」で焼き立ての菓子パンを「買い食い」しつつ・・
http://www.takalivi.com/blog/deals/azuki/
ぐるりと島内を一周。
来た時と同じ「大部港」から岡山「日生港」ゆきのフェリーに乗船。
帰り着いた日生港では、
この時期が旬のB級グルメ「カキオコ」の名店「タマちゃん」で
大ぶりのカキがたっぷり入った「カキオコの丞(じょう=上の意)」を堪能。
http://giraffyk1.hatenablog.com/entry/kakioko-tama-chan
「カキオコ」のお土産のテークアウトもたのみ、
天気にも恵まれ、今回も楽しかったツーリングを振り返りながら、
山陽自動車道を東進して、自宅を目指した。
フェリーに乗らないと行けない上、近郊なので旅情に乏しい・・と、
永年敬遠していた「名道」だったが、
望外に楽しいツーリングとなった。
冬晴れの良い天気に恵まれたことや、
また、自分の生きてきた「昭和の時代」を
懐かしく振り返る場所が多かった事が、
この「小豆島の旅」を感慨深いものにしたのだと思う。