
POLO GTIの国内発表されてから、幾久しい時が経過していますが、なかなか現物にお目にかかる機会に恵まれませんでしたが、漸くこの週末に試乗する機会を得ることが出来ました!! 話によると発表から現在までに、うちが利用しているDでデリバリー出来たGTIは僅かに1台だそうで、その後は年内にデリバリー出来るかどうかも判らないほどの品薄状態だそうです。
なもんで、試乗車も各店舗で回り持ち状態だそうなのですが、そんな最中にわざわざお電話を頂、試乗にお誘いくださった担当営業さんには、何時もながらに感謝です!
で、今回試乗可能となったGTIは、わが愛車と同じ漆黒真珠効果色のPoloですが、GTI仕様に味付けされた車は、ちょっと別の車と言うような存在感があります。
フロントのハニカムグリルにGTIのバッチと赤いガーニッシュ仕上げが、先ずはGTIのイコンとして目を引きますが、そのフロントグリルの左右には、更にLEDのデーライトランプがその存在感を一層確かなもにしています。確かに、このデーライトランプを点灯した車が後から迫ってきたら、お前何者!?と言った威圧感が十分にありそうですね。
さらにボディーサイドに廻るとGolf GTIシリーズでもお馴染みのGTI専用デザインアルミホイールと真紅のブレーキキャリパーが何と言っても目を引く存在です。タイヤも17inchの215/40と、その性能に相応しいサイズが装着されていましたが、タイヤはVWとしては何とも珍しいDunlop製のものが装着されていました!
MM誌の欧州仕様車のレビュー記事では、今度のPoloのGTIはガチガチに固められた峠専用車のような印象をイメージを彷彿とさせるレポートになっていましたが、日本国内ではそれは少々不味いので、仕向け調整の一環として、Dunlop製が選択されたのかなと勘ぐりたくなってしまいます(笑)
先ずは静止状態の車の周りを一周し、GTI臭さを確認した後は、いよいよコックピットに乗り込みます。
GTIのシートは当然ながら座面、シートバックの左右は共に大きく張り出したバケット型で、わが家のComfortとは明らかに違います。Comfortでも国産のそれと比較すると、そこそこ固くしっかりとしたシートが装備さていますが、GTIでは更に身体をピッタリとホールドして左右への揺れを押さえ込んでくれます。このシートはV36スカイラインのものよりも、ホールド性と言う意味ではそれを凌駕している感じがします。
インテリア面での他の違いとしては、GTIデザインと革巻きステアリングホイールとシフトノブ、ステアリング左右に付くパドルシフトノブやピアノ調仕上げ(Cmfortではつや消し黒)のコンソール周りなどが目を引きます。
さて、いよいよエンジンを始動してGTIをスタート!
太めの皮巻きステアリングは、重めのセッティングでズッシリとした好い感じです。
Polo GTI 結論から言ってしまうと「速い」、「硬い」、「うるさい」です!!
スタートして先ず感じるのは、出足のトルク感がぜんぜん違います。
強烈に引っ張ると言う感じではありませんが、軽量ボディー + 2winチャージエンジンらしくスルスルと何時の間にやらグングン加速していると言う感じで、これなら、V36の300psクラスのNAの加速感と比べても遜色なく、V36を運転している時と同じようなフィーリングを味わうことができました。
いまV36を乗っている方が、そのまま乗り換えても、ほとんど違和感を感じないで運転できるのではないかと思うほどにパワフルですよ!
試乗後に、自分の車に乗り換えた時には、あまりの加速の遅さに軽い目眩がするほどに違いを感じてしまいました。慣れと言うのは恐ろしいもので、普段は全然気にならないことでも、今回のようなパワフルな車に試乗すると、身体がその加速感を求めているのか、それと同じような加速感を求めて、ついついアクセル開度が大きくなっており、帰りの燃費は最低でした(笑)
1点気になるポイントとしては、停止状態からの出だしのところで、トルクが太いせいか何度試してもドカンとクラッチが繋がる感じとなり、スムーズな出だしを行うことが出来ませんでした。これはストップ&ゴーの多い市街地では、かなり疲れる癖なので早期の改善を望みたいところです。
次にステアリング性能ですが、こちらもかなりクイックな仕上がりとなっており、車線変更やタイトコーナーでの回頭性は抜群です。これなら峠で振り回すのも非常に楽しいでしょうね~!
パドルシフトは、まさにこの車のためにあるといっても過言ではなく、7速DSGとの組み合わせは最高です。変速速度が0.03秒と言われるDSGのシフトチェンジは、まさにマニュアル以上のスピードです。エアバッグが開くのが約0.3秒、人の瞬きもまた0.3秒と言われていますので、DSGの変速速度がいかに速いかが分りますね。トルコンATのパドルシフトとは訳が違いますぞ!!
何もかもがしっかりと固められており、運転フィーリングは素のPoloとは別の車と言った印象です。
MM誌などの欧州レポートでは、相当にガチガチで街中での日常運転はかなり辛いと言う記事がありましたが、今回試乗した限りでは、日本向けはかなり緩和されているのかなと、最初に乗り始めたときには思いましたが、試乗を終えて戻ってきたときには、やっぱすあらゆる箇所が、かなり硬いわな~と言うのが正直な印象です。
若い方や、スポーツカーに乗り慣れていて、かなり固めの味付けも気にならない方なら、OKだと思いますが、私のようなオヤジの日常利用には少々きつい硬さですね~!
もし、自分が箱根にでも別荘を持っていて、そこに常時置いて置くには絶好の車かと思いますが、箱根を走った後、それなりの距離を走って帰ってくるには少々疲れそうな車のような気がします。
また、排気音なども、かなり意図的にスポーティーな音が響くように仕上げられているようで、室内はそれ相応にパワフルで賑やかしい音が響きます!
で、これが結構低速時でも同じようなサウンドになっている為、ともすると街乗りでは少々うるさく感じるかもしれません。音的にもその気になって走る仕様となっていることからも、この車の性格が分るというものですね。
全体的には、あらゆる意味で思ったほどではないにしろ、相当に締め上げらていて、そこかしこに硬さの目立つ車ですが、ホットハッチの名前に相応しい出来栄えで、まさにコンパクトクラスのスポーツカーと言った印象です。スポーツカーが大好きで、スポーツカーに乗る体力に自信がある方には、お奨めできる一品かと思います。
ただ、家族を乗せての日常の足として使うには、あまりお奨めではないと思うので、贅沢な遊び用のサブとして検討された方がよいと思います。
もし、どうしても1台で全てを賄いたいと思うなら、やはりGolfのGTIの方がオールマイディーかなと思います。
と言うことで、ユーザー層はGolf GTIよりも更に限られたものになるでしょうが、このサイズとパワー、足回りの俊敏性が気に入ったのならば、楽しい相棒になることでしょうね。
私が同じ値段を出すのなら、GolfのHight Lineを選択するのは、多分間違いないと言うのが今のところの結論です!
乗ってみると大変面白い車ですので、是非、一度試乗してみてください!
みんさんの試乗レポも楽しみにしています。
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