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2013年03月27日

【カーデザイン】KIAとペーター・シュライヤー

【カーデザイン】KIAとペーター・シュライヤー 帰国しました。


ここまで韓国で撮影したいろんなKIA(=起亜、キア)の最近の車種のエクステリアデザインの紹介をしてきたが、紹介ブログエントリの本文やコメント欄にも記述してきたように、キアのカーデザインは2006年9月に、元Audi、VWグループのデザインディレクター、ペーター・シュライヤーがCDO(=Chief Design Officer、最高デザイン責任者)に就任してから、劇的にクオリティアップした、とのこと。


ペーター・シュライヤーがAudi、VW時代にデザインを担当したのは初代TTクーペ、Audi A2、ゴルフIV、ニュービートル(1998)などである。
Audi、VWのデザインの歴史の中で、私のツボにダイレクトなのはこの世代(Audi A4で言うところのB5型の世代)。
ドイツのロジカルさ、テクノなテイストと、ドイツならではのポップさが同居した世代で今見ても新鮮でモダン群。

なるほど、KIAのカーデザインが私のツボに痛烈にハマるのはペーター・シュライヤーがデザイン総指揮を採っているからなのだなあ・・・とつくづく納得。


【Audi、VW時代】

●Audi TTクーペ(初代)

Audi TT Coupe

実家の初代TTクーペ
レトロかつセンセーショナルなデザインで、スゴく好きなデザイン。

●Audi A2



Audi A2についての私の2008.04.12のブログエントリ)で、一度きり日本で生で見たA2について熱く語っている。
オールアルミボディで失敗したクルマだケド、ものスゴく好きなデザイン。
古今東西のコンパクトハッチというジャンルの中で、このA2以上に私が好きなデザインは存在しない。


●VW Golf IV



会社の同僚が以前乗っていたVW Golf IV GLi (GH-1JAZJ)
私の2008.04.16のブログエントリでも語っているように、歴代のゴルフで一番心惹かれたのはゴルフIVのデザインで、一時期、真剣に購入を考えた。(←予算的に買えなかったケド)




【KIA時代】

●タイガーノーズグリル



ペーター・シュライヤーがKIAのCDO就任後、KIA車に個性と統一感をもたせるためにコーポレート・グリルとして導入したのがこの「タイガーノーズグリル」。

・・・「虎」のイメージは個人的には韓国よりも中国だが、ググってみたところ、韓国にもかつては「韓国トラ」という虎が生息していたらしい。もっとも今は絶滅したと言われているため、やっぱり韓国なイメージはもてないのだが・・・。

「ファミリーフェイス」については、本ブログで過去にも何回か書いたが、「ファミリーフェイス」としてのコーポレートグリルとしては、Audi、VWが一時期採用していた「シングルフレームグリル」(※ペーター・シュライヤーより後の世代)などが有名だが、日本メーカも同等の試みは歴史的にいくつか存在する・・・・・が、だいたい不発に終わっている。

つい最近だと、レクサスが「スピンドルグリル」を採用している。シングルフレームの二番煎じとしてのブーイングも良く聞くが、「スピンドルグリル」は受け入れられ、定着するのだろうか?

三菱自動車が2001年にオリビエ・ブーレイをデザイン部門のトップに任命した際に、ブーレイもグリル周辺によるファミリーフェイスの統一を図り、「ブーレイ顔」と呼ばれるグリルをデザインしたが、不評に終わり、長続きしなかった(私もブーレイ顔はカッコ悪いと思う)。

スバルもアンドレアス・ザパティナスを2002年にアドバンスドデザイン担当チーフデザイナーとし、「ザパ顔」と呼ばれる「スプレッドウインググリル」をファミリーフェイスとして採用したが、長続きしなかった。(※スバルによると「スプレッドウインググリル」はザパティナス入社以前からデザインしていたものだとのことだが、実際のところは不明)
スバルは、世間の評判や株主の意見で、コロコロと安易に顔を変えすぎる傾向があり、このもっとも残念な例がGD・GG系インプレッサだと思う。マイチェン毎に顔がガラリと変わり、全体フォルムとの調和を考えたとは全く思えないモノとなっており、またポリシーのなさを露呈しているあたりもカッコ悪い。

そんな中でホンダは日本メーカーとしては唯一、1980年台からファミリーフェイスを重要視・徹底してきたメーカーだと思う。今でこそ、メーカーエンブレムが当たり前になっているが、車種個別にエンブレムデザインをすることが日本車では当たり前で、そんな中、当時はホンダとスバルだけはメーカーエンブレムをどの車種にも与えていたことからも、ホンダがファミリーフェイス及びグローバリズムを重要視してきたことがわかる。
1980年台から1990年台初頭は「グリルレス」という形でファミリーフェイスを形成していたホンダだが、最近はメッキの超合金っぽいコーポレートグリルでファミリーフェイスを形成している。
ホンダはスバルと違って、ころころと顔を変えないので、これは好ましいが、今のホンダのグリルがカッコイイかと問われると、私は正直カッコ良くないと思う。

日本メーカでは失敗し続けた「コーポレートグリル」をKIAでは徹底・成功させているように思え、羨ましい思い、悔しい思いをしている。


●KIA Soul(2008)



先日紹介した「ソウル」
シュライヤーのキアでの最初期の仕事ながら完成形。
キア車のコンパクトハッチ系の中では一番好きなデザイン。


●KIA Forte(2010)



KIAのCDOに就任して、初期の仕事が先日紹介したこの初代TD型フォルテ
まだKIAのデザインを完成できておらず、どこのクルマかわからないデザイン(ホンダっぽい)が、好きなデザインだ。


●KIA Sportage(2010)



コレも韓国で良く見かける、ややコンパクトでモダンなSUV。
テールのデザインがいかにもAudiで(※アキュラMDXにも通ずるが、アキュラMDXのテールもAudiの後追いだと考えている)、ペーター・シュライヤーの仕事は他車種も含め、「テールのディテールはAudiとカブっても気にしない」スタンスのようだ。
SUVには興味がないが、良くまとまったモダンなデザイン。


●KIA K7(=グローバル名Cadenza)(2011)



先日紹介したK7は特にAudi色が強い(やはり特にテールが)。
K7もかなりの数が走っており、売れている模様。


●KIA K5(=グローバル名Optima)(2011)



先日紹介したK5
何故シボレーっぽい顔にしたのかは疑問だが、このクルマはカッコ良いし、実際にかなり売れているようでたくさん走っている。


●KIA Morning(2011)



先日紹介した「モーニング(変な名前)」。
他車種と較べるとイマイチ個性に欠けるが、このクラスの「プレミアムではないコンパクトハッチ」は基本的にどのメーカも、デザイン・乗り味ともに没個性化の傾向にあるので、その中では頑張っている方なのか?
(※「プレミアムなコンパクトハッチ」はBMWミニ、Audi A1、シトロエンDS3、Alfa MiTo、FIAT 500?など。個性派揃い。上述のシュライヤーのAudi A2こそが個人的には一番ツボ)




【CDOに力を与えるということについて】

KIAはペーター・シュライヤーをCDO(=Chief Design Officer、最高デザイン責任者)に迎え、大きな権限を与え、デザイン的に成功した。
KIAのデザイン的成功がヒュンダイに大きな影響・刺激を与え、ここ最近、ヒュンダイのデザインが急激に意欲的になっているという(ヒュンダイのデザインは私のツボには全く入らないのだが・・・。追って、最近のヒュンダイ車も本ブログにて紹介する)。

上述の「ファミリーフェイス」の項にて三菱自動車のオリビエ・ブーレイや、スバルのアンドレアス・ザパティナスなど、日本の自動車メーカーが海外の著名デザイナーをデザイン部門のトップに任命した例を挙げたが、どちらもあまり成功しなかった。
個人的にはザパティナス在籍時のスバルのR1、B9トライベッカあたりはかなり好きなデザインで(※ザパティナスがどこまで関与しているかは諸説あるが)、スバルにはこの路線をもうちょっと我慢して貫いて欲しかった。

どうも、日本のメーカは

・そもそも「デザイン最高責任者」に十分な権限を与えていない

・大規模な変革には最初のウチはかなりアンチ評価がつきまとうものだが、そこを辛抱してしばらくコンセプトを貫く我慢ができない
(株主などの意見に左右?あるいは上層部がチキン?)

・メカのサイズ・配置など様々な制約の中でデザインするのがカーデザイナーの仕事だが、日本のメーカはコンセプトカーのデザインから、市販されるまでの過程で、どうもメカ的な制約と無関係にとてもダサくなる傾向がある。これはクルマだけでなく家電なども。上層部の意見なのか、販売店などからの意見なのか?

・・・などの傾向が強いように思える。


BMWにおけるクリス・バングルなんて、それまでのBMWデザインからあまりに一変した変態的なデザイン改革を行い、正直私も当初は強いアレルギーを抱いたが、徐々に好きになり、同様に世間にも受け入れられた。
「バングル・ブット」なんて、世界のいろんなメーカにパクられたし。


一人のチーフ・デザイナーに大きな権限を与えて長期間、各モデルのデザインを任せるという行為は、失敗したときに取り返しのつかない非常にリスキーな行為なので、日本の自動車メーカのスタンスを否定することは難しいのだが・・・
一人のチーフ・デザイナーに権限を与えず、複数デザイナーや役員の意見の折衷案とした場合、どうしても凡庸で中庸で無難なデザインとなってしまう。


F1におけるデザイン・ディレクターの仕事は量産車とはまた異なるが、デザイン・ディレクターに圧倒的な権限と才能をもつエイドリアン・ニューウェイを擁すレッドブルが近年、マシンの性能では一人勝ち状態だ。
かつては、ゴードン・マーレイ、ロリー・バーン、ジョン・バーナードなど、デザイナーの名前が前面に出るF1だったが、現在はニューウェイだけが強烈な存在感を放っており、他チームのデザイン・ディレクターの名前はあまり前に出ない。マクラーレンなどはチームでのマシン・デザインを行なうスタンスであることを公言している。


一人のCDOに大きな権限を与えて長期間任せるのはハイリスク・ハイリターンだが、日本車のデザインが全般にKIAに負けているように思える現状、ブレイクスルーの手段は果たして・・・?(※外人デザイナーを使えば良いというワケでは決してない)



●韓国車・モータリゼーション 関連目次はこちら
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Posted at 2013/03/27 23:26:15

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この記事へのコメント

2013/04/01 11:00:19
こんにちはm(_ _)m

遅れ馳せながら(^^;;今回の総評を拝見為せて頂いてますm(_ _)m

いろんな大人な理由が有るのでしょうがf^_^;)
ヨーロッパ各メーカーの主力デザイナーが手掛けて居るのでは^ ^悔しいけど納得です^ ^
以前もコメント為せて頂きましたがf^_^;)
私的にマツダ以外の我が国各メーカーが負けてしまっているのも仕方ないデスね(−_−;)
エンブレムに関するアイコン(アイデンティティ)
が中々日本のメーカーに定着及び良いデザインにならないのはf^_^;)仰る通りこの辺に原因があると想いますm(_ _)m
コメントへの返答
2013/04/01 15:36:36
近年のマツダはメーカ内でのデザインポリシーがハッキリしてるし、ブレがないので良いですよね。
アクが強いデザインでも力技で押し通している印象です。で、実際に支持されてる。

帰国してから日本車のデザインにガッカリしてるんですが、マツダには確かに希望がもてますね。
2013/07/31 00:52:07
また失礼します。
勉強になります。初代TTのデザイン斬新でしたよね
2代目出た今でも古さ感じないです。良いデザインの証なんでしょうね

ちなみにうちのゴルフ4GTIは 1.8Tエンジンなど中身は この時代のアウディのもの多数使ってますね
自分は古き時代の乗り味残したG4でよかったと思ってます。
G6,G7はちょっと違うかなって思います。


コメントへの返答
2013/07/31 07:40:53
初代TTのデザインは斬新かつ、シンプルゆえに普遍的だと思いますね。
今見ても本当にカッコイイです。

足回りだけでなく、今の2.0直噴ターボと当時の1.8Tとでかなりフィーリングが異なりますね。
ギア比、ファイナルギアの設定なんかもあるんだと思いますが、1.8Tの方がトルク「感」の演出が強いです。

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