本日(2017.10.26)の鈴鹿フルコース「CCMC走行会」が鈴鹿サーキット(西コース)の被災(200R付近の土砂災害?)のため中止となった。
ものスゴく残念だケド、鈴鹿サーキットの一日も早い復興をお祈りします。
代わりに
10/31(火)に鈴鹿南を走る予定。
その後、1ヶ月強の期間をおいて
12/5に鈴鹿フル。
・・・で、昨夜は一旦帰宅して晩ごはんを食べてから、ビートの適合作業。
(昨夜はデータ整理、ブログ素材作りをして、整備手帳書きかけでAM3ぐらいに寝落ちしたので、本日仕上げを・・・)
■高回転域の燃調の適合
まずは
A/Fが11台(11.5とか)などオーバーリッチとなっていた9000rpm台の適合作業。
ログは同一日の燃料噴射量の変更前後のログ。
TS168: 変更前
TS171: 9000rpm台をリーン方向に変更
図のように、
A/F値は狙い値の12.0近傍まで持ち上がった(何故かマッピングを変更した9000rpm台だけでなく7000rpm台、8000rpm台もややリーン方向に)のだが・・・
車速変化などを比較するとパフォーマンスが改善されたようには見えない。
(誤差範囲だがむしろ悪化したようにすら見える)
あまり高回転域をリーン方向には振りたくないが、今度、出力空燃比12.5狙いでもう少し詰めてみたものとも比較しよう。
パフォーマンスが同じならリッチな方が燃料冷却もできて安全側だケド、あまりリッチ方向に振ると、シフトアップ後の再加速時のレスポンスが悪くなりそう?
(減速カット遅れ時間での燃料噴射もあるから影響ナシと捉えるか、ダブルで影響すると捉えるか?)
■パワーバンド、適正なシフトアップ回転数の調査
次にパワーバンドの調査。
「何rpmでシフトアップするか?」の調査。
・7800rpmでシフトアップ
・8200rpmでシフトアップ
・8500rpmでシフトアップ
・8800rpmでシフトアップ
・9200rpmでシフトアップ
・9500rpmでシフトアップ
の6種類のシフトアップ操作で2→3→4→5速のシフトアップ操作を伴うWOTデータを集録した。
■7800rpmでのシフトアップ、8200rpmでのシフトアップの比較
まず
エメラルド系: 7800rpmでのシフトアップ
緑系: 8200rpmでのシフトアップ
の比較。
7800rpmは
・3→4速のシフトアップ操作
・4→5速のシフトアップ操作
がドン臭い(時間がかかっている)ので、4速域も5速域も、車速ログは若干左寄せすべきだが、それを考慮に入れても、7800rpmでのシフトアップよりも8200rpmでのシフトアップの方がパフォーマンスが良さそう。
7800rpmでシフトアップすると、エンジン回転数が6000rpm未満まで下がり、これが完全にパワーバンドから外れるため、シフトアップ後の再加速がNG。
■8200rpmでのシフトアップ、8500rpmでのシフトアップの比較
次に
緑系: 8200rpmでのシフトアップ
紫系: 8500rpmでのシフトアップ
の比較。
ここでは
8500rpmでの
・3→4速のシフトアップ操作
・4→5速のシフトアップ操作
がドン臭い(時間がかかっている)
(裏を返すと
8200rpmのシフトアップがたまたまイケてたのか・・・)
シフトアップのドン臭さ分、8500rpmの車速線を左にズラせば、パフォーマンスは8200rpmシフトアップとほぼイーブンだと思うが・・・
何故か8200rpmシフトの方は4速 7796rpm~8200rpm付近、5速 7800~8150rpm付近の加速が良いように見える。
ただし、この回転数域は、シフトチェンジ操作に限らず、両データで条件は同一のハズなので誤差範囲なのだろう。
■8200rpmでのシフトアップ、8800rpmでのシフトアップの比較
誤差範囲とは言え、
8200rpmでのシフトアップの方が
8500rpmでのシフトアップよりも若干パフォーマンスが良く見えたので、次は
緑系: 8200rpmでのシフトアップ
オレンジ系: 8800rpmでのシフトアップ
の比較。
ここではやっぱり
8800rpmの
・4→5速のシフトアップ操作
がドン臭い(時間がかかっている)ので、やっぱり、各回転数でのシフトアップがドン臭いというよりは
8200rpmでのシフトアップ操作が私のスキルにしてはかなり良かったらしい。
8200rpmシフトアップと、8800rpmシフトアップの違いは明白で、
8200rpmシフトアップ: 5速へのシフトアップ直後の再加速がもたつく
8800rpmシフトアップ: 5速へのシフトアップ直後の再加速でもたついていない
ので、
ドン臭いシフトアップ操作にも関わらず8800rpmでのシフトアップの方が5速で領域で良い結果となっている。
8200rpmでの5速へのシフトアップは6100~6300rpm付近までエンジン回転数が下がるのだが、この領域はパワーバンドから外れていると見なせる。
■8800rpmでのシフトアップ、9200rpmでのシフトアップの比較
8200rpmでのシフトアップよりも
8800rpmでのシフトアップの方が明確に良いパフォーマンスが確認されたので、次は
8800rpmを基準にデータ比較をする。
これは
オレンジ系: 8800rpmでのシフトアップ
青系: 9200rpmでのシフトアップ
の比較。
今度は
9200rpmでの
・3→4速のシフトアップ操作
・4→5速のシフトアップ操作
がドン臭い。
4速 7500rpm~8200rpm 付近で何故か
8800rpmシフトアップのログの方が若干良いパフォーマンスを示しているが、ここも2つのログで条件は一緒なので誤差範囲とみなす。
5速領域は
8800rpmシフトのログが優れて見えるが、
9200rpmシフトのもたつきによるディレイ分を左に寄せると、車速カーブはほぼ一致する。
5速へのシフトアップ直後の加速のもたつきは
8800rpmでのシフトアップでも
9200rpmでのシフトアップでも確認されるが、どちらかというと
8800rpmでのシフトアップの方がもたついているように見える。
8800rpmシフトアップだと、エンジン回転数が6500rpm付近まで落ち込むからか?
(ノーマルエンジンでは制御に関わらず、体感できるほど明確に6800rpmからがパワーバンドだったが、このエンジンでは果たして?)
■8800rpmでのシフトアップ、9500rpmでのシフトアップの比較
上述の
8800rpmシフトアップ、
9200rpmシフトアップが誤差範囲に見えるため、次の比較も
8800rpmシフトアップを基準として比較をしてみる。
これは
オレンジ系: 8800rpmでのシフトアップ
紫系: 9500rpmでのシフトアップ
の比較。
今度は
9500rpmでの
・3→4速のシフトアップ操作
・4→5速のシフトアップ操作
がドン臭い。
※車速が高いからなのか、エンジン回転数が高いと・・・なのか?シフトアップ回転数が高くなればなるほど、シフトアップ操作がもたつく傾向にある。
エンジンのパフォーマンスだけでなく、こういった運転操作も含めて、ラップタイムには影響するので、
「シフトアップ回転数の高回転数化に伴うドライバビリティの低下」
として、シフト操作のもたつきも評価対象とした方が良いのかもしれない。
8800rpmシフトアップと9500rpmシフトアップの差は明白で、例によって、
8800rpmシフトアップ: 5速へのシフトアップ直後の再加速がもたつく
9500rpmシフトアップ: 5速へのシフトアップ直後の再加速でもたつきが少ない
という結果となった。
これも
8800rpmでのシフトアップではエンジン回転数が6500rpm付近まで低下してパワーバンドを外すため、と考える。
8800rpmでのシフトアップは
8200rpmでのシフトアップと比較では
「(
8200rpmシフトと違って)
5速でのシフトアップでもたつかない」
と評価していたのだが、
9200rpmや
9500rpmでのシフトアップと比較するともたつきが目立ってくる。
(※登坂区間などより高負荷条件だともっと明確な差を確認できるかもしれないが・・・)
ここまでの評価を総合すると、
・エンジン回転数が6500rpmぐらいまで下がるとパワーバンドを外す(たぶんノーマルエンジン同様、6800rpmぐらいから上がイケてる)
・なのでシフトアップは9200rpm~9500rpmあたりがベター
・そうは言っても、誤差範囲で片付けられるぐらい、案外フラットトルク
という結果・・・なのかな?
■全ログ重ね書き
全てのログを重ねてみるとこんな感じ。
5速でのパフォーマンス差が目立つが、シフトアップ操作のもたつきも評価対象として比較すると使えそうなのはやっぱり
8800、9200、9500rpmでのシフトアップかな。
2017.09.24の烈@鈴鹿フルコースのときと同様に
9200rpmでのシフトアップを基本として・・・
・・・でも10000rpmまで使えるエンジンなので、
「あとちょっとで次のコーナーだからできればシフトアップしたくない」
場合は9500rpmオーバーまで引っ張る・・・
かな。
■選択ギアとA/Fの関係
シフトアップ直後に加速が鈍るのは、
「シフトアップ後にエンジン回転数降下によってパワーバンドを外す」ことが原因ではなく、
「シフトアップ直後にスロットルを戻した状態からドンとアクセルを踏むことによる、非同期噴射や、加速補正の影響で一時的にA/Fがオーバーリッチになっているから」かも?
・・・とも考えたケド、
ログを見る限り、後者は問題になっていない模様。
(以前はもっとたくさん燃料噴いていたので結構A/Fリッチになりがちだったケド、少しずつ補正してきた結果)
「車速補正」(同じスロットル開度、回転数、燃料噴射量でも、選択ギアによってA/Fが変わるのを補正する機能)は、ノーマルエンジンのときにチョロっと設定した状態からノータッチだったので、手を加えないといけない・・・
・・・と思っていたケド、ログを見ると想定外だケド、今のままで大丈夫そう。
●ホンダ・ビート(PP1) ECU関連目次はこちら
●ホンダ・ビート(PP1)関連目次はこちら
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ビート ECU | クルマ
Posted at
2017/10/26 18:30:49