B4が修理を終えてからのこの一ヶ月は、ひたすら地味にノック対策をしている。
全体に1°点火時期を以前(修理直後)よりも進めた状態からスタート。
仕事帰りにAモード、Bモードそれぞれで実走ログを取る。
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マクロ処理
↓
Feedback Knock Correction、Fine Learning Correction負値が色分けされる
↓
Feedback Knock Correction、Fine Learning Correction発生行と、その前の行を観察する。
(1) CL/OL Fuelingを見て、OLとなっているか確認。CLの場合は、CL/OLの閾値関連を見直す
(2) Engine Speed[rpm]とEngine Load[g/rev]に対するA/F値が、Open Fuelingで設定した値よりもリーンなら、Throttle Tip-in Enrichmentを増量する。ただし、Tip-in Throttle値は不明なので、該当箇所と思われる部分を勘で探り、増量。
(3) A/Fログ値が適正ならば、Engine Speed[rpm]とEngine Load[g/rev]に該当するOpen Loop Fuelingをリッチ寄り(およそ13.5~12の範囲内で)に調整するか、点火時期を1°遅角させてみる。
・・・の繰返し。
1ヶ月地道に続け、かなりFeedback Knock Correction及びFine Learning Correctionの発生は激減した。
・・・が、しかし・・・・・
昨年12月のブログ
「シフトアップ時のダブルクラッチ」に書いたように、シフトアップ時のギア接続後のスロットル開でのノック検知がどうしても消しきれない。
IAM降下まではしないものの、Feedback Knock Correctionはよく発生する。

上図は、シフトアップ前後のログ。
「シフトアップ時のダブルクラッチ」のコメント欄にて皆様にアドバイス頂いてから、シフトアップ時のニュートラル接続はクラッチレスで行っている(気持ちよくできてます。皆様ありがとうございました)。
本ログでも、2速→ニュートラルはクラッチレスで行っているので、Clutch Switchのログはニュートラル→3速のときの一回。
変速時にスロットルを抜き、Idle Switchが入ることで燃料供給がカットされ、A/F値は20.33(AFRログ上限値)となる。
3速に繋いで、再びスロットルを開いたときのEngine Loadの変化量に燃調が追いつかず、回転数(3802~3892[rpm])、負荷(0.39~0.97[g/rev])に対し、Open Loop Fueling設定値よりもかなりリーンなA/F値となり、結果としてFeedback Knock Correctionが発生する(=ノッキング検知)。
上述の問題の解決には、Tip-in Throttle Enrichment(スロットル変化量に対して、どれだけ余分に燃料を噴射してやるか)がベーシックな解決方法。
しかし、問題となっているTip-in Throttle値がわからない。

図のログのように、Throttle Opening Angleが派手に変化しても、ロガーのサンプリングレート(というか通信レートか)が低すぎて、Tip-in Throttle値は0.12~0.37と極めて小さい数値しかロギングできていない。
0.1~0.4のTip-in Throttleの連続の結果としてのThrottle Opening Angleの変化量なら絶望的(「Minimum Tip-in Enrichment Activation (Throttle)」が0.1とか0.3だとカブるので)だが、きっとログの行間の間に、もっと大きなTip-in Throttleが存在するハズ。
ただし、それはロガーでは読み取れないので、前後行のスロットル変化量を見て、それより低いTip-in Throttleに対するEnrichmentを勘で補正せざるを得ない。
例えば、Throttle Opening Angleの変化量が18.82なら、5~18[%]ぐらいのThrottle Angle ChangeのEnrichmentを増量してみる。
で、増量を続けた結果、ノーマルROMと比べ、かなり増量したマップとなってしまっている。
2ペダルMTのように、ギアチェンジも電子制御であれば、シフトアップ時のクラッチミート前後での燃料噴射量の最適制御が可能だと思われる。
私のB4はMTだが、でも、レガシィが電スロである以上、フィードフォワード制御により、適正量の燃料噴射は可能なハズ。
DBWは、
Accelerator Pedal Angle[%]→Throttle Opening Angle[%]
ではなく、
Accelerator Pedal Angle[%]→Requested Torque[raw ecu value]
Requested Torque[raw ecu value]→Throttle Opening Angle[%]
という二段階を踏んでいるので、Requested Torque[raw ecu value]により、次の瞬間にくるEngine Load値はある程度予測できるのではないか???
Wastegate制御が凝ったアルゴリズムで成り立っているのに対し、この部分の燃調処理のアルゴリズムはとても不出来に思う。
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レガシィB4 OpenECU | 日記
Posted at 2008/04/24 00:50:32