「AZ-1の思い出(馴れ初め編)」の続きです(笑)
さて、後先考えず、憧れと勢いだけで、AZ-1のオーナーになってしまいました。
遠くの山々の頂が薄っすらと白くなってきた頃、師走の始めでした。
走りに徹したそのアイテム、スタイリング、空に向かって開くガルウイング、最高です!!
1BOXのワゴン車を乗り継いでいたので、特にその車高の低さは新鮮でした。
視野がまるで違います。「乗ったまま、タバコの火を地面で消せる。」・・・本当でした。
「!・・・冬はまずいんでないの?」
自分の住んでいる所は、積雪地帯です。
豪雪とまではいきませんが、一晩で20~30㎝、雪が積もるのは、ザラです。
車高の低いAZ-1、雪道では非常に辛い事は、容易に想像がつきました。
多少滑るのは全く、問題ありません。そんなの当り前ですから。
でも、動けなくなるのは、何とも出来ません。後続車を止めて、押してもらうのが関の山です。
きっと、100mも進まない内に、亀の子状態で立ち往生するに違いありません・・・。
降り方次第では、雪に埋もれてしまうかも・・・?実際、地吹雪で車が立ち往生して動けず、
事故に巻き込まれた方を知っているので、笑いごとではありませんでした。
幸い、今迄乗っていたノア号は未だ手元にあり、車検も1ヶ月チョット、残っておりましたので、
当面は何とかなりそうでした。
普通でしたら、このまま継続車検をとって、めでたし、めでたし、となる筈でした。
ノア号、思いっきり、ぶつけてしまいました・・・。
修理しないと車検は通らないと言われ、修理費+車検代で30万円を超える見積り、
それにスタッドレスタイヤも、もう寿命を迎えていたのを、すっかり忘れていました。
「ノア号、修理しないで、中古の軽自動車、買うよ。AZ-1じゃ、冬、厳しいし・・・。」
「あの赤いの(AZ-1)、下取りに出すのね?」
「いいや、手放さない・・・。その為に買うんだから・・・。」
「んじゃ、バイクは。2台あるでしょ?」
「・・・まだどっちも乗るよ。」
「お父さんって、ホンットに、もう・・・。」
嫁さんは、不可抗力でノア号をぶつけてしまった事には同情してくれたものの、まさか、
買い足すとは思っていなかった様子で、最初は怒っていましたが、渋々、承知してくれました。
次々と「オモチャ」を増やす連れ合いに、完全に呆れ顔です。
新たに「アシ」となってくれる車を購入することになりました。
出来るだけ程度が良くて、車検残が長くて、走行距離が少ない。そしてスタッドレスタイヤ付き。
予算は、AZ-1購入代金の残りです。(コペンだった筈・・・)
車種は決めていませんでしたが、使い勝手が良さそうなハイト系で、運転が楽チンなATかCVT、
エアロとか付いてない、普通の軽自動車、色は地味目の白かシルバーが良さそう。
つまり、AZ-1とは、真逆に近い車を探し始めました。
ワゴンR、ムーブ辺りを探してみましたが、程度の良いものは、いいお値段でした。
我が家の日常のアシとして使うのですから、同乗する家族の意見も、重要になりました。
ある程度の年式落ち、走行距離、装備品の有無に目を瞑れば、それなりにタマはありましたが
中々、気に入るものが出てきませんでした。コペン、AZ-1の時とは違う、難しさでした。
商店街にジングルベルが鳴り響く頃、1台の車を見つけました。
スバル ステラLX です。
正に、希望通りでした。
走行距離7000km弱、車検1年半付、オプション多数、シルバーの外装にベージュの内装、
傷みも殆どありません。勿論、ほぼ新品スタッドレス付!
値段は、若干オーバーですが、何とか出来る金額です。
この程度、装備でこの値段、正直、何かあるのかと、チョット心配になり、お店の人に話を伺うと、
「タント、ワゴンR、ムーブ辺りは人気が高く、すぐ売れるんですが、ステラは・・・。」
いいじゃないですか、シルバーのステラ。人の好みはそれぞれですから。
家族も気に入ってくれました。即、契約です。
嬉しいことに、僅かではありますが、事故ったノア号にも下取りを付けてくれました。
年が明けて、ステラが我が家にやって来ました。
本当に、何でも卒無く熟してくれる、良い車です。
AZ-1での楽しみも、ステラ在ってこそ、です。
さて、肝心のAZ-1はというと、庭先に置かれ、ボディに古毛布を被せた上にボディカバー、
更にブルーシートを被せられ、完全な冬眠状態に入っておりました。
家族からすれば、邪魔なガラクタでしかありません・・・。
雪室替りに、隣に白菜や大根を埋められる始末です。
ネズミにかじられたら、どうすんだよ、バァちゃん!
雪に埋もれそうになると掘り起こす、天気の良い日はカバーを剥がして虫干し、の繰り返しで、
AZ-1は何とか、冬を乗り切ったのでした。余談ですが、翌年の冬、この苦行に耐えられず、
AZ-1専用のカーポートを建ててしまいました・・・。
こうして、ステラという「お助けマシーン」を得た自分は、更なる車道楽にハマって行くのでした。