HA-MAのブログ一覧

私が生まれた街も随分と様変わり致しました。

私が故郷を離れたのは１８歳…

それから三十年以上の月日が流れ去り、
海は埋め立てられ、海岸線も消え失せてしまいました。

今回随分と久し振りに親戚や近所の方々と会話致しました。
皆歳を取りましたし、会話をしたのも三十年振りです。

しかし名前がスラスラと出てきます…

『○○兄ちゃん』
『○○姉ちゃん』
『○○坊』

なぜかホッとする自分がいました。

しかし厳しい現実もありました。


私は次男です。
そして家は兄が相続致しました。
他に兄弟はいません。
相続時に私は財産をすべて放棄致しました。
父親が家の登記をめぐって兄弟喧嘩していた事を思い出し、それだけは嫌だったのです。
両親の面倒を一切見なかった事、昔商売で失敗して親に迷惑を掛けた事もあり、
一切の金銭的相続は放棄致し(させられ)ました。

従って、私の実家は兄の物であり、今となっては兄の家族の物です。

しかし私は確かにそこで生まれ育ち、私の故郷はそこしかありません。

私はそこに居座るつもりもなければ、何かの権利を主張するものでもありません。

ですが悲しい事に、新築された家に私の居場所はどこにもなく、
すぐ近くのビジネスホテルに宿泊せねばなりません。

墓も両親の墓に私は入る事が出来ません。

両親が入っているだけの時は、正直言って墓は荒れておりました。

誰かに管理を依頼していたようですが、兄も多忙であり単身赴任で留守がちだった為、
前回帰った時は墓石から雑草が生えておりました。

私は帰省の度に、真夜中でも先ず墓へ行き、墓掃除だけは欠かしませんでした。

別に義務でも何でもなく、物心付いた頃から父親と墓へ行き、
掃除したり手入れをするのは日課だったからです。
苦痛でも何でもなく、むしろ楽しみです。


今回兄が亡くなり、兄の家族はやっと墓の事に気付いたようです。

墓の木の枝が伸び過ぎて墓石に被さっている事。
塀の一部が破損している事。

思い出したので連絡しましたが、そういう指摘もうっとおしいようです…

私はこれまで、こういった　『家』　の問題や　『跡目相続』　とは無縁でした。

しかし今回そういった現実にいきなり遭遇することとなりました。


兄が亡くなったのは夜半２３：０８分でした。

そのまま自宅へ帰り、両親の仏壇の前に安置されましたが、
妻も子も兄を放置して直ぐに各自の部屋に戻って寝てしまいました。

私は一晩中横で線香と蝋燭の番をして夜を明かしました。

これは義務でも何でもなく、そうせずにはいられなかったからです。


何かが目まぐるしく変わって行きました。


亡くなった兄の口座の整理をしていて、私の父の口座が見つかったそうです。
大した金額ではなかったようですが、私の預かり知らぬ所で処理するようです。


愚痴になってしまいました…


兄が亡くなり、やはり　『血』　と言う事の重さを感じるとともに、
この先、私自身の故郷をどうするのか…

これから、解決していかねばならない重い課題のようです．．．