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2018年04月15日

自動運転の過渡期の問題について

業界の実情も経済も全く知らないおっさんの、単なる「感想」と「妄想」である。

アメリカで自動運転に関係する死亡事故が立て続けにあったというニュースを見たので感想。
一つはメーカーが実験中に人をはねたというものだが、これについてはいわゆる「飛び出し」に近い状況で人間が運転していても避けられたかどうか判らない、ということのようである。もうひとつは自動運転中の市販車が中央分離帯に衝突したというもので、明らかに自動運転を過信したもの、ということのようである。この2つの事故は一見自動運転の問題のように見えるが、それよりも根本的な人間の欠陥とクルマの運転における危険性の問題なのである。

前述の事故のうち後者については「レベル2」の話だそうで、当然メーカー的にも責任が運転者にあるということは主張しているようである。日本でも現在あくまで「運転支援技術」であって「自動運転」ではないしメーカーもそれを強調している。その中で日産が「プロパイロット」という微妙な表現していることには疑問も感じるが、ちなみに日産のレベル2と国内他社のレベル1の違いは「全車速」か否かという点だけのようであり中身的にはそれほど大きな違いはないように思われる。

市販されているもののうち「HondaSENSING」には試乗したことがあるのでまずはそのときの感想。
速度を一定に保ち更に前車に追従して加減速する、言わばブレーキとアクセルの支援機能である「ACC」については、初めは必要性すら疑問だったが実際使ってみると運転の負担軽減を実感することができたし、実用的という意味で「自動運転」としてもある程度のレベルにあると感じた。
これに対しステアリングの支援機能である「LKAS」については、勝手にステアリングが動くということには確かに初めは驚かされたが、実用性という意味ではハッキリ言って使えない、まして自動運転などというものには程遠いというのが正直な感想だった。
LKASを機能させるにはまず運転者がそれを使うことを選択し、そのうえで車速が65km/h以上となることが条件である。この車速制限により一般道では機能しないというタテマエになり「レベル1」ということになる。
実際どうかというと、機能しているときはステアリングが勝手に動いてカーブでも直線でも車線内を維持し、白線を認識できない場合などはそれを告げる警告音が鳴り即座に機能が解除されるのだが、一般道はさておきいわゆる高規格道路でもかなり頻繁に機能は解除された。というのも積雪寒冷地域では冬期間積雪により白線が見えないだけでなく、厳しい気候や除雪作業による白線の損傷が著しく夏季であってもそれらが完全な状態で維持されるのは難しい状況にある。このような状況では頻繁に解除と復帰が繰り替えされ、現実的にはほとんど意味がないと言えるレベルであった。これについてはあくまで白線という道路状況のせいではあるが、現時点では(おそらく将来的にも)白線が完璧に維持されるのが当然ということでは決してなく、その中でそれらに依存するという時点で全体から見ればごく一部の状況でしか正常に機能しないということになり、整備の行き届いた高速道路を相当利用するユーザーでなければこれを「使える」と捉えることはできないだろう。
また個人的にはそもそも自分が普通に運転している時にステアリング操作自体に負担を感じたことは正直全くなく、それどころか自分の感覚で何ら問題なくステアリングを操作している時に必要のない「アシスト」が介入してくるのはむしろ鬱陶しいものであり、これを「運転がラクになった」と捉えることは全く出来なかった。確かに自分はクルマ好きで運転自体が苦にならないという部分はあるかも知れないが、それでもACCについてはラクだと感じるし、おそらく多くの人にとってアクセルやブレーキに比べステアリングはそれほど負担ではないだろう。ただ白線が完璧な高速道路を何時間も走行するような状況で、普段から車線の維持というステアリング操作に負担を感じている人にとってはラクなのかもしれないし、このあたりは個人の感覚によって評価は大きく変わるところかもしれない(ただどちらにしても利用できる状況はかなり限られてはいる)。
とは言え運転がそれほど苦でない自分でもステアリング操作に相当気を使うということも実際ないわけではない。例えば著しい強風の高速道路では車線を維持するだけでも精神的な負担となるし、車線変更のときなど追越車線と走行車線をスムーズに移動するようにクルマが動いてくれればラクかもしれない。脇見ではなくとも道路上の何かに注意を払わなければならないときもあるし、そのようなときはついつい車線をはみ出しそうになることも、誰にでもあることかもしれない。このような場合は「アシスト」が負担軽減となることはあるだろうとは思う(単に負担軽減という意味では騒音や振動、自然なハンドリングや安定性、視認性やシートの作りなど自動運転以前のクルマとしての基本的な事のほうがよほど重要なハズだが)。

結局試乗ではLKASについては「頼れない」という結論に至ったが、一つ気づいたのは自分にとってはどこまで「頼れるか」ということが最も重要だということである。
ACCとLKASは、現時点では通常の運転を補助する、負担を軽減するというものでありそれまでの異常事態を検知し事故を未然に回避するという機能とは明らかな違いがある。これらは将来的な完全自動運転には当然必要な技術だが、現時点では発展途上であるためあくまで「支援」「補助」という位置付けになっている。
が、これはこれで問題をはらんでおり、仮に「頼れる」ということになれば人間はそれを頼るのが当然であり、「アシスト」されることを前提としてしまうのである。これは人間の本質的なものであり、それをしないという事自体ムリがあるハズだ。
仮にLKASが「頼れる」ものである場合(現状でそう判断する人もいるだろう)、脇見や速度の出しすぎなどの運転者の不作為を助長してしまう恐れもあるのではないだろうか。例えば強風の高速道路ではまず速度を落とすのが基本中の基本だろうが、LKASを過信して速度を落とさない人も出てきてしまうかも知れない。となれば、強風+高速=不安定+危険→減速+ステアリング支援、というところまでクルマが判断、実行しなければより中途半端に危険な状況を作り出してしまいかねないのではないだろうか。この辺りは「VSC」や「路外逸脱防止機能」などとも関係するかも知れないが、現実的にそのような状況でクルマがどのような挙動をするかということと、それを受けて人間がどのように行動するかなどといったことにまで及ぶ問題であり、結果としてどの辺りに着地点が来るのか、それをどうコントロールするのかなどということはこれまでとは違う判断基準が必要となってくるかも知れない。これらは自動車メーカーにとっておそらくかなり難しい問題になってくるだろうし、社会全体がどう判断するのかということになるのかも知れない。とはいえ「全て運転者の責任」という今までどおりの考え方だけで全てを解決しようとするのは、そもそも自動運転とは何なのかということにもなるのではないだろうか。「機械がどうあれ全て運転者の責任」から「運転者には頼らず全て機械化」という全く逆の考え方に移行しようとしているのであり、その途中のプロセスには責任問題という最大の難関が存在するのである。これは完全自動化=全てクルマの責任ということになり、「全て運転者の責任」という認識を社会に植え付けることで成立してきた自動車メーカーにとっては決して受け入れられるものではないだろう。

また現在のLKASは言うなれば常に二人でステアリングを操作しているようなものであり、このような考え方は他の自動化システムではほとんどありえないと言ってもいいハズである。
例えば大型飛行機は既にかなりの部分が自動化されているそうである(自分は飛行機のことは全くわからないが)。操縦には現在一般的に常に二人の人間が必要とされているそうで、言ってみれば自動化システムと二人の人間の計「三人」が操縦しているということになるだろう。自動化システムが発達する以前はもっと多くの人間が必要だったそうで、現在のシステムは二人、三人の人間に置き換えられるということになるかもしれない。が、これらの多くの人間が皆同時に操縦桿を握っていたわけでは当然ないハズだ。必要な作業がそれだけ多くありそれを分担して行うために多くの人間が必要だったのであり、現在も通常時は作業を分担し、どちらか一方の「主」の人間が操縦できない異常事態の時に「副」が操縦する事になるハズである。もちろん二重チェックの意味合いもあるハズだが、それらは必要とされるものに限定、明確化されているだろう。大型の作業機械や工業用プラントなどでも、危険を伴う機械の操作を同時に二人の人間が行うということはおそらくないハズである。むしろ安全のためには一人の人間が作業を実行することで責任を明確化し、万が一の異常時には他者がそれを引き継ぐというのが一般的だろう。
また自動化という意味ではごくごく一般的な事務システムにおいても、例えば株取引のシステムが行った事務処理を全て人間が同じようにチェックするなどというのはそもそもシステムとして成立していないことを意味するハズだ。導入前に相当のテストを重ねたうえ、機能に問題が発覚すれば機能を100パーセントにするよう改修されるのが当然であり、技術的に自動化が難しいものや二重チェックが必要な箇所を限定しそこだけ人間が行うのがフツーである。クルマの自動運転は、人間はミスをするという前提のもと完全自動化が唯一の目標であり、飛行機よりも事務システムに近いのかもしれない。そう考えると、システムは人間を明らかに上回る処理能力と信頼性を有していなければならないハズである。LKASについては現状では人間は常にステアリングを握り、いつなん時起こるかわからない突然機能しなくなった瞬間にそれを引き継ぐのが前提ということになるが、これは自動化が実用レベルに達していないということであり、テスト段階のものを責任を運転者に課して市販化しているようなものだといっても過言ではないかも知れない。それを前提として受け入れるかどうかは個人と社会の判断かもしれないが、大多数の人が本当の意味でそれを受け入れているのかというと大いに疑問である。クルマは常に周りに多くの人やクルマが存在する状況であり、飛行機のように高度何千メートルで周囲に何もないということは一瞬足りともない。高速道路はそれに近いのかも知れないが、それにしても上空とは比べ物にならないほど障害物や危険要因があるハズだ。それだけ自動化のハードルは高いハズである。

結局、中途半端なものでも頼ろうとしてしまうのが人間である。自動ブレーキの登場当初PRイベントで壁に激突した事故がマスコミに大きく取り上げられたが、実際自動ブレーキの過信による事故も起こっているようであり(あまりマスコミは取り上げなくなったが)、前述のアメリカでの事故もこういうことだったと言えるのかも知れない。運転者は死亡したが、他人を巻き込まなかったのは単に運が良かったとしか言いようがない。
もちろん何事にも長短があり、デメリットを上回るメリットがあればそれは実用化されるべきであるとは思うし、仮に一つの危険性が助長されたとしてもそれを上回る安全性が得られるのであればその方向に進むべきだとも思うが、少なくとも現時点ではそうはなっていないと思う。やはり完全自動化以前の中途半端な支援は危険を助長する可能性が高く、強いてメリットがあるとすればやはり運転者の能力が明らかに低下したときそれを補完する、あるいは明らかな危険が差し迫ったときにそれを避ける、ということに限定されるべきなのではないかと思う。

最後にもう一つ、これは多分に感覚的なものであり、個人の資質の問題でもあるが、ACCがあるだけでも運転に対する集中力は低下する、それは実感した。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2018/04/15 22:00:13

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