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2023年11月12日

エアコン修理【その4】

エアコン修理【その4】 とりあえず冷房とエンジンが冷えるようになり、暫くはご満悦の週末を過ごしていた。

そして季節が少し進んで朝晩が涼しくなってきたが、そこで問題が発生する。




ヒーターコックを手動化しているので、朝晩は涼しく(場所によっては寒い)昼はクソ暑い場合に死ぬほど不便なのである。

朝出発する際は開けて暖房を、暑くなってきたら閉じて冷房をつければ済むのであるが、車から降りてエンジンルームを開けていちいち操作しなければならない。




下道オンリーの旅程ならまだしも、高速道路や駐車できる余地のない狭小路とあっては我慢を強いられるのだ。

実際に窓を開けてちょうど良い気温のときに窓を閉めて西名阪をヒーターコック全開アツアツの状態で走り抜けたが、本当に不快だった。

コックを閉めてVENT(外気走行風導入)で済むのにわざわざコンプレッサーを回すのも燃料のムダである。




手動コックが当たり前だった130セドリックなどの時代と違って、現代においては自動で開閉できるのは勿論のことオートエアコンがなければ結婚はおろか転職でさえ厳しいであろうことは想像に難くない。

暫くの間は我慢しながら、
「ヒーターコック 汎用」
「HVAC Vacuum 5/8」
「ソレノイド 12V 継続動作 16mm」
などと検索する日々が続いた。




で、結局このオーパーツもとい純正"バキュームウォーターコック"を修理することにした。

こいつは主治医の職人さんでさえ匙を投げた曲者である。

構造的にはヒーターコアへのクーラントの流れを開閉するバルブ部分と、それを制御するバキュームアクチュエータがネジで合体したものである。

その合体部分にゴム製のパッキンが使われている。

この手の部品は、アメ車なんかではプレスの一体成型で作られているものが多い。

おそらくバルブ部分はワイヤー式の古いサニーやZからの使いまわしで、330の時代に新たにアクチュエータを合体させたので分割構造になっているのだろう。




なるほど技術の日産がやりそうなケチケチ技である(笑)
まぁそのおかげで修理が出来るわけだが…

タッチチューブを繋いで吸ってみたら、アクチュエータのダイヤフラムは錆びてはいるが元気な様子。
まだ勝機はある。






破損した当時の様子。
要はパッキンとOリングがダメなのでそれを替えてやればいいのだが…




うーん…これは明らかにダメだな。




あー…めんどくさい…




専用工具まで買ってしまったのでもうやるしかない😇




3箇所のネジを外して可視化のため錆転換剤を塗った。

…これは本当にめんどくさいぞ。

某230セドリックの重鎮のwebサイトによるとOリングともう一つ平パッキンが存在するらしいがどこにあるのだろう。




……これか😇
圧縮されすぎて原型を留めていない。




張り付いた平パッキンをマイナスドライバーでコジッて分解した。





シャフトのOリングは4種D、フッ素ゴム製の運動用。
Gで始まる番号のものは固定用なので使えない。




左が新品、右が破損した純正品。
変形してパッキンの役割を果たしていない。




平パッキンは色々あってNBRで妥協。
温度的に不安要素はあるが…まぁ大丈夫だろう…😇
外径が合わないので切り落とす必要がある。






Eリングとナット類は仕事の合間を見てコーナンで買ってきた。




新旧比較。
耐食性ならほんの少しクロメートに分があるが、入手性で三価Wにした。




モコモコに育った錆を削り取る。




シャフトの移り錆を1000番で軽く磨き、使わずに余っていた黒のタッチペンでペタペタ塗っていく。
サフはめんどくさいので塗っていない(笑)




組み立てる。Oリングと平パッキンにはシリコングリスを塗っておく。

このタイミングで防錆油をダイヤフラム内に噴いてなじませておいた。




完成✌️





Before




After




もう二度と悔しい思いをしないように、そして職人の皆様に迷惑をかけないようにと、お高い紙の束で勉強もしておいた。

詳細は書けないが、温度ダイヤルの一番冷たい位置、もしくはMAX COLD(内気循環冷房)の条件下で負圧が提供され弁が閉まり、ヒーターコアへのクーラントを遮断するようになっている。




タッチチューブでつなぎ、運転席から弁の動きを確認。
仕様通り動いているので負圧制御のマイクロスイッチ等に不具合はないと見た。




問題がないと分かったので、車両に取り付ける。




Before




After





Before




After

あるべき部品をあるべき場所に。
やはり気持ちがいい。







ついでに配線やバキュームホース類をコルゲートチューブで養生しておいた。




バキュームタンクに繋がる内径3mmのバキュームホースがまた裂けていたので、取り急ぎ真鍮パイプを切って繋いでおいた。

この時代の車に乗っているなら、金属パイプとパイプカッターは持っていて損はないだろう。

それにしても3mmはシリコンホース以外は入手困難なのでもどかしい…





高井田のオートバックスまで試走。




漏れナシ!
温度調整もバッチリ✌️




翌日の西名阪耐久テスト




漏れナシ✌️✌️✌️
冷房も暖房も自由自在!!

除湿暖房も思いのまま。
高速道路で窓を閉めて追い越し車線を快適に走れる。

この車を買って8年、ようやく人権を手にした瞬間である。




これにて一連のエアコン修理は完了した。
コンプレッサーと配管の修理から半年、長い闘いであった…




短い間だったが命を繋いでくれた手動コック。
また次の緊急事態に備えて眠りについてもらう。



最後になってしまいましたが、

ロクな資料もない中奮あの手この手で奮闘して下さった
西村自動車工業様

ワケの分からない壊れ方をしたラジエーターを治して下さった
和歌山ラジエーター工業様

いつも貧乏人に寄り添ってくれる
コーナン純正部品様

アホみたいな移動に付き合ってくれた
白カムリ氏

その他助言を頂きました皆様に

厚く御礼申し上げます。

ありがとうございました🙇🙇🙇
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Posted at 2023/11/12 14:43:59

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