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2013年01月05日

ホンダ N-ONE(ターボ、自然吸気) 試乗

ホンダ N-ONE(ターボ、自然吸気) 試乗  アテンザに試乗後、ホンダに行ってN ONEにも試乗してみました。何しろ、フィットの売れ行きの半分程度を奪い、スズキとダイハツの二大勢力をはねのけて食い込む勢いがあるこの車、試してみない理由はありません。

軽自動車の市場とホンダの関係

 ホンダは1968年に、T360で軽自動車(商用車)の市場に参入しました。その後、N360やライフで軽自動車の一角をなすものの、N360の横転問題やオイルショックに伴う軽自動車市場の冷え込みにより、撤退を余儀なくされました。

 1985年、スズキ アルトによってもたらされた「ボンバン(ボンネットバンの略)」の流行により、再参入することになりました。ボンバンとは、乗用車と同じ形をした4ナンバー登録の車のことです。後席の居住性は劣るものの、ほとんど女性の通勤車として使用されていた背景から、「これで十分」という人が多かったことから、爆発的に売れていたのでした。車名は、「トゥデイ」です。それまでも軽トラックは製造されており、エンジンはほぼそのままでした。エンジンは2気筒ながら、ワンモーションフォルムを採用し、どことなく垢抜けなかった他社の車をさておき、当時も市場の驚異となりました。

 初代トゥデイはマイナーチェンジを受け、角形ライトになった後、モデルチェンジを受けました。しかし、牧瀬里穂をキャラクターに採用し、意図がわからないガラスハッチに旧型のユーザーは困惑、徐々に存在感が希薄になってきました。

 市場はワゴンRにより、背が高いワゴンスタイルへ移行すると、なんと同じ型式のままにライフを復活させました。その後、乗用タイプは廃止され、ライフは混迷、ゼストもスポーツやスパークを出すなど迷走し、ホンダは軽自動車の市場を諦めているのではないか、とも報道されることもしばしばありました。

 スバルが軽自動車の製造から撤退を発表した頃、ホンダは軽自動車を一から練り直す計画を発表しました。第一弾がN BOX、第二弾がN BOX+、そして乗用タイプとして今回紹介する「N ONE」が発売されたのでした。

エンジン

 S07A型、DOHC4バルブエンジンと、同ターボエンジンを採用しています。CVTゆえに高回転まで回せませんが、レッドゾーンは7500回転から始まります。スペックからすると超高回転仕様のように感じられますが、実際には中低速から十分な出力があります。

自然吸気仕様



 最高出力はN BOXと同じく、58馬力を7300回転で発揮、最大トルク6.6kg・mを3500回転で発揮します。実際の加速では、2000回転を上回ると概ね十分な出力を発揮します。定速走行はこの回転域でしたら十分ですが、発車時の加速や俊敏な走りを望む場合は、CVTによる協調もあり、3000-3.500回転域で加速が行われます。

普通に走るのには十分な性能です。街中走行中心では加速時以外は静かに走れます。2名乗車では普通の走りですが、高速道路では余裕は完全になくなり、高速道路の登坂路や山岳路では、完全に余裕を使い切り、我慢が必要になるでしょう。市街地を中心に使うかセカンドカー、使用中は我慢を迫られたとしても、少しでも新車購入額を抑えたい人向けだと思います。

エンジン出力の余裕度は、ムーヴと概ね同様で、副変速機を備えたCVTを持つスズキの軽自動車や、車体が軽いミライースと比べると、完全に劣ります。

なお、N BOXで聞こえた「キョー」という音質のエンジンかトランスミッションの騒音は、完全になくなっています。

ターボチャージャー仕様



 上記のエンジンのターボ仕様です。最高出力64馬力を6000回転で発し、最大トルク10.6kg・mをわずか2600回転で発揮します。この最大トルクは4000回転まで続き、その後は出力をほぼ一定に保つ形で急に落ち込んでいます。

この特性はいわゆる「ダウンサイジングターボ」のものです。ターボチャージャーを小型化し、低い回転数から十分に過給圧を上げる一方、高回転時の出力を諦めた上で回転部品の強度を落として、無用な強化を避けています。こうすることでエンジンの回転モーメントを小さくし、吹け上がりを軽くしています。

 この効果は絶大で、自然吸気エンジンでは「まあ、軽自動車というのはこんな感じだったよね」となるところが、全く余裕たっぷりです。車重をはねのけるどころか、1000ccや1300cc車以上の余裕を持って加速できます。定速走行時には、エンジンの力が余ってしまうほどです。こういう時に、スズキの副変速機付きCVTは効果を発揮するのですが、ホンダは自社製トランスミッションを採用することが伝統なので、これはないでしょう。

 普通の加速をするときはもちろんですが、急加速は大変に気分よく、走る楽しみに溢れています。1300ccまでの小型車が、燃費のために全く余裕をなくしている中、大変活発なエンジンです。

 なお、自然吸気仕様にはアイドルストップが採用されています。普通のスターターモーターが採用されていますので、始動時間は0.4秒程度でしょうが、もう少し速く始動しているような印象です。0.38秒程度でしょうか。

 ターボエンジン仕様にはアイドルストップは付きませんが、なんと贅沢にもリダクションセルモーターが採用されています。そのため、エンジン始動時には「キョキョキョ」と、リダクションセルならではのギヤノイズが聞こえます。

トランスミッション

 Nシリーズで初めて採用された軽自動車用CVTが、この車にも採用されています。N BOXの時にも書いたように、ゼストまでの軽自動車では、トランスミッション油圧の低減のために、普通の段式ATを採用するのがホンダ流でした。しかし、Nシリーズとなって、突然その理論を覆し、CVTを採用しました。

 変速は、最近主流となっているパターンを採用しています。すなわち、発車時は低い変速比にて目標速度まで素早く加速できるようにし、定速運転状態になると変速比を固定、多少のアクセル操作では変速比を低めない方式です。

 もちろん、アクセルペダルをある程度踏むとCVTも変速体制に移ります。自然吸気、ターボチャージャー仕様とも「目標出力が得られる回転数に上がるまで、変速比を低くする」ようです。となると、自然吸気は自ずから高い回転数になり、ターボチャージャー仕様ではあまり変速比を変えないことになります。

CVTは、構造上プーリーに噛み合うベルトの位置を変えながら変速を行うため、変速比を変える際に、「変える比率の差が大きいほど、変速に時間がかかる」ことになります。すなわち、回転数を上げる自然吸気エンジンほど変速に時間がかかるのです。もとより出力に余裕があるターボチャージャーエンジンは、エンジン、トランスミッションともレスポンスよく加速体制に移行できるのに対し、自然吸気はしばらく待たされる形になります。一般的な理論ではターボチャージャーエンジンにはターボラグがあって加速レスポンスが劣るところが、この車ではそのレスポンスが逆転しています。

CVTの変速は、日産のものほどレスポンスが良くないため、この点からもターボチャージャーエンジンの方が相性が良いと思います。

ステアリング

 このクラスでは当然となった電動パワーステアリングです。遊び量が適当で、必要操舵力も重すぎず軽すぎません。操舵に対する車両の反応も過敏すぎないため、比較的背が高い車ですが、安心して操舵、直進ともできます。

サスペンション



 なんと、前輪にスタビライザーが付いていることが自慢されているグレードがあるほどです。今回はスタビライザー付きのグレードにしか乗っていませんが、フロントのロール量がよく抑えられています。沈み込み、浮き上がりとも少なくされ、気持ちよく曲がることができます。

軽自動車の多くにはスタビライザーを省略したグレードがありますが、操縦性、乗り心地とも、これがあるのとないのとでは大違いです。コーナーだけでなく、突起乗り越え時の安定性にも寄与するため、必ずフロントスタビライザー付きを買うことをおすすめします。

 ショックアブソーバーの効き具合は適当で、タイヤから大きな上下方向の入力があった場合にも、適度な突き上げのみで上手にいなします。また、前後方向の取り付け剛性もかなり高いようで、他社の軽自動車にはフロントピラーや運転士の頭に「ゴトン」と来る衝撃を伝えしてまうところ、サスペンションのみで衝撃を吸収しています。

ブレーキ

 ホンダの軽自動車の美点です。しっかりした踏みごたえとともに、踏み込み量、踏み込み力に比例した減速度が得られ、速度の調整がしやすいブレーキです。急ブレーキは試せませんが、このペダルの踏み応えでしたら、他車よりも性能が高いと考えられます。

ボデー



 車内に乗り込むと、ダッシュボードやドア内装とも、他車の軽自動車よりも作りが良くされていることがわかります。特に、ドア内装は「厚み」を感じさせるもので、他車のような薄っぺらい印象はありません。ダッシュボードやメーター周りは、少々ごちゃごちゃした感じがするようにも感じます。タコメーターは、メーカーが言うほど見やすくありません。

 車体はワゴンというよりは乗用車ですから、荷物室には余裕はありません。しかし、軽自動車に4人が乗ってさらに荷物も載せるという機会は、ほとんどないでしょうね。実用上は、運搬時は後席の背もたれを倒せば間に合うことでしょう。

 視界は前方、斜め後方とも良好です。「背高ワゴン」スタイルではありませんが、着座位置はあまり低くありませんね。「ダイハツ エッセ」をいじって楽しんでいる方が多数いますが、あちらの着座位置は完全な乗用車位置であったのに対し、こちらはそうでもありません。車の外観から受ける印象とは少々異なります。もしかすると、シャシーパネルの都合もあるのかもしれませんが、もう少し着座位置は下げても良いと思います。

 シートはホンダ軽自動車の最近の例に則り、十分な厚みがあるもので、掛け心地も良好です。長時間乗った場合は、少々やわらかすぎるかもしれません。

 また、試乗車には割と高級なグレードが用意されていることが多いのですが、上位グレードと下位グレードでは、値段も装備もかなり違います。下位グレードでは、ここに書いているほど内装の装備が良くないので、お気を付けください。


まとめ

 軽自動車には、ほぼ必ずと言って良いほど「プレミアム軽乗用車」が登場します。「スズキ アルト」登場以前は、軽乗用車は余裕がない家庭のファーストカーや若者の小型スポーティーカーとして用意されていましたので、いずれもプレミアム軽乗用車でした。

その後、「アルト」と「フロンテ」、「ミラ」と「クオーレ」などと、ボンバングレードと乗用グレードに別れ、ほどなく乗用グレードが消滅しました。しばらくすると、「セルボモード」や「オプティ」などで復活します。直近では、「セルボ」と「ソニカ」、「ゼスト」「ステラ」がそれでした。しかし、リーマンショックの関係があったのか、それともそもそも望む客層が少なかったのか、プレミアム軽乗用車は消滅してしまいました。

 そして今回、ホンダは、ゼストを置き換える形でN ONEを登場させましたが、一説によると輸入車のダウンサイジング購入としてもこの車が選ばれているとも聞きます。

ワゴンRやムーヴは、それぞれアルトやミラを置き換える形で「スタンダードな軽乗用車」となりましたが、生活感あふれるそれらの車は、やはりかつてのアルトやミラになってしまったのでしょうかね。徐々にですが、話題にならない車になってきたような気がします。(もちろん、販売台数はかなり多いでしょうから、メーカーは力を抜いていません。)

ホンダが渾身を込めて、これが失敗したら軽自動車から撤退?とまで考えて作ったモデルだったのでしょう。非常に力が入っていて、選ぶ価値は十分にある車です。

私としては、ターボチャージャー付きの、比較的下の方のモデルを選ぶと良いと感じました。お買い得な上に高性能を楽しめ、毎日の移動も楽にできると思います。自然吸気エンジンは一気に余裕がなくなるため、割高に感じます。スズキの副変速機付きのモデルを選んだほうが良いでしょう。

おまけ
 この車にMTが搭載されたなら、一気に買う価値が高まるでしょう。私は、それを楽しみにしています。

参照して欲しい記事

日産 ルークス
日産 モコ

ダイハツ ムーヴ(現行前期型)
ダイハツ ミライース

ホンダ N BOX

現行前期型パレットと現行前期型タントの比較
ブログ一覧 | 試乗 | クルマ
Posted at 2013/01/14 22:02:11

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