この日はフーガハイブリッドがいつものディーラーに来ると聞いていたので、行ってみました。ついでに、新車を検討している叔父を連れて行きました。
エンジン
VQ35HRということで、VQエンジンとしてはちょっと前の仕様です。しかし、エンジニアリングの基本として「新しいものと新しいものは組み合わせない」という定石があるそうなので、悪いことはありません。エンジン自体は非常に滑らかかつパワフルで、いうことなしです。VQ37VHRエンジンと比べると、ちょっとパワーが低いと感じることはあります。低いとは言っても比較の話で、絶対的には非常にパワフルです。
ハイブリッドシステム
エンジン動力結合用クラッチと、動力伝達クラッチがあります。暖機運転が終わってからがハイブリッドシステムとして作用します。
発車
モーターで発車します。ゆっくり加速するのには十分なモーターです。アクセルをちょっと多めに踏むとエンジンが始動します。イメージで言うと、「アクセルエコモード」が実現できるように発車するとモーターだけで40km/hまで加速します。しかし、ちょっと急ごうとするとエンジンがかかります。80km/hまではモーターで走れるというのはあくまでも一定速度走行の話で、この速度までモーターだけで加速するのは周囲に迷惑をかけることになりそうです。もちろん、1台だけで加速するのでしたら可能です。
定速走行
発車時にエンジンがかかってしまうと、モーターのみの走行に移行するのはちょっと難しいようですね。条件がいろいろあるのかもしれません。なお、モーターのみで発車して途中でエンジンがかかる場合、エンジンが「あ、うっかりしていました」という感じで唐突にかかります。振動はほとんど感じませんね。
急加速
もちろんエンジン+モーターで加速します。後ろから蹴飛ばされたように加速しますが、エコペダルのためか、レスポンスは
スカイラインと比べてやや鈍く作ってあるように感じます。また、クラウンやスカイラインのような獰猛さは感じません。急加速をしても、あまりエンジンノイズが聞こえません。この点からも、気分を高揚させるどころか、鎮静効果がある車(By 松任谷正隆 on CGTVのマークⅡVSセフィーロの回)だといえます。
アイドルストップ
もちろんアイドルストップを行います。もともと静かで振動が少ない車ですが、より静かになります。
トランスミッション
日産FR用7速ATです。レスポンス良い発車や変速をします。ハイブリッドシステムと協調し、モーターがより働くような制御(高いギヤを選ぶ)はしていないように感じました。
サスペンション
スカイラインはタイプSPでしたので直接比較することはできませんが、ふんわり柔らかい中にもコシを感じます。サスペンションストロークがたっぷりしている乗り心地です。硬くても柔らかくても「マウントブッシュがブヨブヨしている感じ」を感じる
クラウンとはずいぶん異なります。「柔らかいのにソリッド」な乗り心地です。
ステアリング
スカイラインよりは幾分スローに感じます。しっとり感あふれるステアリングフィールで、長時間運転しても疲れないでしょう。フロントノーズは重いかな??デザインも含め、ロングノーズ感が強いです。
ブレーキ
ブレーキペダルを踏んでも必ずしも液圧を発生させるとは限らない方式の「ブレーキバイワイヤー」です。実際にブレーキ油圧を発生させる場合は、マスターシリンダー部のモーターがピストンを押し出し、ブレーキ液圧を作ります。シンプルな回生ブレーキ協調遅れ込めブレーキ方式です。作動フィーリングは今の日産車程はよくありませんが、2000年頃の日産車(私の家のブルーバードシルフィ)」程度のフィーリングです。若干スポンジーな操作フィーリング、かつ、制動力の立ち上がりが一瞬遅れる感じがします。まあ、悪くはないのですが、もう一歩の熟成を期待します。
内装
基本的にはスカイラインや現行エルグランドと同じセンスでデザインされています。華やいだ感じはしませんので、中には寂しさを感じる人も要るでしょう。控えめで良い感じです。
まとめ
これまたドライバーズセダンですねえ。長距離移動をしても、功績や助手席の人はもちろん、運転手も疲れなさそうです。クラウンと異なるのは、この車にはスポーティーさを感じないことです。スポーティーセダンはスカイラインに任せているとはいえ、ノーズの重さが気になるなあ。クラウンはV6になってノーズが軽くなった感じがします。あとはスタイルかなあ。個性的である一方、ちょっととっつきにくいデザインと感じます。クラウンのほうが分かりやすく、軽快なデザインですよね。30歳代をも視野に入れたクラウンに対し、この車は50歳代の車であることを強く感じさせます。
そんなこともあり、スタイルや雰囲気が気に入った人には十分勧められる車です。
クラウンアスリートの獰猛なパワーと押し出しの強さが気に入った人にはクラウンを勧めますが、ロイヤルシリーズや特に
マジェスタを検討している人は乗る価値がありますよ。
Posted at 2010/12/12 23:56:31 | |
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試乗 | クルマ