
先に要点をまとめておきます。
1. 「OPF (GPF) が有るか無いか」というのは「OPFの部分がOPFとして機能しているか機能していないか」という事である。
2. OPFは、排ガス中の微粒子を触媒加工されたフィルターで捕集吸着し、その微粒子を排ガスの高温で燃やし尽くす装置である。
3. OPFが機能していると音が小さく感じるのは、OPFにあるO2センサーからECUへ、微粒子の燃焼度合いを示す信号が送られ、その信号を元に空燃比が調節されているためである。
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992GT3のOPFについて、日本の公式サイトでは標準装備の中に「ガソリン微粒子フィルター」の記載があります。
日本と同じ右ハンドルの国の仕様を見てみると、
OPFの記載があるのは
・イギリス
・南アフリカ
・シンガポール
・タイ
OPFの記載がなく三元触媒のみになっているのは
・オセアニア
となっています。北アメリカの仕様もOPFの記載はありません。
しかし、OPFの記載がなくともEU仕様と同じくOPFの形をした缶は付いてきます。同一モデル内でOPFの有無により明確に排気システムの形が違ったのは991.2GT3RSの最後の方のロット (Speedsterと同じ独立スロットルボディのエンジンが載ってる。OPF付き。EU 2nd batch, 991.3GT3RSとも呼ばれる) だけで、991Speedsterや718GT4, 718Spyder, 718GTS4.0はEU仕様もUS仕様もJP仕様も排気系に大きな差はありません。
アメリカや日本の現行NAモデルで「OPF無し」と言われているのは、そのものが付いてない訳ではなく、OPFとして機能していないだけなんです。
OPFがどのように作用しているかというと、ものすごく簡単に言えば触媒加工されたフィルターに微粒子をくっつけてそれを排ガスの温度で燃やし尽くしています。
一方アメリカや日本のOPFがどうなっているかというと、微粒子を燃焼させるための触媒コーティングと微粒子が燃えたかどうかを測定するO2センサーが省かれているだけで、容器と中身のハニカム構造 (フィルター) はそのまま。いわば「ダミーOPF」といった存在です。しかし、容器自体が第二の消音器として働いてしまっているので、EU仕様と比べて音が根本的に違うとかいうことも無いわけです。(MY2022の日本の仕様がどうなってるかは知りません)
さて、992GT3に話を戻すと、日本の公式サイトのOPFの記載が正しかろうが誤植だろうが結局はOPFの缶は付いてくるし、991.2GT3と全く同じ音質にはならない、というのが個人的な考えです。(992GT3の音が悪いとは全く思わない。これはこれで素晴らしい)
「OPF無しなら先代みたいに普通のマフラーになるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、全く形状の違う二種類のエキゾーストをわざわざ開発して選べるようにするというのは考えにくいです。
何はともあれ、この時代にポルシェのような一流メーカーのNA大排気量MTスポーツカーが新車で買えるのは奇跡です。欲しいなら今すぐに買いましょう!
※OPF (Ottopartikelfilter)=GPF (Gasoline Particulate Filter)=PPF (Petrol Particulate Filter)
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2021/04/16 22:14:15