
露出合わせが間に合わず、黒つぶれ気味なこの鳥さんはなんでしょう?
答えは後ほど😅
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記憶を辿る上で、まずはヤマレコのGPSログをヤマケイオンラインで取り込んだデータをアップしておく。

それと、Androidのスクリーンショットの取り方を忘れたのでiPadで撮ったヤマレコのデータと。

GPS機能の精度の問題か不思議な動きをしている歩行データ、記録として信頼していいものか不安が残る。
ポイントポイントでメモした時刻をヤマケイオンラインに手入力したものはこちら。

歩行距離、累積標高共に大きな差異、そんなにふらついて歩いていたのだろうか?
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苔の森へ足を踏み入れ10分もかからずに白駒分岐に差し掛かる。
前回は直進し白駒荘の先から高見石を目指したが、そこそこ体力を消費するルートのため、今回は出だしの体力温存を図るために右に折れる。

駐車場は風の通り道になるのか、北風が吹き抜け体感温度が下がり薄ら寒くソフトシェルを羽織って歩き始めたが、森の中は無風状態でうっすらと汗ばんできた。

踏み跡の無いところでは霜柱がとけずに成長し土を盛り上げるほどだから、気温は高くとも5,6度といったところだろう。
寒さは感じられないのでソフトシェルを脱ぎ、半袖のドライレイヤー、長袖薄手のベースレイヤーの上はTシャツ姿になり再スタートする。
夏に訪れた時はサンダル履きの観光客が登っていたほどのなだらかさの登山道で、足元も良くついついペースアップしそうだが、ここは意識してスローペースで高見石を目指す。
老夫婦を追い越させてもらい中盤に差し掛かると、若い二人連れの女性が下ってきた。
「随分と早い下山だこと」と思ったが、4、50ℓはあろうザックを背負っていたところを見ると小屋泊だったのだろう。晴天続きの週末で充分満喫できたのではないだろうか。

登り切りこの分岐を左に折れると、ものの数分で高見石に到着する。
白駒分岐から35分ほどかけて到着したが、普通のペースなら30分かからないのではないだろうか。
それにこれと言った危険なヵ所もなく、ハイキング気分でで雄大な景色を拝むには適したルートだと思う。
孫が5,6歳になったら是非連れて来たいものだ。それまで私が元気で居られればの話だが。

ザックをデポし大きな岩群を登って高見石に立つ。
前回は雲が邪魔して眺望は臨めなかったが、今回はご覧のとおりの眺望。

実に雄大な大自然が眼前に広がっている。
北東の佐久方面を臨んでいるはずだから遠くに見えるは浅間山なのだろうか?

うっすらと噴煙が立ち上っているところを見るとやはり浅間山に違いない。

後ろを振り返れば、遠くの山並みは木曽山脈だろうか?
高見石小屋のトイレを借用しただけで次のポイントへと先を急ぐ。と言っても30分強も滞在してしまっていたが。

中山・天狗岳方面に歩を進めるが、これから先は初めてのルート。事前の情報収集不足もあってか少々緊張する。
樹林帯の中、緩やかな下り坂をしばらく進む。
ふと気が付けば、鳥の囀り、無風なのはありがたいが木々のざわめきさえ耳に届いてこない。
人工物から発せられる騒音は勿論の事、音という音が一切聞こえてこない。
聞こえてくるのは自分の息遣いと靴音だけ。
無音の世界に紛れ込んでしまった。
「無音の世界に放り込まれると、人間は確実に狂気の世界に導かれる」と聞いたことがあるが、狂気の世界に導かれないまでも得も言われぬ恐怖感が沸いてくる。
人気はまったく感じられず、ふと熊との遭遇が頭をよぎり余計に不安になってきた。
一帯は針葉樹の森だから、熊のエサは無く住み着いていなだろうとは思うけれども無音の世界が恐怖心を助長するのだろう。

平坦な登山道が終わると、今度は岩だらけの上り坂が待っていた。
高見石小屋前の案内板には「だらだらな坂」とあったが”長く続く”という点ではだらだらと言えるが、急登とまでではいかないものの決してゆるやかではないと思う。
こんな岩だらけのだらだらな登りで休憩がてら

写真を撮っていると、何やら動物の気配を遥か上の方に感じる。
逆光ではっきりとは見えなかったが、木々の間から黒い大きな物体が下ってくるのが目に留まる。
まさか、熊? いや大柄な人間だった。高見石に別れを告げて初めて出会えた人間。
恐怖心から一瞬熊かと思ったが、大型の三脚を括り付けたザックを背負った長身の外国の方だった。
音もなく人気もない山中で、人に出逢えることがこんなにもホッとできるとは思いもよらなかった。
「展望台に出れば絶景が待っている」と言葉を残して去って行ったこの方が、本日口をきいた最初の人になろうとは。
岩だらけでだらだらな坂を上り尾根に出ると

立ち枯れた木々の向こうに山並みが見え、さらに進むと開けた場所になる。
ここまで来ると、女性の感嘆の声が聞こえてくる。中山展望台は直ぐ先のなのだろう。
先を急ごうとすると、何やらバサバサと羽音が聞こえてくる。
やはり音のある世界はホッとする、
羽音の正体は、なんと雷鳥に次いで逢いたかったホシガラスではないか。
飛び去る姿は遠目で目撃したことはあったが、こんな間近でしかもしばし留まってくれているのだから、こんなに嬉しいことはない。

もっと小さいのかと思っていたら意外と大きく、鳩より少しい大きい30cmほどの体長だろうか。
山用に高倍率ズームを買い求めてよかった~と思う瞬間。
7,8分は傍に留まっていてくれただろうか。
ホシガラスに逢えるなどとは念頭になかったのでこの上ない幸せを感じる。
ここで下山し帰宅してもいいかなと思うほどの偶然の出逢いだった。