
年明け初のアルプス、以前から目標にしてた2月の西穂高岳のトライ!
が、表題で既にネタばれしてますが未踏です。負け戦です♪
悪しからず...llllll(-ω-;)llllll
西穂高岳は、穂高連峰の最南に位置する標高2900mちょいの山
ですが3000m級とはいえ、駐車場から新穂高登山口の2150mまではロープウェイで一瞬!
また2300m地点には通年営業(!)の西穂山荘があり、稜線までのアプローチの手軽さは至れり尽くせりです。yeah!
さらに山荘から山頂までのルート距離も比較的短く、シーズン中は老若男女大盛況!
一転、厳冬期には狭く急峻な痩せ尾根に、強風と氷の張り出す憧れの冬山と化します。
なんて前評判はともかく、正直雪質と天候さえよければ案外あっさり登れたりするのが雪山です。ぶっちゃけ楽観的でした。撤退するまで・・・

ルートはシンプルかつショートな往復7km、標高差は750m。
ちょうど元・地元の石鎚山がこんくらいのボリュームだったかな?
夏場なら日帰りも十分狙えます。


まずはロープウェイで、いきなり2150m地点の新穂高口までワープ
文明恐るべし!
新穂高口の駅舎周辺は観光園地、冬の平日も観光客でごった返してます。
なぜか韓国からのツアー客がめっちゃ多い、偶々?
園地の端っこから登山道となります。


ロープウェイ口から山荘までは約2km一時間ちょいの森林帯。
雪は深いですが、ルートの至る所にポールと標識が立ってるので迷う可能性は低いです。
比較的トレースも多いので、冬山初心者でも容易に登れます。


先行する登山者発見!
この時期平日のアルプスアタックは人が少ないので、同士がいると妙に安心します。ハラショーです。
赤い人は背中にダブルアックス背負ってます。カッケェ!・∀・


ウォーミングアップも終わり、ちょうど体が暖まってくるタイミングで呆気なく今晩の宿に到着。
少々物足りませんがロープウェイの営業時間の都合上、冬季の山頂日帰りは(普通の人には)不可能なので仕方ありません。


今回は寒さに喘ぐテントではなく、ぬくぬく快適な宿泊!
朝晩2食付で\9800
清潔な手洗いに大量の書庫(半分漫画)もあります。
某・関東峠プロジェクトは箱根編まで完備。

翌朝、まずはスノーマンの背後に見える丸山に登ります。
30分ほどで登頂。
ロープウェイから丸山までは2時間ほどで、特に危険箇所も無いため冬山初心者でも難なく訪問できます。
晴れた日は前穂高ほか、北アルプス稜線が一望できるのでおススメ!


丸山を超えると猛風の寒烈歓迎とともに、いきなり本丸・西穂山頂が見えます。
やや薄い朝焼けに染まる稜線、これは登頂もらったな!
本日晴朗なれども風強し、ですね。
ピッケルのストラップが、なびく~。

さて、中央のドーム状の岩山が西穂独標
一際白く目立つ三角の山がピラミッドピーク!
その奥にチラッと、西穂高山頂が見えます。
独標直下から、難所となりますのでご用心。

ここからのルートは、雪質によって難易度のまったく異なる変則地帯。
危ないと思ったら、直ぐ引き返しましょう。
独標直下から、直ぐ手前にアイスリッジの谷下り
そこから50度ほどの氷の斜面
最後には岩と氷の入り乱れた氷壁が待機してます。
隙を生じぬ3段構え、西穂の登竜門です。
氷壁を登る際は、できるだけ岩を回避し、氷面を狙って登りましょう。
それでも数箇所は岩を掴んで超えないといけませんが、岩の表面はツルンツルン!
支持できるホールドはごく僅かですので、超慎重に。

やっと登ってふぅ・・・、あれ?ナンダコレハ??
1時間前まで見えてたピラミッドピークが、欠片も見えない。
っていうかルートの足場もあんま見えない。
しばらく待ってみましたが一向に好転せず、むしろ風ばかり強くなり体が煽られます。厳冬期おっかねぇ
体感気温は風速1メートルにつき1度づつ下がるらしいので、
手元の気温計が-15℃程度ですから、この風だと-30℃前後でしょうか。
いつまでもここで待ってると体温が無くなっちゃうので、そろそろ進退を決断しないといけません。
考えてるうちに後続の登山者に追いつかれました。
私より前にいた一人はそのまま進んじゃいましたが、我々3人は・・・。
(もう・・・、引き返しましょうか・・・)
(お、そうですね・・・)
(・・・異議なし!)
個人登山集団(?)にありがちな、謎の団結力です。即効です。
先に進んだ勇者に敬意を表しつつ、退散することに決めました。
デハ、イッテマイル!(-`д´- 。)
∠( `・ω・´) ムチャシヤガッテ…
( `・ω・´)ゞ シヌナヨ…
(/"`・ω・´) アンタノコト、ワスレナイゼ!
が、問題発生、今日の斜面の雪質はガチガチしたアイスバーンの上にゴワッとした雪が10cm程度被さってる感じ。
アイゼンがイマイチ氷に刺さらない・・・。
アイスクライミングは、下りの方が数段怖い!
谷側に背を向けつつ、目前にピッケルの刃先を突き立て降下開始。
登ってきたのと同じポーズで片足アイゼンのつま先を氷面にガスガス。
ゆっくり体重を移しつつ、もう片足もガスガス。
そしてピッケルを抜き、また目前に刺して保持、以下ループ。
距離はしれてても、アイゼンのつま先に全体重を掛けてる間は得もいえぬ心境でしすね。当然、何が起きても自業自得恨みっこなし。


よーし、この辺まで降りたら一安心?
後続の人も撤退開始。
うわっ、見てるほうがコエー
風に飛ばされた氷のつぶてに顔を殴られつつ、どんどん稜線を下ります。
寒いし痛いしもういやだ、さっさと降りて風呂入ろ!
気分はすっかり負け犬モード

ロープウェイ駅舎まで降りて園地から西穂連峰を見返すと、
よりによってピーク部だけ雲に覆われてます。何の嫌がらせだ!
喉元過ぎればなんとやら、今度は撤退したことに多少の後悔。現金だなぁ
まぁ、この後は全天雲に覆われたのですが。よかったよかった(?)
また来年リベンジします、次はWアックスで・・・