
天敵である花粉シーズンもやや落ち着き、日照時間もだいぶ長くなってきたので久々の日帰り山行。
今シーズン冬山最後(?)を締めるのは例によって南八ヶ岳連峰、昨年秋に来た赤岳です。
ただし前回は東(山梨側)からですが、今回は西(長野側)の美濃戸口方面から
ルートは主に前半の美濃戸口から行者小屋までの樹林帯(およそ7㎞)と、行者小屋から地蔵尾根を登り赤岳→阿弥陀岳をめざす稜線歩きとなります。
標高差はおよそ1500m、往復約18㎞で目安所要時間は10時間ほど
今回は日帰りですが、時間に余裕があるなら行者小屋あたりで一泊するのもいいかも?

登山口の美濃戸には2か所の駐車場があり、一つは八ヶ岳山荘、そこから林道沿いに3㎞ほど進んだ場所に赤岳山荘があります。
ただしこの林道は少々荒れており、ある程度は車高のある車種でないと苦戦します。
車高長の恩恵により少しの坂やコンビニ車輪止め程度で擦りまくる私のデミオでは、無理な相談。手前の八ヶ岳山荘にて、ひとまずデミオとお別れです。
6:20 八ヶ岳山荘
まずは約40分の林道歩き、後から来た車連中に先越されつつ登山スタート。
ちなみに駐車料金は八ヶ岳山荘が500円、赤岳山荘が1000円也

7:00 南沢分岐
赤岳山荘を通過すると林道も終わり、まともな(?)登山道の様相となります。
ここからルートが北沢と南沢に分岐しており、今回は南沢から行者小屋に向かいます。
しかしこの南沢、あまり面白いルートではありません。
確かに楽ではありますが、これといった展望や要所もなく
標高差700m、およそ4㎞の道程を2時間ほどダラダラと歩き続けます。
おっと一ヶ所、ルート上に凍結した滝があったので、せっかくだから登攀。
他の先客も考えることは同様で、結構トレースが残ってました(笑)
ちなみに滝のすぐ上で本線と合流できます。

9:00 行者小屋・ベースキャンプ
鬱蒼とした樹林帯がにわかに拓け、晴天に赤岳の展望が!
また行者小屋BCからは赤岳のほか横岳、阿弥陀岳まで一望できます。
こうなると気分は鬱から躁に大転進、無事やる気スイッチが点灯いたしました。

とはいえ、冬の赤岳登山はここからが本番
次は稜線に取り付くため地蔵尾根を登るわけですが、行者小屋から見上げるソレはもはや屏風。
傾斜40度の雪坂をひたすら登ります。

しかしまあ、キツいことはキツいですが、そこは稜線付近。
周囲は八ヶ岳連峰の大パノラマ(ただし写真不足)
南には中岳・阿弥陀岳も見えます。
おっとあまり景観に見とれて足元滑ると大惨事、行者小屋までUターンですよ。

10:30 地蔵の頭
なんと地蔵尾根のゴールにはお地蔵さんが鎮座しています。
ここまで担いだのか、はたまたここで彫ったのかは謎ですがナンマイダ~
地蔵の頭から北方向には横岳・硫黄岳・天狗岳から蓼科まで北八ヶ岳のオールスター状態
そ し て ・・・
本日の目的地、雪化粧の赤岳さん!
シャープな横顔に痺れます、憧れます。

赤岳の西(右)には中岳・阿弥陀岳稜線、登頂後の帰路はアチラとなっています。
ここまで来たらもはや登頂を阻害する要素はありません、あとは眼前の山に登るだけ。
俄然ターボがかかります。

11:20 赤岳
てなわけで到着。見かけに反し、実は地蔵の頭からここまでそれ程難所はありません。
地蔵尾根まで来られた方なら問題ないでしょう。

折り返し地点を過ぎ、復路は文三郎道から阿弥陀岳方面へ下っていくわけですが、雪山なので断然下りのほうがおっかないです。
このルートの特徴は山頂直下が岩と急斜面となっており、積雪期はやや難易度が高めです。
ですが区間自体は長くないため、少し下ると難易度は低下します。
時間は余裕有りますので、焦らず慎重に!

こんな感じの雪だまりあたりまで下れば、一安心?
文三郎分岐を過ぎて少し登り返し、中岳へ
中岳から見返す赤岳西壁、今しがた下ったルートがジグザグに見えます。
こちら側は比較的積雪が少なく、あちこち岩盤がむき出しになってます。

一方、中岳から正面の阿弥陀岳。
近くで見ると、山頂付近は意外と急斜面だったりします。
中岳・阿弥陀岳間の稜線はやせ尾根が続きます。やはり慎重に
まあ右方向なら滑落しても、スグ木に引っかかるかもしれませんが(笑)

12:30 阿弥陀岳直下
さて、当初はこのまま阿弥陀岳を直登し、そのまま御小屋尾根とよばれるルートで駐車場に戻るつもりだったのですが・・・
1、なんか疲れたし・・・
2、雪面カチンコチンだし・・・
3、空も曇ってきたしなぁ・・・
って訳で、少し登ってスグ引き返してしまいました(笑)
また逃走してしまったわけですが、まあ今回のメインは赤岳なので良しとします(汗)
写真の右斜面にエスケープルートがあり、だーっと駆け降りるだけで行者小屋まで戻れます。楽ちん!
少々お粗末様でしたが、この時期の赤岳は天候も安定しておりトレースも冬山最多レベル!
また行者小屋までなら軽アイゼンのみでも来られるため、散歩がてら南八ヶ岳連峰をゆっくり見上げに来るのも良いかもしれません。