超多忙を極める3月の貴重なお休み。
天気も良かったよので、相方さんのN-BOXで目的地のないドライブへ。
気持ちよさに誘われて山へ向い普段通らない道を選択して走る。
道は細く、人家もなくなり、ケータイも圏外になった。
何年か前に一度だけ通った林道は、以前より更に荒れていた。
林道を進むと爺さんが一人歩いてる。
こんなところまで散歩? と思いながら道も狭いのでゆっくり徐行ですれ違う。
じっーーーと見られた。
こんな道を通るのは一日数台だろうから不審がられたかな?
それからしばらく走ると、びっくりする光景が目に止まった。

運転してる相方さんに緊急停車してもらい、状況確認しに行く。
とりあえず車内に人はいなくて一安心だけど、イグニッションはオンのままで電源が生きてるってことは落ちたばかり?
さっきの爺さんか?
小走りで来た方に行くと爺さんが歩いてきた。
「あの車そう?」
「そう」
なんで声かけなかったの?
下手したら次の車が通るの明日だよ?
「怪我とかしてない? 痛いところない?」
「大丈夫」
口では大丈夫とか言うけど本当か?
見た目で怪我の確認。
とりあえずは大丈夫そう。
「警察とか電話した?」
「まだしてない。」
警察に電話しようとするが圏外だったね。
「いつやったの?」
「やったばかり」
本当か?
相方さんが向きを変えて待機してるので近くまで来てもらう。
相方さんに後席に移動してもらい、助手席に爺さんを乗せようとした時に、靴を履いてないことに気づいた。
そういえば、転がっている車の中にキレイに揃えて靴があったのを見た記憶がある。
常に替えの靴を車に積んであるので、履いていたクロックスを「これあげるから。返さなくていいからね。」と言って履いてもらい、乗せて道の駅まで戻る。
110番で事故の通報。
その後、すぐに所轄警察署から折返し場所と状況の確認の連絡が入る。
「場所の説明ができないしケータイも圏外だから道の駅で待ってる」
「なにぶん山間部なので到着までしばらく時間がかかるけど時間は大丈夫ですか?」
「時間はあるから待ってます」
ついでに家族にも連絡を入れる。
家には奥さんだけしかいないみたいで、慌てた声で「道の駅はわかりますからすぐに行きます」と言うので、急がなくても大丈夫と強めに念押し。
待ってる間、何回聞いても「寒くない」とは答えるけど震えてるよ?
寒いのか軽くパニックなのか。
とりあえず温かいお茶を買って渡す。
お巡りさん到着。
爺さんと3人で少し話しして、爺さんだけでは怪しいので現場まで先導する。
現場では話しながら状況確認。
現場の正確な番地をとか指示されたけど、圏外だから警察の端末もケータイも使えない。
ゼンリンさんの紙媒体て確認するも、住居表示なんてあるわけない。
無線で指示されて、確認して連絡の繰り返し。
「指示する方は楽でいいよね」
「本当ですよねーまったく」
等々と軽口を叩きながら処理を進める。
警察無線ですら電波怪しい。
お巡りさん一人では限界があるので横で手伝う。
ドアを開けてイグニッションを切り、車検証と貴重品が入っているだろうカバンを拾って爺さんに渡す。
車を一周回って確認する。
給油口は上向いてるから漏れはない。
その他のバッテリー液や油脂類も漏れるかもしれないけど視認はできない。
「これってあとどーするの?」
「JAFさんか業者さんにがんばってもらうしかないですねー」
「でも、レッカーもクレーン付も入って来れないよね? 入れても足出せないよね?」
「向きも変えれないしどうするんでしょうね? 一度現場の確認をしてもらってがんばってもらうしか。あーでも、もう暗くなってくるから今から来てとはかわいそうでいえませんねー」
そうしてるうちにパトカー到着。
「うわっ!こんなとこまでクラウンで入ってきたよ」
「自分だったら絶対嫌です。少しでも傷つけると後が大変なんですよー」
なんて会話しながら、お巡りさんが3人になった。
クラウンの運転席で「明るいうちにパックして回してくる」とか言ってるので「少し進むと向きを変えれるところあるよ」と教えてあげたらそのまま調査になった。
途中、家族への連絡の話になったので、連絡済みで奥さんが迎えにもう来てるかもと伝えた。
暗くなり始めた頃に一通り終わったみたいで、とりあえず道の駅まで戻る話になった。
道の駅には車が一台だけ止まってた。
パトカーと3台で道の駅に着くと、それを見てすぐに運転席から降りてきた奥さん。
車の発見から3時間半。
これでお役御免かとお巡りさんに確認すると、爺さんや奥さんに名前とか聞かれたけど、お礼なんていらないからと丁重にお断りさせていただいた。
休みが潰れたけど、爺さんも無事だったしお巡りさんとの会話も楽しかったから良しとする。
最後に「ご協力ありがとうございました」と決まり文句を聞けてちょっと嬉しい。
ちなみに、爺さんは74歳。
直進してて落ちたということだから一回転以上してるよ。
大きな怪我がなかったのはなによりだけど、家に帰ったら家族に散々怒られるんだろうな。
Posted at 2020/03/22 16:25:18 | |
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