4日間連続で本タイトルの記事をアップしてきました。今回をもって最終回とします。
【新型 “TWINGO” と新型 “forfour” の特徴】
新型 “TWINGO” と新型 “forfour” のホイールベースは2,492mmで同じです。しかし、両車の全体的な寸法はわずかに異なります(“TWINGO”の全長3,620mm、“forfour”の全長3,495mm)。ファイアウォール、ステアリングホイールと座席の位置はすべて同じということです。これにより、両車とも旧型をしのぐ室内空間を実現しています。
フロントからエンジンを排したことでステアリングの切れ角が増しました。さらに操舵を受け持つ前輪には切れ角を大きくするために後輪より細いタイヤが装着され、クラスで最も優れた最小回転半径(“TWINGO”4.3m、“forfour”4.1m)を実現しています。
両車とも同じ3気筒エンジンが搭載されます。2種類のエンジン(1.0L NA と 0.9L ターボ)による3つの出力レベル:45kW(60馬力)、52kW(70馬力)、0.9Lターボエンジンの66kW(90馬力)がラインアップにあります。しかし、“TWINGO” と “forfour” ではチューニングが異なるようです。また、ABSとESPシステムのチューニングも異なります。
日本市場向けのエンジンとトランスミッションは本日現在、各社1つしか設定がありません。“TWINGO” は0.9Lターボエンジンの66kW(90馬力)、“forfour” は1.0L NAエンジンの52kW(71馬力)だけです。トランスミッションはどちらもゲトラグ製の6速DCTで、欧州で主流の5速MTは選べません(限定モデルは7月14日に完売しました)。
【英国市場のsmart “forfour” ブローシャー(抜粋)】
英国市場で使われているセールスブローシャーを4ページ分アップします。日本とのラインアップの違いに注目してください。
※ proxy というグレードは日本ではラインアップされていません。これが最上級のグレードのようです。
【欧州6か国及び日本の自動車団体が発表した smart の新車登録台数】
※ マークラインズ(自動車産業ポータル)が公開しているデータをコツコツと拾い出し集計したものです。
【“TWINGO” と “forfour” は日本において競合するライバルにはならないのか?】
シロウトの私には素朴な疑問が生じます。共同開発によって生まれた新型 “TWINGO” と新型 “forfour” ですが、市場(特に日本)において競合するライバルにはならないのか? という点です。
欧州市場では、新型 “TWINGO” は2014年9月から、新型 “forfour” は2か月遅れの2014年11月から発売されました。翻って、日本市場では新型 “forfour” が2016年1月から発売されましたが、新型 “TWINGO” は2016年9月からと8か月遅れの発売となります。
こういう状況を見ると、日本市場においては両車の競合を避けるためにメルセデス・ベンツ日本とルノージャポンの間で協議の末、発売時期をずらし、さらにはエンジンを差別化したのではないかと妄想してしまいます。つまり、メルセデス・ベンツ日本が計画台数と計画収益に達したタイミングでルノージャポンが発売開始する、こういうシナリオが最初から用意されていたのではないかということです。もちろん、戦略的提携のパートナーであるブランド同士なので、Win-Win の関係を維持するには必要な施策と感じています。
自分がルノー贔屓だからでしょうか、これからはルノーの追い上げが始まると感じています。
【“TWINGO” が “forfour” のシェアを奪うという妄想】
あくまで思い込みからくる妄想です。ご興味ある方はおつきあいください。
・新車で購入した “forfour” のオーナーはセカンドカーあるいは家族のクルマとして選んでいる。ファーストカーはもちろんメルセデスのEクラス以上。
・家族のクルマであるとしたら、女性に好まれる色・デザインが選ばれる傾向が強い。言い換えれば決定権は女性にある。
・ “forfour” よりも “TWINGO” の方が明らかに女性好みの色・デザインである。さらにパワフルなエンジンで価格も安い。
・既存の “forfour” のオーナーの3割くらいは上記の理由から “TWINGO” に乗り換えに来る。
まんざら、ありえない話ではないと思いますが(笑)、いかがでしょう?
Posted at 2016/07/18 12:55:38 | |
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