2013年08月12日
去る2013年8月10日、私は1つのドライビングレッスン(以下、DS)を受講した。この話を持ちかけてくれた人物はみんカラ友達のFRマニア氏である。彼と出会ってもうすぐ1年となるが、幼年期から父上が購入したベストモータリング(以下、BM)を観て育った根っからのクルママニアである。しかし、ただのクルママニアだけではない。BMに出演されたガンさん(黒沢元治さん)、清水和夫さん、中谷明彦さん等々に関連する知識が尋常ではなく、またそれぞれのドライビングスタイルを冷静に分析する力、自分にフィードバックしようとする向上心、考えを端的に纏める表現力、20代前半とは思えない青年である。そんな彼から会わせたい人がいるとの話を貰ったのがちょうど今年の5月。局長からガンさん本が送られてきて、感想を記した時だ。会わせたい人とはBM内のある企画にご出演された方であった。その企画とは、クルマ好きで運転に自信があるアマチュアの方々のドライビングを清水和夫さんが一刀両断し、松竹梅の3段階にランク付けするコーナーであった。そのコーナーで唯一、清水和夫さんから『上手い!』との絶賛を受け、松・特上として評価された方である。そのような方(以下、教官)からドライビングレッスンが受けれる話、みすみす逃す訳にはいかない。ただ、課題もあった。家族持ちの私、開催場所である山口県北部迄の足がないFRマニア氏、ご多忙な教官。色々と調整させてもらい8月のお盆前の日曜日に開催日時が決定。孫の帰省を心待にしているジジババの為にも家族を一足先に帰省させ独り身となった家族想い(嘘つけ!笑)な私、受講生を途中からpickupし現地まで同乗する事で課題は解消した。
当日の朝7時30分前に自宅を出発、お盆の帰省と重なり交通量が多い中国道をいざ西へ。途中休憩を挟みながら現地到着は10時30分頃。現地到着するなり、教官から気持ちの良い挨拶『こんにちは!』と第一声が。ここで私の不安は完全に心の中から消えた。それまでにFRマニア氏からは教官の事について聞かされていたが、私自身BMについてど素人であり、前日に教官がご出演されたBMの映像を確認出来た程度であった為、一体教官ってどんな方なんだろ?鬼教官だったらどうしよう・・・と言う不安も少なからずあった。ただ、挨拶という言葉のキャッチボールでそれも吹き飛んだ。流石一流の方は技量だけではない、挨拶や気配り等も兼ね備えている。
建物の中に入り改めて挨拶や現在の近況など和気藹々と会話する雰囲気には全く堅苦しいという言葉は無縁であった。この後のDSも終始緊張せず挑めたのもこの"前菜ならぬ前談"があったお陰なのかもしれない。
そしていざ教官が用意頂いた実習車に乗り込み本日のカリキュラムの説明を受けた。中身を簡単に言うとある規定のコーナーをいかに速く走れるか、平たく言うとジムカーナの低速版。速度が出ても40km/h程度。ジムカーナと1つ違うのはクルマに搭載されたGセンターが0.35G以上を超える走行はNG。0.35Gを超えると『ピー』という連続音が鳴り、0.35G以下付近では『ピッピッピッ』というある一定周期の間隔音で知らせてくれる装置が搭載されている。これも教官がオリジナルで作られた装置である。如何に安心安全、そして楽しくドライビングスキルが拾得出来るかに重きを置かれた本企画の立案&運営、正に世の中にないものを生み出すクリエイターでもあり、局長が仰るカリスマ教官も頷ける。
さて今回の参加者は私、FRマニア氏、FRマニア氏の同期の方の3名。実は最後に紹介した彼(以下、U君)は前日に免許が交付されたピカピカの1年生。経験は浅いが教習所に近い、謂わば模範生とも言える。またFRマニア氏は前回、同企画のDSを受講済であり、アドバンテージかある。じゃ私は一番不利か?そうとも言えない。伊達に一番歳を食ってる訳ではない。実技経験は長い。切り口は異なるが皆それぞれ有利な点を持っている。
先ずは教官の運転&先行で数周の慣熟走行によるコース把握、ライン取り、荷重の載せ方を理解し、いざ自分の実習車へ乗り込む。実践指導の開始である。日頃は家族をメインに乗せ極力荷重変化を発生させないように心掛けてる私、何と『ピッピッ』音が鳴らない!ブレーキとアクセルのメリハリがないダラっとした運転。しかもクルマの向きが変わる前にブレーキングを離すギクシャクした運転。タイムは63秒前後。初回にしてはタイムは出てるとの事だが到底納得出来た走りではない。だだ、横に乗って頂いた教官の丁寧にご指導のおかげで早い段階に自分の悪い癖にも気がつき、あっ!なるほど!という気持ちに変わり、助言一言でタイムが2秒ほどアップの61秒前後。ただまだ自分の物にはなっていない感じ。午前はここで終了。約1時間のレッスン。
昼食は教官がご用意頂いたお弁当を頂くことに。何から何まで対応頂き本当に頭があがらず。昼食中もBMや教官の裏話まで聞けて無駄な時間を1秒足りともなかった。
昼食も終わり午後のレッスンが開始。午前の復習を兼ねて周回を重ねる。やはり61秒から速くて60秒5。乗れてきてるのは少しずつ感じ取れていたがまだまだ納得出来ず。再度教官に乗って頂き、自分とのドライビングを比較的。違いはやはり『アクセル&ブレーキの強弱』、『ピッピッ』音が連続的に鳴り続けている。要は設定G付近の摩擦円まで連続的にきっちり使いきっている教官に対し部分的にしか出来ていない私。タイム差も歴然。ただ、まだまだ行けるんだ!と言う気持ちになるたのも事実。漸く60秒の壁を越え59秒前後、最速で58秒5を記録。ピッピッ音も教官に近づいている。2時の休憩を挟み繰返し練習をした成果が最速で56秒5。教官の最終同乗による確認テストは57秒5前後とタイムダウンした。これは環境変化(タイム計測、同乗によりプレッシャー等)に依るものが大きく、私の弱点でもある。今後は外乱にも動じないメンタル面向上も必要だ。
無事にDSも終わり、受講者皆が笑顔でかつ収穫の多い1日であった。皆で集合写真を撮り、充実したカリキュラムはこれにて終了。
教習所との違いはやはりブレーキング。教習所ではブレーキング完了してからハンドルを切るエオリー通りの教えであり、それ以外の事をやると減点対象である。今から免許を取ろうとする技量も異なる人々を全て網羅しようとすると、そう言う動作にならざるを得ない。ただ、それってタイヤ含む本来のクルマ性能を引き出してしる走りとは言えない。クルマの性能を引き出す技量を身につければ、安全な運転に変わりはなく、ドライビングプレジャーも味わえる事に繋がる。正にクルマと対話が出来るようになる(きっかけを与えてくれる)のが、本カリキュラムの狙いだと思う。
私自身、荷重コントロール、ブレーキング残し、リアタイヤの位置(鳥瞰図のイメージ)が一番の収穫てあり、更に日常生活でも向上させていきたい。帰路の途中、U君は後部座席で夢の中へ。疲労により睡魔に襲われたのもあるが、教官から教わったドライビングテクニックが早速役に立ったと思いたい。
最後にご多忙&猛暑の中、車両やコース設定の準備、昼食手配、DVDのおみやげまで準備頂いた教官には本当に感謝の言葉しか見当たらない。この経験が私の中でのターニングポイントになったのは確かである。微力であるが今後教官がサボートしている練習会にボランティアスタッフとして参画していきたい。
Posted at 2013/08/12 07:11:06 | |
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