以前にもこの本を購入したときに
ブログにUPしたと思う。
とても面白かったので今度は、感想などを....
まずは主人公の男の子の名前が印象的だった。
磯貝みるめ
なんだか、雰囲気手塚治虫の「めるもちゃん」(カタカナだったかな?)みたい....
名前に比例して、この男の子19歳にしては大人である。
”見る目”がしっかりしている。(さすが、みるめくんだけある)
一方、19歳のみるめと付き合うようになった39歳の美術講師猪熊サユリ.....
彼女はいつも頼りなげでふらふらしていて、地に脚がついていない....弱い人間である。
なんとなく悪く言えば「ズルい人間」にしか思えない。
面白いのが出会いの頃はサユリを見下ろす視線だった彼がどんどん彼女にのめり込んで行き、やがて腑抜けのようになってしまう。
あの、しっかりした青年が....である。
作品は、常に「オレは」という男の視点から描かれているけれど、感性は終始作者の感性そのままである。
そこがかえって同じ女性の視点だからなのかな、不思議と好感がもてましたね。
サユリさんのご主人サマもちょっと風変わりで面白い方でした。
ダンナさまはサユリさんをかなり愛していらっしゃるように読みとれました。
今度公開される映画ではサユリさんの役を永作博美さんが演じていますが、原作では彼女はどちらかといえば”小太り気味”で永作さんのイメージとは心持ち違う気がします。
....が
不思議としっくりきてたりして。
DVD化まで待とうぜ、ホトトギス
っと。。。。
気に入った一節
木の枝と枝の、間の空。
あれは存在しているのだろうか。
巨大な空と、枝に囲まれた小さな空は、別物だ。
囲んだ途端に、風景は切り取られる。
(河出文庫 「人のセックスを笑うな」/山崎ナオコーラ 著)

(写真 先日の桐生)
映画の公式HPです。
Posted at 2008/03/26 17:01:58 | |
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