
トヨタマーケティングジャパンが公開した
『シャア専用オーリスIIコンセプト』は2013年に発売された
『シャア専用オーリス』と比べ、いっそう凝ったディテールと、
派手なグラフィックを持つデザインとなっている。
このコンセプトカーのデザイン開発を手がけたのは、
以前のシャア専用オーリスと同じくトヨタモデリスタインターナショナル。
同社のデザイナーがアイデア提案し、
サンライズ(ガンダムのアニメ制作会社)などのデザイン監修を受けるという流れでデザインがまとめられている。
古長力デザイナーは「スケッチで“モビルスーツらしさ”や“シャア専用らしさ”
をいろいろ考えて提案しています。しかし自分ではいいと思っていても、
監修段階では“これはシャアらしくない”、
“ジオニック社はこういうデザインはやらない"とダメ出しされたアイデアも多かったですね」
と振り返る。
また町田隆夫デザイナーはコンセプトカーならではの
「作り込み」を教えてくれた。
たとえば前席は豊田紡織製のスポーティなものが採用されているのだが、
ジオニックトヨタのロゴとマークがエンボス加工された表皮はシャア専用として開発したものだという。
シートの側面には外装と合わせた鮮やかな色が採用され、
白いストライプは白糸を緻密に縫うことで表現。
しかしこれは、単純に表皮を「着せ替え」したというものではない。
これは製造時に表皮を金型に入れてウレタンを発泡させて成型し、
内部のウレタンと表皮を密着させた一体成型シート。こ
のため既存品を改造することは不可能で、
シャア専用スポーツシートとして豊田紡織と共同で新たに開発製作している。
また4本出しのマフラーエンドも既製品をベースにしてアレンジを加えたのではなく、
新たにCADデータを作成して削り出したもの。
「モビルスーツのスラスターノズル」の形状や雰囲気を表現するには、
新規に製作する必要があったのだという。
樹脂パネル以外でもこうした特注パーツが目立つことや、
マーキングのデカールが派手なこともあって、
以前のシャア専用オーリスよりも全体的に
「ガンプラ」(ガンダム作品に登場するメカのプラモデル)を
ディテールアップしたかのようなデザインになった印象だ。
もちろんこれは販売しないコンセプトカーだからこそできたもの。
しかしこうしたデザインを提案した背景には、
前モデルの売り方と、その反響が影響しているのかもしれない。
前モデルでは当初、コンプリートカーでの販売を想定。
しかし最終的には、ユーザーが部品ごとに購入できる
「パーツ販売」という形での発売となった。
これは「ガンプラをカスタマイズする感覚で好きなパーツを選び、
自分だけのシャア専用オーリスを作ってほしい」という意図を込めたものだった。
そして商業的に成功を収めている。
そして第2世代でも、市販するとしたら同様の形式になる可能性が高そうだ。
となると今回シャア専用に加えて、それよりも追加パーツが少なくシンプルな
『量産ザクモデル コンセプト』を同時に公開した理由を想像してしまう。
エアロパーツの組み合わせ方やカラーリング、
マーキングなどをユーザーが思い思いにアレンジすることで、
シャア以外にもさまざまなキャラクターの仕様、
あるいはまったくオリジナルなジオン仕様が作り出せるかもしれない。
Posted at 2015/07/22 14:19:21 | |
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