甲虫忍獣 アゴン

巨蛾モスラを代表にして昆虫系統の怪獣には傑作や佳作なのが数多くあります。昆虫自体が怪獣にアレンジしやすい特徴的なパーツで構成されているからだと思います。

磁石怪獣アントラーはクワガタムシをアレンジした名怪獣として今でも怪獣ファンには人気あります。なにしろウルトラマンの必殺技のスペシウム光線を浴びてもびくともしない強靭な身体の怪獣でした。
このアントラーと闘わせてみたいのが、今回登場の「甲虫忍獣アゴン」です。東映特撮テレビ作品の中でも未だにファンから支持されている「仮面の忍者 赤影」の第３部・根來忍者編に登場しました。

甲虫アゴンを操るのは、根來のくノ一、虫寄せ風葉で根來討伐に向かう豊臣一行を襲います。奇しくも一行は海に逃れてアゴンからの危機を脱しますが、次に現れた時は拉致された白影を救出に出向いた赤影・青影の前に出ました。この時の演出が素晴らしく、頭の角で木々を薙ぎ倒し、赤影達を追い詰め進撃する姿はパワフルでした。救出された白影の機転でくノ一・虫寄せ風葉からアゴンを操る草笛を取り上げ難を逃れるのでした。
白影を拉致する事で、豊臣一行から目を離している隙を突いて、根來衆のもう一人のくノ一・百足の矢尻が巨大百足・ドグマを操り、豊臣一行の滞在する鈴鹿峠近くの村を襲撃します、其所に颯爽と現れたのが、赤影が風葉から取り上げた草笛で操るアゴンでした。赤影が操るアゴンは家々を破壊しないようにドグマと闘うのです(こう言った細かな演出が最近の特撮モノにはない)が、赤影が操るのですからアゴンはいつものパワーが出ずに、ドグマの尻尾の毒で殺られてしまいまうのです。

甲虫をモチーフにした怪獣や怪人は他にもいるのですが、アゴンの様に甲虫の硬質感が旨く表現されている怪獣はあまり見かけません。アゴンは昆虫怪獣の中でもモスラ、アントラーに続く名怪獣と言えます。