KYO-EI / 協永産業 HUB CENTRIC RING 67/56  

ホイールナットでおなじみのKYO-EIから発売されている、鍔つき溝つきのジュラルミン製ハブリング。一口にジュラルミンと言っても、アルミに銅やマグネシウムなどを混ぜて強度を上げた合金という共通点があるだけで、色々な種類がありますが、このハブリングの場合はA6063-T6とあり、調べたところ、ケイ素（＝シリコン）などを加えて純粋な強度よりも錆びにくさを重視した合金になっているようです。

デイズ（ハイウェイスターX）には内径56ミリのものが適合しました。外径はホイールに合わせて67ミリです。前レビューのWePro/フジ・コーポレーションのハブリングは内径が合わず、夏タイヤ＆リジカラと一緒に取り付けることができなかったため、次のタイヤ交換の機会があればと思ってこれを購入していたのですが、翌月の2017年4月にセンターハブから錆汁が出る問題（整備手帳参照）でホイールを外して錆止めを塗ってもらった際、ロックナットと一緒に取り付けてもらいました。思ったより早く機会があったものです。

通常、ホイールのハブ径は自動車メーカーごとに統一されておらず、社外品のホイールはハブ径を広く取ってあるのが一般的です。ハブリングはホイールと車体側のセンターハブの間の隙間を埋めて中心がズレないようにし、高速走行中にホイールがブレないようにするためのもの……というのが一般的な説明だと思いますが、必要性については意見が分かれているようです。いわく、通常、車のホイールはハブボルトとホイールナットによってガッチリ固定されており、ハブリングはあくまでホイールの取り付け時のズレを防ぐためのガイドでしかなく、ナット穴がテーパー座になっているホイールで中心がずれることは滅多にないことから、ホイールの取り付けに慣れた者が取り付ける場合にハブリングは無用で、むしろ外すときにハブやホイールに固着して支障がでることがあるのでない方がよい……という不要論もあれば、ハブリングにはボルトが受け止める車重や衝撃の一部を受け止め、ホイールの変形を防ぐ効果があるので、決して不要ではない……といった必要論もあったりするようです。結局どちらが正しいのかは分かりかねます。

デイズのセンターハブは細く薄く作られているので、車重を支える効果はあんまり期待できないかも知れませんが……まあ個人的には、ホイールがハブボルトと摩擦だけでくっついているという状況は、どれだけ大丈夫だと言われても直感的な不安感があります。せっかく足まわりにリジカラを装着してサブフレームの僅かな隙間を埋めたのに、ホイールの芯の周りに5.5ミリもの隙間が一周しているという状況を思うと「なんかリジカラとコンフォートタイヤのおかげで走りが良くなった気もするけど、実はホイールを社外品に変えた分と相殺していて、良くなった気がするのはプラシーボ効果に過ぎないのでは……？」という負のプラシーボ効果を生んでいるような気がしていたので、後日無事に取り付けられてほっとしています。ハブの芯がホイールまで通っていることで、舗装状態のよい直線でスピードを出すときの足元の安定感、というより心理的な安心感が各段に向上しました。心なしか、リジカラや（一皮剥けてきた）コンフォートタイヤの効果も実感できるようになった気がしてきて、気分良く走れます。実は、既に取り付けてあったダミーローターはハブリングと相性の悪いアイテムなのですが（鍔つきの意味がなくなる……）、薄いダミーローターなのであんまり問題なさそうです。

前レビューしたWePro/フジ・コーポレーションのハブリングと比べると、こちらの方は残念ながら仕上げの品質が幾分雑で、表面に無数の擦り傷があったりしたのですが、購入価格はほぼ半額。まあ通常、ハブリングはホイールのセンターキャップで隠れる部分ですから、強度に影響しない程度の擦り傷があっても気になりません。前レビューのハブリングを返品した返金額で、部品代と取り付け工賃までをまかなうことができました。

関連情報URL：http://www.kyoei-ind.co.jp/sangyo/product/HubRing_Utype.html