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ウンベリフェロンのブログ一覧

2015年10月28日 イイね!

現代列女伝(Tさん).....その1 

二回に分割しますが、今回でこの列女伝のシリーズは最後になると思います。
さすがにそんなにネタはありませんので。

大学時代の最後の半年間と卒業後の1.5年間の合計2年間、私は三角関係にありました。ただし普通の意味での三角関係とは違います。

MU君は大学に入った時にクラスが同じで、しかも席が隣だったことが縁で親しくなった親友です。初めて会った時は「こいつは生き別れになった私の兄弟か」と思うくらい、同じ匂いがしました(あとで聞くと向こうも同じように感じたとのこと)。外見は沖田浩之(若い人は知らんだろうなあ....)に似ていて、今で言うイケメンになるのかな。趣味とする音楽のジャンルも私と近く、80年台ユーロ、YMOなどを聴いていました。

彼も父親に対してコンプレックスを持っているなど、家庭環境もかなり似ていました。気が付くと彼とはいつも一緒に行動していたし、酒を酌み交わして将来を語り合ったり、何回か一緒に旅行をしたような間柄です。外見はイケメンで、ピアノも弾けるので大変女性にもててダンスパーティとか、よく行っていたようです。私も少しだけおこぼれを頂戴して、合コンとか参加させてもらいました。彼が言うには「お前は自分をもっとさらけだしたら、すごくモテるタイプなのに惜しい!」とのことでしたが、さてどうなのでしょうかね。


二人とも大学の同じ寮に入っていたので、本当に兄弟みたいに見えたのでしょうか。周りから見ると「二人はできている」とウワサになったくらい(笑) ただし、性格は少し違い、彼はかなり大雑把でその場の状況に応じて対応していくタイプ。私は計画的に行動していくタイプです。したがって、大学の講義で私が取った講義ノートを彼が参考にして単位を取ったというストーリーは容易に想像がつきますよね(笑)ただ、状況の変化に即応する頭の良さは私には無いものですので、その点は大変尊敬していましたし、学び取ろうと思っていました。


大学時代の最後の年。二人とも就職が決まり、MU君は某放送局に決定しました。その時にMU君の同期として同じ放送局に就職することになった女性が、今回お話するTさんになります。


Tさんは関西の地方私大の出身。歳は我々よりも1つ下。外見は黒木瞳をより少女っぽくしたような感じか。私の第一印象は、トルストイの「戦争と平和」に登場するナターシャ。このナターシャについて興味がある人は調べてみてください。一言でいえば、太陽のように明るくて無邪気だけど、同性には嫌われるタイプ。


出会いはたしか、この同期の仲間同士で仲良くなろうというイベントの延長で、彼女が大学の寮に出入りしたことがきっかけと記憶しています。寮には談話室という20帖くらいのスペースがあって、そこでお酒はもちろん、スウィーツ大会とかイベントがありました。参加はもちろん自由で誰でもという雰囲気です。将来の希望とか恋愛とか悩み相談よろず相談とかありましたね。時には時間を忘れるあまりオールナイトということも...。


私は卒業論文を書いている時期で、このようなイベントに参加するどころではないはずでしたが、その楽しい誘惑に負けて、ついつい参加してしまいました。嗚呼、人間の心とはかくも弱いものですなあ。


Tさんと何を話したかはあまり記憶がありませんが、愛読書について熱心に語り合ったことだけは覚えています。彼女は「かもめのジョナサン」「星の王子さま」「Papa told me」、私は「三銃士」「オルフェウスの窓」「罪と罰」を推薦。このとき、もっと一般的な軽い本を読んでおくべきだったと後悔していますが....。私は彼女の推薦書は全部読みましたが、私の推薦書を彼女が読んだかとどうかは定かではありません。言ってみれば、これは「一方通行」ってやつですかね。


この時、私の心の中にどのような感情が沸き起こったかは自覚していませんでした。ただし、周りからは二人は気が合う友達のように見えたようです。これはあとで別の友達に聞かされました。


ある日、MU君が私に「お前はTのことをどう思っている?」と聞いてきました。最初は言われた意味が理解できなかったので、「特に何も思わないが....」と曖昧な返事をしましたが、これは私のいつもの悪い癖です。MU君はTさんと付き合いたいと考えたらしく、そして将来的には仕事を通じて、お互いを高めあうことができる存在と意識していたようでした。そして、しばらくしてから告白して、ステディな関係となったという次第です。


私はそれを内心苦々しく見ていましたが、ふと我に返れば、自分はとにかく今は大学を卒業しなくてはいけない身分であることに気が付きました。したがって、このことは忘れて、いや忘れたふりをして、論文作成に没頭していました。冬の風の寒さが身にしみる師走の出来事です。

(その2へ続く)
Posted at 2016/12/31 08:39:10 | コメント(0) | 列女伝 | 日記
2015年10月23日 イイね!

今日の音楽(Owner of A Lonely Heart)

今日の音楽は1983年頃にビルボード・チャートを賑わせた曲です。
YES、「Owner of A Lonely Heart」
日本語版ではロンリー・ハートとなっています。



70年台のYESの作品と比較しますと、大作志向が消えて小曲ばかりとなり、「産業ロック(死語)」ではないかと揶揄されることもありましたが、しっかり輝きを放っています。

これは当時のプロモーションビデオそのままなのですが、「気持ち悪い」とか「意味不明」とかって感想が聞こえてきそう(笑)。 ロック界の貴公子とも言われたEddie Jobsonというイケメンがこれにちょこっと登場するのですが、それだけではこの「毒」は消し去ることはできないようです。

プロデューサーがあのトレバー・ホーンということもあって、当時流行った「ジャン!」という音がキーとなっています。
Posted at 2015/10/24 22:48:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | 音楽 | 日記
2015年10月21日 イイね!

現代烈女伝3(Iさん)

ここのところ少し忙しくて、ブログをサボっていました。

さて、この列女伝という企画は結構重たいのですが、自分の過去を精算する意味で書いています。みなさんにおかれましては、あまり深刻にとらえずに、まあ、こんな人や経験もあるんだあと、さらっと流していただければと思います。


もう10年以上前でしょうか、私が当時、神奈川県の実家に住んでいた時のことです。常日頃、英会話が不得意でなんとかしなくてはならないかなあと思って高校の同級生の友達に聞くと、「よい英会話教室があるよ!」ということで、紹介で行くことになりました。

で、その英会話教室の元締めのIさんが今回の主人公です。このお方、本当に女優さんみたいに綺麗な方だったのが第一印象でした。歳は私よりも三つ上、地元の高校、大学を卒業後に外資系の会社を渡り歩いたという経歴の持ち主です。もちろん英会話はペラペラなことは言うまでもありません。

英会話教室は地元の米国人を先生として、クラス制と個人レッスンの二つに分かれていました。クラス制は「Harvard Business Review」というおそろしく難しい、ビジネス誌を教材にしており、緊張の連続でした。一方の個人レッスンはざっくばらんな雰囲気でしたけど。

レッスン料は忘れましたが、相場よりもかなり安かったので、おそらく採算度外視で運営されていたと思います。英会話教室以外にも、たまに御茶会とかBBQとか花火大会への見物とか、イベントが盛りだくさんでとても楽しかったですね。残念なことに私に彼女はできなかったですけど(笑)

この元締めのIさんのお父さんは私の下の名前が全く同じ(漢字も同じ)上に、家も近いということで、意気投合したという次第です。よくよく聞くと、彼女は離婚歴があり、息子さんを一人で育てているということでした。外資系の会社は成果へのプレッシャーがとても厳しいので、そのような職場環境にもかかわらず、英会話教室も運営するなど、いやはや、エネルギッシュの塊のような方でした。ただその代償として、何回かダウンしたそうですけど。

離婚した原因はダイレクトには聞いていませんでしたが、相手の方は地位も名声も金銭的にも恵まれていたものの極度のマザコンだったとのことです。マザコンが離婚の理由というのも男にはよく分かりませんが、よほど酷かったということでしょうか。

私は教室のパソコンの設定や家の不具合を大工仕事で直してあげたりした上で、家族ぐるみでお付き合いもしていたので、個人的にもとても親しくなりました。ちなみに彼女はとても綺麗な上に、仕事もできるので、離婚歴があるにも関わらずたくさんの男性に言い寄られているようだと、教室の女性から聞きました。ただ息子さんもいるのか全部断っていたそうですけど。

ある日のこと、突然携帯に彼女から電話がかかってきて、「あなたの会社の広報部に仕事を持ってきたのだけど相手にしてくれないから、なんとかできないでしょうか?」とのこと。私は当時、会社の社長と個人的に知り合いだったので、社長に直訴して両者の会談を無理やりセッティングしました(これは会社の掟破りなので、良い子は真似しないように)。

私は当時は誰ともお付き合いはしていなかったのですが、教室の女友達、曰く「Iさんは、るばさん(つまり私)のことをとても気に入っているので、一緒になったらいいじゃない。るばさんは鈍いから、女心がわかっていないようだけど」、私はこれに対し何も言うことができませんでした。確かに鈍かったのかもしれませんが、そもそも自分自身の心のうちを整理できていなかったのかもしれません。そうこうしているうちに、私が関西に転勤になり、当然ながら英会話教室は続けられなくなってしまい、彼女とは距離(物理的、心理的の両方の意味で)が離れてしまったということです。

今にして思うと、あのとき私の心がもう少し、別の方向に向いていたら、間違いなく別の人生を歩んでいたでしょうね。今は年に一回年賀状をやり取りするくらいに疎遠になってしまいましたが、元気にされているのでしょうか。とても懐かしく思います。
Posted at 2016/12/31 08:37:36 | コメント(0) | 列女伝 | 日記
2015年10月13日 イイね!

VWの憂鬱(3)

今回は企業のガバナンスの面から論じてみたいと思います。

<VW幹部の失言と対応>
VWの幹部達は「一部のエンジニアが勝手にやった」と記者会見していますが、企業に属するエンジニアの私から言わせてもらえれば「絶対にそんなことはない」と断言できます。

特に個々人よりも組織が強く、どちらかというとトップダウン式のVW社ではなおさらです。また仮にそうだとしても、それを長年にわたって見破れず、コントロールできなかった自分達が無能であると言っているも同然で、ガバナンス面でも問題ありと言えます。

幹部の方々は組織や自分の保身のためにこのように発言したのでしょうが、よけいに心証が悪化させて、却って会社に甚大な損害を与えるとは考えなかったのでしょうか。似たような話は日本にもありましたが、こういう時は誠実に、そして迅速に謝るしか対応はありませんね。


<製品開発の優先順位>
で、自動車に限らず、製品を開発する上での制約を挙げてみましょう。建前と本音がありますが、いろいろな立場から見た制約を優先順位順に並べてみます。人によっては意見は異なると思いますが。

--------------------------------------------
<会社の表向きの建前>
① 法令遵守(コンプライアンス)、環境対策、安全
② 品質、信頼性、寿命
③ 性能
④ コスト
⑤ 納期
---------------------------------------------
---------------------------------------------
<経営幹部の本音>
① コスト
② 納期
③ 法令遵守(コンプライアンス)、環境対策、安全
④ 品質、信頼性、寿命
⑤ 性能
---------------------------------------------
---------------------------------------------
<開発、研究担当の技術者の本音>
① 性能
② 法令遵守(コンプライアンス)、環境対策、安全
③ コスト
④ 納期
⑤ 信頼性、寿命
---------------------------------------------

性能は製品の他社差別化のために必要です。苦しい場合は無理やりにでも、でっち上げることもあります。家電製品とかではよくありますね。以前の製品とはほとんど変わっていないけど、謳い文句だけは立派という場合。

コストはビジネスとしてやっていけるかどうかという面で重要です。特に最近ではデフレの影響で価格をむやみに上げることが困難となってきており、事業を継続していくためにはコストを下げなくてはいけないというケースが多々あります。他社から部品を購入する場合は、値段交渉も重要となりますね。グローバリズムにとってはキーとなる言葉です。

ちなみに製品価格に対する原材料の占める割合は家電製品、化粧品、車は10%程度、公共に関わる製品であれば20~30%くらい。残りは何かといえば人件費とか広告宣伝費とかですね。これは我々のようなメーカーの人間にとってみれば常識なのですが知らない人にとっては結構、衝撃的かもしれません。

納期もビジネスマンにとっては重要ですね。会社の経営の根幹に関わりますから。コストと納期は「コミットメント」なんて言葉で要約してもよいくらいでしょうか。私はこの言葉はキライですけど。

品質などは開発の担当者クラスに判断を丸投げされることが多いですが、コストを下げたことによる代償で、製品の寿命が短くなるとかの問題を引き起こしますから軽視できません。寿命がどれくらい持つかを調べるにはとても時間がかかるため、経験から判断したり、加速試験で判断するのですが、納期が押し迫っているときは見込みでやってしまうことが多いのが現実です。特に新しいこれまでに経験がない部品を入れるときは要注意です。

法令遵守については最近クローズアップされてきましたが、輸出管理の問題も含めて、法令を守らないと企業は存在そのものが許されない時代になっています。ですが、担当者レベルから見れば、これはやらないと怒られるけど、やったからといって「成果」になるわけではないので、成果主義の強い傾向の会社では軽視されがちですね。

とまあ、こんな色々な制約がありますがすでに述べたように、それぞれの立場によりまして優先したいものが異なっている上に、すべての要件を成立させることはとても難しいため、どこかで妥協するということになります。


<誰が決断したのか>
製品を開発し、発売する前には事業計画を策定します。多くの場合は、工場と本社の開発責任者(部長クラスが多い)が、製品の発売スケジュールを模索しそれを元に性能と営業訴求、目標コスト、開発のスケジュールを決めます。

基本的には案を策定するのは課長クラスですが、いろいろな意見というか邪魔が入るので、総花的な提案を提出することになります。部長級以上の中間管理職やトップの意向で、最初とは全く違う提案書となり、そして決定が下されるということはよくあります。VWは組織的な会社ですので、トップダウンの傾向が強いはずです。

まあ、あまり理不尽な決定に対しては、意見上申により翻してもらうこともありますが、役員クラスがこの計画を承認したり、ヒドイ時は自ら指示とかされていますと、なかなか困難ですね。

誰でも上には「No」と言って、逆らいたくありませんから。これは国内外問わずサラリーマン社会では避けられない寂しい現実です。


<グローバリズムの弊害>
健全な会社であれば、すべての不都合な情報も含めて洗いざらい報告し、役員クラスの一つ下のクラス(部長レベル)が判断し、役員やCEOの了承をもらってから、製品化へGOという流れになります。

しかし、売り上げ前年度比○%増必達とか、不具合率○%を○か月後までに低減とかいろいろ理不尽なプレッシャーをかけられている状況では、不都合な情報は上層部には届かなくなります。特に現場の経験が少ない人が幹部になったりすると、なおさらですね。

おそらくこんな風だったのではないかと妄想してみます。
--------------------------------------------------------------------------
開発責任者:「新型ディーゼルで燃費UP!」「コストは従来より○%減で利益率UP!」「排ガス規制も
         (テスト時には)クリア可能)」
幹部:「素晴らしいじゃないか!よくやってくれた!」
開発責任者:「やったー、成果だ!出世間違いなし! 
  (だが、実際にはこれが成立する条件はあるのだが....今更都合の悪いことは言えないし、あとにはひけな
   い!それに、テスト時の測定結果と実走行時とは違うことは常識だから、どうにかごまかせるだろう)」

しばらく時間が経ち

開発責任者:「(うーん、やはり性能達成は無理だ! 時間もないから、あの手でいくか!)」
--------------------------------------------------------------------------

あの手とは禁断の「ディフィート デバイス」のことであることは言うまでもありませんね。

言ってみれば幹部は「裸の王様」状態ですね。言うまでもなくVWはグローバルな大企業ですが、世界一の自動車メーカーになりたいという野望(妄想とも近い)が企業トップにあったがゆえに、不都合な情報が上がってこないままで無謀な判断をしたと私は考えています。

で、VW内部でもさすがにこれはヤバイということで、一部の有志がトップに警告するも無視された。大きい会社において一度決めた決定を変えるのは大変なエネルギーが必要です。自分たちの決めたことを否定することになりますから。

それに法令に適合するよう改修すれば、燃費は下がるし収益も赤字となるってことで、米国での事業継続も危うくなる。ずるずると長期間にわたって放置されてきたのでしょう。あるいはこの時点で思考が停止してしまったのかも。法令違反がバレるリスクをどこまで考えていたかは定かではありませんが、集団心理の恐ろしさをまざまざと実感させてくれます。


<企業のあるべき姿とは>
今回のVWの不祥事は大企業病の典型的な症状なのかもしれませんが、我々にとっても他人事では決してありません。

私は今回の一件にかぎらず、東芝の例も含めて、グローバリズム+収益第一主義の弊害と捉えています。今回を機に、企業収益ばかりに偏重しすぎた経営から、法令、地球環境、そして世界のためにも企業は貢献する、言ってみれば単なる飾りに過ぎなかった企業倫理について、改めて肝に銘じる必要があると痛感しています。

Posted at 2016/12/31 08:38:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | 環境問題 | クルマ
2015年10月12日 イイね!

VWの憂鬱(2)

今回は法規制の面から問題点を述べたいと思います。


<米国の排ガス規制>
米国というのは環境面に関しては奇妙というか、かなり内向きな国で、京都議定書の国としての約束を勝手に反故にしておきながら、自分たちの国の健康被害に関する対策はかなり執着する傾向があります。NOxがどうとか言う前に、京都議定書への復帰(=批准)を検討すべきかと思います。しかしながら国としての体面もあるのでしょうか、実現できていません。


昔よりは環境を意識した国に変化しつつありますが、一人当たりのCO2排出量がダントツで多い国(日本の1.7倍)ですから、何か奇妙な印象を受けるのは私だけではないはず。


あともう一つ。他の国であれば国ごとに法規制を決めますが、米国の場合は州毎の規制もあります。もっとも、日本にも地方自治体が独自に設定できる「上乗せ」というのがあるので、二重規制という意味では同じですけど、日本の場合はまずは環境省が決めた規制がベースとなって、自治体がそれを勘案して厳しくするのに対し、米国の大気関係については、カルフォニア州の大気資源局(以下、CARB)が制定した法規制にEPA(アメリカ合衆国環境庁)が追随しているという点が異なりますね。


このCARBの規制をもとにEPAが定めた規制(TIER2 BIN5規制と言います)というのが、とにかく厳しいのですよね。まあ、CARBは一部の人から「環境原理主義」と揶揄されるほどに理想主義者の方々が多く、その主張は立派であるものの少し現実離れしている感が無きにしもあらずかな。法律や規制というのは守ることが困難であれば意味が無いということを理解しないと、机上の空論になってしまいます。


たしかにカリフォルニア州のロサンゼルスは光化学スモッグがひどく、健康被害も甚大だったという歴史があるので分からんでもないですけど。


この辺りの話はここが詳しいので、興味ある方はどうぞ。さすがTOYOTAの元開発責任者だけあって、いろいろ面白いことが書いてあります。


<排ガス規制の問題点>
それで一番問題と考えているのは、法規制の数値(NOxが0.044g/km、浮遊粒子PM0.0062g/km)が厳しいことよりも、むしろ経年劣化時でも規制を守りなさいと言う点です。


製品で難しいことの一つは、経年劣化をどう考えるかです。もちろん劣化することは間違いないのですが、どの程度、劣化するのかは、環境やバラツキ(運とも言う...笑)にも影響を受けるため経験豊富な技術者にとっても分からないことが多いです。


NOxを分解するためには、NOx分解触媒法と尿素SCR法という二つの方法があります。ここでは詳細は割愛しますがNOx分解触媒法は小型車向け、尿素SCRは大型車に使われています。性能は一長一短というところでしょうか。


それでVW車が採用しているNOx分解触媒は気を付けて使わないと、あっという間に劣化して、触媒の意味をなさなくなります。もちろんコストをかけて、よい触媒を使えば対応できますが、燃費とはトレードオフで悪化することもあり、導入を渋った可能性があります。自動車評論家の国沢光弘氏がブログ記事でそのことを書いていますが、たぶんそのとおりでしょう。VWをあくまでもかばう姿勢は疑問には思いますが。


VW以外にも米国でディーゼル車を売っているメーカーはいくつかありますが、本気でこの規制に対応できると自信を持って言えないのではないでしょうか。それとも将来のことなど、どうでもよいと開き直っているのでしょうかね。ちなみにMAZDA社は米国でのディーゼル販売はしていませんが、とても賢い判断と思います。


ただ最新の報道では、VWの脱法行為は欧州のユーロ5規制も逃れていたのでは?という疑惑がありますので、米国だけの特殊事情という点では片付けられない問題のような気が最近はしています。
Posted at 2016/12/31 08:38:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | 環境問題 | クルマ

プロフィール

「@たじあり さん
こんにちは。
これは確か魔法のレストランで紹介された特注品ではないでしょうか😊 他にも二種類あって、どれも入手困難と聞いてますよ😂 羨ましいです🤗」
何シテル?   11/30 07:38
興味ある分野は、旅行、グルメです。 ごく普通の会社員で仕事は化学屋、生物屋、センサー屋の複合といったところです(笑)
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