2012年08月28日
香澄の怒りを買ってしまった。
由悠はどうするのでしょうか・・・続きをどうぞ
登場人物紹介は
こちら
「幼馴染」
過去の話
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話 亀裂
翌日、学校に行くと香澄も教室にいた。とにかく香澄に謝ろうと
香澄に近づいていくと、香澄が俺のことをキッと睨みつけた・・・・
まだ相当起こっているらしい・・・
香澄の目の前まで行くとさらに香澄が怒っているのがわかる
全身から怒りのオーラが出ているみたいだ・・・
こりゃそうとう怒っているな・・・
しっかり謝らなくちゃ・・・
「香澄、昨日はごめん・・・」
「香澄を怒らすようなこと言って本当にごめん。俺が悪かった。」
何がいけなかったのかよくわからないまま、とにかく謝った。
「私がなんで怒っているか、わかっている?」
「いや・・・よくわかんないだけど・・・俺のせいだろ・・・」
なにを怒っているのかわからない状況で訳が分からずそう言ってしまった。
多分それにさらに怒ったに違いなく
「・・・そう」と小さく香澄が言うと次ははっきりとした口調で
「もう大丈夫です!!怒ってませんよから!!」
いやいや十分怒っているよ・・・
「本当にごめん」
何度も香澄に頭を下げていた。
「《早瀬くん》!!私は怒っていません。
なのでどっかにいってくれますか!!もういいでしょ!!」
「香澄・・・」
俺は香澄の迫力に負けでその場から離れることしかできなかった。
自分の席に着き、今、香澄は俺のことよしくんじゃなくて・・・
早瀬くんってよんだよな・・・
なんで・・・急によしくんでなく早瀬くんになったんだ・・・
香澄に怒られるし、呼び方変わっちゃうし・・・一体なんだかわけがわからない・・・
この日はもう授業を受けていてもまるっきり入ってこない。
頭の中は香澄が怒った原因を必死に考えた・・・でも答えが出てこない・・・
そのまま放課後になってしまった。
香澄はさっさと部活に行ってしまい話もできないまま
俺は自分の机で頭を抱えてう~ん・・・う~ん・・・と悩んでいた。
すると大河と剛が話しかけてきた。
「どうだった香澄ちゃんにちゃんと聞けたか?」
「そうだ!!結果教えてくれ!!早く知りたい!!」
なんだよ!!のんきな・・・
俺はそれどころでない状況になっているんだって・・・
「昨日聞いたんだよ。そしたらどういうわけか
急怒りだししまって・・・・いまも全く話を聞いてくれない・・・・」
「なんだそりゃ???おまえいったいどういう聞き方したんだよ」
「香澄ちゃん怒らしたのか!!!
どうすんだよ・・・これじゃ告白していいかわからないじゃん・・・」
俺は香澄が「だって私は・・・」って言ったことを内緒にしたままあったことを話した。
なんだかこれは言ってはいけないような気がした・・・
「いまいち不可解だな・・・でもこれって好きな人がいるんじゃないかな」
「好き人がいてそれを由悠に突然聞かれたもんだから
動揺して照れ隠しに怒ったってことじゃないか?」
頭を傾けた大河・・・俺はちょっと補足をした。
「でもあの怒り方は普通じゃないような気がする・・・」
そんな話を聞いてか剛が興奮し始めた
「好きなやつがいるってことはやっぱり俺のことかな。
そしたら相思相愛、恋人関係確定だぞ」
「告白チャンスだな!!」
剛・・・舞いあがりすぎたぞ・・・その可能性は・・・俺薄いと思うぞ・・・
そう思っていると大河が同じように
「いやまてまて!!確かに好きな人がいるのは間違えさそうだけど、
それが剛って決まったわけじゃないぞ!!」
「剛落ち着け!!興奮しすぎたって!!今一度冷静に考えてみよう」
「そうだね。」
その横で冷静さを取り戻そうと剛はじっと話を聞いていた。
「由悠の話だと好きな人がいるかときいた時表情が変わって、
協力するって言ったら怒りだしたんだよな」
「そうだよ。俺、訳わかんねぇよ」
「あのさ・・・由悠・・・」
「なんだ?」
そう言いかけると大河は剛の方をちらっと見て・・・
「いや何でもない」
大河どうした?何が言いたい?訳わからないぞ
「どうするよ・・・」
いつも自信満々な剛だがこと香澄のことになるとまるっきり弱気になる。
いつもの自信満々はどこに言っちゃったんだよ!!
「まぁこれは香澄ちゃんに好きな奴がいることは間違いなさそうだな」
大河はそういうと、今度は難しそうな顔して俺の方ちらっと見た
大河・・・さっきから何なんだよ・・・剛見たり・・・俺見たり・・・
「思い切ってアタックしてみたらどうだろう」
「それは無謀すぎるだろ・・・」
「無謀だと思うか・・・」
「香澄ちゃんがそれだけ怒るってことは意外にやばい奴なのかも知れないな。」
「たとえばだよ、学校の先生とか、塾の先生とか好きになって、
普通は付き合えない立場の人間かもしれないじゃん」
「確かにそれなら、応援されても相手の立場があるから問題になっちゃうもんな。」
「うぉ・・・そうなってくると俺が告白しても望み薄いなぁ・・・
このまま片思いのままずっといるのかよ!!!」
「でも片思いのままいるのつらくない?」
「つれーよ・・・」
「思い切って告白して振られてしまえば、それで忘れられたりしない?」
「おいおい・・・剛に失恋を味わえっていうのかよ」
「だって、片思いのままじゃ・・・なんも変わらないと思う。
でも告白すれば振られる可能性が99%でも1%は可能性があるわけだし」
そんなことをえらそうに言っている俺は・・・
考えてみたら本気で女の子を好きになったことが無い・・・
だから好きだっていう感情がよくわからない。
剛や大河が一目ぼれで女の子を好きになったって言われた時は
正直ピンとこなかった・・・
女の子を好きになるってどういうことなのだろ・・・
俺にはよくわからない。だから告白しちゃえとか平気で言えるのだろうか、
本気で好きになった子ができたら俺は告白できるのだろうか・・・
いろんな思いが頭の中をかけめぐっていたけど、
結局俺には好きになるってことがよくわからないから答えが出ない・・・
「まぁ由悠がそういうのもわかるが・・・振られた時のショックはでかくないかい」
「そうなんだよなぁ・・・振られた時のこと考えると・・・
その後のことが怖くて怖くて・・・だから告白できないんだけどね」
その後は結局おんなじようなことを言っているだけで話はまとまらず解散となった。
続く 戻る
Posted at 2012/08/28 23:53:00 | |
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2012年08月26日
ちょっと時間が飛び季節は秋
心の葛藤が始まります。続きをどうぞ。
登場人物紹介は
こちら
「幼馴染」
過去の話
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話 変化
あれから半年が過ぎ
季節は夏から秋へまだまだ暖かい日もあるけど冬を思わせる日が多くなってきた。ある日・・・
あれから俺は大河、剛とつるんでよく遊んだ。
剛は事件以来寄り付かなくなっていたクラスメイトともすぐに打ち解け今ではクラスの人気ものだ。
それどころか、すでに2人の女の子から告白されていた。
だが、ほかに好きな人がいるからと剛はそれを断った。
もちろん好きな人とは香澄である。
ただあれから、剛は香澄に告白できずにいる。
どうもいざ告白となるとなかなかできないみたいだった。
大河と俺はいろいろ作戦を考えたが、ラブレターがいいとか、やっぱり本人に直接言わないと
ダメだとか、悪い奴に襲われているところを剛が助けて告白するとか、
でも俺らは、いい方法が思いつかないまま今に至る。
昼休み。
剛・大河・俺の3人で話をしていた。
「クリスマスまで2ヶ月切ったよな」
「そうだね」
「おれよぉ、クリスマスまでに香澄ちゃんに告白してラブラブなクリスマスを過ごすんだ!!」
「お!ついに告白する気になったか!!」
「今度こそ告白するぞ!!」
「おお!!本気だ」
大河が笑いながらいった。
「なぜ笑う!!」
実はこの会話幾度と無く繰り返された会話なのだ。
「1学期の終業式に告白する」「体育祭までに」とか「文化祭までに」とか
何かイベントがあるとそれまでに告白すると言っておきながら告白できないでいる
なんだかんだ言っても、告白って早々できるものじゃない。
その点女子ってだれだれに告白しただとかよく話してるけど、度胸あるよな・・・
俺も剛と一緒で好きな人ができても告白できないだろうな。
剛ほどの豪快な奴でも告白となると・・・
それどころか剛みたいにあからさまに友達に好きな人がいることを言ったりできないだろうな・・・
本当に告白できなくてもこうやって友達に言える剛が羨ましいと思った。
そんなことを思っていると剛が・・・
「ところでよ。由悠に頼みがあるんだけど」
「ん?なに?」
「お前さ香澄ちゃんの幼馴染みだろ。好きな人がいるかきいてきてくれないか。それともしってる?」
「いや、知らない」
「だったら頼むよ!香澄ちゃんに聞いてくれ!!」
「それいいな!!もしこれで香澄ちゃんが剛のことスキだってことなら、
相思相愛だしな。そうなら告白成功間違いなし!!」
「そうなんだよ。それにさ。たとえ俺のことがスキとかそういうのでなくても
他に好きな人がいなければ、チャンスがあると思うんだよ」
「俺イケメンだしな。由悠頼むよ~」
「自分でイケメン言うな!!」
そう言われて俺は困ってしまった・・・
香澄とは世間話や冗談を言い合ったり普通に話はしていたけど、
今まで1度も恋愛の話をしたことがない。
というより・・・恥ずかしくてそんなこと聞けない・・・
「無理だよ・・・そんなこと聞いたことないし・・・」
「そんなこと言わずに聞いてやれよ。それとも聞けない理由でもあるのか?」
いま、大河が俺に向かってニヤっとしたように見えたが気のせいか?
なんだよ!!お前は!!何が言いたい!!
「特にないよ・・・」
「なら問題ないじゃん!!さらっとお前好きなやついるの?とか聞けばいいんだからさぁ」
「でも・・・」
「頼むよ。な!な!」
そして剛の強引な押しに負けて結局引き受けることになった。
しかし、香澄になんて切りだせばいいんだ・・・わかんねー・・・どうしよう・・・
数日後、俺は意を決して放課後、香澄のところに行った。
香澄は音楽室でフルート奏でていた。
黒い肩まで伸びた髪をゆっくりと揺らしながら綺麗な音が聞こえてきた。
いつも見ている香澄と違い、集中している真剣な姿につい・・・
それに見とれてぽつりと・・・「かわいいかも・・・」と自然と俺はつぶやいていた。
えっ!!違う!違う!!あわてて周りを見回すさすがに誰にも聞かれてないよな・・・
何考えているのだ。俺は・・・落ち着け・・・そうだ深呼吸だ。
気持ちを落ち着かせるために深呼吸していると香澄が俺に気が付き、駆け寄ってきた
「どうしたの?今日は大河君や剛君とは一緒じゃないの?」
「二人とも今日は用事があるってもう帰った」
「そうなんだぁ。それは残念でしたね。で、なんで私のところに??」
う~ん・・・こまった・・・話を切り出せない・・・どうしよう・・・・
何をどう言えばいいのだろう・・・頭の中でぐるぐると考えが回って・・・
困った俺の・・・口から出た言葉は・・・
「久しぶりに一緒に帰らないか?」
あぁなんてこと口走っているんだ俺・・・ちがうだろ・・・
聞くのは、香澄に好きなやつがいるかどうかだろ・・・
あぁ・・・俺のバカバカ・・・
「え!どうしたの?急に!!」
こうなったらしょうがない・・・帰り道の中で聞くことにしよう・・・
「だめかな・・・」
「ううん」と顔を横に振り、香澄が最近見たことないような笑顔でニコッと笑って
「いいわよ。ただし部活終わるまで待っていてね。もうちょっとで終わるから、
それまで待っていてくれるなら、一緒にかえろっ!!」
「わかった。待ってるよ。そしたら下駄箱ところで待ってるね。じゃー後で!!」
俺は香澄に手を振りながら音楽室をはなれた、
香澄もそれに合わせて胸元で小さく手をふってくれた。
久しぶりにあんな笑顔見た気がする。あんな笑顔見たのいつ以来だろ。
なんかちょっと嬉しくなりウキウキながら下駄箱に向かった。
向かう途中、
なんか香澄の奴は帰ろうって言った後、すげー笑顔だったよなぁ
あんな笑顔するの久しぶりに見た気がする。ちょっとかわいいかったかも・・・
かわいい???なに考えている俺・・・てか・・・なんで俺がウキウキしているんだ・・・
香澄と一緒に帰るだけだろ・・・小学校のころはいつも一緒に通学しったじゃないか・・・・
それなのに・・・なに喜んでいるんだ俺は・・・香澄はただの幼馴染じゃないか・・・
下駄箱でそんなことを悶々考えて待っていると・・・
階段を勢いよく降りてくる足音が聞こえてきた。
だんだんと近づいてくる。そして現れたのは香澄だった。
笑顔で俺の方に走ってきた。
「はぁはぁはぁ・・・」
走ってきた香澄は息が切れてその場に止まって呼吸を整えた。
「お待たせ!!部活終わったよ。帰っろか」
「どうしたのそんなに走ってくるなんて?」
「え!だってよしくんが一緒に帰ろって言ってくれたの小学校の4年生2学期の終業式までだよ。」
「そうだったっけ?よく覚えてるなぁ・・・」
「そうだよ。それから私が何回か誘って帰ったことはあったけど誘われたのはそれ以来ですよ」
「そっかぁそんなに前だったっけ。それは大変失礼しました」
英国紳士がするようなお辞儀をして見せた。
「何やってるのよ♪」
やっぱり香澄がすごくご機嫌な感じがする。ただ一緒に帰るだけなのになんでだろう?
そして、2人で歩き始めた。そういえばこんな近くで香澄を見るの久しぶりだなぁ・・・
でもやっぱり香澄の方が背が高い・・・俺は春に計った時は149cmしか背が無かった。
クラスの男子の中で一番背が低い。これでもだいぶ背が伸びた。でもそれ以上に香澄も背が伸びた
香澄は158cmあり10cm近く背が違う・・・
並ぶと一学年違う風に見えるぐらいの感じだった・・・
実はこれ・・・俺が香澄を一緒に帰ることを誘わなくなった原因だった。
そのことは香澄も知らないだろうけどね。
小学校の4年の2学期の終業式の日・・・
教室で通信簿が配られ、俺は香澄と一緒に通信簿を見ていた
香澄の通信簿はAがいっぱいついていた、ほとんどっていうのは体育がBになっていただけで
後はみんなAだった。運動が苦手な香澄ならしかなないかけど、それ以外はAですごいと思った。
俺の通信簿というとBがちょっとであとはほとんどC・・・
A・・・は効かないで・・・
俺のいた小学校はABCの3段階評価でもちろんAが一番いい
頭の悪いことを自覚していた俺はそんなことは全く気にしていなかった。
しかし、この学校の通信簿は必ずその時の身長体重が記入されていた。
香澄の通信簿の身長の欄を見て俺は動きが止まった・・・
俺より1cmだけど背が高かった・・・
それまではずっと俺の方の背が高かったのに・・・
香澄の方の成長が速く追い越されてしまったのだ。
些細なことかもしれないけど・・・それを見た瞬間・・・思いのほかショックだった・・・
俺は香澄と一緒に帰れないと思った。やっぱり男は女より大きくなくちゃと思っていたからだ。
それからは香澄に誘われれば一緒に帰ったが誘われない限り自分から誘うことはなかった。
そして5年生になって大河と遊ぶようになって香澄と帰ることはほとんどなくなってしまった。
でも香澄のやつもよく俺が誘わなくなった日を理由も知らないのに覚えているなぁ
さて、歩き出したのはいいけど・・・
何を話す・・・もちろん好きなやつはいるか、そいつは誰だとか聞かなきゃならないけど・・・
どうかって話を持っていけばいいかかわからない。
無言のまま香澄が俺の隣を肩が触れそうなぐらい近く歩いていた。
ふと・・・これって恋人同士みたいじゃん・・・いいのかなぁ
おれは幼馴染であって恋人じゃないましてや俺は香澄より背が低い・・・
こんな男と一緒じゃ迷惑だろうな・・・なんて思いっきりネガティブな考え方している・・・
そんなことか考えて結局校門を出るまで何もしゃべらずに来てしまった。
校門を出ると・・・
「どうしたの?ずっとだまっているけど・・・」
「あ・・・そうだね・・・え・・・っと・・・ぶ・部活大変かい?」
「なに急にそんなこと聞いて・・・大変じゃないわよ。楽しいもの。」
「あのフルートを吹いている時とっても幸せな感じになるの。だから大変だなんて思ったことない」
そういうとニコッと俺に向かって笑った。その時ドキッとした。
心の中で自然につぶやいた・・・「こいつやっぱり可愛いかも・・・」
それと同時に・・・「可愛い訳ないだろう。」とむりやり感情を押し込めた。
俺は剛と香澄を恋人同士にする剛に約束したじゃないか。
香澄は幼馴染であってそれ以上でもそれ以下でもない・・・
だから聞かなきゃ・・・好きなやつがいるどうか・・・
それから香澄とたわいもない話をしながら、家に向かって歩いた。
そして、香澄の家の前まで聞けないまま来てしまった。
「今日は誘ってくれてありがとう。よしくん、ずっと誘ってくれなかったから、うれしかったよ。」
香澄にそんな風に言われて胸の奥が締め付けられるように痛みが走った。
俺の心内にも気がつかず、そういうと香澄が玄関方に歩きはじめた時に
このままでは聞けないまま終わってしまう。意を決して香澄に向かって声をかけた
「香澄!!」
香澄が立ち止まって振り向いた
「なに?」と不思議そうに俺の方を見た。
「え・・・っと・・・」
その顔をみるとなんか聞きづらいな・・・でも剛のためにも気かきゃ!!
ためらいつつ聞いてみた。
「・・・今、香澄って好きな人いる?」
「なんでそんなこと聞くの?」
「ちょっと気になってさ・・・」
「知ってどうするの?」
「もしいれば、俺が協力してあげようかなって・・・」
そして香澄の顔が先ほど俺に向かってありがとうって言ってくれた顔から
みるみる笑顔が消えていった。
「だから、好きな奴とか気になる奴とかいないの?」
「協力ってなに・・・」
「相手の奴に俺が掛け合ってもいいし、二人になれる時間を大河たちとで
つくってもいいし俺のできることだったら何でもするよ」
「・・・・」
香澄と俺はしばらく黙っていた。俺もなんて言っていのか分からなくなってしまって・・・
香澄がしゃべるのを待っていた。
しばらくの沈黙の後・・・
急に涙をぽろぽろと流し始めて・・・
「よしくんにそんなこと聞かれたくない!!!!忘れちゃったの!!」
「そんなこと聞いても答えない!!!!だって私は・・・」
「よしくんのばか!!!!!!」
え!だって私は・・・ってどういうことその先はなに???
バカってって・・・え、え、え、・・・なんで泣いてる・・・
どういうこと・・・
頭の中が混乱している間に香澄は走って玄関の中に入ってしまった。
俺は香澄を追いかけることもできずにその場に立ち尽くすしかなかった・・・
それから香澄が入って行った玄関をしばらく見つめていた・・・・
しかしそこから香澄は出てくることはなかった。
日が暮れた暗い道を・・・とぼとぼと歩き家に向かった。
家に着くまでの間なにも考えられなかった・・・部屋に入りベットに倒れこんだ。
そしてもう一度考え直してみた。今日の香澄がどうしたんだ?
俺が好きなやつはいるかって聞いて協力するよって言っただけなのに・・・
そして最も気になるのは・・・『だって私は・・・』
この言葉・・・その先はなにが言いたかった?
わからない・・・
ただわかっているのは俺の言った言葉がのどれだかわからないけど
香澄を深く傷つけてしまったことは確かだってこと・・・
謝りに行った方がいいかな・・・いや謝りに行かなきゃだめだ。
あした学校で香澄に謝ろう。
あと・・・剛や大河になんて説明しよう。
頭の中にいろいろなことが駆巡り・・・頭から煙が出るかと思うぐらい悩んだが・・・
どうしていいかわからないまま翌朝を迎える・・・
続く 戻る
Posted at 2012/08/26 21:29:06 | |
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2012年08月25日
第4話です。
家でのひとコマです。続きをどうぞ。
登場人物紹介は
こちら
「幼馴染」
過去の話
第1話
第2話
第3話
第4話 恋煩い?
剛が香澄に告白?ってことはOKすれば香澄と剛が付き合う?
剛は引っ越してきたばかりだぞ。お互い何にもしらいないだぞ。そんなことがあるのか?
そういえば香澄は誰か好きな人がいたりするのだろうか?
そんな話したことないから全然しらない。何年も一緒にいるのに・・・
俺って香澄のことわかってない・・・何にもわかってない・・・
ただ、いままで一緒にいただけ・・・
「考えていたら訳がわからなくなってきた」
ポツリ独り言を喋っていた
そして俺は倒れこむようにベッドの上に横になり枕に顔をうずめて
「はぁ・・・わかんねぇ・・・」
「なんなんだよ。この頭の中のモヤモヤは・・・」
などと考えているうちにいつの間にか眠っていた。
「起きなさい!!ご飯ですよ!!」
と母親に起こされた。
「・・・ん・・・ノックぐらいしろよ」
「ちゃんとしたわよ。あなたが寝ていて気がつかなかっただけでしょ」
寝ていただけに本当にノックしていたかどうかはさだかではないが、
ここで母親を怒らせても面倒なので謝っておこう。
「・・・失礼しました・・・わかった今行く」
「まったく昼寝している暇があったら勉強のひとつでもしてほしいもんだよ」
と愚痴をこぼしながら部屋から出て行った。
「結局寝ちゃった。もうわかんね!!なるようになれ!!」
結局どうしていいかわからないままで考えるのをとりあえず辞めた。
そして部屋を出てリビングに行った。
「お兄ちゃん!!早く早く!!お腹すいたよ!!」
お兄ちゃんと呼ぶこいつは妹の春花(はるか)小学校5年11歳だ。
甘えん坊過ぎるところがあるけど俺にえらくなついている。ご飯も一緒じゃないとやみたいで
必ず俺が来るのを待っている。
俺が席に着くと母親は茶わんにご飯をよそ手おれの前に置いた。
「さめないうちに食べちゃいなさい!!」
「「いただきます。」」
「お兄ちゃん美味しいね!!」
「・・・」
春花に話しかかられてもどうも返事する気にならない・・・
それどころか食事をする気にもなれない・・・
「お兄ちゃん?・・・どうしたの?なんか変だよ」
「なんでもないよ」
というと、ごまかすように俺はテーブルの上においてあるご飯茶碗を持って無理やりかきこんだ。
ちょっと不思議そうに俺を見ていたが気にする様子もなく俺に質問をしてきた。
「お兄ちゃん恋わずらいってしってる?」
「は?恋煩いって相手のことが好きで好きで相手のことばかり考えて
他の事が考えることできなくなるやつだろ?」
「なんだぁ春花いっちょまえに恋煩いになったのか?」
「違うよ!わたしじゃなくて、クラスメイトの子がなっちゃったみたいでね」
「なんかいつもぼーっとして相手のこと考えると胸が痛くなった、苦しくなったりするんだって」
そうなのか・・・恋煩いは言葉として知っていたけど・・・
そんな風になるのか。そういや俺はまだそんなのになったことないなぁ
俺もそんな風になる恋がしてみたいものだ。
「ちょっと聞いてる???なにボーっとしてるの?なんかお兄ちゃん変だよ」
そういうと春花が箸をテーブルに勢いよくおきおもむろに立ち上がり
俺に指を差しながら
「ああ!!わかった!!香澄お姉ちゃんと喧嘩したんでしょ!!」
突然そんなことを言われた俺は・・・
「ぶっっ!!」っと口の中のご飯を飛ばしてしまった。
「やだぁ、汚いよ。お兄ちゃん!!」
「春花が変なこと言うからだろが!!」
あせった俺は慌てて取り繕うように余計なことを言ってしまった。
「喧嘩なんてしてない。昨日一方的に殴られただけだ!!」
「えぇ!!お兄ちゃん香澄お姉ちゃんになにしたの!!」
しまった・・・余計な言ってしまった・・・どうしよう・・・
すっとぼけるか・・・思っていると畳み掛けるように・・・
「香澄ちゃんにお前なんかしたのかい!!」
うわぁ・・・母親まで参戦してきたよ・・・
「なにしたのお兄ちゃん!!」
女二人に詰め寄られる俺・・・なにどう取り繕うか悩み・・・額に変な汗が出てくるのがわかった
とにかく何か言わないと・・・なに言う・・・えーいっ!!
「なんでない!!今の嘘だよ。香澄がそんなことするわけないだろ」
くるしい・・・言い訳が苦しすぎる・・・もっとうまいウソをつけないものか・・・情けない。
「え!嘘なのもうぉ心配させないでよ!!」
なんと!こんな苦しい嘘なのに春花は信じたよ。まだまだ子供だなぁ
そういうと春花は椅子に静かに座った。ほっとする俺だか・・・
「ほんとかね?怪しいね?香澄ちゃんに迷惑かけるんじゃないよ」
母親はだませてないようだ・・・仕方ない白を切ってここから逃げよう・・・
これ以上追及されて変なぼろが出ないうちに逃げよう。
「と・とにかく嘘だって!!驚かそうと思っただけだよ」
そういって俺の前にある残っていた食事を一気にかきこみ。
「ご馳走様」と言って立ち上がり、「ちょっと・・・待ちなさい」と呼び止れたが、
「眠いからもう寝る」と自分の部屋に逃げ込んだ。
なにやっているのだろう、俺・・・情けない・・・
別に殴られたのは事故だし、気にすること無いじゃん・・・
香澄ももう怒ってないし、もうこのことは早く忘れてしまいたい・・・
もう考えるのは本当に辞めよう。このままじゃ俺が変になりそうだ。
そうしてすべての考えを投げ出して俺は眠りについた。
続く 戻る
Posted at 2012/08/25 19:16:09 | |
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2012年08月25日
第3話です。
徐々に話が動き出します。続きをどうぞ。
登場人物紹介は
こちら
「幼馴染」
過去の話
第1話
第2話
第3話 友達
放課後・・・
「よしくん~大河くん~ちょっと待って!!」
帰ろうとする俺と大河を呼びとめる香澄。
香澄は俺のことを呼ぶ時は幼稚園の時から「よしくん」と呼んでいる今でもそれは変わってない。
幼稚園に入ったばかりの頃は記憶が確かなら「よしはるくん」と呼んでいたと思ったんだけどなぁ。
でもなんである時から「よしくん」って呼ばれるようになった?いつからだろう・・・思い出せない。
まぁ名前がよしはるですから、呼び名なんて普通に「よしはる」とかでいいと思うのだけど、
なんでだろう?呼びやすかったから、たまたまそうなったかな?
やっぱり思い出せない・・・まいっかそんなこと。
最近はちょっとこの呼び方が恥ずかしいと思ってはいたが、それでもそう呼ばれることに
ちょっと嬉しい気持ちもないわけではなかった。
笑顔で俺たちを呼びとめ、いつもの香澄だった。先週末の事件のことで香澄は怒っていないようす。
香澄は怒っているときは全く俺とは口をきいてくれない。
しかし今日は笑顔で話しかけてきた。機嫌がいい証拠だ。
「なんだよ~大河と一緒に帰って家でゲームやるんだよ」
「何言っているの!!ゲームばっかりやっていると馬鹿になっちゃうよ!!ちゃんと勉強しなきゃ!!」
「なに母親みたいなこと言ってるんだよ!お前は俺の親か!!
どうせ俺は馬鹿ですよ!帰ろうぜ!大河」
呼び止まられて、小言みたいなことを言われた俺はむかっときて、
大河に声をかけ教室の引き戸を開けようとしたら、香澄が再度呼びとめた。
「だから待ってって言っているでしょ」
「香澄~なんだよ」
「二人にお願いがあるの、転校生の五十嵐君に学校内案内してほしいの」
「えぇ・・・俺たちが・・・なんで俺達となんだよ」
「だってしょうがないでしょ、うちのクラスで帰宅部なのはあなたたち2人だけなんだから」
「マジかよ・・・めんどうくさいって!!」
「面倒くさい言わない!!お願いね!!あなたたちしかいないの」
そうすると大河が
「しょうがない俺らしかいないんだったら引き受けましょ」
「なんだよ大河~受けちゃうのかよ・・・まぁ仕方ないか・・・」
こういうときの大河はすぐ引き受けちゃんだよな。だから女子受けいいんだろうなぁ。
俺とは全然違うよな。
しかたない・・・早く説明して終わりにさせよう。
「ありがとう!よろしくね!!」
と言うと香澄が五十嵐を呼びに行った。
五十嵐と香澄が並んで近づいてきた。それを見ると、身長のバランスが取れてるなぁ。
俺もあれくらいの身長があれば・・・なんて考えていると香澄は話を進めた。
「私は吹奏楽部の練習あるから五十嵐君のことよろしくね」
そして取り残されたヤロー3人・・・
さてどうしたものか・・・案内って言ったってどこに行くよ。
体育館?プール?飼育小屋?職員室?音楽室?理科室?工作室?
職員用の駐車場?などと考えていると
大河が五十嵐に話し始めた。
「俺は山本大河、こいつは早瀬由悠よろしくな!!」
自己紹介を始めていて俺も慌てて「よろしく」というと五十嵐も「こちらこそよろしく」と言ってきた。
大河は話を続けて
「さてどこに行く、五十嵐君は学校の中でわからない場所ある?」
「そうだなぁ・・・とその前に・・・五十嵐君だと堅苦しいから下の剛(たけし)でいいよ。」
「呼び捨てでいいから」
あれ??なんか最初のイメージと違ってもっとと怒りっぽい感じかと思っていたけど、
そんなこと全然ないな。それどことかやたらとフレンドリーじゃないか
昼休み、怒鳴ったのはいったい何???などと頭の中で考えていると・・・
「それじゃ、俺のことも大河って下の名前で呼んでくれ!!」
「お前も由悠でいいよな!」とおれに同意を求めてきた。
なんか俺の蚊帳の外で話し決まってないか・・・まぁたいしたことないしいっか。
「それでいいよ」と答える
そうすると五十嵐が「大河、由悠よろしく」と再度言ってきた。
そして大河と俺はタイミングよく?わるく?ハモリながら
「「剛よろしく!!」」と言った。
「そんなこと、なにハモッてんだよ」3人で笑った。
ここで3人が友達になったような気がした。
学校内の案内もそこそこに3人で俺の家で遊ぶことになった。
遊んでいる最中にちょっと気になったので聞いてみた。
「なあ剛はさ、昼休み時間に質問攻めにあって怒鳴ったじゃん。
確かにあれだけしつこく質問されると俺もヤダけどなんで?」
「あれは実はなぁ・・・ものすげートイレに行きたくて我慢してたんだ。あいつらトイレに
行く暇もくれないもんだから我慢できなくなって怒鳴っちまった。一生の不覚・・・だよ」
「おかげちょっとの間だけど、誰も俺に寄り付かなくなっちまった・・・
今にして思えば、ちょっと早まった行動だったかもなぁ」
「実は俺の親父の仕事の関係でしょっちゅう転校を繰り返してるから初めてのやつでも
仲良くなるのはけっこう得意なんだよ。でも今回は失敗したよ・・・はははっは」
この話を聞いて、こいつの性格は人懐っこいけど短気だなと思っていると
さらに剛は話を続けた。
「でも1日目にして早くも友達が2人もできたし結果オーライかな!はははっは」
「それにあの香澄ちゃんだっけ、かわいいじゃん。その隣になれてよかったよ」
「楽しい学校生活送れそうだ!!はははっは!!」
こいつよく笑うやつだな。なかなか楽しいやつジャン。短気には気をつければ楽しそうだ。
大河がそこで口を挟む。
「香澄ちゃんか、香澄ちゃんはそいつの幼馴染なんだぜ。
一緒にお風呂とかも入っているほどの仲だぜ」
「!!」
俺は慌てた。大河が恐ろしいことを言ったものだから、それを否定するために俺は
「大河なにを口走っている!!そんな言い方したら誤解するだろ!!」
「それは幼稚園の頃の話だろ!!今も入っているような、勘違いするような言い方するなよ!」
剛がそれを聞くと俺の両肩を抑えて俺の両目をじっと見て聞いてきた。
「なに!!本当か!!ということは、将来を誓い合った仲とかそういうやつか」
「かぁ~あんなかわいい子が将来お前の嫁さんになるよかいいよなぁ。
あんなにかわいい子と羨ましいぜ!!」
といいながら俺の両肩に乗っけていた手をどけたと思うと、俺の背中を豪快に叩いた。
「痛っ!!なにずんだよ。そ・そんなんじゃないって!!」
「ただ親同士が仲良かったから小さい頃から一緒だっただけだよ。
大体、香澄となんかあるわけないじゃん。あの暴力女」
そう、こないだの平手打ち事件のことを思い出し思わず言ってしまった。さらに付け加えて言った
「ただの幼馴染だよ。腐れ縁ってやつだよ!!恋愛感情まったく無し!!」
「暴力女はないだろう。香澄ちゃんはやさしいし、いい子だよ。
だいたい暴力女って言ったってあれは事故だとはいえ由悠のせいじゃん」
心を見透かされた感じがした・・・昨日の叩かれたことを恨んでの発言ということを・・・
大河にはかなわない・・・
「大事にしないと遠くに行っちゃうかもよ」
それに対して俺は、大河に見透かされた気持ちをごまかすかのように
「た・たしかに暴力女は言いすぎかもしれないけど・・・別に遠くに行ったって俺には関係ないよ」
「あんな奴いなく・・たっ・・・て・・・」
と途中で言葉が止まってしまった・・・なんぜか急に胸のあたりが苦しくなる・・・
ほんとにいなくなっていいのか・・・香澄が・・・
いやいや香澄はただの幼馴染で居るのが当たり前の存在だっただけ、
居なくなったからって何も変わらない。
そう変わらないのだ・・・なのにこの胸の痛みは・・・
頭のもやもやは・・・あーわかんねえー
「ん?どうした?由悠、途中で話が止まってるぞ。なんだ、急に自分の気持ちに気がついちゃったか」
俺はすぐに
「ち・ち・ちげーよ!!ただ・・・」
「ただなんだよ」
と冗談ぽく俺にかえしてきた大河・・・
でも俺にはその先の言葉か思い浮かばない。
ただ・・・なんて俺は言おうとしたのだろう・・・・自分でもわからない・・・
なんかモヤモヤした気持ちが分からず言葉に詰まってしまった。
この感じを大河と剛に悟られないように必死に取り繕うように
「なんでもないよ。香澄はただの幼馴染それだけだよ!!あぁもうこの話はやめにしよう」
なんとか話題を変えようとするも・・・
剛にあっさり戻される。
「おれさぁ、香澄ちゃんに一目ぼれしたかも・・・」
俺と大河はびっくりして「「えぇ~まじかよ!!」」と声をそろえて言ってしまった。
剛はつづけた。
「由悠は、香澄ちゃんと付き合って無いんだよな」
俺はためらいつつうなずいた。
「大河は?」
「おれは別に好きな子がいる」
大河が言った子は香澄の同じ吹奏楽部にいる隣のクラスの磯山彩香(いそやまあやか)だ。
何度となく大河から聞かされている。入学して間もないころ大河もその子に一目ぼれして
それからずっと片思いなのだ。結構モテルくせに一途に片思いしているのだよなぁ。
ほかの子に告白されても好きな人がいるからって断っちゃうところはすごいと思う。
俺なんて告白なんてあれたこと一度もないよ・・・
そんなこと考えていると剛は拳を握りしめて決意を固めて
「なら問題なしだな!!おれ!!香澄ちゃんアタックする!!」
すると大河が俺を見て
「由悠いいのか?」
と言われてれ・・・ドキッとした。ただこのドキッとした気持ちがなんだかはわからない
大河はさっきから俺に何でこんなこときくんだ?
慌てて、俺が「なにが?」というと大河は
「剛が香澄ちゃんにアタックしてもだよ」
「問題ないよ、俺も応援するよ」
そう答えるしかなかったけど・・・大河はどうしてそうまで俺に気を使うのだろう???
とにかく香澄とは何にもない!!無いのだから!!心に言い聞かせる!!
ん?なんでわざわざ言い聞かせているんだ・・・俺・・・
「応援してくれるか!!心強い!!由悠、大河応援よろしく!!」
「う・うん」
「まぁ由悠がいいって言うなら全面的に協力しちゃうよ」
「なんたって俺も一目ぼれの先輩だからな」
「なに!?お前も一目ぼれなのか!!仲間だ!!」
がっちり握手をして、2人で一目ぼれについてあれこれ語り合っていた。
そしておもむろに剛は俺に聞いてきた。
「由悠は好きな子とかいないのか?」
「いないよ。」と言っておきながらまた胸のあたりがちくっとした。
俺、本格的に壊れちまったか・・・
なんか変な病気じゃなか・・・なんなのだろう・・・この痛みは・・・
そんな悩みを知らない剛は両方の拳を握りしめて気合を入れて
「ようし!!燃えてきた!!俄然がんばっちゃうぞ!!
さぁ彼女いない暦=俺の生きてる年齢に終止符を打つぞ!!」
と、剛は気持ちを高めるかのように大きな声で言った。
そして、気が付けば外から防災無線の
「よいこの皆さんはもうお家にかえりましょ~」と放送が聞こえてきたそれを聞くと大河が
「さて今日はこれくらいにして帰るか」
「そうだな、香澄ちゃん告白作戦会議は明日以降にってことで!!」
「「じゃーなー」」
そういって玄関で見送り2人は帰って行った。
玄関から部屋に戻り、
「はぁ~~~~~~~」
なぜか体の中の空気がすべて出るのじゃないかと
思うくらい大きなため息が出てきた。
続く 戻る
Posted at 2012/08/25 00:17:24 | |
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2012年08月23日
第2話です。
転校生がやってきます。続きをどうぞ。
登場人物紹介は
こちら
「幼馴染」
過去の話
第一話
第二話 転校生
午後の授業が終わりホームルームの終わり際、担任の先生から
「そうだ、そうだ!忘れていた。」
「来週から転校生が来る」
「一人新しい仲間が増えるから楽しみにしていてな」
と話した。クラス全体にどよめきが起こる、そこでつかさず大河が先生に対して
「先生!!転校生は男子ですか?女子ですか?」
「ん?みんないま聞きたいか?」
一斉に「聞きた~い!!」
「そうか、内緒にしておこうかと思ったけど、それなら教えよう」
「男子だ!!なかなかかっこいいぞ」
その瞬間、クラスが真っ二つに意見が分かれた。
もちろん・・・
男子はブーイング
女子は期待を膨らまして話していた。
香澄も前後の女子と「楽しみだねぇ」と笑顔で話していたのが見えた。
楽しみって・・・その姿を見た俺は、なぜかちょっと胸の奥の辺りがちくりとする感覚がおきた。
何だ・・・この感覚・・・香澄の顔を見ただけなのに・・・
最後に先生が
「転校生とは早くこの学校になじめるように、みんな仲良くするのように!!」
クラス全員を見渡しながらいい、みんなも返事をした。
「では、ホームルーム終わり」
と言って先生は教室を出て行った。
転校生かぁ、どんな奴だろうと想像していると後ろから肩を軽く叩かれた。
後ろを振り向くと大河が
「さぁ帰ろうぜ!!家に帰っていつもの格ゲーやろうぜ!!」
「よっしゃー今日は負けないぜ!!」
「ははっ!返り討ちにしてくれるは!!」
とゲームの話をしながら大河と二人で席を立った。
香澄は女の子たちとまだ教室でお喋りしていた。
チラッと香澄の後姿を見ていつもの香澄だと確認して教室をでる。
香澄とは小学校の四年生ぐらいまでは時々一緒帰ることがあったけど
五・六学年になるころには一緒に帰ることはほとんどなくなったなぁ。
それと正反対に大河と一緒に帰ることが増え、今日のように学校が終わると
一緒に帰り毎日のように遊びまわっていた。
部活は大河と俺はやっておらず、それより遊びたかった。
先生には部活に入れ!!とか言われていたけど、やりたいスポーツないし、
興味のわくような、それ以外の部活も無かった。
興味がわかないだから勉強も部活もできないのだよな・・・
ちなみに香澄は吹奏楽部に所属している。
翌週、朝のホームルームの時間
先生がチャイムとともに教室に入ってきた。
「おはよう」
「「「「「「「おはようございます」」」」」」」」
「さーて、さっそくだけど先週の言っていた転校生を紹介する」
廊下に待たせてあった転校生を招き入れる
「この子が新しい仲間だ」
入ってきた男子は背が高く百七十センチ超えてそうな感じその上、
笑顔がさわやかな、男の俺からみてもイケメンだった。
背の低い俺はちょっと羨ましく感じた。ちなみに俺は百四十九センチしかない。
俺もあれくらいでかけりゃ・・・
香澄の隣立っても違和感無いのだけどなぁ・・・
って、なに考えている・・・俺・・・香澄の隣に立つ必要ないじゃん・・・
馬鹿だ。俺・・・やっぱり背の低いことがコンプレックスだよなぁ・・・
切実に思う。背が高くなりたい。
そんな卑屈な俺をよそに女子たちは一斉にかっこいいとか素敵~とか盛り上がっていた。
それに反して男子たちは・・・なんか憮然としない感じだった。
少なからず、俺と同じ気持ちなのだろうな
「先生の言った通りイケメンだろ」
「じゃーさっそく自己紹介してもらおうかな」
転校生の肩を軽く叩いてそういった。そうして転校生は一歩前に出て話し始めました。
「五十嵐剛(いがらしたけし)といいます。」
趣味だとかなんかいろいろ言っていたけど俺の興味がわかず、頭には入ってこなかった。
自己紹介も終わり
「みんな仲良くしてやれよ。五十嵐君の席は・・・」
先生がきょろきょろしながら、教室を見渡し・・・
「五十嵐の席は佐々木の隣だ。佐々木!五十嵐にいろいろ教えてやってくれ」
そうすると香澄が立ち上がり「はーい。わかりました」というと、五十嵐を手招きして席を教えた。
五十嵐は香澄を見た瞬間、笑顔がこぼれたように見えた。
ん?なんだの笑顔は???さっきの挨拶の時の笑顔と違って
なんかやさしさが溢れてくるような感じだった。
香澄の隣の席に転校生・・・なんだこの感覚・・・俺何を考えている・・・
考えを押し込めて、そ・そんなわけない!!ただの腐れ縁の幼馴染じゃないか・・・
あわてて首を左右に振った。
どうも先週の事件からちょっと変だ・・・
妙に香澄が気になる・・・俺ってもしかして殴られてMに目覚めたのか・・・
いやいやそんなことはない。俺はいたって正常だ!!
などと頭の中で考えているといつのまにかホームルームが終わっていた。
休み時間になると転校生の周りに人だかりができ、質問の嵐を受けていた。
俺はというとなんだかそこに行って一緒に聞くような気にはなれなかった。
それに気がついた大河が
「どうした?」
「みんなと一緒に転校生のとこに行かないのかい?」
「興味無いね。男だし」
「実は俺も興味なし」
「俺と一緒か」
「じゃー適当にいつも通りってことで!」
「だな」
俺たち二人はいつものようにくだらない話をしていた。
転校生の五十嵐が昼休みにちょっとした事件を起こす。
休み時間のたびにクラス中から質面攻めにあうものだから最初のうちは笑顔で答えていたが、
途中から妙に落ち着かない様子。そして突然立ち上がり
「いい加減にしてくれ!!答えることはもう何もない。頼むから一人にしてくれ!!」
と、声を上げた。一瞬教室中が静まりかえった。
質問をしていたクラスメイトはびっくりして五十嵐から後ずさりして行った。
五十嵐はそこやっと静かになったといわんばかりに大きなため息をひとつつき、
そして五十嵐は教室を飛び出していった。
クラスは一致団結して五十嵐にたいして囲って話をしていた。
こんなこともで団結して質問しなくてもと思ったが・・・五十嵐がついにキレたようだった。
確かにあの状態は俺もヤダな。まぁ最も俺はあんなふうにキレること出来ないけどね。
よく吠えたよ。五十嵐ってやつは気が強いのかな、俺とは正反対だな。
こんなちょっとした事件が起こったけど、忘れるのも早いわがクラスは、
その後は何もなかったようにいつのも学校だった。
続く 戻る
Posted at 2012/08/23 23:13:49 | |
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