前回までのFC3Sレストア
2周間という期間で板金屋を決定し、車両を陸送し、手配部品リストを作成してもらい、部品手配までを行う過程の前半戦です。
土曜日のお昼前、ローダーが実家の前に来ました。いよいよ私のFCが旅立ちます。
しかし・・・旅立ちを見送るにあたって送り出しまでが難儀しそうです。
早速、路上でFCを確認しながら積載の打ち合わせを行います。
・ウインチ使うとフロントバンパーが傷つくかもしれない (交換するので別にいいけど・・・)
・車両をまっすぐ入れないとホイールに傷がつく (それは困る)
・リップは最悪擦るかもしれない (先に記載した通り。この時は問題なし)
・エンジンがかかるのなら、自走でチャレンジするのは全然OK (やってみたいかも・・・)
熟考した結果・・・とりあえず
自走してみる方向でやってみます。
えぇ、そうです。不動扱いでローダーを呼びつけてまさかの自走です。
これは・・・単に
私がFCに乗りたかっただけの選択であることは秘密にしておいて下さい (^_^;)
ブローしたらブローしたでそれも経験です。
※ちなみに私のFCは一度もブローしたことありません。27年物のエンジンです(^_^)
まずはFCのバッテリーが終わっていますので、エンジンをかけるところからです。
ドアを開けて、ボンネットを開けなければ・・・
業者の方「!!! ガッ、ガルウイングですか!?いや~、ガルウイングですか~」
Asora「えぇ・・・若気の至りでお恥ずかしい」
業者の方「すごいですね。私、初めてみました。後からこんな風にできるんですね!?へぇ~」
Asora「やめておいた方がいいですよ~」
業者の方「でも、憧れますね~。羨ましい。」
ボロ車を前に、こんなトークを繰り広げましたが・・・
このガルウイングトークのやり取りは現役時代に腐るほどしているので、
正直なところ
今でも面倒くさいです。(^_^;)
業者さんもまさかこんなボロ車がまさかのガルウイングというギャップに、
テンションが上ったのも理解はできますので、大人の対応をします。(^_^;)
そんなこんなでエンジンをかけるのですが、今回、不動車扱いで陸送を手配していましたので、
アタッシュケース型の携帯バッテリーを持ってきてくれていました。
これが自走と不動における準備の差なのかもしれません。さっそくバッテリーを繋いでエンジンをかけます。
クラッチ踏んで、エンジンスタートしたら即アクセルちょい踏み!
が、アイドルを安定させるのが結構難しく、あえなくエンスト(1回目)・・・
アクセルを踏んでないとエンストするのですが、
1500rpm以上はアクセルを踏みたくない私。
しばしの格闘が始まります。
普段ポルシェ(左ハンドル、MT)に乗っている私が、
FCで苦戦する点はアクセルです。
普段マニュアル車に載っていれば、クラッチの踏み込み量や、
つながりが手前奥とかはあまり関係なく、すぐに左足がアジャストします。
しかし、アクセルペダルの重さ・軽さについては右足が着いてきませんでした・・・
思えば初めてポルシェに乗った時に驚いたのは、オルガンペダルのアクセル・・・ではなく、その
アクセルの重さ(ペダル踏力)でした。
ポルシェのアクセルはFCと比べると、
めちゃくちゃ重いのです。
踏みごたえがあるといいますが、安定して踏める重さがあるのです。
対して、FCのアクセルは私のFCがそうなだけかもしれませんが、
めちゃくちゃ軽いのです。
走行中、車がゆすられるシーンなどは、
アクセルペダルを一定に踏み続けれないほど軽いです。(^_^;)
土曜の昼下がりですので、いくら車検対応マフラーとはいえ、
FCは103dB規制の当時物マフラーで、
かなりの騒音状況・・・(^_^;)
ちなみに現在は5ZIGENのマフラーが付いているはずです。
私の記憶では、純正→HKS リーガル → 5ZIGEN 304MAX → ProRacer?
記憶の限りではこんな変遷を経ています。
最後(つまり現在の仕様)がよくわかっていないのは
304MAXのフレアーエンドがスタイル的にもドンズバの好みだったのですが、
あまりの爆音(競技専用)に
しぶしぶ車検対応マフラーへの交換を行った為、その不満から記憶が封印されているのかもしれません(^_^;)
2回連続5ZIGENなので、当時の私の音の好みはおそらく5ZIGENなのでしょう。エンジンかけた時もいい音していました。
※他にちょっと乾いた感じで良い音するマフラーがあれば教えて下さい。
アクセル踏んで1,500rpmをキープし、水温が温まるのを待つよりも、
とりあえず動かそうという結論となり動かしますが・・・
バキッ!!!!スーン・・・
サイドブレーキをリリースするも、リアのパッドがローターに張り付いていた様です。
物凄い音でした・・・それもそのはず、10年間パッドはローターにキスしていたわけですからね。真剣に何処かが壊れた感じがしました。超近所迷惑な上に、またしてもエンスト(2回目)(^_^)
普段MT車に載っていなければ笑って済ませれますが、仮にも
MTのポルシェを転がしています。
そして、
エンストする度に、業者の方がバッテリーを繋いでくれるのです。(^_^;)
思い通りにならないのと、業者の方に申し訳ないのとで、だんだん
イライラしてくるのがわかります・・・
再度エンジンスタートし、タコメーターとにらめっこしながら、右足の格闘が始まりますが、アクセルの踏みが少なすぎて「ストン」とエンスト。(3回目)
まさかの
自動車教習所以来の車が発進できない事態に (^_^;)
業者の方も(もしかしてMTの運転に不慣れなのでは?)と心配した顔です。
こちらも流石に申し訳ないので、
事情(アイドリングができない状態である。)を説明すると
業者の方
「すぐにバッテリー繋ぐので大丈夫ですよ」
と。
こういう
一声はありがたいですよね。
やはり
不動でオーダーして正解です。
業者の方も最初から動かない前提なので、
生暖かく見守ってくれます。
もう一度状況を整理しますと、まず軽すぎるアクセルを常にちょっとだけ踏んでいる状態で1,500rpmをキープ。
そこからクラッチを繋いで、さらにアクセルをゆっくり踏み込んでいくという行為ですが、この
アクセルを踏んだ状態のまま、クラッチの切り・つなぎを何度もするという慣れない事にカラダが着いてきません。
ドリフトでクラッチ蹴る等ならともかく、普段アクセルを踏んだままクラッチワークをすることがないのと、アイドリングが出来るなら失敗してもエンストまではいきませんが、アイドリングしない車の発進は
即エンストの一発死。難易度が結構高かったです。
そして、思いの外、普段ポルシェの3.8L水平対向エンジンのトルクフルな感覚に慣れていたのか、1,500rpm以上回したくない私の意志なのか、
私の右足が思うようにアクセルを踏み切りません。
ここからさらに2回エンスト(4、5回目)をし、覚悟を決めて若干怒りながら
アクセルをバンバン踏むことでようやくローダーに乗りました。
長かった・・・そして恥ずかしかった。
爆音、静寂、爆音、静寂・・・これを
都合6セット繰り返しています。
ご近所の皆さんも、
「あの家のバカ息子が、またうるさい車でなんかやっている」と思っていることでしょう。
えぇ、そのうるさい車をレストアしようかと・・・ (^_^;)
こうして、私のFCはレストアに旅立って行きました。
積載で連れて行かれる我がFCの
ドナドナ光景を後ろで眺めながら
やっぱり、
FCの後ろ姿は抜群にかっこいい・・・
と悦に浸り、
写真を撮るのを忘れました (^_^;)
肝心の陸送ですが土曜日に出発して、
1週間後の月曜日に鈑金屋さんに搬送されました。
チャーターをイメージしていたので、こんなにかかるのかと早くも計算が狂い焦ります。
どこで油を売っていたかは定かではありませんが、すでに
2週間まで残り数日です。
果たして間に合うのでしょうか!?
無事に一段落ついたので、つづく。