目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
愛用のヘルメットにてHANSを使用出来るようにする為、自分で加工し、接続金具を取付けした際の手順です。
先日、実際に、HANS装着のみん友さんがレース事故にて事無きを得たので、
https://minkara.carview.co.jp/userid/2472948/blog/41387075/
以前から気になっていた自家加工取付について調べ、急ぎ取り付けました。
************************
これは自己責任での加工の記録です。
以下の記述を参考にされる方は、
自己責任にてお願い致します。
何か問題が発生しても、
当方では一切責任は取れません。
************************
愛用のヘルメットはバイク用なので、HANSの対応は無いのですが、自分で穴あけ加工を行い、HANSをヘルメットとヘルメットクリップ+テザー(金具付きバンド)でつなぐための
アンカーを設置します。
当然、FIA公認にはなりませんが、自分で取り付けたアンカー使用でもHANS不使用よりは確実に首を守れる様になると思います。
帽体に穴を2個開けるという事は、ヘルメットの強度は微妙には落ちますが、
車でのサーキット走行の場合、バイクとは違い事故の際に車外に投げ出される可能性は少ない事と、
穴を開けるFRP樹脂?の特性を考慮(エッジ部等は割れやすい)して、慎重に穴あけすれば大丈夫でしょう。
(自分は、金属への穴開けはいちおプロですし?w)
使う道具は写真に写っている様な物と、電気ドリルや、布メジャー(後述します)、M6のボルト(後述します)などです。
2
まずは、アンカーを入手します。
呼び方としては、
アンカークリップとかアンカーポストキットとかヘルメットクリップとか、
いろんな呼び方をされているみたいですが、
大体、アンカーの部品一式状態で販売されています。が、
ここで気をつけたのは、
写真の赤○部のM6エレメント
(デカくて厚いワッシャと一体化した専用のM6ナット)
と、専用の薄いスパナ(M6エレメント装着時にスパナが薄い事が非常に重要)が付属しているキットを購入する事です。
HANSには主にFIA 8858-2002規格とFIA 8858-2010規格が有るようで、どうやら、2010規格では、ヘルメット側に最初からM6エレメントが内臓されているのが普通の様なので、確認せず2010規格を購入すると、
部品としてのM6エレメントが付いてこない場合が有る様で、そうなると、自力で穴を開けて取り付けようと思っても、ボルトを固定する際のナット側が有りません。
それなら2002規格は?と調べると、穴開け前提なので、おそらくエレメントは基本的に付属していると思われますが、旧規格のせいか、色や種類によっては売り切れが多く、選択肢が少ない感じです。
私は、2010規格でM6エレメントが付属している、この写真のモノ(購入時のパッケージは画像1の真中写真)を入手。
※HANSやアンカーやテザーには、主に2002規格と2010規格が有る様でして、
互換性は以下のリンクを参照願います。
http://www.tanida-web.co.jp/Images/archive/schroth/schroth_hans_matching201012.pdf#search=%27HANS%E3%83%87%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9+%E5%AF%BE%E5%BF%9C%27
2002規格のアンカーでも、同じ様に使える様に思いますが、上のリンクで良く確認願います。
3
まず、位置出しをします。付属の英語説明書を訳すと?
てか、英語不得意(爆)なので、ネットでググり、偉大な先人たちのありがたいブログを参考にする事に~
先人さま、ありがとうございますぅm(_ _)m
自分は、こんな言葉でググって良さげなページを参考にしました!!
「ハンス 自分で穴開けて取付」
「HANS ヘルメット側にアンカーを打つ 取り付け方法 簡単に説明」
位置の出し方は、ヘルメット下部のラバーモール上の1.5"(約40mm)の左右同じ位置に、ヘルメットの真後ろから6"(約150mm)の距離を測り、6mmの穴を左右各一箇所開けるだけですが、自分の施工方法を簡単に説明しますと、
1:まずラバーモールの上側50mmくらいまで、後ろ半分にマスキングテープ等を貼ります。
2:後ろ側のラバーモール上面から43mm(2010規格の説明書は39mm)の位置に約10~30mm間隔で3点程度、マジック等でケガき、ラバーモール上面に平行な水平線を描きます。
3:ヘルメットに付いている左右対称の基準になる点(シールドピボット等)を基準に、
後頭部にヘルメットの後ろ中心線を書き、先ほどの水平線と交わった所をマーキングしておきます。
4:そこから左右それぞれ前方に150mm、モールから43mm(2010規格の説明書は39mm)の位置にマジック等でケガきます。
5:この左右各一箇所の位置を再度良く確認してから、ドリルで6mmの穴を開けます。
6:M6エレメントを取り付けます。(コツ必要!!)
7:アンカーを付属のボルトで取り付けて完成っ♪(コツと注意点有り!!)
位置出しの際、球面上での寸法計測が有るので、裁縫用の布メジャーの様な物が無いと計測が難しいですが、
私は(IKEAでもらったw)紙製のメジャー?を使用しました。(写真右端)
無ければ、コピー用紙に150mmなど必要な目盛りを振って切って作れます。
※ (2010規格の説明書は39mm)の寸法は、私は、ネット上の先人の方2名を参考に同じ43mmでの施工としましたが、
今回購入した2010規格の英語説明書には(39mm)と在りましたので記載しております。
・・・先人の2002規格の英語説明書の写真も見つけた所、(43mm)の記載となっていました・・・2010規格は4mm低い? まあ、自己責任なので自分はこれでOKでっすw・・・
4
では、加工の状況おば。
1:まずラバーモールの上側50mmくらいまで、後ろ半分にマスキングテープ等を貼ります。
2:後ろ側のラバーモール上面から43mm程度の位置に約10~30mm間隔で3点程度、マジック等でケガき、
ラバーモール上面に平行な水平線を描きます。
⇒赤○が各測定点で、えんじ色線がモール上面から43mm位置の水平線
3:ヘルメットに付いている左右対称の基準になる点(シールドピボット等)を基準に、
後頭部にヘルメットの後ろ中心線を書き、先ほどの水平線と交わった所「基準点」をマーキングしておきます
⇒オレンジ線が後ろ垂直の中心線で、えんじ色線と交わった所が赤◎の「基準点」
帽体が曲面なので、紙メジャーを駆使して測定しています。
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4:そこから左右それぞれ前方に150mm、モールから43mmの位置にマジック等でケガきます。
⇒赤○がさっきの「基準点」で、そこから150mm前方へオレンジ矢印分離れつつ、
モールから43mmエンジ色矢印分上となる黒線と交わった赤◎が、今回Φ6で穴あけを行う左側位置です。
右側も対象に位置出しします。
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5:この左右各一箇所の位置を再度良く確認してから、ドリルで6mmの穴を開けます。
上写真⇒穴あけ前に、帽体を貫通して内部の内装材や衝撃吸収体(発砲スチロール?)に穴を開けないように & 後にM6エレメントを差し込むスキマが必要になるので、付属の薄いレンチにマジックなどで差し込む深さの印を付けてから、
レンチを慎重に少しずつ「グリグリと」左右に振りながら差し込んで、
穴あけ位置のちょうど裏側にレンチの金属板が来るようにし、衝撃吸収体をドリルの先端から保護します。
中写真⇒最初にセンターポンチを軽く打ちます。
簡単にへこむので、あくまで軽くです。
その凹みに合わせ、Φ3でまずは貫通。
その後、写真は無いですが、Φ4でもう一度貫通。
直径差が1mmしかないので、Φ4はあっけなく簡単に貫通しますが、
この感覚を覚えておき、Φ6の時は一気に貫通しないようにゆっくりドリルを送ります。
下写真⇒さあ本番っ!!Φ6でゆっくり貫通します。
ドリルが食いつきやすく、すぐ吸い込まれそうになるので、それを抑えて、なるべくゆっくり貫通する事で、
毛羽立ちをなるべく押さえ、真円(にはなりませんが・・・)に近づけます。
どうせ、内側の面取りはしない(出来ないw)ので、外側も面取り等しません。
その代わり、貫通後に、外したΦ6ドリルを手で持って回しながら通して、穴をなるべく綺麗にします。
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6:M6エレメントを取り付けます。(コツ必要!!)
貫通した穴を綺麗にしたら、付属の薄いレンチに、エレメントと言う円盤(M6ナットと大きめのワッシャが合体したような物?)をセットして、平らな面が外側(帽体側)になる様にして差し込んで行きますが、ちょっと待った!!
エレメント挿入前に、帽体とクッション材の接着を剥がしつつ、エレメントの厚みが入るスペースを作っておきます。
そのために、まずはもう一度、薄いレンチだけにして、
エレメントが設置される予定の位置+少し広めの範囲で、帽体とクッション材の間にレンチを差し込み、帽体とクッション材の接着を剥がしつつ、
もしエレメントを差し込んだ場合はどんな感じになるかの予想的な感触も掴んでおきます。
これをせずに、いきなり無理やりエレメントを差し込もうとしていたら、
私の場合は確実に失敗していたと思います。(大汗)
ここは非常に大事なので、取り付ける帽体や内装の状態に合わせて、しっかり作戦を立てて行った方が吉でしょう。
さて、ここまで準備し、作戦を立てたら、いざ、エレメント挿入です!!
押し込む工具が、スパナ形状なので、押す事と左右に振る事は出来ますが、
引っ張ってエレメントを引き戻す事は出来ません!!
左下の写真の黄色で囲った部分の様に、開けた穴から覗いて、行き過ぎないように!!
結構大胆かつ慎重さが要求され、けっこう力も要りました。
で、大体穴を合わせたら、付属のボルトを入れたくなりますが、
またまたちょっと待った!!
アンカーのボルトには、せっかく緩み止めが塗布されているので、このボルトでセンター出しや仮止めはしたくない。
なので、右下写真の赤で囲った部分の様に、M6のテキトーなボルトを差し込んで、
手でスムーズにボルトが回るような位置にセンター出しをしておきます。
このボルト、作業に入る前にエレメントのネジ穴に通してみて、スムーズに入る事を確認しておく事も大事ですね。
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7:アンカーを付属のボルトで取り付けて完成っ♪(コツと注意点有り!!)
ここまできたら、あともう少し。
左上写真の説明書図解に従って組み立て、専用のM6ボルトで締め付けます。
緑線で囲った所は、HANS側に付いているテザーの金具なので、今回組み立て時は有りません。
一番上に来る金具(カラー)の突起の向きですが、右上写真の黄矢印の様に、
メット後端下部方向に向かうように合わせれば良いとの先人の方のブログを拝見したので、その向きに合わせました。
アンカーを両側に装着完了してからヘルメットを被ってみた所、少し違和感が?
・・・耳の下辺りに圧迫感を感じたのですが、ヘルメットを脱いで見てみると、
エレメントを左右に入れた厚み分なのか、この衝撃吸収体(左下写真の赤で囲った部位)が周りの部分より5mm程度内側に出て来ていました。
この白い部分は普通の発砲スチロールを固くした様な材質で、指で押し込んでみたら少しなら潰す事が出来るようだったので、周りの衝撃吸収体と同じ高さになるように押し潰して調整すると、その形状のままで留まり、圧迫感も消え、元々の被り心地に戻りました。
まあ、新品ヘルメットも内装形状が頭の形に習って行くと言いますし、その範疇と言う事で。
で、無事、自分でアンカーを取り付ける事が出来ました。
すでに先日、購入予定の物と同じHANSをみん友さんからお借りして装着し、問題無い事も確認し、安心致しました。
実際の事故での効果検証等が起こらない事を願いながら、今後はHANSを使用してサーキットを楽しみます。
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