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最近、車種別掲示板でフェアレディーの板をよく読んでんいるのですが、酷く荒れてますねぇ。。。
 初めて走る峠、俺の前を130Zがエスコートしている。タイトコーナーが続くこの峠で、俺を引き離そうとしてか、右へ左へと暗闇の中を走り抜けていく。

 俺は全て余裕を感じながら、Zのテールを追っている。Zのステアリングを握っているのは女性である。彼女にはこれが精一杯のドライビングなのだろうか....。

「かなり走り込んだのよ、この峠今度一緒に走ってみない?」彼女はそう言い、俺を誘った。なるほど、今までにはない走りをしている。今夜はやけに積極的だ。しかし相手が女性だからなのか、「事故らないだろうか、反対斜線のクルマの確認は大丈夫なのか」と心配ばかりが頭に浮かぶ。

 ハザード2回の不意の合図。俺は感じた。これ以上の突っ込みはもう無理。そう訴えているのだろう。しかし、いや違う。L型特有のEXノートがより高くなった。俺との距離があっという間に広がる。本気か....。どのくらい腕を上げたのか見せてもらうぜ。

 シフトダウンと共にブーストの針が一気に跳ね上がる。コーナー手前のフルブレーキング。インへ思いきり刺し、ノーズが出口へ向く。と同時にアクセル全開。速い、本当に速くなった...。信じられないぜ。Zのテールが離れていくのがわかる。もう俺はZのドライバーが女性であることを忘れていた。

 コーナー出口からストレートにかけてターボパワーで食いついていく。コーナー手前のブレーキングがすごく深い。俺には耐えきれない。コーナーで離され、ストレートで追いつく。そんな繰り返しが何度となく続いた。きつめのカーブをクリアし短いストレート。大きく回りこんだ右コーナーだ。

俺はこのコーナーに賭けた。3速フルブースト、右コーナーが迫る...。ブレーキングが遅いぞ俺は既にフルブレーキングでシフトダウン。激しい減速に襲われる。その時Zのテールが真っ赤に光る。スキール音と共にテールがコーナーへ流れ出す。ヤバイ!事故る!俺の心が張りつめる。

 暗闇の中、PIAAのスポットに照らされるZは、まるで写真を見ているかの様にフルカウンター。そのままの姿勢で俺の行く手を塞いでいる。「オーッ!」これは叫んだ。

 L型サウンドが高く吼え、そんな叫びをかき消した。Zは当たり前のように姿勢を立て直し、次なるコーナーへと向かっていったのだ。

 俺はアクセルを踏むことすら忘れていた。フットレストを踏みつける足が、小刻みに震えている。負けだ、俺の負けだ....FJをなだめるようにアクセルハーフでクルマを進める。

 Zのハザードが規則正しく点滅を繰り返す。今起こったことが嘘のように、静寂だけが漂っている。フルバケットに身を沈めた彼女、さわやかに、本当にさわやかに微笑んでいる。夢見心地というのだろうか...俺はドライバーズシートの中から、だだ茫然と彼女の笑顔を見つめるだけだった。

東京都練馬区 ワンテールのRSターボ

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