今日も、獲物を探しに夜の第三京浜へとオレのZ31HKSステージⅢは走っていた。いつも都合で平日にしか行けないので、「今日もバトルはお預けか...」などとあきらめつつ、心地良いターボ音と不規則なリズムを発するウェストゲートの音をBGMに、保土ケ谷料金所に向かっていた。
しばらく走っていると、ピカツ というハロゲンの呟しい光をルームミラーに感じた。イエローバルブにドライビングスポットを光らせ、いかにも「この道はオレのもんだ」というように、堂々と走っている。久びさの獲物に、私は心に熱いものを感じた。
ヤツの横を、加速をつけて一気に走り、ミラーで確認した。「ソアラの3リットルだ!なんだこれじや勝負にはならね-や」と思っていると、やけに後ろが暗い。よく見ると、相手のFガラスがオレのルームミラーいっばいに写っているのだった。
4速6000rpmから5速へ。アクセルはもう床につきつぱなしだ。そして、ヤツが横に並んでいたのはほんの1、2秒のことで、すぐにオレはヤツのテールを拝まされていた。一気に力が抜け、なんだか泣きたくなった。
料金所を過ぎ、パーキングエリアに入るのが怖かった。そして案の定さっきのソアラがいた。横に車をつけ、降りると相手も気づいて窓を開けた。焼けたオイルの匂いがか微かに残っている。
「速いね、何やってるの?」と聞くと「3.1リットルメカチェーン。マフラーノーマル」と答えた。まさかノンターボ?「本当はターボもついてるんじゃないの?」「ううん。オレ、ターボを負かすのが生きがいだから」ときた。確かに運転席にはブーストメーターはおろか、何も付いてない。助手席にFコンがついているだけである。
「そいじやオレ、急ぐから」TOMSのエンブレムが光っていた。ふと、オレは思い出した。そういえば、ヤツの助手席には松葉づえがあったっけ...。
そんなことを思っていると、Z31のターボタイマーが切れ、あたりが急に静かになった。
絶対にあのソアラを負かす!指名手配だ。ソアラ3.0GT白。TVと無線を積んでいる。イエローバルブ、スポットライト、アンテナ多数のソアラ!!連絡を待つ。
東京都中野区 白のZ31