
スイカの郷は、海と、陸の間にある、
人の心のふるさとである。
私達はその記憶を忘れて、
この地上に産まれでてしまった。
しかし、スカイダーの伝えるこの物語によって、私達はその記憶を呼び覚まされようとしている。
前回までのあらすじ
スカイダークロニクル セカンドシーズン Vol.🍉🍉
一度死んだかと思われたスカルダー!
スカイダーが目を離した隙に
ふたたび炎を吹き出しながら立ち上がろうとしていた!

その間、スカイダーは地下への扉の内側から
ビビりながら覗いていた。
完全に立ち上がったスカルダー。
「うぉ〜、うぐぅわ~」
苦痛に悶えるような雄叫びをあげたかと思うと、
身体から吹き出る炎が消え、
青白い光を放ちだした!

その光とともに、どんどんスカルダーの身体は
巨大化していった!
「ヌハハハハー!スカイダーはどこだー!」

ハイパー化したスカルダーの誕生だ!
地下の扉をそ〜っと閉めると、
扉を背中で押さえるように座り込み
スイカ型通信機取り出した。
「こちらスカイダー!怪人がハイパー化した!」
「え?何?あの伝説のハイパー化❔❕」
通信機からスカイダーレディの大きな声が漏れた!
「しー!しー!声がでかい!」
「急いでスカイダーロボを転送してくれ!」
「ラジャー!」
「スカイダーがピンチよ!
スカイダーロボを時空転送せよ!」
西瓜戦隊 モーリオカ支部ではガスタンクと見せかけて、
怪人の伝説のハイパー化に備え、
内部で対ハイパー化怪人用最終決戦兵器を開発していたのだった!
ゆぅぃんゆぃん!ゆぅぃんゆぃん!
時空を歪めてあっという間に転送されて来たスカイダーロボ!

「あれー?なんで姫が乗ってるのー?」
「だって~姫ちゃんも乗りたかったんだもん」
姫スカイダーは、ちゃっかり完全防備のヘルメットを被って
スカイダーロボと一緒に転送されて来たのだった。
「もー仕方ないなー💦よし、一緒に怪人をやっつけよう!」
「おー!」
ここからは2足歩行モードに変形だ!

ズシン!ズシン!
「ノンタンのDVD見たーい!」
「これはお家の車じゃないのー!」
そんなやり取りをしていると、
ハイパースカルダーがスカイダーロボに気付いた!
「おのれ!スカイダー!喰らえ骨盤アターック!」
お尻を突き出して、ヒップアタックをしてきた!
スカイダーロボはまだ試作段階のため、
関節の可動範囲が極端に少ない!
さすがにこの骨盤アタックは避けきれず、
もろに吹き飛ばされた!
「うわー!」
「キャキャキャキャキャー🎵」

背中のバックパックのバーニアから
ジェット噴射をし、
何とか体勢を立て直すスカイダー!
突き飛ばされたお陰で、スカルダーとの間合いが取れた。
「よし、今だ!ハイパーメガスイカ粒子砲!」
「いっけー!発射ーーーー❕❕❕❕」
「ブシクゥーーーーンーー❗」
大型戦艦も一撃で撃沈させるほどの威力をもつ
ハイパーメガスイカ粒子砲はスカルダーの腹を貫通した!
「ぐわぁーーーー❕❕❕」
怪人であれば、ここで捨て台詞を吐くところだが、それさえも出来ずに大爆発を起こした!
そしてドクロ雲が何か言いたげに立ちのぼり、
しばらくたって風にかき消されて消滅したのだった。
この闘いで、カルダース乳業の本社は完全に崩れ落ちた。
既に日が沈みかけ、辺りは暗くなってきた。
スカイダーは念のため地下を探索したが
ここはものけのからだった。
「既にアジトは移動した後だったか」
「レッド・・・」
スカイダーの言うレッドとは
昼間戦隊 ニッキーンのリーダー
レッドEXの事だ。
彼は怪人シャーチョに家族を人質にとられ、
秘密の事業に無理やり加担させられていた。
しかしレッドは、シャーチョの事業に加担してる振りをして、内部から壊滅に追い込むとスカイダーに告げて、自ら潜入捜査に踏み切ったのだった。
怪人シャーチョ・スカルダーを倒したが、
どうやら他にも怪人シャーチョがいるようだ。
しかしレッドの潜入捜査に影響が出てはいけない。
ここはレッドに任せるしかないな。
レッドEXに希望を託し、
スカイダーは先に帰った家族の元へ
スカイダーマシンを走らせたのだった。
家に着いたスカイダー。
ベッドの上で天井を見つめながら考えた。
怪人とは、
私利私欲の思考が、正常な精神を食い潰し、
醜い心に変貌してしまった人間の姿だ。
スイカの郷では、そういった『我』という感情を増幅させ怪人にしてしまう力があるようだ。
人間とは弱い生き物だ。
上から抑圧すれば、楽な方に逃げたくなる。
怪人シャーチョはそれを利用し、不正しなければ到底無理な状況を作り出した。
あとは正常な判断能力を奪われた人間は、
自分を守る事しか考えれなくなる。
そうして勝手に怪人へと変貌していくのだ。
怪人 ヒボーチューショ
怪人 モンペ
怪人 モラハーラ
怪人 クレーマー
最近新たに発見されたこの新種の怪人達は、
怪人シャーチョの影響は受けていない。
環境、境遇などから、自分の事しか考えなくなり、自ら怪人へ変貌しているのだ。
奴らは自分が正義だ!と思っているのだ。
だから他人にどう思われようが省みない。
こうなってしまっては爆発させて始末するしかない。
しかし、
完全体の怪人になる前の
少しでも自分を省みる精神、
他人を思いやる精神が残っていれば、
もしかしたら人間に戻すことができるかもしれない。
そんなことを考えながら、
いつの間にか深い眠りに落ちていったのだった。
・・・
・・・・
「・・・ちん!」
「・・たんちん!」
「・・ゆうたんちん!」
かすかに呼ばれる声で目を開けたが、霞んでよく見えない。
「ゆうたんちん!良かったーーー!!!」
喜びの声から泣き声に変わった。
声からスカイダーレディだとわかった。
「ふぁ~、おはよ〜どうしたの?」
微かに見えるようになり、喜びの涙を流すスカイダーレディが見えた。
だが、スイカを被っていない!?
横をみると
「あれ?ここは?」
「病院よ!覚えてないのね」
「ゆうたんちん!
あなたは去年、スイカ大食い大会に出て、
子供たち相手にムキになって優勝はしたんだけど、会場で急性西瓜中毒になって倒れたの!」
涙が出ているが、喜びで声が震えている。
「そして、そのまま1年間、
ずっと意識が戻らないままだったの!」
「もー本当に良かったーーーうゎーん!」
病院に響き渡る位の大泣きに変わった。
そんな!ばかな!
怪人達とのあの闘いは夢だったのか?
いや、しかし、リアルすぎる・・・
確かに去年からスイカを被ってキャッキャはしゃいでたのはうっすら思い出してきた。
しかし、そこから怪人ボクトーとの闘いになったはずだ!
まさか、あるかは分からんが、俺は現在と平行に走る別の時間軸に行っていたのか?
いやいや、身体はこの病院に寝たきりだったみたいだし・・・
点滴の刺さってない左手で頭をかきながら考えていると、指先に何か小さなものが触れた。
それを髪の毛の間からつまみ出した。
す、スイカのタネ!!!
しかもスイカの汁で濡れている!
やっぱり、
俺は居たのか❔❔❔
スイカの郷に・・・
スイカの物語を覚えている者は幸せである。
心豊かであろうから。
私達はスイカだった頃の記憶を記されて、
この地上に生まれてきたにも関わらず、
思い出すことのできない性を持たされたから。
それ故に、
スカイダーの語る次の物語を伝えよう。
あとがき
皆さんお忙しい中
最後まで読んで頂き、
また、長い間ゆうたんちんの
妄想戦隊、おバカブログにお付き合い頂き
本当にありがとうございました。
姫とゲーセンで乗ったロボットをなんとか登場させようと色々考えてたら、三部作になっちゃいました😅
ゆうたんちんは地上界に戻ってきたので
今年はもう妄想の世界に行かないかもしれません(笑)
でも来年、スイカが送られてきたら
またスイカの郷への道が開かれるかもしれません・・・(笑)
スカイダー
・・・スイカを見る度に思い出せ🍉
Posted at 2017/09/02 11:14:51 | |
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