idrive「Musicコレクション」に苦労していましたが、いろいろ試してみて、ようやく1つの方法に収れんしました。
1. 手持ちCDは、すべてPCでリッピング。
2. 持ち出す全曲をMP3に変換。フォルダ名、ファイル名の命名に工夫を凝らす。
3. 再生したい曲順/曲名にこだわった、複数のプレイリスト(m3u8)を作る。
4. 2,3をすべて1つのUSBメモリに放り込む。
5. idrive MusicコレクションのHDDをクリアして、4をidriveで一気に取り込む。
6. 取り込まれたプレイリストを使ってエンドレス再生。
まず
1のPCリッピングです。
idrive のCD取り込みを使うと、後々次のような使いにくいことが起きした。
・取り込まれた音楽は「アルバム名(アーティスト)」というフォルダに取り込まれるのですが、「フォルダ一覧」で検索を描けると、表示幅の関係で、アルバム名しか読み取れません。
例えば、複数のアーティストが「シングルベストコレクション」というタイトルで出していると、フォルダ名一覧は「シングルベストコレク…」という表示が並んでしまい、誰の楽曲かさっぱりわからなくなります。
・選択したフォルダ=アルバムしか再生できません。アーティストA/アルバム1 → アーティストA/アルバム2 → アーティストB/アルバム1 → アーティストC/アルバム1 のように、順々に再生して欲しいと思っても、そういう
アルバム連続再生ができないという欠点があります。
・取り込まれた音楽ファイルを使って、好みのプレイリストを作ることができません。「お気に入り」マークを付けることはできますが、それだけです。
一方、
USBメモリからの取り込みでは、mp3, aac(m4a), wma の任意のビットレートのファイルを、
無劣化で 取り込むことができます。
CDからの取り込みはサッパリと諦めて、すべてPCでリッピングして、USBメモリから取り込んだ方が、選択肢が広がる上に、後々使い勝手も向上します。
PCでのリッピングは、iphone を使ってる人は itunes を使ってもいいと思いますが、より自由度を高めるなら、
EAC や
xrecord II などを使って、
flac 形式で取り込むのが得策です。
flac形式は、「
無劣化(ロスレス)」で音楽ファイルを取り込めて、ファイルサイズは60%くらいに圧縮できる優れものです。取り込み作業は時間がかかるので、一旦すべて flac形式で取り込み、
持ち出すときに、好きな圧縮フォーマット+ビットレートに変換した方が、
後悔しなくて済みます。
flac形式の優れたところはもう1つあって、取り込んだファイルごとに、ID3v2タグ+ジャケット写真を記録できることです。この情報はmp3,aacへの再変換時にも利用できるので、ほんとに管理が楽になります。
2つ目のMP3への変換ですが、次のような工夫をしました。
・
LAME を使って高音質に変換。
・持ち出し形式は、MP3, 192kbps, VBR. LAMEのオプションは「-v -V 2 -vbr-new 」
192kbps 以上では、圧縮形式やビットレートの差はほとんど感じないと言われていますが、aacよりも mp3 の方が高音質との評価もあるし、mp3の方が扱いやすいので。
・ビットレートは 256kbps(-V 0 または -b 256 -v)でもいいのですが、V2とV0では1曲当たりのファイルサイズが2MiBほどしか違わないですが、これが2000曲分になると、4GiBもの違いになってしまいます。Musicコレクション用の割り当てサイズは 20GiBなので、4GiBの違いは致命的です。
・xrecord II を使うと、CPUのコア数をフルに使って一気に変換できます。例えばcore i7を使っていたら、8スレッド同時変換してくれます(他のアプリの1/8の時間で変換が終わります)
・保存フォルダ+ファイル名は「%Albumartist%/%Albumtitle%\%track2%) %title%」
例えば、「アーティストA/ベスト集¥01) 最初の曲.mp3」という形。
アーティスト名を先頭にすれば、フォルダ一覧表示したときに同じアーティストが並ぶし、誰のベスト集なのかも一目瞭然。
・ファイル名の先頭には、必ず
先頭に「曲順」を2桁固定幅で付与していくこと。
idriveはファイル名の並び順で再生するため、先頭に数字で曲順をつけておかないと、無茶苦茶な再生順序になってしまいます。
・ファイル名の並び順は、「あ/ア…ん/ン、A/B...Za/b..z、0/1/2...9、記号、漢字」です。
・ジャンル名は、PCでは任意の文字列で付け直すことはできますが、idriveでは、TAGに記録されたジャンル番号から、それに対応する(定義されている)ジャンル名を表示してしまいます。なので、任意のジャンル名を付けても役には立ちません。
3つめのプレイリストについてです。
プレイリスト編集ツールは何を使ってもいいですが、気を付けなければならないことは3つです。
・「相対パス表記」で記録できること。
G:\Music\album\アーティストA/ベスト集\01) 最初の曲.mp3
G:\Music\album\アーティストA/ベスト集\02) 最初の曲.mp3
という「絶対パス表記」になっていると、idriveでは認識してくれません。
Music\album\アーティストA/ベスト集\01) 最初の曲.mp3
Music\album\アーティストA/ベスト集\02) 最初の曲.mp3
という「相対パス表記」になっている必要があります。
・UTF-8 で記録すること。
idriveは、SJISでもUTF-8でも読み込めますが、多くのメディアプレイヤーが SJISでは文字化けすることが多いです。後々のことを考えて、UTF-8 で記録しましょう。
・ファイル名の拡張子は「.m3u8」が望ましい。
UTF-8 で記録されたプレイリストの拡張子は、「.m3u8」が推奨されています。idriveは「.m3u」も「.m3u8」も読み込めますが、他のプレイヤーを考えて、「playlist.m3u8」という風に記録しましょう。プレイリストファイル名は日本語でも構いません。
4つめのUSBメモリへの保存についてです。
idriveは、取り込まれているフォルダ+ファイル構造と、USBメモリのディレクトリ+ファイル構造と一致していれば、
同一のUSBメモリからの取り込みと判断してくれます。
そこで、
idrive専用のUSBメモリ を作っておいた方が、何かと便利です。
また、そのUSBメモリの「Volumeラベル」を設定しておけば、idrive はその「Volumeラベル名」にてidrive内にトップフォルダを生成してくれます。
例えば、「BMW-MUSIC」というVolumeラベルにしておくと便利です。
3で変換したmp3ファイルですが、idriveのフォルダ検索で見やすいように、ディレクトリ構造を検討しましょう。
Musicコレクション →「フォルダ検索(一覧)」→(ボリュームラベル名)→(第1階層)
の順にディレクトリが見えていきます。あまり深いフォルダを掘ると探せなくなるので、第1階層に「アーティストA/アルバム1」フォルダを並べると、楽曲へのアプローチもラクです。
また、一度取り込んだUSBメモリは、
中身を消さずに取っておきます。後々、新しいアルバムをリッピング→取り込みしたい場合は、この新しいアルバムを USBメモリに追加し、
そのままidriveで取り込むことで、「以前との差分=新しいアルバムの曲」だけが取り込まれるようになります。
5の取り込みですが、私の場合、約3000曲・16GiB で、3時間ほどかかりました。途中まで取り込んでエンジンを切っても、次にエンジンをかけたら途中から取り込みを再開できるので、放置しておけば良いです。
6の再生です。フォルダ一覧から検索して再生するか、プレイリストを選択して再生すれば、あとは放置でOKです。不要になったプレイリストは、idriveの「Option」ボタンから「プレイリスト管理」を実行すればいつでも削除できますし、新しいプレイリストはUSBメモリから取り込むことができます。
以上、使いにくかったidrive Musicコレクションを何とかいなすことができるようになりました。「どうせ車の中でできることは限られているのだから、母艦となるPCで編集してUSBで取り込んだ方が楽でしょ。」という、割り切った考え方で捉えられているような気がしました。
# でも、どう考えても、CDから取り込んだ楽曲再生では、終わったら次のアルバムに移るのが自然だと思うな。
**** 16/4/29追記
久しぶりに新しいアルバムを入れようと、中身をそのままに取っておいた
専用USBにリッピングしたアルバムを入れ、車に差し込んで、「ファイルの取り込み」をしてみました。
なんと!
差分だけが取り込まれるはずなのにそうならず、
USB1という別のフォルダができてしまい、そこに
USBの中のすべてのファイルが複製されてしまいました。
これでは、せっかく専用USBを作って全曲取っておいても、全く意味がありません。
なんというバグ。
いったい、BMWはどういう設計をしているのでしょう!? サッパリ理解できません。