• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

opabinのブログ一覧

2025年04月04日 イイね!

第3世代e-powerに期待大

第3世代e-powerが発表されました。
youtubeにも、キャシュカイを使った試乗会動画(従来型(VC-turbo+第2世代)と次世代型(新エンジン+第3世代))がいくつか上がっています。
・藤トモさんの試乗動画
・河口まなぶさんの試乗動画
・ワンソクさんの試乗動画

どの動画を見ても、今まで以上にものすごく静粛振動もなくますます上質感とEVそのものの走りだ、という評価でした。特にワンソクさんの一般目線から見た「驚きの声(マジか!)」は、実感がこもってるんだろうな、と思いました。

また第3世代は、高速域の燃費が15%、WLTC総合モード燃費で9%も改善しているそうです。キャシュカイ(第2世代)が 18.9km/l なので、20.6km/l になりますね。
欧州は街中の渋滞もあるし、アウトバーンなど高速ツーリングもあるので、高速燃費の向上はウケるでしょうね。

技術的には、①ロングストローク、②定速回転、③STARC燃焼、④駆動系のx-in-1構造 に振り切った設計が特長なのだと理解しました。

①のロングストローク化。レシプロエンジンは、爆発力によって生み出されるエネルギーをなるべく長いストロークで運動エネルギーに変換する方が、エネルギー変換効率は良くなります。同じ排気量なら、ボア(シリンダの直径)を広げるより、ストロークを増やした方が熱効率は高くなります。その分、上死点から下死点までの移動時間は長くなるので、1回転にかかる時間が長い、つまり、アクセル開度に対して反応の遅いエンジンになります。

通常の速度域(停止0km/hから、高速120㎞/l)でまんべんなく反応が良くトルクを稼げるエンジンを作ろうとしたらストロークは長くできず、結果、熱効率を上げることはできなくなります。
直接駆動にかかわらない第3世代e-power専用エンジンだとエンジンの反応速度は走行フィールとは全く関係なく無視してよく、一定のエンジン回転域にだけ合わせた最適なストロークを設計できるので、ロングストローク化が可能になったというわけですね。

②の定速回転。ロングストローク化ができれば、一度の爆発から取り出せるパワーも高くなります。その分、強い力で発電機を回すことができるため、高負荷時にもエンジン回転数を高く上げる必要が無くなります。現行VC-turbo版第2世代だと、どうしてもエンジンパワーが得られないときは結構高回転にエンジンが回る音がしますが、第3世代だとそもそも同じ回転域でパワーを回収できるし、エンジンを回すとしても回転数も低く抑えられるんでしょうね。

③のSTARC燃焼。通常のエンジンだとアクセル開度に応じて俊敏に回転数を変動させないといけないですが、発電専用に割り切り、定速回転しかしない第3世代e-power専用エンジンだと、定速回転に最適なタンブル流で吸気させて、燃焼を安定させ引き出せるパワーを最大化させる、という大胆な設計ができるようになった、ということですね。すべて発電専用に割り切った(最適化した)設計の見直しがなされているんですね。

④駆動系の一体化。エンジンから生み出されるエネルギーの11%は、振動やギア摩擦などの内部機械損失として失われます。駆動系を一体化すると、この振動や摩擦による機械損失を減らせるのですね。組み立て時の生産効率も上がるので、コスト削減にも大きく寄与すると思います。
その分、パッケージングが重要になります。できるだけ多くの車種で、同じパッケージを使って生産効率もコストも抑える必要がある。バリエーションの複雑化は禁物です。第3世代e-powerは、1.2L版、1.4L版、1.5L版 の3系統に絞ることになるんでしょうね。(となると、VC-turbo版e-powerは、現行エクストレイルだけのレア設定で終わるのかもしれません)

欧州では、キャシュカイは13万台、エクストレイルは6万台のヒットで、走りや振動、車内静音の上質さが評価を受けているようです。
欧州はダウンサイジングが一般的なので、1.5L/3気筒エンジンは問題なく受け入れられています。そこに静粛性が高く、高速ロングドライブの燃費の良さも加わったら、さらなるヒットが期待できますね。楽しみです。

第3世代e-powerの方式で高速燃費が向上するなら、e:HEVのような「直結機構」は不要になります。逆にここまで発電専用に割り切ったエンジンでは直結機構は作れない(アクセル開度に合わせた応答性がないエンジンでは直接駆動に向かない)ということも示していますけれど。ただ、欧州や日本ではこの発電専用設計は「当たる」と思います。個人的にもこの戦略には賛同します。静かで、燃費もよく、走行フィールもpure EVと同じなら、良いことづくめですし。

一方で北米向けにはどうか?
マスコミは「e-powerは高速燃費が悪いから投入できない」と評論してますが、それは違う、と個人的には思ってます。それよりも北米では「エンジンは2L以上、4気筒以上」神話が根強くあり、そもそも1.5L/3気筒エンジンが受け入れられていない、のだと思います。現行の1.5L/3気筒/VC-turbo/CVT版ROUGUEが全く売れてないですから。また BMW X1 は、欧州・日本だと 1.5L/3気筒横置きエンジンですが、北米版 BMW/X1 は 2L/4気筒です! BMWが同じ車種でエンジン排気量を変えている戦略から見ても、北米では1.5Lが受け入れられないことを表しているのではないでしょうか?
第3世代e-powerを搭載したROGUEは2026年に北米投入だそうですが、この神話のせいで受け入れられないんじゃないかなぁ?と心配します。

北米向けに2L/4気筒のシリーズHVを作るとしたら、直結機構は必要になる。2025年に三菱アウランPHEVのOEMをROGUEとして投入するそうですが、その動向を見ながら、次々世代北米向けROGUEには、アウランの駆動系を調達してそのまま組み込む。それしか手はないんじゃないかなぁ。
それとも1.5Lから4気筒化して、2L/4気筒版の第3世代e-powerにするのでしょうか?

これだけ評判の高い第3世代e-powerですが、日本での投入予定はエルグランドから、という話。えー?
重いエルグランドを、1.5L/3気筒の発電力で駆動できるのかしら?それともエルグランド用に「2L/4気筒のe-power専用エンジン」を作る?だとしたらその2Lエンジンを北米ROGUEにも使えば解決かも。

それに、エルグランドからですか?
試乗会で使った「第3世代版キャシュカイ」の右ハンドルを、そのまま日本にも輸入して売ればいいのに。(左ウィンカレバーが駄目なら、そこだけT33エクストレイルのウィンカ&ワイパーレバーブロックに交換すれば良い)

日本での売れ筋はノートとオーラなのだから、第3世代1.2L版でノート&オーラを先に第3世代化した方が、よほど売れると思う。

エクストレイルのフルモデルチェンジ(T34)に入れてもいいと思う。ただそうなると、VC-turbo はT33限りの「レア・エンジン」ということになってしまうけど… それはそれで残念過ぎますけどねぇ。
VC-turboは本来なら、スカイラインやZに搭載すべきエンジンですね。いまの日産の体力でそういう車種は作れないのだろうけど…
Posted at 2025/04/04 13:22:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | XTRAIL | クルマ
2025年03月09日 イイね!

エンジンオイル交換(上抜き or 下抜き)

エンジンオイル交換の上抜き・下抜きはしばしば話題になります。

ウチのT33は「メンテプロパック」に入っているので、半年に一度、ディーラーでエンジンオイル交換してもらいますが、ここでは毎回下抜き交換です。T33を含む日産車は、ドレインボルトに「潰れる金属ワッシャー」を毎回取り換えて密着性を高める構造になってます。(→日産サティオ富山・エクストレイルのオイル交換作業動画

なので下抜きする際には新品のドレインボルトワッシャーを「事前に手配」して交換してくれる工場でないと、オイル漏れ事故が起きてしまうので注意が必要です。

一方、オートバックスやイエローハットでは上抜き交換が基本になってます。作業効率を上げることと、事前に手配が必要なワッシャーやパッキンが無くても待ち時間最小で作業を終えられるからでしょう。

T33は上抜き交換ができるのか? 調べたら、こういうサイトがありました。
上抜きで抜いてみて、リフトアップして下からドレインボルトを開けて「100cc以上垂れたら抜けていない(×判定)」という実験を各車種で実施してまとめた整備工場さんのサイトのようです。

これを見ると、エクストレイルT33は「×判定」のようです。エンジン下部にリンク機構やハーモニック機構など複雑な構造があるので、上抜きでは抜ききれないのでしょうね。何となく想像できます。

T33のVCターボエンジンには「複雑なリンク機構」がついていて、特にコンロッドとクランクシャフトをつなぐLリンクの回転部分に油膜を貼るために、Lリンク部材の内側から「エンジンオイルをスプラッシュ」させるそうです。
(→日産エンジン開発主幹の木賀さん談・動画

綺麗にスプラッシュさせるにはエンジンオイルの粘度は低くないといけない。だからT33のエンジンオイル規定は0W-20なんですね。古く粘度の高い(タール化した)エンジンオイルが100ccも残ってると、新品オイルを入れても全体の粘度が高くなり、色々と悪さをしそうです。となるとT33の場合、上抜きでのエンジンオイル交換は、長い目で見たら宜しくないということになるんでしょうね。

昔乗ってたトヨタ車の整備は近所の「コバック加盟店」でやってもらってましたが、エンジンオイル交換は「下抜き」でした。下抜き交換で必要になるワッシャー/パッキンを事前に手配するため、オイル交換でも「事前予約」が必要でしたが、キチンと処置してくれることの裏返し、ということですね。こういった処置をしっかりやる民間工場であれば、安心して下抜き交換を任せられます。

前に乗っていたBMW/X4の整備を依頼してた輸入車専門の民間整備工場も、下抜き交換でした。BMW車はエンジンが傾斜して設置されているのが特徴で、上抜き交換は宜しくないということでした。ドレインボルトワッシャーも(潰れて密着させるタイプなので)毎回交換が必要で、部品在庫/手配のために作業日の事前予約が必要でした。

車種によって上抜きでもOKなケースもあれば、エンジンの構造上下抜きでないとあまり宜しくないケースもあります。下抜きも、ちゃんと交換部品を調達して対処してくれる工場でないと、再利用してはいけないワッシャーやパッキンを使われてしまうので事前に確認することが大切。(お高いけど)ディーラーに毎回整備を依頼するのも手ですし、信頼できる民間工場を見つけて仲良くなるのも手ですね。
Posted at 2025/03/10 11:23:07 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ
2025年02月24日 イイね!

日産の海外現法のイイ車を国内でも売ればいいのに

3大格付け会社(S&P、ムーディーズ、フィッチ)が日産を「投機的銘柄(BB+)」に引き下げました。日産は社債(コマーシャルペーパー)の発行が一層しづらくなり、銀行等からの借入利息も大きくなります。外部からの資金調達が厳しくなる上に、24年度決算は数千億円規模の赤字決算になるでしょうから、手元のフリーキャッシュは無くなり、25年度の新車投入、マイナーチェンジもますます遅れると思います。(それでなくても国内では新車、マイチェンが遅れてしまってます)

そんな中、日産の海外現地法人からは独自にデザイン開発した車種のマイナーチェンジが色々発表されています。

日産英国では、第3世代e-powerを搭載するキャシュカイ(QASHQAI)」が発表されました。
キャシュカイはエクストレイル/T33同様、1.5L/VCターボが搭載されてるし、第3世代e-powerは、T33の第2世代e-powerよりも15%も燃費が向上WLTC=22.7km/l くらい出るそうです。(T33が18.2km/lだから相当な改善ですね)

T33より一回り小さく、キックスよりは一回り大きい。ホンダZR-Vと同じサイズ感です。日本だとこのCセグメントSUVは、価格も350万円~400万円と手に入れやすく人気です。スタイルも、ルーフ後方が緩やかに下がる「クーペスタイル」で、フロント・デザインやサイドビューもとてもカッコイイ!
イギリス生産だから右ハンドルもある。ウィンカー位置は日本と英国は逆ですが、そこだけ付け替えて日本に逆輸入して販売したら売れると思うけど、どうしてできないんでしょう?不思議。

また、日産インドでは、小型SUV「マグナイト(MAGNITE)」のマイチェン版が販売開始されています。1.0L/CVTエンジンのみですが、価格は200万円程度だし、外装デザインもかっこいいです。内装もこのクラスだと結構イイ感じ。日本ではこのクラスの小型SUVは、ダイハツ/ROCKY(トヨタ/ライズ)が大人気だし、ホンダWR-Vもこのクラスで販売増を狙ってますよね。日本に逆輸入したらこれまた売れると思うけど。(ガソリン仕様のままで良いと思う)
インドは英国同様右ハンドルだから、ウィンカー位置だけ左右逆に付け替えて、日本国内基準に合わせて安全基準を通す必要はあるけど、ノート/クロスオーバーという位置づけにしたら、きっと売れると思う。


一方、北米では25年度から「ローグ・PHEV」を出していくそうです。シルエットが「三菱・アウトランダーPHEV」とそっくりということなので、予想通りアウランのOEMなのでしょう。そのあと26年度に第3世代e-power搭載版ローグを出す、という計画だそうですけど、そりゃだめでしょう、と思います。

北米でローグが売れてないのは、HV版が無いこともそうだけど、そもそもエンジンが「3気筒、1.5L」であることへの抵抗感がすごい、ということなんだと思います。
これ、日本で例えるなら、「新型ノート!エンジンは最新の2気筒、800cc」と言ってるようなものです。日本で「2気筒エンジンです」と銘打って、買う人っているでしょうか?北米で「3気筒エンジンです」というのは、それと同じことだと思います。

ちなみに2気筒エンジンって、1980年代の「軽トラック」でよく使われていました。1985年に突貫工事で発売された「ホンダ・初代today」が2気筒エンジンでした。初代todayはかわいいデザインの軽自動車で人気が出たのですが、エンジン開発が間に合わず軽トラ(アクティ)に搭載されてた2気筒エンジンで販売。すぐに「うるさい、振動がすごい、非力で坂道を登らない」という悪評が上がって敬遠された車で有名です。

どうしても北米で3気筒/1.5L/第3世代e-powerを売りたい上層部が日産内で幅を利かせているのかもしれませんけど、今の経営状態でそんなチャレンジをしている余裕はないはずで、北米はハイウェイを130kmhで4気筒・2Lエンジンで走る、という構図なので、4気筒・2Lエンジンでe-power車を作るしかないと思いますけどねぇ。


先日、日産ディーラー店に定期点検で行きましたが、年度末の掻き入れ時なのにお客があまり入って無く寂しい感じでした。車種が少なく売れ筋もノートくらいしかない。
資金調達がとってもムヅかしくなっている日産の経営状態の中で、国内向けにフルモデルチェンジ&マイチェンがどこまで出てくるか。
せっかく海外現地法人でイイ車(マイチェン版)を作ってるのだから、それを逆輸入する形で持ってきて販売できるように、経営改革できればいいですけどねぇ。
Posted at 2025/02/27 11:34:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | XTRAIL | クルマ
2025年02月16日 イイね!

e-power の高速燃費は本当に悪いのか?

ホンダと日産の協議が破談になり、あちこちで「日産 e-power は高速燃費が悪い」という話がひとり歩きしています。
プライド傷つけられた「技術の日産」(読売新聞, 2025/2/17)

記事の多くが、「モーターは低/中速ではトルクフルだが高速走行は効率が悪い」「ガソリンエンジンは高速走行では効率が良い」という「定性的な特性」を論拠にして、「全車速域でモーター走行している日産e-power車は、高速走行の燃費がとても悪い」というストーリーになってしまっています。

一方で、ホンダ e:HEV は「高速時にエンジン直結走行になるので、燃費がとても良い」という、これまた定性的な特性を論拠としたストーリーを多く見かけます。

エクストレイル/T33に実際に乗っていると、郊外では18-19km/lのところ、高速だと16-17km/lになるのは確かですけど、そこまで批難されるほど「高速燃費はとても悪い」ものなのでしょうか?

数字で紐解いてみたいと思います。

エクストレイル/T33/4WDの諸元はこうなってます。
・郊外WLTC:20.5 km/l 高速WLTC:18.3km/l → 悪化率 10.7%
・エンジン(1.5L,3気筒):106kW (4400rpm)
・車重:1880kg

ホンダZR-V/Z e:HEV (4WD)はこうです。
・郊外WLTC:23.9 km/l 高速WLTC:21.1km/l → 悪化率 11.7%
・エンジン(2L,4気筒):104kW (6000rpm)
・車重:1630kg

全体通して ZR-V は T33 より 1.15倍 燃費が良いですが、車重が 250kg も違うので、その差が燃費の差として出ていることもあるし、そもそも、ホンダのエンジンは高熱効率で性能が高い、ということかもしれません。

郊外モードは両車ともシリーズ式(エンジンで時々発電+走行はモーターのみ)+適度に回生が効いている状態です。一方、高速モードは、T33は常時発電+モーター走行。ZR-Vは常時エンジン走行。なので、郊外モードと高速モードを比較すると違いが出てくるかと思ったら…

郊外→高速 の燃費悪化率」を見てみると、モーター走行のT33は 10.7%、エンジン直結のZR-Vは 11.7% となっていて、むしろ、エンジン直結の ZR-V の方が高速時の燃費の悪化は大きいということになります。

もう1つ面白いデータを紹介。
燃料(ガソリン)が持つエネルギーを100とした場合、一般的には
・熱損失=63、内部損失=11、軸出力=26
・軸出力26 - ミッション等損失:10 → タイヤで使えるエネルギ=16
というエネルギー収支になってます。

一方、発電機(ジェネレータ)のエネルギー効率は95%、高速回転時のモーター効率は 80% (損失20%) といわれているので、
・軸出力26 × 95% = 発電エネルギー 24.7
 → タイヤで使えるエネルギー= 24.7 × 80% = 20
となります。

つまり、エネルギー収支的には
 エンジン直結だと、100のうち走行に使えるエネルギーは 16
 モーター走行だと、100のうち走行で使えるエネルギーは 20
となり、
「同じ回転数で同じガソリン消費量」であれば、
a) エンジンを直結して走行するケース
b) e-power で常にエンジンを回して発電しながら走行するケース
を比較するとエンジン直結の方が損失エネルギーがわずかに大きい。まぁ、理論値なので、事実上、どちらも燃料から取り出せる走行に使えるエネルギーはほぼ同じということになります。

無理して直結機構を設けても、理論的には取り出せるエネルギーが同じなのだとしたら、モーターのみの走行メカニズムの方がよりシンプルになります。

ではどうしてエンジン直結で高速走行すると燃費が良いとされているのか?

1つは、高速走行時に「エンジンを定速で維持」している時には、燃料が希薄でも車軸からの入力もありエンジンを回し続けられます。高速走行を定速キープするだけなら、希薄な燃焼ガスでエンジン回転数はキープできます。
実際の道路ではアップダウンがあり、下りはアクセルを緩めて(希薄な燃焼ガスで)走行できるので、事実上の燃料消費量は抑えられるということなのでしょうね。(常時モーター走行だと下りでも高速度を維持するためにモーターを回転させ続けないといけないので電力は消費し続けます)

もう1つはイメージですよね。ガソリン車は低・中速域より、高速道を定速走行している方が「実燃費は良い」ので、その印象がずっと残っている、ということもあるのでしょうね。


数字を見ると、エクストレイル/T33の高速時燃費悪化率は、批判されるほど悪くはないと思います。ただ、カタログ値(18.3km/l)が同クラスの他車よりも低いために、評価を損しているのではないか、と思います。

例えば、T33よりほんの一回り小さく、サイズ的には ZR-V とほぼ同じになる、日産欧州でのみ販売されている「キャシュカイ (Qashqai)」は、
・Qashqai/2WD/e-power: 1665kg, WLTC=22.7km/l
・ZR-V/Z/2WD/e:HEV:1580kg, WLTC=22.0km/l
となってます。
ほぼ同じ重量、同じサイズ感なら、常時モーター走行のe-powerでも、実はWLTCはほぼ同じ、ということですね。

ホンダ ZR-V/e:HEV は燃費が良い、といわれているのは、エンジン単体の熱効率性能がとても良いから、ということと、車重を軽く作れているから。それと何よりも、燃費カタログ値のアピールの仕方(マーケティング)が良いからなのかもしれません。
Posted at 2025/02/18 18:01:51 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ
2025年02月07日 イイね!

日産とホンダの経営統合は破談。悪しき経営が足を引っ張る

2か月前に「日産とホンダが経営統合の協議を開始」というニュースを聴いて、これからのEV/IT/AIのグローバル競争で自動車メーカーの生き残りとしての選択としてどう展開していくか楽しみだなぁ、と思ってたのですが、
なんとまぁ。ほぼ破談が決定的になってしまったようです…
日産、ホンダに統合協議の打ち切り伝達 両トップが会談(日経新聞、2025年2月6日)

原因は、経営状態が非常に悪い(FY24の営業利益率が実質1%以下)日産の経営健全化の取り組み(車種計画の見直し、生産工場の整理、人員適正化、経営陣の刷新等)が非常にぬるま湯で甘々で危機感がない、ということを、ホンダ側が問題視したようです。確かに日産の発表を見ていると口先だけの発表が多く経営再建らしい姿が見えていませんでしたので、ホンダの立場に立てば想像に難くない話だと思いました。

日産の経営状態の悪さと今回の破談の事情はいろんな解説動画がありますが、この2本はわかりやすかったです。
日産とホンダの経営統合の真相(加藤康子×岡崎五朗×池田直渡)
なぜ経営統合は失敗したのか?(pivot公式)

経営戦略論の名言として「悪い会社はない。悪い経営人が居るだけだ」というのがあります。
数年前、世界に名だたる日本の名門電機メーカー「東芝」が不正会計で大やらかしをし、その後も数年に渡って経営の迷走を続け、様々な優良事業を売却し、挙句の果てには上場廃止にまでなってしまいました。かつては日立と東芝は肩を並べていたのに、今や売上高は日立の1/4くらいしかありません。

日産も同様、かつてはトヨタと二分してた名門なのでしょうけど、経営陣も財務状況もグダグダです。ホンダの軍門に下るのは嫌だ、ということだったのでしょうけど、プライドだけ高くて何も決められない経営陣の差配下で再建ができるのかしら?
東芝は結局、独立社外のJIP(日本産業パートナーズ)からCOOが送り込まれ、実質この外部COOの下で経営陣が一掃されて再建がなされています。
日産もメインバンクの社外取が主導する指名委員会で経営陣が刷新されないと、自主再建もかなり難しいかもしれません。


日産が他に支援を求めるとしたらどこになるのでしょう?
世界は「トヨタグループ」「VWグループ」「ヒョンデグループ」「ステランティス」が席巻してます。その下位に、GM、フォード、ホンダ、BYD。メルセデスやBMWはさらに下位グループ。

いっそ、ステランティス・グループ(STG)傘下になればいいかもしれません。ステランティスは、フィアット=ダイムラー=クライスラー(FCA)とフランスPSAの共同出資グループで、北米と欧州市場がメインです。日産との市場の相性は良さそうです。また、STG内で「EV車、HV車」で高い技術を持つメーカーは無いので、日産の e-Power ノウハウ、EVノウハウは、非常に重宝されると思います。
FCAが資金援助し経営陣を刷新し、STG傘下の日産ブランドで EV,HV を中心に良い車を展開し、技術をSTGに供給すれば、アルファやプジョーなどもメリットあり、双方に良い波及効果がありそうです。


一方で、ホンダはホンダで、今後の提携先が厳しくなりそうです。世界で戦うには、単独メーカーでは台数規模が出せません。10年前はヒョンデより販売台数は上位でしたが、いまやヒョンデは世界第4位。ホンダの倍以上の販売台数を持ってます。

フォードやGMとは、どちらが主導権をとるかで揉めるので組めそうにありません。欧州でホンダと組めそうな台数を持つメーカーもなさそうです。
メルセデスやBMWは、台数規模はありませんが、「プレミアム・カー」としてのブランド力を維持し、高い利益率を誇っています。

いっそ、台数規模は諦めて、BMWと業務提携する、という形はどうですかね?どちらもバイクメーカーが発祥ですし。巨額のR&D費がかかるEV技術開発は連携して開発投資を抑え、BMWはプレミアム・カー、ホンダはコンフォート・カーという位置づけなら競合はしないですね。面白いかもしれません。


日産の経営がこんな状態だと、エクストレイル/T33に乗る身としては、サポートサービスが低下していきそうで大丈夫かなという感じです。車そのものはとても良くできていて気に入ってるのですがねぇ。
Posted at 2025/02/07 15:59:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

プロフィール

「第3世代e-powerの実用燃費がよさそう!もう高速道路燃費が欠点とは言わせない(笑) http://cvw.jp/b/2567380/48795841/
何シテル?   12/01 12:46
opabinです。BMW X4 (F26) を15万km走破。今は電動カーライフをためしています。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/12 >>

 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   

ブログカテゴリー

リンク・クリップ

[日産 エクストレイル] エアコンフィルター交換 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/12/28 15:55:01
ColorfylCoco 滑り止め ゴム足 シール 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/12/27 21:41:18
MOPナビ自己診断メニュー 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/12/16 22:17:07

愛車一覧

日産 エクストレイル 日産 エクストレイル
電動車のフィーリングを試したくて購入! 常設充電設備は用意できないし、長距離ドライブを楽 ...
BMW X4 BMW X4
国産ラグジュアリSUVを長年愛用し、次は何にしようかと迷っていたところ、街中で偶然見かけ ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation