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フランソアのブログ一覧

2009年07月04日 イイね!

初めての海外~ベトナム・ホーチミン~最終章

長らくお待たせ致しました!

恐怖の超長文、ベトナム旅行記最終章です!!

早く書き上げたい気持ちとは裏腹に、色々ゴタゴタしてまして、

最後は結構流してます(・ω・;A)アセアセ…

それでも超長文に変わりはないので・・・


苦手な方は逃げて下さい!!(笑


ちなみに・・・

前編はコチラ

中編はコチラ


























アンドン市場まではワンメーターで行けた。

一階、2階が市場になっていて、上の階はホテルだった。



中に入ると、一部で客引きが凄かった。

英語を喋れるお姉さん方は、煩いくらい声をかけてきた。

通路が狭く、避けられないし、逃げられない。

トゥエンさんやザンさんの言葉を思い出し、立ち向かう事にした。

その品物に興味がない顔をしながら、小さく首を横に振り、

それでも話しかけられたらNOと言って歩いた。

しかし全くお構いなしで、腕を引っ張られる。

服も引っ張られ、二の腕さえも抓まれた!!

本当に気分が悪く、二の腕を抓まれた時は泣きそうに痛かった。

「なんて酷い事をするの!!」

と、とても痛くて、悲しい顔をし、NO!と大きな声で言いながら歩き去り、

絶対にソコでは買わなかった。


そのお姉さん達の数件先に、オバサンがやってる生地屋さんがあった。

近づいても話しかけてこないので、ゆっくり商品を見た。

客引きの女の子達に「黙ってる所だったら買うのよ」とアピールしたい気持ちもあったからだ。

ゆっくり見ていると、一つまぁまぁ良さ気な生地を見つけた。

幾らかと聞くと、電卓に48000VNDと打った。

あまりに高くて驚いた。

ワンメーターの値段か聞き、高すぎると言った。

彼女は首を振り、生地に付いているマークを仕切りに見せてきた。

そこにはベトナム政府が品質を保証してるマークが付いていた。

違う生地も値段を聞いてみたら、もの凄く安かった。

でも手触りが全く違っていて、明らかに安物だった。

45000VNDまで値切れないか聞いたら、ベトナムのマークを何回も叩いて

「この生地は高いのが分からないのかい!そんなにまけれるわけがない!」

とベトナム語で言われた。(気がしたw)

彼女は47000VNDと電卓に打ち、見せてきた。

私は「OK、4mプリーズ」と言った。

4mで188000VNDだった。

過去最高額の買い物だった。



アオザイにも良く使われるその生地は、薄紫の地にピンク系の濃い紫の糸で刺繍がしてあり、

とても触り心地が良くて気持ちよかった。

「ありがとう」とベトナム語で言い、更に歩いた。



もう少し買い物をしたかったが、手持ちのVNDが少ないので、

昨日行ったコープマートで買い物をして帰る事にした。

外に出て歩くと、隣の建物がコープマートだった。

昨日は1ブロックくらい先だろうと思っていたのに、思いの他近くて驚いた。

中に入り食品売り場に入った。



ベトナムに来て驚いたのは、少し高級なスーパーに入る時、入り口でバックを預けなければならない。

入り口専用と出口専用に別れていて、入り口専用には警備員が立っている。

初め分からず入ろうとすると、もの凄く怒られた。

たいてい入り口から少し離れた所に、カウンターがあって中にスタッフがいて、

バックを預かり鍵を渡す。もちろん無料だ。

バックを預ける事に不安を感じたが、決まりだから仕方ない。


今日はどうしても欲しい物があった。

フルーツの王様。その名もドリアン!!

近くを通れば嫌でも分かる!と言われてきたが、未だにどれか分からなかった。

街の中を歩いていて、生ゴミの様な匂いを放つフルーツがあったが、

それがドリアンなのか分からなかった。

熟し過ぎてると、匂いは強烈に感じるが、そこそこの熟れ方ならそうでもない。

しかし、炎天下の路上で売ってる生暖かい物を食べる気にはならなかったので、

贅沢と分かっていたが、スーパーで買って帰り、ホテルで食べたかった。

フルーツコーナーに行くと、丸いままの物と、半分の物とあった。

然程熟してないようで、匂いもきつくない。

お惣菜コーナーに行くと、カットしてあるのを見つけたので買ってみる事にした。

3万VNDだった。

ホテルに持って入れるか不安だったが、何事もチャレンジ!

ダメだと言われたら、ホテルの前で食べて入るつもりだった。

ラップをしていても匂いが微かにもれている・・・


惣菜コーナーには他にも興味深い物がたくさんあった。

トムヤムクンの様なスープは、陶器の様な器に直接入って売ってある。

値段は3万VND(170円くらい)ほど・・・安い!

買って帰りたかったが、明らかに火を通さなければならなかったので諦めた。

その隣には、芋虫がいたw

生きてはいない。湯通ししてある風だったが、本当はどうか分からない。

調理法も分からなかった。

ベトナム料理で使うのか、中国料理で使うのか、何に使うのかくらい知りたかったが分からなかった。




あとはビールと水を買い、タクシーに乗ってホテルに帰った。



ホテルに着き、荷物の引換券を探していると、ドアマンが近づいてきてビニールの中を覗き

目を少し大きくして、口笛に似た音で「ヒュ~」と言った。

高価な物だから驚いたのか、路上で買えるフルーツをスーパーで買ってきたから驚いたのか、

ドリアンなんてよく食べれるな!と驚いたのか、ホテルに持ち帰るとは勇気ある~と驚いたのか、

何でそういう言い方をしたのか分からなかったので、かなり微妙な笑顔を返してしまった。

部屋に戻り、冷蔵庫にフルーツとビールを入れ、

シャワーを浴びてテレビを見ながらビールを飲み、昼寝をした。



起きると18時過ぎだった。

スコールも降り終わり、いい時間だった。

今晩は、屋台にチャレンジしてみるつもりだった。

身支度をして、タクシーに乗り、ベンタン市場へ向った。

もう二度と行きたくないと思っていた市場だったが、勇気を出して夕飯と買い物をするつもりだった。

こんな所でへこたれる私ではない!と気合を入れる。

タクシーから降りて、服やアクセサリー、バックやサンダルなどの屋台をひやかしに行った。

市場は18時で閉門する。

この為、市場の周りには屋台が出る。

食べ物屋も多いが、雑貨や服屋も多い。

18時頃からリヤカーにテントなどを積んで、毎日毎日その場で組み立てる。

市場の中を歩くより、屋台を見て回る方が断然好きだった。

通路は比較的広いし、夕方なので皆さんお疲れで、酷い客引きはない。

私は何物にも興味がない風に歩きながら、ある物を探していた。

TINTINのTシャツだ。


実は、ベトナム行きを決定的な物にしたのは、お友達の青nurさんだった。

それまでタイに行こうと思っていた私だったが、暴動が起きており迷っていた。

そんな時にプチオフで青nurさんに背中を押してもらい

ベトナムの話をたくさん聞き、チケットを取るに至ったのだ。

出発の日には見送りまで来て下さって、本当に感謝感激ですm(_ _)m

そんな青nurさんに「お土産はタンタンのTシャツで」と言われたら買わないわけにはいかない。

何としても手に入れたかった。


ベトナムに入って街に出る度に探していたが、未だお目にかかれない。

今日も探すつもりだった。

何気に道を歩いていたら、ふと目に入った。

タンタンのTシャツだ♪

道端に小さな机を置いて、綺麗にたたんで色んな種類のTシャツが置いてあった。

ほとんど興味がない風を装って幾らか聞いた。

残念ながら正確な金額は覚えてないが、一枚4万VND弱だったと思う。

私は半額に近い1$ではダメか聞いた。

オバサンは「NO!2$」と言った。

私は値段だけ聞いて他に行くつもりだったが、違う色やサイズも出してきて、

もの凄く買って欲しそうだった。

Tシャツを2枚にして3$でどうか聞いた。

彼女はしぶしぶ「OK」と言った。

何だか拍子抜けしそうなくらい簡単に買えた。

それが安いか高いか分からないが、日本では買えない金額なので満足だった。

何より青nurさんから与えられたミッションを遂行できてとても嬉しかった。






ご飯が食べれる屋台までプラプラ歩きながら、他の屋台を見てまわった。

自分の服も欲しかったのだ。

持ってきた服は、かなり着古したものばかりで、こちらで捨てて新しい物を買うつもりで

荷造りしていたからだ。

フラフラ服屋の屋台に入っては出て行った。

値段が幾らかよりも、デザインが気に入らなかった。

どれもかなり微妙なのだ。

3件目くらいの服屋で、タイシルクの様な手触りのロングスカートを見つけた。

本当はリゾート風なワンピースが欲しかったが、とりあえず値段だけ聞いてみようと

店員さんに声をかけた。

若い娘さんに「幾らですか?」と英語で聞くと電卓を持ってきて金額を打ってくれた。

これも正確に覚えていないが35万VNDは超えていたと思う。

それは2千円ほどだった。

高すぎる!

私は「高すぎる」と言い、半分の値段を電卓に打った。

彼女は「何言ってんの!コイツ!」ともの凄く嫌な顔をして、お母さんらしい店員に何かを叫んだ。

今度はそのオバサンが電卓の数字を見て、また怒った。

私の手から電卓を奪い取り、5万VNDほど値引いた額を打ち、こんだけ値引きすれば満足でしょ!

とでも言うように乱暴に電卓を私に渡してきた。

私はそれが1800円ほどなのを計算し「分かりました。結構です」と電卓を返して店を出た。

するとさっきまでもの凄く強気だったオバサンが、態度が突然すがった様に変わり、

店を出る寸前の私の腕を掴み懇願の口調のベトナム語で何か言った。

「OK!OK!あんたの言い値でいいから!買って下さい」的な意味だと思ったが、

私は足を止めなかった。

彼女はとても焦っていて「あんたの言い値でいいって言ってるでしょ!」的な何か言いながら、

スカートをたたみ袋に入れ始めた。

私は「NO、NO Thank you」と言いながら手を振りながら、歩いた。

彼女は悔しそうに地団駄を踏んでいた。

歩いて去った後も、遠くで何か叫んでいる。怒っているように聞こえた。

強気な態度で「そんな安い金額!何言ってんの!」的な言葉で話すのは、

そういった態度を見せると相手は「これ以上値引けないのね」と思い買うからだろうと思った。

本当は買って欲しいのに、自分の言い値で買ってくれる一部の観光客から

少しでも多くのお金をもらいたいからそんな事をするように思った。

ベトナムではほとんどの物に金額の表示がない。

全て幾らか聞かなければならないのだ。

相手はこちらの懐をみて金額を言ってくる。

それでなくても物の価値が違うので、金額を言われてもそれが適正価格か分からない。

物を売る人は「怒った風」か「ゴマ擦り系」がほとんどで私は「買う」事に不審感を抱きっぱなしだ。

始めキレ気味で話され、いらないと言うと腕まで掴んでスガってくる。

何も悪い事はしてないはずなのに、自分が悪い事をしたような気分になってしまう。

そういった事が嫌なので、少し高くても金額の表示がしてある国営百貨店やスーパーが好きだった。

買い物客の心情を探らなくていい店は、店員はもの凄く愛想がない。

いらっしゃいませ、ありがとうございました、○○VNDになります、など

お客に対して声をかける店員なんて、一人も居なかった。



何となく訳の分からない後ろめたさが残ったまま歩き続け、晩御飯を食べる屋台を探した。

屋台と言っても結構大規模で、大きなテントの下にテーブルとイスが並んでいる

野外食堂のような感じの所だ。

一通り通して歩くと、本当に客引きが凄かった。

隣の店の前まで客に着いて歩かないルールがある為、尚更必死だ。

もの凄い作り笑いをした若いお兄さんが、中腰で自分達に寄り添いながら歩き、話しかけてくる。

「ご飯、美味しいよ。安いよ。」だいたい日本語はこれくらい喋っていた。

ススキノを歩くと、チラシを持ったお兄さんがよくこうやって誘って来てたなぁ~とふと思い出す。

正直、どこにも入りたくなかったが、屋台で食べてみたいので、ある一件に入った。

そこは店の前に海産物がズラリと並び、水槽の中にエビが泳いでいた。

テントの中、丁度真ん中辺りにBBQ用の焼き場があり、お婆さんがカニや見た事もない貝、

ホタテやハマグリを焼いている。

店の奥には、簡易厨房があり、野菜やご飯物、フォーなどを作っている。

メニューは英語とベトナム語で書かれていて、写真も付いていて注文しやすかった。

店長らしいオジサンがやたらニコニコしながら近づいてきて、注文を取った。

色々迷ったが、ハマグリのレモングラス蒸しと、エビのココナッツ蒸し、

牛肉と野菜を炒めた物、と333を注文した。

店長さんは笑顔で他の品物を勧めてくる。

写真を指しながら「これはどうか?デザートはどうか?・・・」体良く断ると、笑顔で去っていった。




ハマグリのレモングラス蒸しにはピリ辛のソースが付いていた。

身はプリプリでジューシー。

食べ物はどれも本当に美味しくて、食べている時が一番幸せだった。

ベトナムの風習なのか、皿が空になると間髪入れず下げてくれた。

テーブルの上がスッキリなるので、何だか落ち着かなかった。

その為、結構食べると最後少し残して、次の料理が来るまでゆっくり食べた。

エビのココナッツ蒸しは、ココナッツの実の上に穴が開けられ、そこにエビが6匹くらい

尻尾の方から入れてあり、体は半分ココナッツから出ていた。

蒸しエビは、香草が入った塩にライムを搾ったライム塩で頂くのが主流のようで、

サッパリとしたライム塩に、エビの甘さが引き立って、美味しかった。

見た目の派手さとは異なり、素材の味が引き立った素朴な一品だ。


一通り食べ終わると、メニューと共にデザートを勧められたが、体良く断り会計を済ませ屋台の外に出た。

出て直ぐ、隣のご飯屋のお兄さんから「ご飯食べていかない?」と言われ、

苦笑しながら「今、食べ終わって出てきた所でしょ」と言うと「デザートは?」と言われ

「NO、NO」と手を振り、断った。


今日は夜更かしする予定だった。

実はこのベトナム旅行も明日で終わりなのだ。

明日の12時までに荷物をまとめ、ホテルをチェックアウトして出て行かなければならない。

明後日になって直ぐに発つ飛行機で日本に帰る為、実際は明日一杯時間があるのだが、

ゆっくり夜遊ぶのは今日が最後だった。


夜遊びするのに、どうしても行きたいバーがあった。

これも事前にネットで調べておいたのだが、カラベルホテルの2階にあるサイゴン・サイゴンバーだ。

ベトナムではメジャーなビールである「サイゴン」のカラベルホテルオリジナルがあるそうで、

そこでしか飲めず、バーはテラス風の開放的な作りで、夜景が綺麗だと書いてあった。

色んな所でメニューを見てきたが、ビールはタイガーか333しかお目にかかれず、

未だサイゴンを飲んでいないのに、カラベルホテルオリジネルから頂くのは微妙な心境だったが、

飲んでみたかったのでホテルまで歩いた。

カラベルホテルはソコソコお高いホテルで、自分の身なりから「入れない」可能性も考えていた。

膝辺りで適当に切りっぱなしにした細目のジーパン(6年目くらいの色あせすぎたヤツ)に

10年くらい着たよれよれのタンクトップ。

日本だったら明らかに嫌な顔をされるレベルで、ジーパンなのでお断りされる可能性が一番高かった。


20分ほど歩くとカラベルホテルに着き、エレベーターに乗ってバーに向った。

エレベーターから降りると、ラテンリズムの音楽がドアからもれていて、ドアマンが

「ようこそ」と英語で言いながら、何のためらいも無く開けてくれた。

「ありがとう」と言いながら中に入っていくと、目の前に生バンドが演奏していて、

フィリピン系のもの凄くセクシーなボーカルのお姉さん2人が、ハスキーな声で

イーグルスのホテルカルフォルニアをラテン調に歌い踊っていた。



大好きな曲だったので、一気にテンションは上がり、お姉さんと共に踊りたい気分だったが、

恥をさらしたくないので、口ずさみながらノリノリな態度で案内されたイスに座った。

お客はそこそこ入っていて、バンドがよく見える席ではなかったが、半オープンになっているフロアで

テラス側に座らせてもらったので、夜景と景色は最高だった。

バーテンダーと言うよりは、ウェイトレスに近いお姉さんがメニューを持ってきてくれた。

私はビール「サイゴンスペシャル」と グットモーニングベトナムと言うカクテルを頼んだ。

このカクテルも飲んでみたいリストに入っていたものだ。


次の曲に移ると、アメリカ人の太ったオジサンがダンスフロアに出てきて

ボーカルのお姉さん1人と踊り出した。

見事なラテンダンスで、打ち合わせしたかのように息がピッタリで、右でクルクル

左でクルクル、腰に手を回し彼女を押し出して前でクルクル・・・

本当に見事だった。


ボーカルの彼女も、お客さんでこれだけ踊れる方がおられて、一緒に踊るのが凄く嬉しそうだった。

頼んだお酒がきた。

ビールは瓶のまま、さほど冷えていなかった。



カクテルはイメージと全く異なったもので、柑橘系の爽やかな飲み口でパイナップルが付いていた。

グットモーニングベトナムのイメージからすると、もっと癖が強くきつい物を想像してしまう。

(ちなみに私の中でベトナムというと、真っ先に出てくるのが「グットモーニングベトナム」という映画です。ベトナムに着いて初めての朝、あのMCの「グッ、モ~~~~~~ニン、ベトナム!」をホテルの部屋で叫びたくなって止めました(笑)映画の内容は曖昧にしか覚えていませんが、当時小さかった私には衝撃の映画でした)


店内はバリ風のインテリアで統一されていた。

イスは籐で出来た体が包み込まれる様な深いもので、テーブルは木で出来ていて黒っぽい色

中央にコの字型カウンターがあり、前にはバンドと軽く踊れる程度のフロア、

周りにはイスとテーブルのセットがざっと60席はある。

外を眺めながら、これだけスコールが降る都市なのに星が見えないのは何でなのか考えていた。

無数に走るバイクのヘッドライトとテールライトが暗闇で見えない道を照らしていて、

遠くまで線になっている。

夜風は生温くて、ラテン調の音楽がガンガンに流れ「亜熱帯アジア」を五感全てで感じていた。




小一時間ほど、満喫しバーを後にした。

サービス料が13200VNDでトータル29万VND、16$だった。

日本で同じレベルのバーに行こうと思ったら、1万円はかかるだろう・・・

そう思うと、ベトナムのリゾート地ニャンチャンに行くのもいいなぁ~と本気で思った。


タクシーに乗ってホテルに戻った。

ビールを飲もうと冷蔵庫を開けると、ドリアンが目に入ったのと同時に凄い匂いが部屋に広がった。

冷蔵庫に入れてた事をすっかり忘れていたのだ。

冷蔵庫内に匂いがしっかり付いていて、明日ホテルの人に何か言われないか心配になった。

匂いは酷いものではなく、あくまでも熟し過ぎたフルーツの匂いだった。

ラップを開け、とりあえず写真を撮った。



恐る恐る口に入れた。

想像と全く違う味がして戸惑った。

ネットリとしたお芋を食べてる様な感じで、甘さも少なければ酸味も無い。

本当にこれはドリアンなのか、頭の中が疑問で一杯になった。

帰って調べてみなければ!!


シャワーを浴びて、ビールと共に少しずつ食べたが、あまり食欲がないせいか、

完食できず結局残してしまった。

冷蔵庫に入れて明日の朝食べる気力が無かった為、勿体無いと思いながら捨てる事にした。

ビニールに包んで、匂いが酷くならない事を祈りながら眠りについた。



最終日の朝。

8時までゆっくり寝て、9時に朝御飯を食べに食堂に下りた。

食堂には20代半ばの女の子が二人、ミニスカートに近い丈の胸から上が露出しているワンピースに

10cmはありそうなハイヒールを履いて、ご飯を食べていた。

そんな格好でよく怖い目に合わないな・・と心配な反面、

あまりにみすぼらしい自分の格好に笑いが出た。


部屋に戻ると、のんびり荷造りを始めた。

12時にチェックアウトをしなければならない。

19時にホテルに戻れば、帰りのバスが迎えに来てくれる予定だ。

何だかあっと言う間だったが、1ヶ月ほど滞在した気分だった。

いつも部屋を掃除してくれるお姉ちゃんに「こんなに匂うもの捨てて申し訳ない」という

気持ちを込めて、ベトナム語で「ありがとう」と書いた紙と1$を枕の下に入れて部屋を出た。

11時半だった。

チェックアウトを済ませ、フロントマンに荷物を預けると、ドアマンにタクシーをお願いした。


ドアマンはタクシーを呼びながら「今日はどこまで行くんだい?」と聞こえるベトナム語で話しかけてきた。

私はベトナム語で書いた通りの名前を見せ「ココに行こうと思う」と答えた。

彼は「いいじゃない、楽しんでおいでよ」と返してくれた気がしたので、

「コレを見せたらタクシーの運転手は分かってくれるかなぁ~?」と聞いた。

彼は「大丈夫だと思うよ、でも俺が伝えてあげよう」と身振り手振りで言ってくれた。

タクシーが来ると、彼はちゃんと運転手に伝えてくれて、運転手もうなずいていた。

彼にベトナム語で「ありがとう」と言い、タクシーに乗り込んだ。

運転手に「こんにちわ」と言い、出発するのを待っていると、

運転手が不思議そうに振り向き「行き先はどこ?」とベトナム語で聞いてきた。

「ドアマンが言いませんでしたか?」と聞いたが、怒ったように「どこ?」と聞いてくるので、

噴出しそうなのをこらえながら、さっきの通りの名前を見せた。

運転手はうなずきながら、車を出してくれた。

さっきの彼と一体何の会話をしたのか、考えただけで噴出しそうだった。

もし会話を全部理解出来る人が聞いてたら、その内容に爆笑していただろう(笑

でもお互い笑顔で、少なくとも私は気分が良かったので成長したかも♪と思った。



向った先は「ミスアオザイ」という店で、初日にツアースタッフからもらった

ガイドブックに載っているお土産屋さんだった。

お店があっていい場所は工事中で、建て替えが行われていた。

タイミングが悪かったのかと思い、通りを1ブロック1周すると、隣の通りにあった。

一面ガラス張りで、高級そうな服や、アンティーク家具がディスプレイされているのが見える。

しかし、電気はついておらず閉まっているようだった。

諦めずに、ドアを押してみると、開いた。

恐る恐る中に入ると、奥の方から店員さんが出てきた。

店が開いているか聞くと、開いているよと返ってきた。

すると丁度自分の真上の電気が付いた。

どうやら、お客が来た時だけ電気を付けるらしい。


店内をプラプラしていると、私が行った所だけ電気が付く。

店の奥に行くと、暗くて商品の色が鮮明には見えなかったが、気にしなかった。

店員さんは片言の日本語が話せ、私の後ろをずっと付いて来ては、単語で商品を説明した。

「ソレ、スイギュウ。プラスチックジャナイ」

「でも本当にプラスチックみたいですね」と言うと、

「ソレ、スイギュウ。プラスチックジャナイ」

と繰り返す。

商品は何でも一通りあった。

服は、アオザイからワンピース、Tシャツまで、オーダーもしていた。

その為、生地も豊富だった。

雑貨もベトナム風な物は一通りあった。

家具はアンティークで高かったが、日本で買う値段の半分以下だった。

値札はどれも$で表示してあり、全ての商品が値札の3割引きにすると言われた。

私の後ろからずっと付いてくる彼女は、笑顔をほとんど見せない変わりに、

ほとんど売り込みをしなかった。

目は冷ややかで、やる気がなく、体調が悪いのかと心配になるほど愛想がなかった。


1時間弱ほどアレコレ見て回ったが、お土産に出来そうな「コレ!!」といった物は、見つからなかった。

私はウェッジソールのサンダルとお香立て、センスを買った。

21$だった。

アジアン雑貨好きとしては、日本で買うとお香立てだけで4千円くらいはするような物なので、

自分ではかなり満足だった。

実はこのお香立てがベトナムに来て一番のヒットだった。

10$ほどだったが、あるだけ全部買って帰りたいほど、気に入ってしまった。

しかし、少々大きく形が複雑なのでバックの中に入れて帰れなかった。

実際私は帰りの道中ずっと日本に着くまで、購入したこれ一つだけをタオルで包み、

肩掛けバックに入れ大切に持ち帰った(笑

大きなキャリーバックで来ていたら、間違いなく買い占めていただろう。



買い物を済ませ店から出ると、次の目的地に向って歩いた。

予定通り、時間は正午を過ぎ、お昼を取るには良い時間だった。

目的地は「QUAN94」カニ料理専門店だ。

これもネットで事前に調べたもので、どこかの誰かのブログに書かれていたと思う。

バックパッカーの夫婦が書いているブログだったと思うが、地元の人ばかりの人気店で、

少々高いが美味しいカニ料理が堪能出来ると書いてあった。

お勧めは、ソフトシェル(脱皮したてのカニ)の姿揚げとカニチャーハン。

食べるのが楽しみだった。


通りの名前だけを頼りに、地図を見ながら歩いた。

歩いていると、日本人地区っぽい場所に入り、日本語の看板やお店が目に付いた。

回転寿司やとんかつなどの定食屋、懐石料理屋なんかもあった。

さらに20分ほど歩くと、迷う事無くお店を見つけた。

「地元の人が多い」と書いてあった通り、とても入るのに勇気が入る雰囲気の店構えだった。

交差点で道を渡るタイミングを うかがう ふりをしながら、店に入る勇気を溜めた。

入り口には壁もドアも何も無く、シャッター付きのガレージの様なベトナム独特の店の作りで、

通りに面した入り口はオープンな厨房になっていて、作っている過程が全て見える。

その奥に、テーブルとイスが5セットほどあり、全部で20席くらいだった。


「ヨシ!」と気合を入れ、勇気を出して店に入った。

店にお客は一人も居ず、お昼時を外して来たかいがあったかも♪とちょっと嬉しかった。

店主は英語が話せて、メニューを持ってきてくれた。

絶対に観光客が来なさそうな、地元の人で賑わいそうなそのお店に入れた事だけで、

私自身、成長を感じ、それだけで満足しそうだった。


持ってきてもらったメニューを開いて、目が飛び出るほど驚いた。

なんと!日本語で書いてあるではないか!!!

しかも、日本語で印刷された文字の横にベトナム語の名前が鉛筆で書かれている。

お客の割合が、地元人より日本人の方が多いような気がして、何だか悲しくなった。

のと同時に、さっきの緊張とドキドキが無駄な事の様に感じ、笑いが出てきた。




思った通り、金額は少し高かったが予定通り、ソフトシェルの姿揚げとカニチャーハン、

ちょっと奮発してカニ爪のタマリンドソースかけを頼んだ。

注文したら、中から奥さんが出てきて調理してくれた。

オープンな厨房なので、作ってる過程が全て見れて良い勉強になった。

写真を撮ってもいいか聞くと「大丈夫だよ」的なベトナム語で返ってきた。

ちゃんとこちらを向いて、手を止め、写真を撮りやすいようにポーズを取ってくれた。



ありがとうとベトナム語でお礼を言い、席に戻って料理を待った。

隣の鍋で女の子がチャーハンを作り始めた。

作り方が気になって興味津々に眺めていると、1組のお客さんが入ってきた。

夫婦のようで、昔から食べに来ている様で、二人とも笑顔だった。

自分の向かいの席に座り、出されたメニューを眺めているうちに、夫婦の顔から笑顔が消えていった。

ページをペラペラめくりながら、何にしようかとても迷っているようだった。

そのうち小声で相談が始まり、どれにするのか困っているようだった。

私は、地元の人が何を頼むのか興味津々で気が付かれない様にチラチラ見ていた。



そうこうしてるうちに、ソフトシェルの唐揚げが出てきた。

熱々のうちにかぶりついた!最高に美味い!!

衣は天ぷら粉に近いものだが、天ぷらほど付いていなかった。

塩と胡椒で味付けしてあり、殻はカリカリで中の味噌は半熟。

身はぎゅっと詰まっていて、ホクホクで、甘く濃厚だった。

自分が今まで食べたカニ料理ランクでいきなりのトップ3位に入る品だ。

次にチャーハン。

日本のチャーハンは、一度ご飯を炊いてから炒める物が主流だが、

ここのチャーハンは生米から作られていて、ピラフに近かった。

具はカニの身だけで、たっぷり入っていた。


夫婦が注文した料理も出てきた。

小さな器にお粥のような物だった。

奥さんの前に置かれ、少しづつすすっている。

旦那さんも横から少しもらい二人でわけて食べていた。

笑顔はなく、終始切なそうな顔で食べている。

次に遅れて壺の様な器が出てきた。

トムヤムクンのような赤いスープが入っていて、具は何か分からなかった。

コープマートで見たお惣菜コーナーにあった壺と同じものだったので、

自分も食べてみたくて仕方なくなったが、ガマンした。


私はカニ爪のタマリンドソースかけを食べていて、本当に美味しくて幸せだった。

その時、ふと旦那さんと目があった。

何とも言えない目だった。


あんたらみたいな金持ち外人のせいで、料理の値段が値上がりし

楽しみにしてたものが食べれないんだよ

ちょっとした贅沢としてお気に入りのお店だったのに・・・

と言われたように感じた。

違うかもしれない。

でも私にはそう感じた。

同じ様な経験があるせいかもしれないが、何だかとても申し訳ない気持ちで一杯になった。



会計を済ませ、タクシーに乗り国営百貨店に向った。

お土産が思うように買えていなかった。

買いたい商品が見つからないのだ。

さっきのミスアオザイの店の様に、少し高級な店に行った方が

完成度の高い商品があるのかもしれないと思い、百貨店のテナントを見て回ったが気に入る物は

納得のいく値段で買えなかった。

仕方なく食品売り場に入り、調味料や乾物品など食品を多く買った。

お土産にはベトナムコーヒーと袋麺を買った。

コーヒーコーナーには、メーカースタッフが販売促進活動をしていて、英語で色々説明してくれた。

彼女達は、コーヒーの袋に針で穴を開け、匂いを嗅がせてくれる。

ベトナムコーヒーにはバニラなどのフレーバーがかけられている事が多く、

香りを嗅がせた方が売れると思っている様だったが、穴が開けられた袋の方が気になった。



多くのお土産食品を持って、タクシーに乗りホテルに戻る事にした。

時間は16時過ぎ・・・

ホテルに着くと、荷物を広げキャリーバックの空いてる場所にお土産を詰め込んだ。

荷物は出発時からキャリーバックに半分しか入っておらず、服や下着は半分ほど捨てたので、

ほぼ空の状態でお土産を積める事が出来た。

それでもまだ少し空きがあるので、もう少し買えるかも♪と思い、意地でもギュウギュウ積めで帰る気だった。

荷物の整理を終え、ロービーで少し休憩してから、再びタクシーに乗り、ベンタン市場に向った。

今日も屋台で最後の晩御飯を食べるつもりだった。

出来れば豚の角煮を・・・

ベトナムに来てから、街を歩く度探しているが、何故か未だ見つけられない。

屋台は17時半以降にしか現れないので、市場で最後のチャレンジをするつもりだった。


タクシーを降り、バイクタクシーやシクロなどの呼び込みを無視し、ベンタン市場の入り口に立った。

建物の中は暗くて奥までハッキリ見えない。

少し歩いて中に入ろうとしたら、通路に座ってるお姉さん方が5・6人、スッと立って待ち構えた。

私は怯み、足が止まる。

意を決して数歩前に出ると、一声に「オネエサン、ヤスイヨ」とそれぞれ言い出した。

頭上からは、相変わらずモワ~っと熱気が降りており、市場独特の匂いが漂う。

私は後ずさりして、市場から出てしまった。

ついにベンタン市場の最後の戦いに負けた・・・


初日、カルチャーショックを受け、帰る時には馴れるだろうと思っていたホーチミン最大の市場

ベンタン市場で、何も買わないまま終わりを告げようとしていた。


それでもいいんだ。と思うようにした。

買わないといけない事なんてなにもない。

何度か見てまわったが、欲しい物はさしてなかった。

物欲がないというのはこういう時も役立つんだ・・・と何だか複雑な気分だったが、

そのまま屋台通りへ向け歩いた。


屋台はチラホラ出ていて、まだ店を建てる事に皆一生懸命で、お客にまで気がまわっていなかった。

のんびり歩きながら、豚の角煮を探したがやはり見つからなかった。

更に歩くと、昨日食べた屋台の前に来た。

すると中から昨日のオジサンが出てきて「やぁ、昨日はありがとう。今日もどうだい?」

と笑顔で話しかけてきてくれた。

新しい所で食べてみたかったが、昨日も食べてある程度分かっているので、ココで食べる事にした。


席に付いてメニューを見た。

昨日と同じ物を頼むのも面白くないので、今日は違うものが良かった。

周りを見渡し、網の上で焼かれているベビーホタテを指差して、注文した。

次に通りに面した食材置き場に行き、見た事もない貝を指して、注文した。

茹でるか?と聞かれたので、焼いてください♪と言った。

後は、ハマグリのレモングラス蒸し一つと、残りは飲み物だ。

ドリンクのページを開くと、333の下にサイゴンを見つけた。

何で昨日見つけられなかったのか不思議に思いながら、でも嬉しく注文した。




サイゴンは美味しい。

タイガーより美味しいかもしれない。

でも残念ながら、昨日バーで飲んだサイゴンスペシャルとの違いは分からなかった。

私はベトナムで肉より魚介を多く頼んだ。

理由は、少しでも腐敗すると異臭がするから。

特に死んだ貝は開かない。

ただ漠然とそう思って、魚介を多く注文してきたのだが、何気に焼き場のお婆ちゃんを見ていると、

(上の画像、サイゴンビールの横に写ってるお婆ちゃんですw)

貝や魚、カニを焼く前に必ず匂いを嗅いでいる事に気が付いた。

丁寧に一個づつ。鼻に付きそうなくらい近づけて、きちんと匂いを確認している。

だいたい4個に1個は捨てられてるのを見ていると、お腹を壊すか壊さないかはあのお婆ちゃんの

さじ加減一つなんだなぁ~と思った。

サイゴンを飲みながら、のんびりしていると注文したハマグリがきた。

昨日と変わらずとても美味しかった。

こんな料理が食べられなくなると思うと、帰るのが寂しかった。

次にベビーホタテがきた。



ホタテの上にかかってる物が何か、昨日から気になっていた。

ピーナッツソースだった。

これも日本では食べた事がない味、ソースだった。

妙にフランス料理を思い出しながら、美味しく食べた。

最後のベトナムを味わっていると、突然スコールが降ってきた。

最初のボタボタ!という雨音で、店の者は一同にお客そっちのけで雨仕舞いを始めた。

その動きは手馴れたもので、もの凄いスピードで商品を中に入れ、

テントから落ちる雨の流れ道を作り、扇風機の電源を切っていった。

きちんとした設備がないので、雨が降ると直ぐショートするのだろう。



実際向かいの屋台↑は、この画像を撮ったのち、すぐ一区画全ての電気が切れ、

真っ暗な中で商売をしていた。


雨が止むまで待って、会計を済ませ、タクシーに乗りホテルまで帰った。

ホテルには既にツアースタッフが来ていて、今日帰るお客と談笑していた。


呆気ないほど、何も問題なくパスポートを受け取り、荷物を受け取ってPCの前に座り

ギリギリまでコメントの返信をしていた。


約束の時間になると、ツアースタッフに促され、バスに乗って空港に向った。



バスの中でツアーフタッフは、両手を顔の前ですり合わせながら、

今まで見た中で一番気持ち悪い笑顔で、

「みなさんベトナムはどうでしたか?

ベトナムに来てくれてありがとうございます

あななたち日本人のおかげで、ベトナム人は生活できます


日本人は空港を作ってくれました、そして旅行に来てくれます、

ベトナムでたくさんのお金をつかうね~

あなた達がベトナムでたくさん買うから、もうかるね~

だからまた来て、どんどん使ってほしいとおもいます

帰ったら、ベトナムは良い所だと言って下さい

友達皆でまたきて、どんどん使ってください」

と言った。

バスに居た日本人9人全員の空気が一瞬にして固まった。

私は、日本人が作ったというタンソンニャット空港に入れるベトナム人は

一体どのぐらいいるんだろうと思った。





どれだけ良い方に取ろうと思っても、彼の発言に嫌な気分になった。

そこで私は疑問に思ってる色々な事を全て質問した。

結果得た情報は、

ホーチミンの平均所得は月給8千円~1万2千円。

年収は10万円くらい。

屋台(一番安いタイプの)一食 1万VND(60円くらい)

市場の中で見たお弁当 3万VND

ホンダのバイク 10万円

トヨタの車 300万

タバコは1箱 1万1千VND(65円くらい)

タクシー初乗り 1万2千VND(70円くらい)

バイクは生活の為に買うけれど、車は一生働いても買えないと言われた。



さっきの彼の言葉が、凄く分かるような気がした。

私は、平均月収を5日で使ったのだ。観光客の中には平均年収を3日で使う人もいる。

初日のバスの中で、この事を聞いていたら、もっと賢く上手くベトナムを楽しめたような気がして

何だかとっても悲しい気持ちになった。



空港に着くとホーチミン~福岡の便がフライトキャンセルになり、関空に飛ぶため足止めを食らった。

機内は満席に近く、一度も席を立てないまま関空につき、さらにプロペラ機で福岡に飛んだ。

一週間ぶりの愛娘えっせたんは、青空駐車の下、1週間分の砂をまとってそこにいた。

走り出した途端、体には違和感ないのに、脳味噌は「凄い!私、運転してるよ!」と訴える。

帰りのスーパーのレジで、おつりを無意識に数えていた。

混沌から整然への突然のワープに、順応出来ていない自分がいた。




おしまい☆








当初、さくっとレポって、旅で得たものを書こうかなと思っていました。

思いの他長くなってしまって、申し訳なく思っています。

なのでこれ以上書かない事にしました。

でももっと言いたい事はあるし、書きたい事も山ほどあります。

この旅で感じた事を一言でいわせて頂くならば「日本人をバカにすんな!」です。

もちろんそれは外人観光客を相手にしている、一部の商売人に対する感情であって、

しかもそうしなければ彼らの生活が成り立たない現状があるというのも分かります。

でもやはり、侍魂に火がついてしまうんですよね。。。

どこか分からない市場に迷いこんだ時、そこで働いてる人は皆普通の、親切で優しい対応でした。

10年早くベトナムに来ていたら・・・

ベトナム語が話せたら・・・

やはり全てにおいて勉強不足です。


一番心配・不安に感じている事は、この文を読んで下さった方が、

ベトナムに対してマイナスのイメージを持ってしまったら、申し訳ないと思う事です。

あくまでも私、一個人の、勝手に感じた事なので、この偏った文に左右される事なく、

もし機会があったら、ベトナムに行って頂けたら嬉しく思います。


戻ってきて1ヶ月経った今でも、このベトナムでの1週間を消化出来ていません。

でもそれでも、想像と全くと言っていいほど違っていたベトナムに、

是非また行きたいと思っています。



つけたり☆
帰って直ぐに調べたら、ドリアンだと思っていたフルーツは
ミットと呼ばれるジャックフルーツでした("▽"*)
しかし煮物用だったなんて・・・Orz





ここまで読んで下さった方、ありがとうございましたm(_ _)m




Posted at 2009/07/04 11:44:51 | コメント(9) | トラックバック(0) | 旅話 | 日記
2009年06月19日 イイね!

初めての海外~ベトナム・ホーチミン~中編

下痢が続いていましたが、ようやく昨日から全く下痢しなくなり、

無事、お腹復活致しました ヽ(*^▽^)ノ

ご心配をお掛け致しまして、申し訳ありません。

励ましや心配の「何シテル」ありがとうございますm(_ _)m


長らく中断していました、ホーチミン記ですが、前編の皆様の温かいコメントに調子のりまして

ダイジェスト版でお送りするはずの後編を、比較的思ったまま、感じたまま書いてみようと

気持ちが変わりました所、超長文に拍車がかかり、あまりの長さに「中編」にしました。

前編はコチラ




注意!!

超長文なので苦手な方は逃げて下さい!!(笑























今日はまだスコールが降っていない。

19時きっかりにロビーに降りていき、龍の木彫りのイスに座ってツアースタッフを待った。

約束の時間は19時10分。

ホテルまでツアーバスが迎えに来るはずで、日本語を喋れる現地スタッフが

対応してくれるはずだ。

時間より少し早く合流して、色々聞きたい事があった。


到着した初日にホテルまで連れて来てくれたスタッフのトゥエンさんは

「ホテルには日本語が話せるスタッフがいますが今日は休みです」と言っていた。

今日で3泊目だが、未だお目にかかれない。

到着して直ぐ、没収されるように預けさせられたパスポートの預り証の名前も全く別人の物で間違っていた。

フロントマンは全く優しくなく、それでなくてもベトナム訛りで聞き慣れない英語を早口で話すし、

いつも「なに!何の用!」って感じの、相手にするのが面倒臭いオーラ全開だ。

何より笑顔を一度も見なかった。

私のとんでもなく酷い英語を聞けば仕方の無い事なのかもしれないけどね(笑

とにかく、お客が帰ってきてルームキーを下さいと言っているのに、

携帯メールを打つ方が大切な人を、私は信用していなかった。


ロビーには、手帳に一心に書き込むビジネスマン風の方が1人しかおらず、

私は「今日はまだスコールが降ってない」と外を眺めていた。

時間きっかりに「フランソアさんですか?」と聞かれ、かなり驚いた。

その人がツアースタッフだと思わなかったからだ。

軽く挨拶をかわし、困っている事を話した。

一番ややこしくなりそうなパスポートの問題は、フロントマンが非を認めたものの、

確認するわけでもなく、新しい引換証をもらえるわけでもなく、ベトナム語若しくは英語で

謝罪するわけでもなく、ツアースタッフの

「こちらのミスです。スミマセンでした。これで大丈夫です」で全て終わった。

全く信用出来なかったが、ツアーなので放置した。

日本語を話せるスタッフもホテルには居ないと言われた。

「休みではでなくて?初めからいないのですか?」と聞くと「そうです」と答えが返ってきた。

ホテルのHPにも日本語が話せるスタッフが居ると書いてあるのに!

引っ掛かる所ではないのだろうが、私はこういった小さな嘘が好きになれない。

こんなに直ぐばれる嘘をついて、誰が何の得を得るのだろう。。。

気分が悪かったが、PCの使用がフリーだと聞いて、テンションが上がった♪

ディナークルーズに行ってもいないのに、帰ってくるのが楽しみになった(笑


一通り通訳して頂いた事に感謝の気持ちを伝えて、バスに乗り出発した。

私のホテルは一番安い。

なのでココを出発点に他のツアー客を拾いに行かなければならない。

かなり遠回りになったが、このツアースタッフと話をするのが楽しかった。

まず他のオプションツアーを猛烈に勧められた。

丁寧に根気良くお断りし続けると、自分の意思が伝わったみたいで、ベトナムの話をしてくれた。

彼はベトナム人を「優しくて勤勉」と言っていた。

その時の私には全く思い当たる節がなかった。

ベンタン市場で怖い思いをした事を話し、お菓子屋さんでボッタくられた事も話した。

彼はとても興味深く私の話を聞いてくれて、今問題になってる事の一つだ。と答えてくれた。

でも売り込みをしてる子らは、腕を掴む事を全く何も思っていないし、

NO!と振りほどかれても何も思わないという。

それらは販売方法の一つと思っていて、悪気は全く無いから大丈夫だよ。と・・・

慣れるしかないって事だな。。。と、私は腹をくくった。


タクシーの運転手が皆、挨拶を返してくれないのは何故か聞いた。

発音が悪いのかと「こんにちは」や「ありがとう」というベトナム語を聞いてもらったりもした。

結局、挨拶をしたり返事を返したりするのは人によって違う。と言われた。

でも「ありがとう」を言われて「こちらこそ」と返す人は少ないそうだ。

自分の消化しきれなかった事を話して答えが返ってくると、モヤモヤがスッキリしていった。

例えそれが一般的な回答じゃなかったとしても、不安や心配が少なくなるのを感じた。

話をしているうちに、他のホテルに着き、1組2組とバスの乗客は増えていった。

他のお客さんは皆楽しそうで、異国の地を堪能しているようだった。



サイゴンリバーに着くと、他にも船が何隻もあり、どれもイカ釣り漁船のように明るかった。

中でも一番大きく、豪華な船に案内されて、驚いた。

船の入り口には、サイゴンで指折りの美女だろう、と一目で分かる容姿端麗なお姉さん方が、

セーラー風の制服(女子高生のセーラー服ではなくて、そのデザインの元となった水兵服の方です☆)

を身にまとい、乗船するお客に飛びっきりの笑顔をばらまいていた。

「そのままお進み下さい」と言ったスタッフが、明らかに気のある笑顔でセーラーのお姉さんに

いつもの挨拶をしているのを目撃してしまい、話のネタが増えた♪と嬉しくなった(笑



一度船の前で止まり、写真を撮るならどうぞ~な時間が設けられた。

別に撮りたいアングルでもなかったけど、極めて写真が少ない旅になりそうだったので、

一枚パチリ♪


するとスタッフの方が、撮りましょうか?と近づいてくる。

「いいえ、いいんです♪好きじゃないので」と話すと不思議な顔をしていた。

船に乗ると、席まで案内された。

一番最上階で更に驚いた。

船は昔も今も下から順に高くなると決まってるからだ。

席に着くと、丁寧にメニューの説明をしてくれた。

エビのグリル、チキンカツ、生春巻き、サラダ、海鮮フォーとデザートだそうだ。

メニューによってはスパークリングワインでも開けて良かったのだが、ビールにした。

333が24000VND、タイガーが25000VNDだった。

めちゃめちゃ高い国営百貨店でも8000VNDの333が3倍の値段で売られていた。

1000VNDの違いなら断然タイガーだった。


船も料理もまだ出てないのに、ビールだけきた。

タイガーはビンだった♪

冷えたビールがビンで目の前に出されたら、飲まずにはいられない(笑

しかし出来れば1本で終わらせたかったので、チビチビ飲んでいた。

テーブルは全部で8人がけ。

4人1グループで分けられてるようで、お皿や卓上コンロが用意されている。

どうみても4人で取り分けてね☆的テーブルコーデだった。

初めて会った見知らぬ方と食を共にするのは複雑だった。

なぜなら私はツアーが全く好きではないからだ。


ツアーの団体客を相手に仕事をしていた事も大きな影響を与えたと思うが、

基本的にオプションツアーに対して、もの凄く冷めた目で見てしまう。

昔から「囲い」の中に入れられると出て行きたくなる性格で、どの種の束縛も嫌いなのだ。

右へどうぞ。と言われると、素直に行けない。

左も見て、真っ直ぐも見て、自分の「目」で確認してから、私が「右」を選択し、進みたいのだ。

若しくは、左も真っ直ぐも見たけど、○○な理由で右がいいよ♪と納得のいく説明が欲しくなる。

では何故、30$も出してディナークルーズなんかに参加しようと思ったかというと、

大変心が病んでいて、癒される必要があったから。

つまり、パックツアーのお客さんを見て「やっぱり自分はフリーで良かった」と思う事で

色々あった怖い思いも「その旅の‘味’の一つ」と早く思えるように、参加したのだ。

・・・改めてこう書くと、大変嫌な性格ですね。自分。。。(笑

なので、他のツアー客と一緒になると、相手を不愉快にさせてしまう恐れがある。


極力話したくなかった。

船はまだ出ていないのに、料理が運ばれてきた。

最初はエビのグリル。

目の前の卓上コンロの火が付けられ、エビが焼けるのを待つ。

本当に微妙な空気の中、ディナーがスタートした。

相手は夫婦のようで、会話もほとんどなく、皆無言で自分のエビの数を数え、

それとなく気を使いながら食べた。

味は不味くない。が、大変美味しくもなく、明らかに観光客向けのウケのいい味付けだった。

他の料理もドンドン運ばれてきたが、どれも感動するものではなかった。

初日にフォー24で食べたフォーボーの方が数倍美味しく感じた。

癖が全く無く、ベトナムらしくないそのコースに想像通り残念に思った。

ボーイの接客も不思議だった。

料理を持ってきたボーイが「テーブルが一杯でお皿が置けない」と、困った風のオーラを出す。

そこで空いた皿をまとめ、場所を作ってあげる。

私は何の疑いも無く、手に持った空の皿をボーイに渡そうとする。

するとボーイは「NO!」と言い、手ぶらで帰っていった。

去ったボーイは他のボーイを呼ぶ風でもない。

NOって一体どういう事よ。。。と空いた皿をずーっと持ったまま考える。

だって置くとこ無いもん(笑

すると別のボーイと目があい手ぶらでやってきて、皿を持っていってくれた。

この出来事が理解不能で、よくよく観察してみると、料理を持ってくる担当と、

皿を下げる担当に別れていて、いつ如何なる場合でも、その仕事内容に「臨機応変」は付かないようだった。

つまり困った風のオーラを感じ、場所をあけてあげる事をしてはいけなかったのだ。

場所をあけてあげたのだから、下げ専門のボーイを呼んでくれてもいいのに・・・

と思うのは日本人だけなのだろうか・・・とかなり考えた。


料理も半分終わった頃、船が進みだした。

「皆様本日は・・・」とお決まりの艦内放送が、ベトナム語、フランス語、英語、中国語、日本語

の順に軽快な音楽と共に流れた。

それと同時に、先程の容姿端麗なお姉さん方が、船の両サイドに等間隔で並び、海に向って敬礼していた。

アナウンスが英語から中国語に変わる時、敬礼したまま船内の方を向きなおし、全く動かなかった。

ライトアップされたその姿は、マネキンみたいだった。

皆さんはここぞとばかりにフラッシュをたき、彼女らも写真に撮られるのが誇らしそうだった。

アナウンスが終わるとラッパが放送で流れ出し、お姉さん方は去っていった。

水兵さんに縁遠くない自分としては、このショーに恥ずかしさすら感じた。

船がいい感じに進みだした頃には、食事はほぼ終わり、アコギとフルートの2人組みが出てきて

クラシックからポップまで、優しい感じの曲調で弾き始めた。

私は席を立ち、船内探検に出る事にした♪

まず手始めに船尾の方に行った。

船尾はトイレになっていて、列が出来ていた。

通路は狭かったが、船尾から街を眺めながら「たいした夜景でもないのね」と相変わらず冷めていた。

しみじみ見ていると、タバコを吸いながらビールを飲んでる水兵風の服を着たスタッフが

ベトナム語で「ここは邪魔だからどけろ」と言った。

実際は何て言われたか分からなかったが、気分はよくなかった。

少し場所を変えて、暗い川を眺めていたら、先程のお姉さん方が何か食べながら駄弁っていた。

何をするわけでもなく駄弁ってる姿を見て、容姿端麗な女性の仕事は笑顔で挨拶と敬礼だけなのか?

と、とても不思議に思った。それで時給が幾らなのかもの凄く聞きたかったし、

お姉さんの食べてる物が何なのか知りたかった。

彼女らに英語が通じるだろうか・・・と話しかけるか迷っていたら、私の視線を感じどこかへ行ってしまった。

残念なので、そのお菓子を盗み食いしようか、画像を撮ろうか迷って後者を選んだ。



↑お皿の上にのってる白いものがそうです。

画像を撮ると、さっきのタバコのオジサンが睨みをきかせて近づいてきたので、その場を立ち去った。

結局何か分からなかった。

次に2階に降りた。

2階は、3階よりボーイの数が半分で、マジックショーが行われていた。

テーブルの上に花もなく、クロスの数も少なかった。

3階ではカウンターになっている部分が、2階では換金&精算所になっていて、

ガラス窓の中で、事務員がドルを扇状にし、ペラペラと数えていた。

1階に降りると、ショーが歌謡曲に変わって、長テーブルにクロスが一枚。

ボーイの数は3階の5分の1の3人しかいなかった。

ガチャガチャ、ガヤガヤと人がとても多く、見た限りでは地元の人がほとんどだった。

3階でカウンターになってる部分は、1階では厨房になっていた。

トイレになってる部分は洗い場だった。

ちょっとだけ覗くと、中でスイカに噛り付く男の人と目があった。

やたら美味しそうにかぶりついていたので、写真に撮りたかったが、デジカメを出すと

マジで!?って顔をされたので「それはやっぱりナシだよね」と

笑顔で無言の謝罪をし、撮らなかった。

それぞれの階で、ある程度時間を潰し3階に戻ると、カウンターにツアースタッフが座っていた。

初日にホテルまで連れて行ってくれたトゥエンさんだった。

他のツアー客を連れてきてるのだろう。

日本で言う定食を食べたあとみたいで、お皿にピーマンと玉ねぎを残し、スープの椀などが重ねて置いてあった。

「これは自腹ですか?」と聞きながら、隣に座った。

「会社ねー振込みねー」と返ってきた。

彼にも色々話を聞いてみた。

ベトナムの人はどこで日本語を勉強するのか、とか何年くらい勉強しているの?とか・・・

もちろん腕を捕まれた事や、お菓子屋さんの話しなどもした。

しかしトゥエンさんの方が日本語が上手い分「観光客が知らない方がいい事」は話さなかった。

実際「地元の人はワッフルを幾らくらいで買うのか?」と聞くと話を濁された。

市場などの物の値段もVNDではなく「だいたい○○円くらい」とわざわざ円に直してくれる。

そのあと必ず「安いねー」と言う。



私はベトナムに来て、安い!とまだ思った事が無かった。

唯一「流石!」と思ったのはビールくらいなもんだ。

コーヒーだって、フォーだって、150円~400円ほどだが、日本のファーストフード店や

安いチェーン店と衛生面、量、質、店の雰囲気等色々な面で、ほとんど変わりない。

それが地元の人にとっては中級な店にあたるだけの事。

地元の人が食べに行くような所では、50~100円もあればワンプレートランチのような

ベトナム風定食が食べられるようだが(実際、食べてみたくて仕方なかったが)

安い分のリスクを払わなければならない。

ゴキブリなんてそこらじゅうに居るし、イタチくらいの大きさの溝鼠が排水溝に入って行くのも見た。

自分の店の前の公道がゴミ箱なので、みんなポイポイお構いなし。

野菜クズも、果物の種も、魚の内臓も、カンもビンも、ウ○コでさえも・・・

(ちなみにそのゴミは夕方になると、回収してまわる人が出てきます。1m×1mくらいの大きさでオレンジ色をしたリアカーの様な仕組みの物を引きながら、集めては中に入れ・・・と地味な作業を夜までやってられました。見た所分別はされてない様で、だいたい2人1組のようです。作業者の半分近い方が裸足で作業されてるのを見て、これを集めると幾らになるのか聞いてみたくて仕方ありませんでした。)

そんな路上で、100均に売ってる様なプラスチックのイスとテーブルに、

土嚢袋の中に入ってる氷で珈琲を飲み、バケツに入った泥水の様な色の水で食器を洗い、

何回拭いたか分からない布巾で拭いた食器にご飯が盛られる。

それらを50円で食べれたとしても、私は「安い」とは思わず「適正価格」と思うだろう。



私はトゥエンさんに「日本人=お金持ちと皆思ってるけど、私みたいにそうじゃない

日本人もいますよ」と話した。

彼は「そうですか」と言い、全く信じていない目で私を見ていた。

会話が途切れてしまったので、食事の邪魔をして申し訳ないと言い、席に戻った。


席に戻ると、隣の日本人グループが(たぶん会社の仲間で、パックツアー)会計をしている所だった

飲み物の料金を払うべく男の人が席を立ち、ボーイと共に下に降りていった。

その向かいのテーブルでは、裕福なベトナム人3人組(娘、彼氏、叔父(だと思う))で

娘さんの誕生会をしているようで、ケーキと一緒に写真を撮っていた。

(実はこの娘さんを、私は船に入る前、バスの中から見てて、凄く興味深く観察させて頂いたのですが、長くなるので書きませんw)

とても立派なデジイチで、タイマーをセットし、3人とケーキで写真を撮ろうとしている。

しかしなかなかシャッターが下りない。

3人は笑顔をキープしているが「いつシャッターが下りるの?」と3人共切ない顔になってきた。

もう少しでおりるんじゃない?って時に、何と!ボーイがテーブルを片付け始めた!!

お皿が3枚あるかないか、とグラスが3つ程度で、さして邪魔にならないのに、

全くお構いなしのボーイに、3人共微妙な顔付きになった。

「どけて欲しい」と言いたいが、言ったらシャッターが切れそうだし・・・結局その微妙な笑顔のまま

シャッターが切れて、3人共悲しそうだった。

それでもボーイはお構いなし。

写真を撮る事の邪魔をした事にすら気が付いていないようだった。

日本人なら、ボーイが邪魔にならない程度にお皿を脇に寄せ、軽く片付けてから、

シャッターを押してあげるだろうと思った。

もしかしたら人の物に触らない暗黙のルールが存在するのかもしれないと思った。

そう仮定しても、全く自分のタイミングでお皿を下げにきたボーイをみて、

本当にここの人は「相手の事を考えない」人が多いと改めて思った。

日本はサービス大国と言うけれど、ここに来て実感する事ができた。


船に乗って1時間半が経とうとしていた。

もう直ぐ終わりだ。

周りの人は帰り支度を始め、船も着岸した。

先程、支払いに下りていった男の人が帰ってきて、

「ビール30本とワイン1本で7200円でしたよ!!安い!」と目を輝かせて話していた。

私は何だかとても恥ずかしくなり、悲しくなり、更に冷めた目で船から下りた。



船から下りて案内通りに歩いていると、4歳くらいの裸足の男の子がガムを持って売り歩いていた。

何とも言えない目で見つめられ、無言でガムを差し出されたらどうしていいか分からなかった。

「I’m sorry」と言うと、全く表情を変えずにそのまま他の人にガムを差し出していた。

ツアースタッフを見ると、行きに挨拶した容姿端麗なお姉さんにトロ~っとした目で話しかけていた。

お姉さんも満更でもない風で、彼と話すのが嬉しそうだった。



帰りのバスの中で「挨拶してたお姉さん、狙ってるのですか?」と聞いてみた(笑

彼は痛い所を突かれた様に笑い出し「徐々にね」と答えた。

「でも大変ね、ベトナムの女の人はお金かかる。頑張らないと無理ね」と言った。

プレゼントや食事にお金がかかるらしい。

日本人相手にツアースタッフをしていたら、それなりの給料をもらってるのでしょ?

と聞くと、それでも頑張らないといけないという。

やはり容姿端麗を売りにする職業はどこの国でも高給取りなのだ。と思った。

その後話しは恋愛感や結婚感に移り、ベトナム事情を聞くことが出来た。

少し前までは結婚相手を親が決めて、いわいるお見合い結婚が当たり前だったそうで、

最近になってやっと自分の好きな人と結婚できるようになったそうだ。

それでも相手を紹介する為に連れて行くと、家系や収入など色々「調査」されるらしい。

今の若い子は収入が少ないので、子供を生みたくても生めず、昔は女の子は働きに出なかった

そうだが、今では男の人より稼ぐ人が出てきて、男の立場は弱いらしい。

日本と何も変わらない様なきがした。


ホテルに着くと、丁寧にお礼を言った。

最後に名前を聞くと「ザンです。残業のザンね」と答えてくれた。

私はこれから残業をする度に、ザンさんの事を思い出しそうな気がした。


ホテルに着くと、楽しみにしていたPCの時間だ(笑

久々にみんカラにログインした。

もう1ヶ月以上ログインしていないような気分だった。

もしベトナムでブログをUP出来たなら、朝にUPしたいと夢を抱いていた。

タイトルは「Good morning Vitnam!」(笑

かなり迷ったが、ログインして自分のページを見れた事が嬉しかったのでブログを出す事にした。

「HO CHI MINH」って直訳すると、ホーおじさん。

「ホーおじさん市」って名前の市って不思議w

なので現地の人はホーチミンとは言わず、旧名のサイゴンと言う人が多いらしい。

と言うわけでタイトルは「伯父さんに会いに」にした。


みんカラにブログをUPして、部屋に戻り、333を飲みながらテレビを見た。

今日は比較的気分が良かった。

明日は、アンドン市場に行こう!と決めて寝た。




朝は早めに起きた。

朝御飯はバイキング♪今日はフォーだけにした。

部屋に戻り、身支度をして、タクシーに乗り街に向った。

アンドン市場に行こうと思っていたが、VNDが足りなかった。

レートは街中の方がいいので両替してから行く事にしたのだ。

その為にわざわざ街に出るにはタクシー代が勿体無いので、事前に調べておいたバインミーの店で

朝御飯を食べる事にした。

名前はニューラン。

地元の人が多く利用するお店で、人気店だと、どっかの誰かの何かで見た。

両替所から20分ほど歩くと、ほとんど迷う事無くニューランに着いた。

テイクアウトが繁盛しているようで、半分のお客がバインミーやパンをテイクアウトしていた。

店の中に入るのに、少し勇気がいるくらい地元の人しかおらず、

中はたくさんの従業員と遅めの朝食を取るお客で賑わっている。




勇気を出して中に入り、席に着いた。

可愛い従業員が、ニコニコしながら注文を取りにきた。

メニューはベトナム語の料理名で、解説は英語で書かれていた。

食べたい料理はバインミー。

でもメニューの中に見つけられなかった。

フォーやお粥が主で、あとは飲み物だった。

可愛い店員に「バインミーが欲しいんです」と英語で言ったが、全く通じなかった。

今までの店員と違い、彼女は英語が分からない事を申し訳ない顔で対応した。

逆にベトナム語が喋れない事が申し訳なくなった。

身振り手振りでバインミーを説明しても伝わらなかった。

きっとバインミーを店内で食べる人が少ないのだろう・・・

私は席を立ち、彼女についてくるようお願いし、店頭にあるバインミーのコーナーで指を刺した。

彼女は満面の笑みで、大きく何度もうなずき、私が何を注文したかったかが分かって嬉しそうだった。

私も、もの凄く嬉しかった。

席に戻り、彼女に飲み物も頼んだ。

ベトナム風アイスカフェオレを指差したら、彼女は「カフェダー」と言った。

カフェダーはアイスコーヒーだった。

私は「ノン、カフェシュダー」と言った。

彼女はまた嬉しそうに「カフェシュダー」と言った。

「ヤー」と返事をした。

生まれて初めてベトナム語が通じた瞬間だった!

私は心の底から嬉しかった。

本当に嬉しかった!

言葉が通じた事もそうだが、何より普通に 注文 出来た事が嬉しかった。

嫌な顔される事もなく、押し売りされる事もなく、明らかな作り笑いで対応される事もない

ごく普通の飲食店でのワンシーンが出来た事が本当に嬉しかった。



暫くすると、バインミーがきた。



バインミーとは、フランスパンのオープンサンドの事だ。

胡瓜と玉ねぎ、人参とケバブの様な肉が挟んであった。

パンは一度軽く炙ってあるようで、外はカリカリ中はふぁっとしていて、とても美味しかった。

フランスパンに被りついていると、彼女と目があった。

二人とも思わず笑ってしまった。

心が通じれば言葉なんてなくても分かり合える!と確信出来た。

彼女にベトナム語で「ありがとう」と言って、会計を済ませ外に出た。

今日はイイ日になりそうで、心が軽かった。

本当に彼女のお陰だと思い、心の中で感謝しながらタクシーに乗った。


運転手に「シンチャオ」と挨拶すると「シンチャオ」と返ってきた!

タクシーに乗って初めて挨拶が返ってきた♪

たったそれだけなのに、本当に嬉しかった。

「ビンタイ市場」と書いた紙を見せて、目的地を伝えた。

ホーチミンで2番目に大きな市場だ。


市場に着き、お金を払おうと紙幣を計算していると、外に居るバイクタクシーの運転手が

車内を覗き込み、私の手の中の紙幣を見ていた。

タクシーを降りたら、油断してはいけない。と強く思った。

想像通り、タクシーを降りると良く分からない人が近づいてきたり、

口笛を吹いて私の興味を引こうとしたり、シクロ(人力車)に乗らないかと叫ぶ人もいる。

とにかく全てが見えないふりをして、市場の中に入る事にした。




ビンタイ市場は卸市場だった。

観光客はほとんどおらず、通路の幅はベンタンより狭くなった。

お昼近い事もあって、建物の中は暑く、天井からモワァ~っと熱気が降りてくる。

スパイスや熟した果物、貝柱やスルメなどの干し物などの、何とも言えない食べ物の匂いが

上から降りてくる感じだ。

その中で、皆店頭の地ベタに座り込み、スチールで出来た4段重ねのお弁当を広げ食べている。

店員が何人も居るのだから、店の中で食べればいいのに、皆通路に広げている。

物取りに合わないよう、外で見張る必要があるのではないかと思った。

市場の中は、服、靴、バック、布、食べ物、と売り物がブース毎に分けられている。

蒸し暑い市場の中を歩いていると、アクセサリーのブースにきた。

それは正に百均の仕入れ元だった(笑




小売はしていないようで、卸市場そのものだった。




市場の中を歩いていると、不思議な光景をよく目にする。

それは売り場から離れた、少し広めのスペースがある所で、オバサンがイスに座り娘が立っている。

娘はオバサンの頭から何かを取っているようで、時にはピンセットを持った子もいた。

シラミ取りか白髪取りなのだろうが、何をしてるのか凄く興味が湧いた。

市場を歩いていて、声をかけられる事はほとんどなかった。

腕を捕まれたりすることもない。

「観光客か?珍しい・・・」という冷ややかな目で見られる他は何にも嫌な事はなかった。

アルミ製品屋さんの前で、ベトナムコーヒーのフィルターを目にした。

とても薄く安っぽいものもあるが、比較的しっかりしたものも置いてあった。

そろそろ買い物にチャレンジしてもいい頃だ。

私は勇気を出して、薄っぺらいアルミの珈琲フィルターが幾らか聞いた。

英語で質問するとベトナム語で返ってきたので、電卓を叩く仕草をして、金額を打ってもらった。

一つ4000VNDだった。

厚くてしっかりした方も聞いてみた。

一つ13000VNDだった。

しっかりした方を指差して、電卓の数字を半分にした。

10代くらいにみえる彼女は「はぁ?冗談でしょ!!」と明らかに嫌な顔をして、

12000VNDに打ち変えた。

卸市場では値引きはほぼ出来ないと聞いていたので、想像通りの態度だった。

私はフィルターを2つ持って、20000VNDと電卓を打ち直した。

彼女はお母さんらしい人に大声で何か叫ぶと、その返事を聞いて、私に向って首を振った。

私は交渉を続けるべきか迷っていた。

止めて他で買ってもいいし、言い値で買っても良かったが、もう少しココで値段交渉の勉強をしたかった。

迷っていると彼女はどっかに行ってしまった。

そんな値で買おうとしてる客に興味がなさそうだった。

私はフィルターを3つにして、電卓の数字を30000NVDにし、彼女に見せにいった。

彼女は困った顔で、またお母さんらしい人に向って何か叫んだ。

返ってきた返事を聞いて、しぶしぶ「OK」と言った。

交渉成立だ♪

物が買える事が嬉しかったが、彼女の顔を見ていると心が痛んだ。

値切りたい相手じゃない、値切ってはいけない人から値切ってしまったようで、

チップをあげたい気分にさえなった。

珈琲フィルターを3つ買って、通路を歩いていると、後ろから子供が着いて来るのに気が付いた。

4歳~5歳くらいの子供が3、4人。

みんな真っ黒に日焼けし、裸足で、髪はボサボサだ。

もの凄く潤んだ目で手を出してくる。

物乞いの子供だった。

どうすればいいのか分からなかった。

お金をあげるべきなのだろうか・・・断るべきなのだろうか・・・

知らない顔をするべきなのだろうか・・・見つめ合ったまま、どうすればいいか決めかねていた。

日本語で「ごめんなさい。どうすればいいのか私には分からないの。」と言い、前を向いて

通路を進む事にした。後ろは振り返らなかった。

暫くして後ろを見ると、違う子がついてきていた。

また暫く歩いていると、さっきの子がお爺さんの手を引いてきた。

私と目が合うと、また手を出してきた。

お爺さんは、目が見えないわけでもなく、耳が聞こえないわけでもなく、足が悪いわけでもなかったが

少年は明らかに「お爺さんのご飯代を稼がなくてはいけない」顔をしていた。

本当にどうすればいいのか分からなかった。

私は「本当にどうすればいいのか分からないのよ・・・」と素直に少年に伝えた。

少年は、一言も喋る事無く去って行った。


街の中を歩いていても、よく目にする。

手がなかったり、足がなかったりする戦争の犠牲者も多かった。

お金を下さい!と路上に座り込み、道行く人に訴えている。

こういう時、どうすればいいのか分からなかった。

お金をあげたらいいのだろうか・・・幾らあげたらいいのだろうか・・・

お金をあげたら、物乞いの子供が増えないだろうか・・・

それでも今日のご飯が食べれるのなら、少しでも手助けになるのなら、

幾らかでもあげたら助かるのではないだろうか・・・

問題が大きすぎて、私にはどうすればいいのか分からない。

本当に困った人を目の当たりにして、私は自分に出来る事が何なのか分からなかった。


市場の中はとても疲れるので、休憩する事にした。

市場の外に出て、良さ気なカフェがあるまで適当に歩いた。

10分ほど歩くと、珈琲豆屋さんを発見!

中では地元の人が珈琲を飲んでテレビを見ていた。

中に入っていくと、注目の的でもの凄く居心地が悪かった。

一番離れた隅に座り、メニューを見た。

アイスカフェオレを頼むつもりだったが、333の方が1万VNDほど安かった。

まぁいいやと思い、333を頼んだ。

暫くすると、グラスに氷が入って、333の缶と共に出てきた。

缶は、カビか泥か錆で、とんでもなく汚れていた。

かなり迷って、バックからティッシュを出し、缶の注ぎ口を綺麗に拭いた。

こういった事は絶対にしたくなかったが、絶対にお腹を壊しそうな気がしたのだ。

拭いてる間中視線を感じ、もの凄く居心地が悪かった。

自分が逆の立場だったら・・・と考えると、いい訳をしたい気持ちで一杯だったが、

視線に気が付かないふりをした。


店頭に数種類の豆が置いてあり、量り売りをしていた。

店の中ほどまでが駐輪場になっていて、バイクがたくさん置いてある。

真ん中から段上がりになっていて、テーブルとイスが乱雑に置かれていた。

店の中央には大きな液晶テレビが置いてあり、サッカーが放映されていた。

ベトナムに行こうか、テレビを買おうか迷って、ベトナムに来た自分にとってはかなり複雑だ(笑

かなり繁盛している店だと思った。



店の中はとても汚く、スタンディングバー並みに、床にはタバコや食べかすが落ちていて、

テーブルもイスも極めて不潔だった。

私は氷が不安だったが、ここでも「当たるなら当たれ!」と思い、

生まれて初めて氷の入ったグラスにビールを注いだ。

泡も立たず、それでなくても薄くて水の様なビールは、暑さで氷が溶け、更に水になった。

水より、珈琲より安く飲めるビールは、安全で安い飲み物だ。

氷を溶かしながら、ゆっくりと飲む。

日本では「ビールは喉で味わう」ものとされているが、ココでは水分補給だった。



外をボーッと眺めていると、突然バイクとバイクが正面衝突し、2台とも倒れた。

思わず「あぁー」と声を出してしまった為、店内の皆が外を注目し、店員達が寄ってきたが、

大した事無い。と直ぐに去っていった。

バイクの運転手は直ぐに起き上がったが、荷物が崩れ袋が破れている。

白い粉で、どうやら砂糖のようだ。

昨日、バスの中でザンさんが「砂糖は高い」と言っていたのを思い出した。

運転手どおしの喧嘩が始まった。

道路の真ん中で、大声で言い合っている。

そのうち、相手がバイクに乗り去っていってしまった。

砂糖のオジサンは最後まで怒鳴っていた。

バイクが走り去ると、オジサンは砂糖を集め始めた。

事故が起きた斜め前が店のようで、仲間が新しい袋を持ってきて、こぼれた砂糖を詰め替えていた。

1袋10kgくらいの袋を8袋は積んでいた。

うち4袋は穴が開き、砂糖がこぼれていた。

新しい袋と、測りを持ってきて、道の真ん中で新しく詰め始めた。

地面に落ちた砂糖を、厚い紙を使って綺麗に綺麗に取っていた。

この砂糖はどこにいくのだろう・・・

こういった事が日常的に起きているから、お腹を壊すのも天任せなんだな~としみじみ思った。



1時間ちょっとのんびりビールを飲んで、お金を払い、外に出た。

タクシーを拾い、アンドン市場に向った。

歩けば直ぐそこなのは分かっていたが、今日はお金をたくさん使おうと決めていた。

このまま行けば1万円も使わず日本に帰ってしまいそうなので・・・







と、いうわけで続きは後編へ☆


ここまで読んで下さった方ありがとうございましたm(_ _)m
Posted at 2009/06/19 00:49:41 | コメント(10) | トラックバック(0) | 旅話 | 日記
2009年06月08日 イイね!

初めての海外~ベトナム・ホーチミン~前編

え~・・・日本に帰ってきてお腹を壊してるフランソアです、こんばんわ☆

約丸2日、寝込んでます(笑

症状は、微熱と鼻水、頭痛と下痢です。

あと無気力症候群w これはベトナム病に近いと思われます。


お待たせ(?)いたしております、ホーチミンレポですが・・・

自身の想像を遥かに超えた長文仕立てとなってしまい、しかもこれで前編という、

なんとも恐ろしい内容になっています。

これでもかなり短縮したつもりなののですが。。。

後編はもっとサックリ内容だけお届け出来るように努める次第ですm(_ _)m


注意!!

超長文につき、苦手な方は逃げて下さい!(笑

















タンソンニャット空港の中は薄暗く、閑散としていた。

ポスターや旗などといった宣伝物は一切無く、照明も必要な所だけ必要な分だけ付いている。

機内でビール1缶と発泡ワインを3杯もらい、想像より遥かに豪華なランチを頂いた私は、

やたら上機嫌で、念願の「外」に出れる嬉しさが背中を押し、自分でも驚くほど緊張していなかった。



こんな風であった為、入国審査なんか「もう何十回も来てるわよん♪」な態度で、

眉間に皺をよせ最上級に愛想無い審査官を目の前に、カウンターに両腕を上げ、

「優良民だから、早くして~♪」と指でコツコツ カウンターを鳴らしながら、

中にあるPCを覗き込むゆとりすらあった。

ベルトコンベアーで流れてきた荷物を取り、税関に行くと更に薄暗く職員も2名しかおらず、

荷物をX線検査に通すが、話しに夢中で画像を見てない風・・・何ともゆるいお国柄だ。


到着して一番驚いたのは、空港の外(日本でいう所の車を横付けする所)に

地元の人がたかってる事。

ベトナム人は飛行機に乗らない限り、空港の中には入れないのだ。

その光景はまさに、出待ちのファンそのもの。

入り口の外にはポールとロープで道が作ってあり、その中に入ってこれないようになっている。

意を決して自動ドアを開け一歩踏み出すと、モァッとした熱風が体全部を包み込み、

一瞬で全身がベトついた。

そんな私に現地の人は身を乗り出して手を出し、手を振り(上下に)、大声で何か話しかけてくる。

それらを全て無視して(聞こえないふり、顔も無表情)目だけを動かし、

現地で待っているスタッフを探す。




そう、今回はツアーで行ったのだ。

始めチケットだけを探していたが、安いものはどれも関空か成田発のものばかり。

福岡から飛んでも、福岡までの移動費もかかる田舎を拠点にすると、こんな時損を感じる。

色々調べていたら、チケット代と朝食付き宿代を含めた、現地完全フリー型のツアーが

格安であった為、ここに決めた。

5泊6日ホーチミンの旅だ。

実際には帰りの飛行機の中で1泊するので、実質4泊6日だけど☆




ホテルは想像以上に綺麗で広く申し分なかった。


時間は17時。

部屋で準備をしているうちにスコールが降り終わり、出掛けるにはいい時間だった。

初日のミッションは水を買って晩御飯を食べる事。

タクシーに乗り、とりあえずベンタン市場に向うことにした。


タクシーは38.272727(ヴィナサンタクシー)か

38.383838(ヴィナタクシー)と決めていた。

他はボッタクリタクシーが多く、乗らない方がいいと言われたからだ。

ほぼ一夜漬けに近いベトナム語で「こんにちわ、ベンタン市場に行って下さい」と言った。

「は?わけの分からない事言うな!ボケ!」って感じのベトナム語で返された。

負けずに再度チャレンジした。

もっと怒った風だった。

仕方なく ベンタン市場 とベトナム語で書いた紙を見せた。

何か言ったが「初めからそうしろよ!」と言われた気がした。


ベトナムの交通事情は凄い。

とにかくクラクションを鳴らすのだ。

邪魔だ! プー

危ない! プー

後ろからきてるよ! プー

どけろ! プー

それ以上近づくと当たるよ! プー

など、危険な事意外でもマナーの一つとして鳴らす。

信号は大きな交差点にしかないが、あっても無いに等しく、とにかく入り乱れてる。


タクシーを降りる時に「ありがとう」とベトナム語で言ったけど返事はなかった。

ベンタン市場はホーチミン市最大の市場であり、観光客がよく集まる観光ショッピング場でもある。

市場の中はゴチャゴチャしていて、すれ違う人を体を斜めにしないといけないほど通路は狭く、

何故か日本語と英語が飛び交っていた。

今日の目的は違うので、そのまま素通りして、市場の外に出て少し歩いた。

歩くというのは大変な事で、歩道を真っ直ぐ歩ける事はほとんどない。

だいたい道の脇に人が座ってたり、屋台が出てたり、バイクが占領してたり・・・

常に足元を注意しながら歩かないと、ウ○コを踏んでしまったりする。人間のねw

そんなこんなでフラフラ歩いていたら、フォー24の看板を見つけた。

事前に調べてて一度行きたいとリストアップしといた店の一つだ。

フォー専門店で、12時以降活動しないベトナムに初めて24時間営業をしたチェーン店らしく

地元の人が通う人気店らしい。


夕食には少し早い時間だったが、店を見つけたので勇気を出して入り、晩御飯を食べる事にした。

フォー専門店に日本人が2組。。。地元の人はいない。

かなり微妙だ。

店員には英語が通じ、注文もスムーズにいった。

頼んだのはフォーガー。 (鳥のフォー)

きたのはボー。。。 (牛のフォー)

更に微妙だ。


でも初日だし、初めてで上手くいく事なんてないのは知ってるから、気を取り直して食べた。

味は最高!

今まで食べたフォーの中で一番美味い!!

優しいスープにライムの酸味と唐辛子の辛さが利いてる。

レモングラス・ライム・唐辛子・バジル・ノコギリコリアンダーなどが、別の皿に出てきて、

自分で好きに入れて味を調節できる。

スパイスが大好きな私には、天国のような食事だ。


フォーをすすっていると、店の外で小3くらいの男の子がフラフラ歩いてきた。

体を右に左に揺らしながらオシッコをしながらフラフラ歩いている。

円をかいてみたり、木にかけてみたり、道に絵を描いてみたり・・・

まるで水鉄砲で遊んでいるかのように見えた。

遊び道具もなく楽しい事など何もないような、ただ「今日」という時間を潰しているように見えて

凄く寂しい気分になった。


フォーは魚の団子スープとゼリーのセットで38000VNDだった。

レシートが貰えると少し安心する。

明細が見れるからだ。

見ても何て書いてあるのか分からないので、微妙なのだが、無いよりマシだし、ボラレにくい。



その後フラフラと歩き、運良く両替所を見つけ、1万円をドルに変え、2千円分をDVNに変えた。

両替所から更にフラフラ歩くと、また運よく国営百貨店を見つけ、買い物をする事にした。

333(ビール)と、一度食べたかったヴィナミルクのヨーグルト、

ベトナムのISOの印が入った水とサラミを買って、外に出た。



外は生ぬるい風が吹いていて、歩いているとジト~っと汗ばむ。

ただ歩いているだけなのに、もの凄く視線を感じ怖かった。

まず足を見られ、次にポケットを見られる。

そして上半身をみられ、通り過ぎるまで見つめられる。

それが「睨まれる」に感じる事もあれば「羨望」に感じる時もあるし「妬み」に感じる時もある。

でも一貫して変わらないのは「見られる」という事だ。

これが商売屋だと、目が合った瞬間話しかけてくる。

「NO、NO」と断ると更にしつこくなる。



歩きながらヴィナサンタクシーをひろい、ホテルの名刺を見せて行き先を伝えた。

挨拶はしなかった。


部屋に戻り、シャワーを浴びて333を飲みながら、初日に満足していた。

感覚的には、もう1週間くらいいるような気がした。

凄く長い一日だった。



テレビを付けると有名なデザイナーの誕生会にNe-Yoが呼ばれて歌っている番組だった。

釘付けのまま2時頃まで見て就寝の準備をした。

お金は枕の下に入れ、全ての物をスーツケースにしまい鍵をかけ、ドアの前にイスを置いた。

誰かが開けたらイスが動いて音がするように・・・




翌朝は6時に起きて、朝御飯を食べホテルの周りを歩いてみた。

8時くらいなのに、もう皆仕事をしていた。

ホテルから5分くらい歩いた所に、小さな市場があった。

日本でいう商店街みたいな感じで、14~15軒ほど、

どの店もとても小さいが一通りがそこで揃う感じだった。

肉屋さん、魚屋さん、果物屋、香草屋、野菜屋・・・皆忙しそうに仕事をしている。

目をキラキラさせながら歩いていると、もの凄く場違いな視線で見られた。

こんな所になんの用なんだい?って言われてる感じ。

言葉はなくてもオーラでわかる。痛い視線だ。

鳥肉屋さんの前を通ると、鶏が塩で首を洗われていた。

綺麗に丁寧に洗われていた。

鶏は分かっている風で、目だけを動かしながら、大人しく首を洗われていた。

その光景がとても綺麗で、写真に撮りたかった。

「生きる」という事はどういう事なのかが、全て現れている「画」になりそうだったから。

もの凄く撮りたかった。


でも撮れなかった。私にはバックからデジカメを出して撮る勇気がない。

ほら!デジカメだってさ!写真なんかとってバカにすんなよ!

って目で見られるのが怖かった。

これ以上場違いな人になりたくなかった。



そのままベンタン市場まで歩いた。

一時間くらい歩き続けた。

それまでの間に何回も声をかけられた。

中には「おっぱぴーおっぱぴー、どんだけ~」と日本語を話す人もいた。

バイクタクシーに乗らないかと、しつこく付いてくる。

一度も立ち止まる事無く、NONOと断り続けると「なんでやねん!」と一言怒鳴って去っていった。

「やかましわ」と叫び返したかった。


折角ベンタン市場に付いたので、中に入った。

買い物をするのは楽しみの一つだったからだ。

中に入ると、昨夜より一段と人が多く、ゴチャゴチャしていた。

いつスリにあってもおかしくないし、スラれても気が付かないだろうとすら思った。

より神経を集中させて市場の中を歩いた。

売り子の女の子は皆必死に呼び込みをしている。

「オネエサン、ヤスイヨ、ナンデモアルヨ、ナニホシイ」

上手いもんだ。

キョロキョロしながら歩いていると、可愛いサンダルを見つけた。

お♪っと思い立ち止まった瞬間!

思いっきり右手首を引っ張られた!

何が起きたか分からなかった。

反射的に「NO!」と言い手を引き返したが、

間髪入れずに更に引っ張られた。

私も負けずにもっと大きな声で「NOー!!!」と手を引き返し、

手首をひねり返して捕まれてる手を振りはらった。

もの凄く怖かった。

若干体が震えて、一刻も早く市場から出たかった。

思いっきり握られた手首の感触がずっと残って、本当に怖かった。

スキンシップにしては、あまりに握り方が強い。

むしろ逃げないように捕まえた的 握り方だった。


手首を捕まれた事が怖かったわけではない。

危険な匂いがしたのです。

捕まれて引っ張られてる間に(そちらに気を取られてる間に)

起こる色んな「危険性」が頭の中に瞬時に流れ「恐怖」になった。

私は生まれてこの方、買い物をしていて腕を思いっきり引っ張られた事がない。

神経を集中させすぎたせいで、過敏になりすぎたかもしれないけどね・・・



足早に市場を出て、若干震えながら、とりあえず歩いた。

ずっと歩いた。

止まると、買わないか?と声をかけられるから。

歩いていても声をかけられるけど、止まるよりマシだった。

ベンタン市場からレロイ通りを北に歩き、市民劇場まで来た。

行く当てもなく、今度はドンコイ通りを南に歩いた。

市場を出てから2時間くらい歩き続けていた。

暑く喉が渇いて、足が棒になりそうだった。

とりあえず止まりたかった。

昨夜歩いた時に、ハイランドコーヒーを見つけた事を思い出した。

少し高いけど、安心して休憩出来るカフェだ。

これも事前にリストアップしておいた店だった。

現在地もよく分からず、ハイランドコーヒーがどこにあるのかも良く分からないまま、

昨夜見た景色だけを頼りに、右に左に行ったり来たり、同じ道を何回も通った。

迷ってると思われると、バイクタクシーが煩いので、観光してる風を精一杯装って歩いた。


もう無理かも・・・と思った所で看板を見つけた。

なんと国営百貨店の2階だった。

何度も通ってるのに、目に入らないとは恐ろしい。。。

百貨店の中は涼しく、オアシスだった。

ハイランドコーヒーに行き、英語でカフェシュダー(ベトナム風アイスカフェオレ)を頼み一息いれた。





とても苦くてとても甘ったるいカフェオレを氷を溶かしながら、ゆっくり飲み、

外の景色をのんびり眺めて、1時間ほど経過すると、少し元気が出てきた。

また外を歩いてもいい気になった。

当てもなく歩くと疲れるだけなので、さっき通り過ぎた本屋で地図を買う事にした。

実は自分が泊まってるホテルがどこにあるのか分からないのだ。

家を出る前に調べたがネットで地図は開けず、現地でもらえると言っていた地図は

扇型をした何とも簡略的な物で、とても地図と呼べない。

30000DVN払い、外に出て本屋に入り地図を買った。

これでどこへでも行けるような気がして少しワクワクした。

本屋から出ると小腹が空いている事に気が付き、屋台のお菓子を買ってみようか♪って

気分になった。

薄いワッフルのようなお菓子で道端でガズバーナーで焼いていた。

6枚一袋でビニールに入っていて、甘い匂いが漂い美味しそうだった。

本屋を出て直ぐに、お菓子やを見つけた。

近づくとアメリカ人のカップルが買っていた。

丁度入れ違いのようにして、自分達が前に立つと、オジサンが笑顔で一枚差し出してきた。

一口食べると、どこの国にも似たようなお菓子があるような素朴な懐かしい味だった。

何も言わないのに、今度はパンケーキのような小さなお菓子を渡してきた。

自分が手に取るまで差し出してきた。

貰うと、買ってもいいかなって気分になった。

いくら?と聞くと「エイティーサウザン」と言った。

高い。エイティーンの聞き間違いだろうと思い、ポケットからお金を出して、

2万ドン札を探した。

探してるうちに、オジサンが何かワーワー言いながら手からお札を抜こうとした。

手をギュっと握ってお札を放さなかった。

オジサンはそれでも怒ったように何か言いながら、お札を奪い取ろうとした。

とんでもなくイライラしたオーラをだし、遅い!この能無しが!この札だろが!的な雰囲気だった。

何度か抵抗したが、ベトナム語でまくし立てられ、そのイライラして急かしたオーラとで

頭が回らなくなり、お札を引き抜かせてしまった。

10万ドン札だった。

オジサンは更にイライラしたオーラを出し、2万2千ドンのお釣りを投げ渡し、

手を上下に振って、向こうに行け!といった感じのベトナム語で何か怒鳴った。

私はお菓子を返し、お金を返してもらいたかった。

せめてもう少しお釣りが欲しかった。

その場で、今のやり取りが本当に間違っているか、日本円にすると幾ら払った事になるのか

頭で計算していると、ベトナム人がワーワー言いながらドンドンやってきて、

オジサンと私の距離を離した。

ヤラレタ・・・と思った。

原価にすると1円ほどのものに、450円も出してしまった計算になる。

さっき高級カフェで飲んだカフェオレは200円くらいだというのに!!

ボラレた金額が問題じゃない。

腹が立って仕方が無いのは、人をバカにしテンパらせお金を奪い取った事だった。

考える時間を与えず、バカにしたそのオーラと雰囲気は、今思い出しても腸が煮えくり返りそうだ。


とにかく気分が悪かった。

自分が本当にバカに思えた。


とりあえずタクシーに乗ってホテルに戻った。

誰とも話したくなかったし、会いたくなかった。

日本語で怒りをぶちまけたい気分だった。


部屋に戻ると15時だった。

TVをつけると、アッシャーが歌っていた。

シャワーを浴びて、ビールを飲みながら、アッシャーやショーンポールのPVをボーッと

眺めていたら、知らないうちに眠ってしまった。


起きると18時過ぎだった。

気分は相変わらず最悪で、一歩も外に出たくなかった。

寝てる間にスコールが降ったらしく、蒸し暑かった。

このまま寝てしまえば、夢になるかも・・とすら思った。

ボーっとTVを眺めていたら、お腹が空いてきた。

ビールをあけてチビチビ飲みながら、地図を広げ考えた。

これ以上精神的にダメージを受けると、本当にこの国を嫌いになってしまう。

優しいミッションを自分に与えて、成功させる事で満足しよう。

このままだと部屋に引きこもったまま帰りの日を迎えそうだった。



服を着てお金を持ち、意を決して外に出た。

タクシーに乗り、ニューワールドホテルと言った。

軽く口笛を吹かれ「ニューワルドホテル・・・ハッ」と言われたが、気にしなかった。

ホテルに着くと、お金を払い歩いた。

10分ほど歩くと、目的の緑の看板が見えた。

RAP&ROLL。

る○ぶに載っている、春巻き専門店だ。

正直こういった場所には来たくなかったが、今は癒される必要がある。

店の前の看板を見ると日本語で書かれていた。

何か無性に悲しかったが「これでいい」と自分に言い聞かせた。

ビールはタイガーを、春巻きはオーソドックスなものと、平たいプルプルした物と二つ頼んだ。



店はとても綺麗で、値段もそれなりに高く、店員は必要以上にたくさんいて、

不気味なほど作った笑顔だった。

春巻きは不味くはなかったが、ハーブは調理されてから時間が経ったもので、

茎の先の色が変色していた。

盛り付けや店の雰囲気、インテリヤなどにお金をかけてるが、食材の質は良くないと感じた。

のんびり食べていると、皿が空いたとたん間髪入れずにお皿を下げ、メニューを持ってきた。

デザートはどうか?と聞く。

こうすれば売り上げが上がるって教育を受けてるのだろう。

反骨心から頼みたくなかったが、チェーを飲んでみたかったので頼んだ。

栗をタピオカで包んだチェーを頼んだ。本当に美味しかった。

請求された金額も妥当だった。


お金を払い、店の外に出て、また歩いた。

15分くらい歩いたら、目的の看板が見えた。

ツアーラウンジだ。

中に入りサイゴン川のディナークルーズが幾らか聞いた。

30$だった。

行って帰ってご飯食べるだけで、30$は高すぎる・・・

ベトナム訛りの日本語を話す男性スタッフも気持ち悪い作り笑顔だった。

迷いながら色々話をした。


「もっと安いプランはありませんか?」

「ホテルまで送り迎えはついていますか?」

「他にどんなツアーがありますか?」


聞き取りやすい日本語でゆっくりはっきり質問した。

所々かなり変だけど、本当に上手い日本語だった。


「日本語はどれくらい勉強されてるのですか?」と質問すると、

「僕は日本人です」と返ってきた。


浅黒く日に焼けたその姿は紛れも無くベトナム人にみえた。

思わず笑ってしまって、丁寧に謝り、何年住んでいるのか聞いたら2年半と答えた。

それでもベトナム語は話せないと言ったので、驚いた。

ベンタン市場で怖い思いをした事も話した。

お菓子屋さんでボラレた事も話した。

スタッフはさして問題ではない風で、そんなもんですよ言った。

タクシーの運転手に英語が通じないのは当たり前で、

地図をよめないから見せても一緒だと言われた。

通りの名前で場所を覚えていて、地図は頭の中にあるらしい。

次からは地図に書いてある、通りの名前を紙に書いて見せようと思った。


結局ツアーを申し込んだ。

お金は当日払いにした。明日の晩はディナークルーズだ!


ラウンジから出ると、国営百貨店まで歩き、色んな種類のビールと水を買ってホテルに帰った。

もう1ヶ月くらい滞在している気分になった。



翌朝も気分が重かった。

朝御飯を食べて、身支度をしても、気分が乗らず外に出て行きたくなかった。

昨日買った地図を眺めていると、丸の中にCと書かれた記号がある事に気が付いた。

CHO!市場のマークだ♪

ベンタン以外の市場に行きたくなった。

昨日見た小さな市場もCのマークが書いてあった。

二番目に大きいビンタイ市場までは歩ける距離ではなかった。

距離的には3・4時間歩けば着いただろうが、関西並みのスピードで歩かなければ着かないだろう。

ベトナムでは早く歩いてる人がいない。

ゆっくりゆっくり歩かなければ、周りから浮いてしまうし、事故に遭いやすく危険が増す。

それに何より暑いのだ。

ビンタイの半分の距離で行ける、アンドン市場に行く事にした。


昨日の教訓から、今日はサングラスをかける事にした。

相手から私の目が見えなければ、どこを見ているか分からず、酷い呼び込みにあわないだろうと思った。

外は紫外線が酷かったので、サングラスは目に優しかった。

サングラスをしていても「視線」は変わらなかったが、声をかけられる事は減った。

しかしその代わりに、事故に遭いそうになった。

知らずのうちにやっていた、アイコンタクトが出来なくなったのだ。

現地の人がほとんどサングラスをかけない理由が分かった気がした。


2・3時間歩くとそろそろ着いてもよさそうなのに、アンドン市場を見つけられない。

どうやら道を間違えたみたいで、現在地も不明だった。

どうせ迷ったのなら、とことん迷おう♪と思い、フラフラと彷徨い歩いた。

どんどんどんどん歩いていくと、中国語を話す人が増えてきた事に気が付いた。


歩いていると市場に迷い込んだ。



地図にも載っていない市場だった。

ベンタン市場と違って、路上に品物を置き売っているこの市場はもの凄い活気だった。

皆の顔が生き生きしていて、野菜は新鮮でみずみずしく、魚は跳ねている。

言葉なんて全く分からないが、皆が元気に生きている感じで正に「市場」だった。

しかし自分は「外人」で歩いているだけで違和感を感じた。

それまでニコニコ声を出していたおばさんも、不思議な顔で私達をみた。

これほど会話をしたいと思った事はなかった。

「Hi♪今日は何がお勧めなんだい?」

「これはどうやって食べるのがBestかなぁ?」

・・・言葉が通じないって孤独。


活気付いた市場の写真も撮れなかった。

いい感じに日に焼けたお婆さんが、めっちゃ笑顔で香草売ってる「画」なんて最高の一枚なのに!!

より現地の人に近い位置に自分を置きたかった。

悪く言えば、デジカメをバックから出す勇気がなかった。


市場を彷徨い現在地もいい加減失ってるので、休憩がてらカフェに入った。

丁度小さな道の交差点にあって、通りの名前が看板に出てるので、現在地を探しやすい。

カフェダー(ベトナム風アイスコーヒー)を頼んだ。

英語は通じなかった。




ここらへんでは高級なカフェな感じだった。

ハイランドコーヒーでアイスコーヒーを頼んでも、カップから出てこなかったからだ。

ベトナムコーヒーはアルミのフィルターで豆を越す。

フィルターの中に豆を入れ、中の落とし蓋でギュウギュウに豆を詰め、

熱いお湯を入れて、珈琲が落ちるのを待つ。

豆の量からすると、アメリカンの倍近い量を一杯で入れる。

濃いはずだ。

ここのカフェはフィルターとカップごと出てきた。

珈琲が落ちるのを待つ間に、グラスの氷は大分解けていた。

熱い珈琲をグラスに注ぐと、更に氷が解けた。

氷は危険だ。

どの旅行ガイドにも氷は抜きがいいとうたっている。

一番安全なのは、長細い形で中が空洞の物。

ここのは四角で少し凹んだくらいの氷だった。

当たるなら当たれ!と思い、珈琲を飲んだ。

凄く美味しかった。

お昼ご飯を食べてる女の子にオジサンが、シンチャオと挨拶すると、ニーハオと答えていた。

この全く別の世界でカフェに入ってアイスコーヒーを頼めたのは大きな進歩だと思った。

小一時間くらいのんびりしながら、休憩した。

地図を広げ、現在地も把握した。

アンドン市場のだいぶん南にいた。

歩いてアンドンまで行く事にした。



アンドン市場まであと200mほどであろうか、という時に目の前にCoopMartが見えた。

時間は13時を過ぎていて外はとても暑く、涼んでから市場に行こうと決めた。

ここは貴金属と下着が豊富に置いてあった。

呼び込みをするお姉さんも全くおらず、ゴチャゴチャした卸屋さんって感じ。

ゆっくり物色していると、ベトナム語で話しかけられた。

「それカワイイですよね~」

「色違いもありますよ~」

「サイズはあいますか?」

といった感じのベトナム語だったと思う。実際には何て言ってるのか分からないけど(笑

凄く優しい感じで、普通の店員さんが多かった。

私は話しかけられた事を推測して、日本語で答えた。

初め英語で話していたが、全く通じないので日本語でも同じだと思ったからだ。

ベトナム語で聞かれ、日本語で答えると、大抵の店員は驚いた顔をして、

それから話しかけてこなくなった。

でも笑顔で物色し続け、似合う?と聞いてみたりしたw


1時間半ほどこんな事を繰り返していたら、日本語を話したり、笑顔で買い物をする事にだいぶん慣れた。

洋服と下着は買いたかったが、デザインが微妙なのと、何より高かった。

日本で買うセール品とさして値が変わらない。

デパートなので当たり前なのだか、やはり買う気にならなかった。


1階と2階で十分ヒヤカシた後、食品売り場へ行って、ドラゴンフルーツとマンゴーを買い、

おやつになりそうなゼリーと水、ビールを買って、タクシーに乗って帰った。

今日はいい日になりそうだった。

特別気分を悪くする事もなく、全て順調に行ってるような気がした。

そういう時はあまり欲張らず、予定通りに動いた方が上手く行くので、

すぐそこがアンドン市場と分かっていたけれど、ホテルに帰る事にした。


部屋に戻ると、シャワーを浴び、キンキンに冷えたビールと、買ってきたフルーツを食べた。

ねっとりと熟したマンゴーを食べていたら、西表島に住んでる時の事を思い出し可笑しくなった。


一眠りしたら、ディナークルーズの時間だ♪

ベットに横になってビールを飲みながら、ボーッとテレビを見ていたら、

今まで起きた事がドンドン頭の中を流れてきて、色々考えてるうちに時間がきてしまった。


  ・
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とりあえずここで一旦、前編終了いたします。

ここまで読んで頂いた方、ありがとうございましたm(_ _)m

後編はダイジェスト版でお送りしたいと思っておりますm(_ _)m



Posted at 2009/06/08 20:00:48 | コメント(18) | トラックバック(0) | 旅話 | 日記
2009年05月30日 イイね!

伯父さんに会いに・・・

画像をUP出来ないので、どうしようか迷いましたが、

今日ようやくPCの使用がFreeだと分かったので、

嬉しくて簡単なUPを試みる事にしました♪


まだ途中なので、ホー叔父さんの街がどうなのか、感想は言わない事にしますが、

3日過ごしただけなのに、エネルギーの消費が凄いです。。。



初日。 機内のスパークリングワインでテンション上がりまくり、

    ホテル到着早々、街に繰り出し、ミッションの遂行に成功する。

2日目。 調子に乗って、朝から市場に行き、5万DVNボラれ(奪い取られ)

    精神的にダメージを受ける。

    帰りのタクシーで事故に遭い(バイクが突っ込んで来た)

    衝撃映像を目にする。


本日。 観光客のいない地区を彷徨い歩き、本物の市場を目にする。




現地はとても怖く、攻撃的で馴染めません。

未だ食べ物以外何一つ買えてません。


明日のミッションは服を買う事!!

もう着る服がないからね(笑    




青nurさん・・・へたれな私は3日目にしてようやく慣れてきました!

ここでへこたれる私ではありませんので、乞うご期待!





調子乗って、毎日UPしようかな♪(笑


とりあえず、今の所元気です!



ベトナムはホーチミンより、フランソアの報告でした☆



Posted at 2009/05/31 00:31:19 | コメント(9) | トラックバック(0) | 旅話 | 日記
2007年07月29日 イイね!

北の旅話~十勝24時間編~その2

最近、物を書く事が多く、みんカラのブログがUP出来てない状態です><。
一日に一個書くと、容量が一杯になるみたいで、言葉が出てきません。
改めてキャパの低さ認識ですね☆
実は整備手帳にUP出来るものもあり、ポチっとした物の取り付け話とか・・・
とにかく先に進めねば!

ってわけで、今回はさら~っと流します☆



十勝24時間、2日目は本戦スタートの日。 天候、霧雨。 気温、16度。 カイロ2つ装着。

霧雨なのですが、これが厄介で、傘をさすまでもない。

けど、30分外にいると、体温は失われ、服は濡れる状態。

なので、パドッグ裏で待機中のこの子を発見↓


もちろんこの子もいました♪ ↓




やっぱり持ってるパスはどこまでOKか分からないのですが、

ピットウォークは大丈夫だろうと行ってきました♪

レースクイーンさんの画像共にフォトギャラリーにUPしましたので、興味ある方はどうぞ☆

そして、偶然この方を発見!!!思わず写真と握手をお願いしてしまいました(・ω・;A)アセアセ…




とても厚くしっかりとした手に感動です “o(><)o”


そしてスタート。私はスタートを写真に収めたく、メインスタンドに移動してたわけですが

・・・車がスタートラインについて、止まり、人が一杯コースに入っていく・・・

なんで~~゜゜(>ヘ<)゜ ゜ 今から思うと、私もあそこに入れたのにーーー(_ _。)・・・シュン

この頃になると、自分が持ってるパスの効力は無視ですね(号泣)

自分の無知さと、自分で購入しとけば、こんな感情を味わわなくて良かったのに・・・

と、半ば後悔・・・il||li л○ il||li

口惜しいので写真だけ撮りました(・_・)v


そしてスタートしたわけですが、最初は動画で撮影して、スタートは写真で♪

と思っていた私に、更なる追い討ちが!!!

なんと、ローリングスタートだったのです・・・il||li л○ il||li

ん~どこまでも、後手後手。。。


気を取り直して、ピットの撮影に♪

レース中のピット作業なんて、そうそう見られるものじゃないので、ワクワクでした♪

動画をUPする術が分かれば、UP出来るのですが、分からないので画像で☆


こんなの↑や、こんなの↓を階下で拝見♪




一番、驚いたのは、給油とタイヤ交換を同時に行わない事と、

F1の様に、ジャッキで車体を上げるのかと思っていたら、

ボタン一つで車体が上がってしまった事。

これはビックリ! (。☉_☉)



そして、夜のレースを楽しむべく、コースの周りを歩いて回る頃には、

足元は草梅雨で濡れ、体温は下がり、自販機のHOTは売り切れ状態でした。





富良野にいる友人から電話をもらい「こっちは今日カンカン照りやで~」なんて聞いたら、

雨女の切なさはMAXです><。

そして決心!・・・富良野に行こう♪・・・

今晩、ここで寝ても寒いだけ。天気だった富良野なら夜でも暖かいはず・・・


自分で買ったら1万円は超えるだろうチケットを手にして、

結構楽しみにしてたレースを観戦してるのに



私は、富良野に行きました。



翌日は運良く晴れたわけですが、十勝も晴れてたみたいですね(・ω・;A)アセアセ…

でもお陰で友人に会う事が出来ましたヽ(*^▽^)ノ

お仕事中だったので、15分くらいでお別れしましたが☆









コレで終わりかーーい!!って声が聞こえそうですが、これで終わりです。。。
サラっとし過ぎたかな?・・・落ちが無くてすみません・・・


その後富良野に着いたわけですが、案の定暖かく、カイロなんてもんは必要なかったです。
さすが内陸ですね♪
その後のお話は気が向いたらって事で☆
今回で「北の旅話シリーズ」は一旦終了させて頂きます。

読んで下さってありがとうございました☆







Posted at 2007/07/29 23:27:48 | コメント(7) | トラックバック(0) | 旅話 | 日記

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「@紫エッセ お疲れ様でした♪楽しい時間をありがとうございました☆またお会いしましょ♪笑」
何シテル?   11/16 20:32
20歳の時にヤマハSR125で宗谷岬を目指し、 一人旅に出て以来流れ者になりました。 値段・維持費・燃費の良さに惹かれ、 06年秋にダイハツ・エッセE...
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