2017年01月19日
ポルシェ993のコックピット
ご存知のとおり、初代の911から993まではダッシュボードの計器は似たレイアウトをとっており、5連メーターの雰囲気を引き継いでいる。水冷化された996からはダッシュボードのデザインも変わり、よく言えばモダンに、悪く言えば普通の車のようになった。
993のダッシュボードは、同年代の車に比べてもちょっと古い感じがしていただんけど、車のことをあまり知らない人に言わせると「飛行機みたい」だそうで、そういわれるとなんかいい気分。
さて、このダッシュボードの、細かなところだけどよくできているなと感じたところを。
ウィンカーの音が小さい:「カッチンカッチン」鳴りはするが、音が小さいので気が散らない
ライトの状態を示すインジケータ:普通の国産車だと、ポジションランプ/ヘッドライトが点いている状態でインジケータが点灯するんだけど、993はちょっと違う。ポジションランプ点灯時にインジケータが点灯、ライトを点けるとインジケータが消える。これ実はかなり合理的だと思う。国産車だと、いまヘッドライトがついているのかいないのかをダッシュボードからはわかりにくい。なのでヘッドライトを消したまま走ってしまっていて、あ! となったりする。しかし993の場合、インジケータが点いているということはヘッドライトは点いていないわけで、このまま走るのは問題があるとすぐ分かるわけだ。
ランプを全部けすボタン:ライトのインジケータが象徴的なんだけど、要は何かインジケータが点いていれば、そのまま走るのは問題あるよ、という設計になっているようだ。例えば、サイドブレーキが引かれているとか、ブレーキのパッドが減っているとか、ヘッドライトが点いていないとか。燃料が切れそうになると同じようにインジケータが点灯する。ところが、何か光っていると問題あり、というのに慣れてくると、燃料が少ないというだけで赤く光るインジケータがちょっと目障りだったりする。そう思うユーザーが多いためか、この警告ランプを消すボタンというのがセンターコンソールにあって、主には燃料切れのインジケータ点灯を消すのに使っている。
アナログの時計:いちおうどんな車でもたいていは時計がついていると思うんだけど、意外とデジタル表示だったりバックライトなしで夜はほとんど見えなかったり、外気温と切り替え式だったり、と計器の1つとしてちゃんと扱われていない感じがするのが時計。でも、スマホ全盛で腕時計もしないこのご時世、実は時計のニーズって意外にあるんじゃないかと思う。そしてデジタル表示よりもやっぱりアナログ表示なのである。意外にこれが気に入っている。
物理ボタン&1ボタン1機能の原則:一時期、液晶パネルが流行って車にも搭載されるようになったころ、液晶表示を見ないと空調もまともに操作できない車があって辟易したことがある。そこを見なくても手触りだけで操作できることは、車のユーザーインタフェースとしては必須だと思うんだけど、この点、どんどん退化していっている気がしてならない。が、年代的にも思想的にも993はここはしっかりしていて、運転席から手をのばすだけで、姿勢を替えずに空調やオーディオを操作できるようになっている。ポイントは用途ごとに場所を分けてスイッチが設置されており、手触りで分かること。それから1ボタン1機能の原則が守られていることだ。これは電子制御バリバリの991などにも引き継がれているようで、1つのボタンには1つの機能しか割り当てられていないという(991についてはすべて確認したわけじゃないです。。)。例えば、あるボタンを押すと何かの切り替えモードに入って、その上で別のボタンを押すとモード内の設定が切り替える……こういうユーザーインタフェースは避けられている。
1つイマイチだなぁと思うのは、センターコンソールのスイッチ。
上段に、左からハザード、リアウイング制御、アラートインジケータを止める と並んでいるんだけど、ちょっとハザードが探しにくくて押しにくい。ここばっかりは、押し込みトグル型の国産車みたいなほうが便利なんだけどな、と思う。ドイツでは走行中にハザードを押すこと(サンキューハザード)は、交通マナーとして存在していないのかな? まぁ1997年当時はほかの車のハザードも押しにくかったような気もします。
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2017/01/19 21:42:10
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