
阿蘇零戦水滸伝 第二巻
前巻までのあらすじ・・・
関西からゼロ戦2機が夕闇に紛れ発進
途中幾多の難関を潜り抜け
熊本のホテルまで到達した。
朝6時半起床・・・
ここがどこか一瞬判らない。
長距離飛行で体が疲れているのか
深い眠りであった・・・
就寝前に荷物はまとめていたので
顔を洗うだけ・・・
10分で用意ができた。
そしてドアをノックする音・・・「コンコン・・・」
「乙かれ!さん、、、起きてますか?」
ドアを開けると・・・よっちゃんの舎弟メカニック
煙管服を着て手に黄色いスーパーの買い物カゴを提げている。
乙は、まだ寝ぼけた頭で考えた。
スーパーでの買い物の帰りか?・・・
しかしスーパーのカゴは彼の旅行用バックであった。
中には風呂道具・着替え・貴重品などが入っていた。
ここはそれなりに感じの良いビジネスホテル
一般客(素人・まっとうな勤め人)もたくさんいる。
深夜に爆音(130デシベル)を轟かせ・・
艶消しの怪しいシャコタンに乗った・・
坊主頭に黒い煙管服を着た若い男
手にはスーパーのカゴを提げている。
よくチェックインできたと・・・
胸を撫で下ろしたことは言うまでも無い。
そう言えば・・・以前乙は名古屋のホテル(ヒルトン)で
めんどーだったので着替えを詰めた、黒いゴミ袋を提げ
泊まったことがある(^^v
もちろん・・・部屋までベルが付いてきて
室内・館内の説明まで丁寧に受けたような記憶がある。
すぐ朝食の準備された食堂に向かう旨伝え・・・
小さなリュックを肩に掛けた・・・
朝食を済ませ現地で待ち合わせの龍搭乗員に無電・・・
乙:「もしもし・・・・あと1時間で到着します。」
龍:「自分は到着してピットに居ますから・・・・」
早い・・・もうピットに居る 走行2時間前には到着しているとは・・・
彼の気合が感じられた。
阿蘇基地到着
即、準備・・・15分で完了
発動機始動暖気・・・
ここから乙の記憶が曖昧・・・・・(本当に前後関係が思い出せない)
1日・・・1回目走行
3機並んで滑走路から離陸
今回ラジアルを用意した来た「よっちゃん」は最初熱が入らず操縦性が怪しい・・
よっちゃんがウィンカーを出し・・乙が追い越す。
そのあとを龍搭乗員が追走
ちなみに、今回よっちゃんが用意してきたタイヤは
前後で6000円の予算を豆乳したド中古品
前235-17 RE01(誕生日・本籍不明)
後255-17 AD07(出身地・性別不明)
業者から購入してきたらしいが、その先の仕入先はかなり怪しい・・・
タイヤを見た雰囲気としては、サーキットの「タイヤバリア」を
カッパラッテ・・来た感が否めない。
(RYU氏のコメントの寄ると・・・タイヤの色が黒くなく何か白っぽい・・らしい)
メインストレートを抜け・・1コーナーへ飛び込む
100Rを結構暴れて立ち上がった記憶はあるが・・・
ジェットコースターを走行中、後方に黒い影・・・ハケーン!
僚機の龍2000である。
JET終わりの高速右コーナー(峠の親父コーナー)を派手に流れながら通過
それからスピードを殺さずリズムに乗って右左と登って行く訳であるが・・・
とりあえず・・・次の右をアクセルオフで何とか曲げて・・アクセル入れて大きなS字を作りながら高速左コーナーに備えた・・・
左コーナーに突撃した乙2000・・・急に挙動が怪しく・・・と言うかコントロール不能になった。(後で分かったが龍2000から発射された20mm機関砲が乙2000の尾翼に命中)
そのまま何とか耐えてアクセルを合せてコース上に留まったが・・・
次の右コーナー進入姿勢を作る時間と距離がない。
もう間に合わない・・・・3速に落とす時間ないし・・・
堪えきれず・・・・具ラベルに突入・・・・
乙かれ!・・・・思わず昇天・・・・(^^;
具ラベルは途中深くなっているが、フェンスの近くまで行くと硬くなっている。
3速に落として空転させないよう・・
耕運機のように前に進む・・・
そうするとグリーンが出てきた。
陸橋下から最終コーナー手前までグリーンを走り、、砂利を落とす。
そのままピットイン・・・・
「龍搭乗員め・・・・いきなり20mmをぶっ放すとは・・・やつも腕を上げたなぁ(微笑)」
ニヒルで不適な笑いを浮かべる乙に、整備員が声を掛ける・・・・
整:「大丈夫ですか?」
乙:「ゴラァ~ 次の周・・黒いのが来たら合図せんかい!・・・」
模擬演習とはいえ・・・同型ゼロ戦に撃墜されたのは
乙搭乗員は初体験である。
今度は乙が反撃する番である。
ゼロ戦11型乙2000(軽量型・高回転)の旋回性能を生かし
必ずゼロ戦52型龍2000(重装甲・トルク型)の
後方1メートルから20mmの連射を浴びせてやるぞ・・・・( ̄‥ ̄;)
滑走路で十分助走し・・・出口で一気に加速する・・・
各部をチャックしながら黒い52型が来るまでスロー走行に徹する。
スロー走行中、乙は頭の中を整理した。。。
ここで皆様に11型初期型と52型最終型の性能比較を簡単に説明してみようと思う。
■ 海軍零式艦上戦闘機(11型)・・AP1-100系
主要装備 20ミリ機関砲x2 7.7ミリ機関銃x2
重量約1240キログラム
備考 各部の軽量化のため。装備は最小限に留める。
操縦性は乗り手を選ぶ神経質なところがあるが
熟練搭乗員の技量によってはバツグンの戦闘能力を有す。
大戦末期まで愚ラマン搭乗員の恐怖の象徴であった事は言うまでも無い。
■ 海軍零式艦上戦闘機(52型)・・AP2-TYPE-S
主要装備 20ミリ機関砲x2 13ミリ機関銃x2 7.7ミリ機関銃x2
重量約1270キログラム
備考 11型の弱点・・中速トルクの不足を補い 各部機体の剛性を高めた。
発動機の最高出力は11型に比べ若干劣るが実用回転域では11型に比べ有利である。
また重量増加に伴い対策として 前後に最新式の空力を考慮した「空戦フラップ」を
備え加速力・高速域での旋回性能は11型に比べ向上している。
作戦その1(直線逃げ切り作戦)
11型 VS 52型 =52型のカチ
作戦その2(コーナーがんばり作戦)
11型 VS 52型 =52型のカチ
作戦その3(後ろからパッシングしてビビラシ作戦)
11型 VS 52型 =52型のカチ
作戦その4(後方の52型に向け・・ウィンドウォッシャー発射)
ワイパーで拭かれたら・・52型のカチ・・・(^^;
「駄目だ・・・まともな方法では52型に11型は負けてしまう!」
ここで阿蘇基地(オートポリス)の特性を考えないといけない。
オートポリスは国内で一番の高低差のあるコース・・・
そのレイアウトは一気に下って・・・ジワジワ登る。
ジワジワ上るコーナーはスピードを殺すと致命傷だ!
一気にトルクの谷間に落ちて・・・速力を落とす。
(11型の得意とする突っ込み&旋回能力を生かしきれない)
この区間は52型優勢である。
アップダウンのあるコースは52型優勢で
平坦なコースは11型が有利だと思う。
乙は登り区間を52型に付いていくだけにして
勝負は3コーナーと決めた。
乙2000には水平尾翼が装備されておらず
直線が速いのは前回の第三次阿蘇遠征で実証されている。
また11型は52型に比べると平坦な中速コーナーが得意である。
11型はコーナーとコーナーの間できっちり9000回転まわせると
52型に引けを取らないことは・・・・・言うまでも無い(^^v
最終コーナーまで5馬身以内につければ・・・
最終コーナーを根性で踏み切り
立ち上がりでスリップ圏内に入ることが出来る。
ここで焦らず・・強いて1コーナーでは勝負を掛けない・・・
もちろん52型の右ミラーに11型機体を写すようにするが
相手のミスを誘う作戦である。
10年落ちの乙2000が自暴自棄になり神風と化したと見せかけ
恐怖のあまり1コーナーを上手く立ち上がれない52型RYU搭乗員は
2コーナーまでの車速が乗らず・・・・
3コーナー進入で乙2000に黒龍2000は好き放題陵辱される手はずである・・・・
ヾ(  ̄▽)ゞオホホホホホ
上が乙の考えた完璧な作戦だったのだ!
52型が後方から来た・・・
白い乙2000をクラッシュパットの様に偽装させて52型が通り過ぎるのを
待ち構える・・・・
通りすぎた瞬間・・・
加速させ戦闘モード全開乙2000・・・・
ブレーキ我慢比べで3コーナーに突入。。。
52型の尾翼が目の前に迫る。
右左と機体をローリングさせ、、乙2000の照準を外す52型
付いていける・・・
ヘアピンを立ち上がり100R・・・ちょっと離れる・・・
そのままジワジワ離されて・・・コントロールタワー地点では100mくらいある。
ここからでは20mm機関砲の射程外である。
ぜんぜん付いて行けない・・・・
乙2000完敗・・・(号泣
黒龍2000のベストタイムは11秒台?
乙2000は14秒フラットが限界であった。
よっちゃんにタイムを尋ねると・・・・
元気に・・・「25秒」と明るく答えてきた。
ここまで思い出せたが・・・・
その後、作戦に参加した機体が続々着陸
傷ついた機体の修復作業・・・お昼ご飯・・・語り・・・その他もろもろ・・・
乙2000の調子は出ないが、午後からも出撃
クリアーで14秒前半は出るが
コーナー進入>途中>出口が操縦性不安定。。。
前回のときと全く感覚が違う。
思い切って突入できない・・・・と言うか恐怖のあまり逝けない(涙
翌日確認して分かったが、原因はバンプラバーにあたっていた。
シャコタンやり過ぎ注意である。
以前の記憶で・・・バンプ側が余裕があると思っていた乙は
ガレージにリバンプを伸ばすように調整してもらった結果・・
バンプが足らなくなった・・・・(失敗
比較的大きなRのコーナーに勢いよく飛び込むと
フルロール時に「えらい事になる」・・・・
それと前回阿蘇遠征時に借りたエレガント1号(4.4ファイナル)と
変速タイミングが違う・・・
エレガント号はメインストレート6速まで入ったのに・・
ジェットコースターも完全5速
そのあと4速で陸橋手前を3速で上り最終手前の左コーナーは4速
最終も完全4速だったのに・・・・
今回の乙2000(4.4ファイナル換装)とは全く違うのである。
同じはずなのに違うと・・・何か不安になる・・・
もしかしたら・・・・乙2000に間違えて4.1を組んだのか?????
大阪基地に電話しそうになった。
(手遅れであるが最終日の夜理由が判明した。エレガント号は1次減速も変えていた・・・)
僚機の修復作業が先で乙2000のことは・・忘れて
タイヤが悪くなったのかなぁ~~~~
エンジン回らんようになったのかなぁ~~~
で本日終了。
乙2000の一日目の走行はバタバタして終わった。
片付けを済ませて・・・オープンドライブで観光気分
阿蘇スカイライン経由で宿へ向う・・・
ひなびた温泉地のひなびた宿
温泉で疲れを癒し
食事・・・2日目から参加のGPZ搭乗員も到着して
わいわいガヤガヤ・・・雑談。。。
明日に備え・・・
GPZ搭乗員とRYU搭乗員はまじめに話をしている。
ショックの話だったと思う。
2人があまりにも熱く語るので・・・・
乙とよっちゃんは話について逝けない。
乙は整備や部品のことは人任せなので・・・・
あまり良く分からない。(聞きかじりの知識しかない)
そしてストロークを無視してでもシャコタンに拘る乙は話しに参加できない(^^;
よっちゃんもポカーンとした顔をしている。
よっちゃん曰く・・・「高いショック買う金あったら・・酒飲みます」
よっちゃんが無理やり話の方向を変えに行く・・・・
よ:「RYUさんは・・イケメンやから、、、セックス下手でしょ?」
「イケメンは苦労せんでも女よってくるからね・・・!」
いきなり・・かまし作戦にでた。
R:「え“っ・・・・・」(半分無視)
それでも執拗に食い下がる「よっちゃん」
よ:「僕なんか・・・ブオトコやから。。めちゃ研究してますよ♪」
「マジでAV男優なれますよ・・・汁男優やけど・・・自信あります」
その言葉に即反応するGPZ搭乗員
G:「俺も腰と右手は・・・・V-TEC内蔵!」
注:よっちゃんの言う汁男優とは・・・乙も初めて聞く名称なので
説明をしてみようと思う。
主役級男優ではなく・・・
興味本位で応募してきた性欲旺盛な素人即席男優のことを言うらしい・・・
(もちろんギャラは交通費程度・・)
もちろんそのような素人男優に大事な女優さんと絡ませる訳にもいかず・・・
撮影現場に期待を膨らませ到着すると・・
主相手は牛・豚・ならまだしも
トサカの付いたオス鶏がセーラー服を着ている
こともあるらしいのである。
愚痴や悪口では無く
男ばかりの酒席でのHな話は話も弾み
誰も傷つかず良いのである。
そのまま、よっちゃんは無理くそ喋り捲り・・・
適当に酔いと疲れが頂点に達したとこで寝てしまった。
それからRYU・GPZ・乙だけになったが・・・
結構車の改造とか走り方とか。。。語っていた。
今日走っていなかったGPZ搭乗員はどうしてもしゃべり足りないようだ・・
GPZ搭乗員は部屋の電気を消してもまだ語っているが・・・・
(このままなら朝まで語りそうな感じ・・・)
RYU搭乗員から事前に聞いていたので
乙とRYU搭乗員は睡眠導入剤を寝る前に服用し・・・・
焼酎を水代わりにあおった・・・・
そして布団に入った瞬間・・・・・・
意識がなくなった。。。