雪道でドリフトを維持するためのアクセルワークについて、ドリフトを分かっている人ほど陥りやすい
落とし穴が1つありますので、それを解説したいと思います。
舗装道路でドリフトを維持する場合によくやる方法で、滑り始めた後に維持するために「親指の力を抜く」というのがあり、よく使われていると思います。確かに舗装道路ではそれでいいのですが、雪道でそれをやっても上手くいきません。通常、雪道を走る場合、僅かにアクセルを踏んだだけでタイヤは簡単に滑ってくれてやり易いのですが、そこから滑りを維持するためにアクセルを戻そうとして親指の力を抜いても普通アクセルは
戻らないのです。
なぜかと言うと、余程スピードを出すためにアクセルを踏み込んでいる状態でない限り、僅かにアクセルを踏んでいる時の右足は足が下がらないように力を入れて持ち上げている状態だからです。
これはどういう事なのかと言いますと、みなさんの中にも試した人がいるかもしれませんが、運転中にアクセルを踏んでいる右足の力を完全に抜いた状態にするとアクセルは思っているよりも踏み込まれてスピードが出るものです。これは足の重みによりアクセルが踏み込まれるためです。車種により違いはあるでしょうが、車によっては速度が70~80km位になることもあるのではないでしょうか。通常、雪道でドリフトする場合はこれよりも低速になる場合が多いでしょうから、アクセルは僅かしか踏み込まれておらず、その時のアクセルは足の重みだけで踏まれている状態よりも上がっている(戻っている)状態、つまり「足が下がらないように力を入れて持ち上げている状態」なのです。
よって、足が下がらないように力を入れて持ち上げている状態から力を抜いてもアクセルが戻ることは力学的に100%あり得ません。
これが落とし穴なのです。
では、どのように操作すれば良いのかと言いますと、滑り始めた時の右足は足が下がらないように力を入れて持ち上げている状態であり、そこからアクセルを戻さないといけないわけですから、さらに力を入れて足を持ち上げるという操作になります。決して足の力を抜く操作ではないのです。これが正しい操作になります。
下にアクセルワークの範囲についてイメージ図を添付しましたので理解するための参考にしてみて下さい。ちなみに、「足の力を完全に抜いた時の位置」と「力を入れて足を持ち上げる範囲」の開始位置は、経験上では少しヒステリシスがあると思いますので、少しだけズラして書いてあります(ただし、ここはあまり気にしないで下さい)。
もし試される場合は、まず右足の力を完全に抜いた時にアクセルがどの位置になるかを確認することから始めるといいでしょう。この右足の力を完全に抜いた時の位置こそが全ての基準であり肝になるわけですから。ただし、安全には十分に注意して下さい。
ちなみに、この操作は雪道における交差点での発進などの通常走行で滑った場合にも使えて非常に便利です。
[追記]
上図の「力を入れて足を持ち上げる範囲」と「親指の力だけを抜く範囲」の中間にあたる範囲については、通常ここはあまり使われない範囲なのですが、ついでに操作方法を解説しますと、ここは「親指の付け根の力を抜く範囲」になります。アクセルの戻る力が弱い範囲のため、付け根の力を抜いてやる操作の方がスムーズにアクセルが戻ります。
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全て自己責任により行って下さい。
Posted at 2017/12/30 20:23:40 | |
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