空の家族。

いつもの場所から、いつもの空に


「おはよう」のあいさつをする


カメラの向こう、いつもと同じ空を切り取る


いつもと同じ、写真





でも


その日によって空は


色も匂いも思いも違う





「おはよう」


「春一番がそこまできているよ」


その日によって、返ってくる言葉も違う





毎日同じようでいて


二度と同じ空は見られない


同じような毎日だけど


同じ日は、二度とないのとちょっと似ている































「毎日、いつも」と、「二度と」、は


背中合わせの双子の言葉





日が昇れば影ができるように


いつもの毎日の中に、当たり前に違う毎日があって


どれもみんな、背中合わせの双子たち














































もうすぐ春かな


春と背中合わせの双子は、やっぱり冬なんだろうか


春にとって秋は、歳の離れた姉みたいなものかな


夏は、やんちゃな弟かもしれない


季節にもきっと、兄弟がいるんだろう





四季折々に見せる空の顔


空と季節は、互いの家族と呼んでもいいのかもしれない





家族の親戚には雨や雪や雷がいて


友達はきっと、鳥の羽ばたきや飛行機雲のお絵かき


一番の理解者は、その時々に変わる風


微笑みのそよ風に、いじわるな突風


雪雲を押しのける、春へ続く風















































































それから、生命の朝陽


全てを照らす太陽の昼と


眠れる月の夜































































ひとつの地球、ひとつの空の下


誰もみんな、同じ空に包まれているんだなぁ
































なのに、なぜ


見えるものが違うんだろう


感じるものも、鼻をくすぐる匂いも、違うんだろう


同じ空を見てるのになぁ・・・