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ハチロックのブログ一覧

2011年12月31日 イイね!

告白。

告白。

大切なモノは
たくさんある

だけど
かけがえのないものは
そんなにないハズ







目には見えないライバルの背中を追いかけて
ひとり黙々と走りこむ峠道

目の前のライバルとの、コンマ何秒の差を追いかけて
必死に食い下がるサーキット

サポートにまわる者、それに応えようと最高の走りを目指し
チーム全員で勝つ喜びを分け合うピット

そんな熱い人たちに憧れて、日々過熱する自分の想い

けれど、現実と反比例する想い、どこか寂しい胸のうち・・・


なんだろう、この胸の奥の物足りなさ
消化不良でムカつく胃の辺り
求めても求めても、手に入らない、あっち側の人たち

自分だけが一人取り残された、祭の後のサーキット





走り屋が付けて行った、ブラックマークの残る峠道





そこに立ってはみても、絶対に自分は入れない世界


それなのに、わけもわからず惹かれていく・・・



先日の筑波のSOB

そこに行けば、憧れる人たちに会える
もしかして、話が出来れば、もっと近づけるかもしれない
溢れそうになる期待とともに向かった筑波

ブログで見た車両がすぐそこにある、カメラを向ける
ドライバーさんともお話しすることが出来た

嬉しかったなぁ・・・すっごく嬉しかった


SOBのイベントそのものも楽しくて
目の前を駆け抜ける車両一台一台、そのどれもが格好良く
息をするのも忘れるくらい、釘付けだった

大満足で筑波から帰る道すがら、キレイな夕焼けに染まる125号線

ふと目に付いたのは、コンビニの駐車場に集まるイベント参加者の車両
さっきまでの興奮冷めやらぬオーナーさんたちが、話しこんでる

いいな、仲間って

羨ましい・・・のひと言が浮かんで、また寂しさが心の中を曇らせる

筑波まで何をしに来たんだろう?
ここまで来ても、やっぱりモヤモヤは晴れないのかな

会えて、話も出来たのに
どうしても拭い切れない、走る人・走らない人の距離

今年最後の、弱音の告白



車のSNS、みんカラ
ここに自分の居場所ってあるのかな

もちろん、いろんな車好きが居て当たりまえ
楽しみ方も、人それぞれ、車の数だけオーナーが居て
それこそ、星の数ほどの想いがあるに違いない

でもね、何となく何処にも属していない、そんな自分
みんカラの森で迷子になってました


ふと漏らした、「寂しい」のひと言に、こんな問いを返してくれた人が

クルマにまつわる色んな喜び
所有する喜び
走らせる喜び
かまう喜び
魅せられる喜び
攻める喜び…

筑波に行って距離を感じてしまうのも
ごく普通のことじゃないかって思うんだ

だって求めてるもんが違うんだもん

筑波に何しに行った?
クルマを走らせに、レースに参戦するためにかい?

参加者はレースする為
自分は観戦の為、そこにいる人たちの想いを感じる為でしょ

それ以上を求めるからツラくなるんじゃない?

それか… もしかしたら走ってみたいのかな?


走ってみたい?
それは正直ほとんど思っていなくて
どんなレースを観にいっても、走行会を覗いてみても、それは同じ
自分には、一般道も峠道もサーキットも、実はそれほど変わりがなくて

所有する喜び?
憧れの車はあっても、どうしても所有したい、とまではいかなくて
同じ所有するなら、旦那様の欲しい車の方が、よほど自分も欲しい
旦那様の喜ぶ顔の方が、よほど見てみたい

・・・と、何となく答えに近付いてきたような


魅せられる喜び?



たまたま見かけたブログ

目指すモノ

そこに書かれた一言

「このギャラリー の中で走れたら最高に気持ちいいだろうな~」


あぁ、そうか

何年もの間、苦労に苦労を重ねたであろう、主催者さんの想い
そこに参加できるドライバーの想い
次こそは、と来年を夢見るドライバーの想い
それらを支える人たちの想い
それから、そこに集まるギャラリーの存在

その全てが揃って初めて、感動が生まれるのかな?

熱い人たちに魅入られ、吸い寄せられるように呼ばれ
一本の、未完成のドキュメンタリー映画を観るような気持ちでそこに向かい

走りを目の当たりにし、本能を掻き立てられ
ゴールの瞬間に、惜しみない賞賛の声を、拍手を送る

映画の完成に、ギャラリーは必要なのかもしれないなぁ・・・


と、走りもしない、走りのなぁんにも知らない自分でも
その日、その時間、同じ場所で、一緒に感動を味わった観客という仲間が居る

観る側に徹していても、決して臆することじゃない、恥ずかしいことじゃない
一人ぼっちだと、寂しがることじゃない・・・

何の知識が無くたって、感動することは出来る
勝つことの喜びに、負けることの悔しさに、一喜一憂するその姿に
走らない自分では、共感こそ出来はしないけれども

また次回も、この場所に来て応援したいと
走る皆さんを、一番遠い場所から、熱く想うことができる

真剣なその顔を、熱い走りを、見て感じることの出来る喜び

自分の求めるもの

観る側に徹すること

自分はそれでいい、それがいい

やっと、やぁっと、迷子の心に決着が付きました



求めるものが違うのだから、距離を感じて当然、と
そう教えてくれた人も、現役のドライバーさん
今日もどこかで走っているに違いない

彼は、もう一つ教えてくれました

大切なモノはたくさんある
だけど、かけがえのないものはそんなにないハズ

私にとって、その言葉の一つ一つが、かけがえのないもの・・・
この人の存在そのものが、かげがえのない・・・



ふと今年を振り返れば・・・

走らない私を、車のネタなんて皆無に等しいこのブログの中から見つけてくれ
友達登録をしてくれて
走ること、走れることの喜びを、私にもわかる言葉で教えてくれ
ほんの少しだけれども、その喜びを分けてくれて
今日まで引っ張ってきてくれた

そんな皆さんに出会えた今年でした

現役の走り屋さん、今はお休み中の人、引退した人

走り屋では無いけれども、車をこよなく愛する人

走り屋、とは名乗らないけれども、走ることに魅せられた人

私と同じように、そんな熱い人に魅せられた、彼女も

ずっと以前から、みんカラを通じて繋がりを保っていてくれたみん友さんも

大切な大切な、今年一番の出来事、思い出、宝物


よかったら、また来年も、こんな自分にお付き合いいただけると嬉しいです



お友達になってくれた皆さん

ブログにコメントを寄せてくださった皆さん

イイね!を付けてくださった皆さん

足跡を付けてくださった皆さん

それから、ささいな誤解から行き来のなくなった方

そんな、みんカラの皆さんに

それから、みんカラの外から、あたたかく見守ってくださるyoshihisaさんにも

私から、今年最後の告白
















ありがとう

そして

大好き



皆さんにとって来年が、幸溢れる年になりますよう、心から
(b´∀`)ネッ!

Posted at 2011/12/31 03:13:18 | ハート絵日記 | 日記
2011年12月27日 イイね!

送り出す、ということ。

送り出す、ということ。ブログに自分の一部を公開していると
「触れられなくない部分には、触れないで欲しい」
って、なかなか難しいかもしれません

出来る限りの範囲で、思うこと、出来事、事実を書いて
それに対する賛否の意見は、とても大切にしています

賛同の言葉は励みになるし、心の支えにもなる
否の意見は、自分の為になると思っている
それで自分を振り返る機会を与えてもらったこと
本当にありがたいと思っています



いつまでも、過去にとらわれている自分を
そこから立ち上がらせてくれるきっかけになる
ブログは、自分を成長させる手段とも思っています

どれだけ時間をかけても、必ず前に進みたい

自分をブログに公開することで、人の目に晒し
傷口の風通しをよくすることで
自分の心の奥底を、腐らせないようにとも思っています

でもね

私だってそんなには強くない
過ぎた過去を消化したいと思いつつ、それが出来ず
そこにしがみついた自分を、かばいたいと思うこともある・・・


人に認めてもらえたことを心の支えにしつつ
自分も誰かの心を支えていると言い聞かせつつ
人に手助けしてもらいながら
過去を消化するべく、歩いています


ところで

過去はほんとうに消化しなくてはいけないものなのか?
時折、そんな疑問も頭の中をよぎります

私にもひとつ、こんな話しがあります

それは10数年前の、休みの日の午後のこと
病院に見舞いついでに、入籍の報告に行ったとき
入院していたばあちゃんが、苦しそうに言ったんです

「塩をちょうだい」

心臓肥大で、水分も塩分も制限されていました
その時の苦しそうな呼吸、既に心不全を起こしていて
話すことさえ、難しい状況

息も絶え絶えに、塩を懇願するばあちゃん

もちろん、医者の指示を無視するわけにもいかず
その日はそのまま帰りましたが
わずか半日後、翌日の明け方に亡くなりました

ばあちゃんの最期の日に会えたのは、私一人
どうせ亡くなるなら、塩も水も、好きなだけ渡せばよかった


その時は、自分がばあちゃんを殺したも同然と思い
何年もの間、ずっと悩み続けていました
あの時の、すがるような目は、今でも忘れません

ごめんね、ごめんねと思いながら
誰かの口からばあちゃんの話題が出るたび耳をふさぎたくなる
一人になると、またばあちゃんのことを考える


あのね

亡くなった人のことを想うことは、大切なことだけど
その想いが強すぎてしまうと
亡くなった人は、成仏できないんだそうです

生きている人間の「念」って、とても強くて
亡くなった人の気持ちまで、引きずってしまう
あまりにも強い、今生の自分の想い・・・

それは

成仏しようとしている魂の、足をも引っ張ってしまう

心の中に想うことは、仏様の供養になるけれども
何か出来事があるたびに、心の奥底から掘り返し
その人のことを強く強く想ってしまうと
そこから仏様は、出してもらえない、逝かせてもらえない

仏様の住む世界は、私のいる今生、この世ではない

あの世に送り出すこと

それが、今、此処で生きている自分の役目なんだそうです


その人のことを忘れろ、という意味ではありません
たびたび思い出し、話題に出すことで、供養になるそうです
たとえ悪口でも、思い出してもらうことで
亡くなった人にとっては、供養になるんだそうです

でも、いつまでも当時のままの気持ちでいては
仏様は成仏できないということ・・・

私もこれを知らないうちは、相当強くばあちゃんを想い
その魂を、この世に留めてしまったかもしれません

仏様を解放することで、自分もまた解放される

故人は、今を生きる自分にどうして欲しいのか
自分の為に、故人を想うのではなく
故人の為に、想うということ

どれだけ悲しい経験をしたとしても
その場に立ち止まらないで居ること
5年、10年、100年の時間を掛けてでも
歩き出したいと思っています

亡き人を送り出すということ
そして、今の自分が居るということ
生かされているということ
ばあちゃんの死は、自分に大切なことを教えてくれました


この話をしてくれたのは、あるお寺の住職です

結婚後、ずっと子供に恵まれなかった自分
子授けで有名な寺があると聞き、そこを訪ねました

そこの住職から、生と死にまつわる話を伺い
故人を送り出すことの大切さを知りました

この話を信じるきっかけになった出来事があります

ほんとうなら結婚も、もちろん子供も要らないと思っていた自分
幸せな家庭というものに縁がなく、興味もなかった
自分は仕事をして、いつか一人で死んでいく
家庭に夢なんて持たない、そう思っていたのだけれども

今の主人と知り合い、籍を入れ、自然と子供を望むように

ううん、心のどこかでは、子供は出来なくても構わない
そんな気持ちも半分ありました

前もって電話で、子授けの祈祷をお願いして
お寺について、身仏の前に通されたとき
私の顔を見るなり住職が言った言葉があります

「あれ、あなたに子供が出来ないなんておかしいな?
子供は出来るよ、子供の数は一人じゃないね」

半信半疑のまま、子授けの祈祷を受け
その直後に当時通っていた専門医で、二度目の人工授精を受け
無事に長女を身ごもることが出来ました

それから立て続けに二度の妊娠
その時は事情で生むことが出来なかったのですが
ああ、あの住職の言うことは本当だったのかな、と


でも、ずっと引っかかっていた言葉があって

「子供は一人じゃない、目に特徴のある子供が見える」

あまり子供が得意では無い自分
一人出来れば十分、とは思っていたのですが

長女の特徴といえば、目ではないんだけどな
あの言葉は、なんだったんだろう?と、気になっていました





そのうちに次女を出産するも、やはり目には特徴はないような?





住職の言葉もすっかり忘れていた頃、3人目に長男が誕生
赤ちゃんのうちは気付かなかったのですが





彼の特長は、初めて会う人にも言われますが、目です

住職には、敦也の姿が見えていたのかな
と、あのときの言葉が頭の中に蘇りました


同時に、その時に聞いた話をひとつ、思い出しました

人は亡くなると肉体が滅び、魂となり、修行の旅に出る、と

生きていたときの罪を償うために、3年ほど旅に出るそうです
その間は、人の枕元に立っても、言葉を話せないのだそう

修行が明けて、成仏できると、魂は「仏」になる
仏になると、枕元に立ったとき、話が出来るんだそうです

もしも、亡くなってから3年以上経っているのに
話が出来ないとすれば
その方は成仏できていない

その時は、遺された人の、故人に対する想いが強すぎて
成仏の妨げをしているのかもしれない


ばあちゃんが亡くなったのが、平成12年の3月
長女の誕生が、それから3年後、平成15年の3月

そのときだったと記憶しているのですが
私の育ての母の夢にばあちゃんが出てきて
いろいろと話をしていったそうです
それまでは、ただ夢に現れ、佇むだけだったのに

ちょうどその頃、これでばあちゃんにも、ひ孫が見せられる、と
私自身が、亡くなったばあちゃんへの想いから
開放された時期でもありました


住職との出会いから、もうすぐ10年
元気に走り回る子供たちを見ていて、ふと当時を思い出し
これも何かの縁なのかな、と、ここに書くことにしました

人の念
それほど強いものは、この世には無いかもしれません
想い方ひとつ違えば、自分も人も
まったく別の方向へ導いてしまう

過去は必ずしも消化する必要は無いとも思う
けれども、消化しないことと、引きずることとは
ほんの少しだけ、意味合いが違うような気もします


独りよがりの想いを、今一度、振り返ってみようかな
そう思った今日でした

Posted at 2011/12/27 18:54:21 | ハート絵日記 | 日記
2011年12月26日 イイね!

short story.#11 白い180。

short story.#11 白い180。明け方の峠から帰り、自分のアパートに着く
いつもは180を停めている場所に
今日はみどりマーチが停まっている

まだ寝ている横顔を眺めながら、ふと思い出す
ちょうど一年くらい前だったか
自分のマーチが寂しそうだと言っていた

よく、車を擬人化して話す人が居る
愛着のある車だけに、気持ちは解からなくも無いが
それは少し違うようにも思う
車は人じゃない、あくまでも機械だ



自分の職場で初めてあいつを見かけたとき
あいつは自分のオーダーした部品を持っていた
いつもなら部品屋のオヤジが配達に来るのにな
と、第一印象はその程度

挨拶だけの間柄から、普通に話が出来るようになった頃
工場の駐車場に停まる、マーチのEg音が少し気になった
車に関わる仕事をしていても、自分の車を気にかけない人は多い

そう言えば先日、Egがガラガラ音をたてると
飛び込みで訪ねてきたK11マーチのお客が居て
とりあえずオイル交換を、と言われたものの、中は酷い状況

一通り説明をしてはみたが
オイルだけ入れてくれたらいい、この車は大丈夫なんだから
その一点張りで、こちらの話を聞こうともしない

何を言っても無駄、と、言われたとおりにオイルを規定量だけ足す
それだけで、マーチのEgはガラガラ言わなくなった
料金の支払いを済ませたそのお客は、ほら、とばかりにニヤリと笑い
足早に工場を出て行ったが、もう二度とウチには来ないだろう

確かにK11マーチのEgは強いし、こんな客も過去には何人もいた
他メーカーだったら、あっという間に焼きつくんだけどな
可哀相に、あのマーチ、Egがダメになったら捨てられるんだろう

そんなこともあって、あいつのみどりマーチが気になった
型式もひとつ変わるし、K12となると話は別だ
どうせ休みの日も、自分はここに来て180を弄っている
ついでだし、と思って声を掛けてみた

俺の突然の申し出に、ビックリした様子だったけど
次の休みに、みどりマーチを見てやることになった

それから何度かメンテをしているが
その度に工賃の代わり、と言ってはオイルを持ってくる
逆に工賃より高くつくだろう、と言って断ろうとしても、引かない

「いいの」と言って笑うその顔が・・・、いや、なんでもない


さすがに何度もオイルをいただくわけにもいかず
今度こそはちゃんと断ろう、そう思っていたある休みの日

「今日はオイルの代わりに、一緒に食事でもどうですか?」

あいつの方が、人付き合いは一枚上手なのかもしれない

一通り作業を済ませ、それぞれの車に乗って店に向かう
180に乗るか?と聞いたら、自分のでいいと言う
スポーツカーより、ミニバンの時代だもんな、と
ひとり180の中で苦笑い

さて、みどりマーチの後を追うか

店の駐車場に一足先についたあいつが
後から駐車場に着いた180を、まじまじと眺めている

「180、キレイだね。」

180がキレイだと言ってくれるが、人並みの手入れしかしていない
年式も年式だし、日産の白は、トヨタの白には適わないんだよな・・・
なんて思っていると、ぼそぼそと声が聞こえてきた

自分のマーチが寂しそうだ、と凹んでいるから
たまには何か気の利いたことを言ってやろうと思ったが
相変わらず車以外には話題の乏しい自分
こんなときも車に例えるしか言葉が浮かばない

普段、自分のマーチを可愛いと言っているから
そのつもりで、マーチに似てる、と言ってみたものの
逆に下を向かれてしまった
・・・やっぱり女は面倒くさいな

せっかく食事に誘ってくれたんだし、と気を取り直して
みどりマーチ、じゃなかった、キウイグリーンを褒めてみるか
マーチの丸いところも、そう言えば丸顔の誰かさんに似てるし

こっちを向いた顔が、なんだか寂しそうだったから
笑わせるつもりで、つい余計なひと言まで言ってしまった

「意地悪!」

肩を叩かれて、思いのほか力が強いんだな、と
からかってやろうと思った瞬間に、涙が見えた

結う子さん

とっさに名前を呼んだ、が、何を話したらいい?

って名前、変わった漢字だよね、どういう意味?

我ながら気の利かない質問だな、と思う

か細い声で、名前の由来を話し始める
人の縁を結ぶように、縁を結うから、結う子、か
今日の食事の誘いも、縁を結ぶ名前のとおりなのかな

そう言えば自分が大切と思う仲間は、みんな車繋がりだな
車が人との縁を結んでくれている
そう、仲間と話していたことを思い出した

この180も、高校時代の先輩から譲り受けたもの
先輩は今、Zに乗っている
極たまにしか会えないが、都合がつけば今でも一緒に山に向かう

缶コと煙草片手にだらだら話し込んだり、走ったり
言葉にしなくても、同じ場所を走るだけで通じるものがある

自分にとっては、無くてはならない仲間
車が結ぶ、目には見えない不思議な縁、そんなものを感じる


そんなことを話している俺の顔を、じっと覗き込んでいる
俺、何か変なことを話してるかな
ま、いっか、車の話ならいくらでも出来るし・・・

ふと、気になっていたみどりマーチのEgの音を思い出した
実際に見てみたけれど、特にどこが悪いわけでもない
それなのに、何か気になる小さな異音

もしかして、と思う
車は人ではない、機械だ
だから、意思を持ったりするわけが無い
にもかかわらず、まるで生きた人間のように例える人が居る

でもそれは、その人の車に対する思い入れが、気持ちが
自分自身が車に映し出されているのではないか、と思う

車が発する音、調子、挙動、そのどれもが
実は今の自分の心そのものなんじゃないかと

だとすれば、みどりマーチのEgの小さな異音は
オーナーの心の悲鳴、なんだろうか

寂しそうな顔、涙のわけ、所詮は他人事だと思いながら
耳の奥にいつまでも残る、小さな異音

ほんとにメンテナンスが必要なのは
みどりマーチではなく、オーナーなのか?


隣同士に並んだ180とマーチ
人には聞こえない声で、何を話しているんだろう

自分とあいつ、声にはならない声で、何を話すのだろう

俺を見るあいつの目が、さっきまでとは違う、ような気がする



あの日のことを思い出しながら、アパートに停めたみどりマーチを眺める
助手席で眠る、あいつの顔は、一年前より幸せそうだろうか
寂しい思いはしていないだろうか

峠を駆ける自分の行為は、決して許されるものではない
こうしてあいつを助手席に眠らせていることも、同じこと
どちらも、自分にとっては法や秩序で割り切れることじゃない

我が儘だな、と自分でも思う
それでも、自分には無くてはならない、かけがえのない・・・

・・・それは自分勝手な想いだろうか





さて、質問です

無くてはならない、かけがえのないもの

あなたはいくつ持ってますか?

答えはキミの胸のなか


Posted at 2011/12/26 15:59:51 | short story. 1分で読める物語 | 日記
2011年12月26日 イイね!

short story.#10 寂しい顔。

short story.#10 寂しい顔。一晩を山で過ごし、明け方の峠で
一緒に飲んだ缶コーヒーの後味が
今も苦く香り、鼻をくすぐる朝

ただいま、と小声で自宅のドアを開けても
誰の返事も無いことに、ほっとする

ここのところ、週末は留守の多い主人
仕事人間、とは主人のことを言うのかな
私と仕事と・・・、と聞いてみようと思っても
なかなかゆっくり話す時間も無い



知人の紹介で初めて顔を合わせたときも
趣味は仕事です、と半分冗談で言っていたけれど
そんな主人と結婚した今の生活は、半ば私の一人暮らしのよう

実家の手伝い程度の仕事と、好きなカメラ
気楽な毎日は、でも、少しだけ寂しさを感じる
人の肌の温もりが恋しい気もしていた


整備士の彼と出逢ったのは、そんな寂しさにも慣れたころ
父の代わりに部品の配達に訪れた、小さな町の整備工場

ぶっきらぼうな挨拶と、煙草と缶コーヒーの香り
第一印象は、それ以外ほとんど覚えていない

たまたま納品した部品が、彼のものだったことをきっかけに
少しずつ話をするようになったのは
私が実家の手伝いをするようになってから、大分後のこと

でも、話題と言えば大概いつも車のことばかりで
「白いスポーツカー」ということしかわからなかった
彼の愛機の名前が、180sxというのも初めて知った

私が色にこだわって買った、キウイグリーンのマーチを
「みどりマーチ」と馬鹿にするのは、気に入らなかったけれど

「マーチのEgって、なぜか強いんだよね」

「オイルが空っぽだと、他のメーカーならすぐ焼きついてしまうのに
マーチのEgだけは、オイルを足しただけでとりあえず走れる
ろくにメンテをしない、そういうお客も結構いるんだよ」

「いくらEgが強いからと言って、メンテは当たり前に必要
自分の車くらいキチンと面倒見てやらないとね」

と話す彼の横顔に、ほんとに車が好きなんだなぁ
なんて、ひたすら感心していたっけ、私

「よかったら今度の休みに、みどりマーチ、見ようか?」

思いがけない申し出に、一瞬迷ったけれども
どうせ、今週末も主人は仕事で留守だし、と
カメラの教室の帰りに、ここに寄る約束をした


ぶっきらぼうな話し方は、最初の頃と変わらないけれど
車に対する真剣な思いは、なんとなく伝わっていて

なんの知識も無い私にも、わかりやすい言葉で話してくれたり
何度かマーチを見てもらううちに、車を通して
彼の人柄を少しずつ知っていった

初めて話をしてから、どれくらい経っただろう
やっと彼の笑顔から、ぎこちなさが消えてきた頃
初めて、工場以外の場所で待ち合わせをした

マーチに使う分と一緒に、彼の分のオイルもオーダーして
一応、マーチを見てくれているお礼に受け取ってもらってたけれど
いつもオイルのお返しばかりでもなんだし
じゃあ、たまには一緒に食事でも、と私から誘ってみた


薄暗い工場の中でばかり見ていたせいか
それとも年式が古いせいだったのか
あまりキレイには見えなかった、彼の愛機

初めて工場の外、太陽の下で見た180は
思わず、あっ!と声が漏れるくらいキレイだった
ふと、カメラを向けてみたい気持ちになった

正確には、手入れが行き届いていた、というのかな
ろくに洗車すらしてない自分のマーチが
180の隣で、何となく寂しい顔に見えてしまった

「みどりマーチ、結う子さんに似てるよね」

え?
私、そんなに寂しい顔をしてるかな・・・

しゅん、と下を向いた私に慌てた彼
何か気に障るようなことを言ってたらごめんね、と

ううん、違うの
毎日乗ってるくせに、ろくろく構ってあげていないマーチが
なんだか可哀相で
あなたの180は、あんなにキレイなのに
もしかしてマーチも、ほんとは寂しかったかな、って思って

そこまで話して、ふと気が付いた
ほんとに寂しいのは、自分なのかもしれない

一人暮らしのような結婚生活は、気楽でいいと思っていたけれど
一番近くに居てくれるはずの人とは、もう大分
ゆっくり話す時間も持てていない

小さな悩みも打ち明けていないし、好きなカメラを向ける暇もない
喧嘩もない代わりに、解かり合う時間もない

主人の笑顔って、どんなだったかな?


「キウイグリーン、だっけ? キレイな色だよね」

さっきまで慌てていた彼の声が、優しい口調に変わり

「マーチの丸いデザインって可愛いよね
やっぱり結う子さんに似てる」

え?と、顔を上げる私に、もうひと言

「でも、後ろから見たらお尻は大きいよね」

意地悪!
悔しいから、彼の肩を思い切り引っ叩いてあげた

あはは!
痛そうな彼の顔に、思わず笑ったのと同時に、涙がこぼれた

その涙には気付かないフリをしながら、彼が聞いてきた

「結う子さん、って名前、変わった漢字だよね、どういう意味?」

人と人とのね、縁を結ぶような子になりますように
結んだ人との縁を、大切にできるような子になりますように

でもね、主人との縁は上手に結べてないみたい

苦笑いした私に、彼がこう話してくれた

「車ってね、人と人との縁を結んでくれたりするんだよ」

新車で買ったのではなく、前のオーナーから譲り受けた180
その人とは今も車を通して付き合いがあるのだそうだ

「互いに仕事の都合で、なかなか休みが合わないけれど
たまに時間が合った時には、一緒に峠を走るんだ」

峠?

仕事帰りに山に向かい、峠道を180で駆けていること
公道をサーキットのように走ることは違法と知りつつも
法では割り切れないなにかが、そこにはあるということ
そこを気持ちよく走るために、休みのほとんどを
車の為に使っていること、などなど・・・

子供のように、屈託のない笑顔で話す彼の目は
だけど、子供のものではなく、一人の男を強く感じた

車に対する真剣な想い
そんな情熱を持った人に、今まで出逢ったことなんて、ない

小さな音をたてて、心の奥の扉が開くのを感じた気がする

それが二人の始まりだった



明け方の峠から帰宅し、身支度を整えて実家に向かう
第二土曜の今日は、仕事は休みだけれども
寂しがりの父のため、お昼を一緒に食べるようにしている

いくつになっても甘やかして、子離れしないんだから、と
母に怒られても、父はいつでも私の味方をしてくれる

母の隣に立ち、食事の支度を手伝っていた私に
静かな声で母は言った

「好きな人が出来るのは仕方の無いことだけれども
今一緒に居る人と、キチンとけじめをつけてからじゃなくちゃ
先には進んではだめなのよ」

・・・何も言い返せなかった





さて、質問です

法で割り切れないもの

あなたはいくつ持ってますか?

答えはキミの胸の中



Posted at 2011/12/26 06:41:59 | short story. 1分で読める物語 | 日記
2011年12月24日 イイね!

クリスマスのペニーレイン。

クリスマスのペニーレイン。

美味しいものをいただくと
心がほわっとあたたまる
単純だけど
いちばん幸せなひととき

幸せの答えって
複雑なようだけど
ほんとは単純なのかなぁ






今日は、那須にあるベーカリー、ペニーレインの
カフェレストランに行って来ました





子供たちの、美味しそうな顔に
親のココロも満足








パパママにとっては、彼らの笑顔が
何よりのクリスマスプレゼントです





ママにとっては






デザートバイキング
(´∀`*)ウフフ





プレート2枚分のケーキをいただきましたが

心なしか、ジョン・レノンも苦笑いしてるような





那須にお越しの際は、ぜひ!お立ち寄りください
(b´∀`)ネッ!





ではでは、みなさま
よいクリスマスを!


Posted at 2011/12/24 22:17:21 | ハチロックギャラリー絵日記 | 日記

プロフィール

「@ゼフィルス14 さん、応援ありがとうございます(*´∀`)♪ ゼフィルス14さんも、お仕事の行き帰り、どうぞお気をつけて\(^-^)/」
何シテル?   01/25 08:15
・   「日々反省堂」 というお店に勤務しておりますが 本人未だかつて、反省の色なし・・・ いくつもの過ちを繰り返し 繰り返し ...
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心のままに -秋桜とともに- 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2016/11/10 11:28:43
想い… 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2016/02/07 05:59:51
考える、、、 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2014/07/15 21:52:45

愛車一覧

ホンダ トゥデイ トゥデイ・タイプR (ホンダ トゥデイ)
オヤジの心をくすぐった一台(´∀`*)ウフフ
トヨタ ウィッシュ トヨタ ウィッシュ
子ども3人ともなると、少々手狭・・・でも!可愛い相棒なので手放せません
日産 ラシーン 日産 ラシーン
まったく同じグレードの、まったく同じ色のラシーンを2台乗り継ぎました。 初代ラシーンは新 ...
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