巷では・・コロナ禍自粛ならぬ、Go To 自粛ムードだが・・
かなり悩んだものの今年は叔父と叔母のお墓参りにも行けていないこともあり、気が引ける思いではあったが、帰郷することにした・・
と言っても殆どの旅程はいずこの渓での釣りが目的の旅なのだが・・
DAY 0 「8月8日(土)」
仕事を早めに済ませ自宅へ帰宅・・
21時に大洗港へ向け出発・・・
東北自動車道→圏央道→常磐自動車道→北関東道→東水戸道路と約130キロの移動は、ほぼ高速道路の利用だ・・・
毎年この時期は大洗港~苫小牧港間を就航している商船三井フェリー・サンフラワーを利用するのだが、年々、高速道路の整備が進み、10年前と比べて2時間も時短移動が可能になった・・
21時に自宅を出発しても23時前には大洗港へ到着・・ 明けの未明1時45分出向し当日の19時45分に苫小牧に到着するいわゆる深夜便が僕のマイフェイバリットだ・・・
本当は・・館内設備も娯楽施設も整っている19時45分出向~翌日13時30分到着の夕方便で優雅な船旅と行きたいところだが連れ合いのいない気ままな一人旅・・
家族連れやらカップルの乗船が多い夕方便より、トラック輸送が主な深夜便の方が余り余計な気を使わなくても良いので僕は好んで利用している・・・
大洗FTにて・・
フェリーに乗車です・・・
レストランも食堂も・・・映画館やプール・・ラウンジにバー等、何もない本当にコンボイマン御用達のフェリーなんですが、僕は好きなんです・・
レストランも食堂もないので行はかみさんの弁当で食事・・・
何よりも明けの未明に出向し、その日の夜に到着するダイヤ設定もイイ・・
もっぱらフェリー内では巻き巻きです・・・
釣人の殆どは・・夜掛朝打がモットー・・ 夜に到着しその足で釣り場近くの道の駅まで移動し車中泊・・・これが僕のトレンドなんです。
DAY 1 「8月9日(日)」
でも・・・今年は、コロナ禍の影響もあり毎年6月のお墓参りが叶わなかったので初日は札幌のビジホで1泊・・
次の日に叔父と叔母のお墓参りを済ませる必要が生じた為、苫小牧港から一路、道央道を札幌に向け、ハンドルを切った・・・
コロナが心配なので不要の寄り道・「夜の街には行かず・・(笑)」・・
僕のお気に入りのラーメン屋である「信玄」で「辛味噌ラーメン(越後って名前です)とこの店製番の半チャーハン」を食べて早々にビジホへチェックイン・・明日のお墓参りに備えることにした・・・
DAY 2 「8月10日(月)」
お墓参りを済ませ・・・この日は従妹の家に厄介になることに・・かつてはルアーマンだったこともあり、よく一緒に釣りにいったものだ
が、今は別の趣味にハマっているようで釣りは卒業した模様・・
でも久しぶりの再会に募る話に夜は更け・・
ちょっと呑みすぎたかな・・・
明日に備え駛早めに就寝させていただきました・・・
DAY 3 「8月11日(火)」
AM6時に従妹の家を出発・・途中24時間営業のホムセン「TRAIL」で買い出しを済ませ・・一路進路を北へ・・
これまで悪天候等によりタイミングが合わず、
前から一度は試してみたいと思っていた渓へ向かった・・・
何せ初めての渓なのでポイントが判らない・・当然と言えば当然だが、国土地理院の地形地図をスマホで確認・・それでも以前に目星をつけていた区間約3キロを試してみることにした。
ところが・・渓相も水質、水温共に申し分なく素晴らしいのだが・・
お目当てのワイルドレインボーは何処に・・
タイミングが悪いのかそもそもレインボーは生息していないのか、釣れる魚はヤマメばかり「でも結構イイ型」なのだが・・
予定の3キロを試すことなく早々に見切りを付けて、隣の超メジャー河川に行ってみることにした・・
こんなデップリ山女が結構釣れましたが・・虹は何処に・・・
しかし・・ 誰もが知る超メジャー河川だけのことはある・・・
入りたい区間にはどこも釣り人らしい車が刺さっていて生憎、僕の試す区間はなさそうだった・・
それではと・・・数年前に入った際に、そこそこの釣果だった渓へ行ってみることに・・
既に現場到着は10時近くになっていたので橋~橋間の約3.5キロを試してみた・・
ここの渓は河原が少なく入渓するとほぼ、川通しの釣り上がりなので体力が必要・・
しかも北海道らしからぬクレイジーサマー・・なんと気温30℃超えである。
水量少なく水温も20℃を超えているのではなかろうか・・・?
魚には酷な環境に思えたが、それでも結構イイ奴が久しぶりに僕のロッドを絞ってくれた・・
46センチ位・・・
海が近いせいか銀毛した43センチ位のレインボー・・
約1カ月ぶりの僕の体力では川通しの釣り上りに耐えられなくて残り1キロ程ではあったが、水も切らしたこともあり命の危険を感じ退渓することした・・
汗だくの身体に息を吹き込む為に今日お世話になる宿までの道すがらにある僕のお気に入りの温泉「日の出岬温泉」でサッパリと・・・
ここの温泉は塩分濃度が高いのが特徴・・・ くれぐれも擦り傷や切り傷などの怪我をした時は注意が必要です・・ 過去に渓で転んで擦り傷を作り温泉に浸かって更に痛い目にあいました・・・(笑)
DAY 4 「8月12日(水)」
定宿を後にし・・向かった渓は・・誰もが知るメジャー河川の支流・・
この渓もいつかは入ってみたいと思っていたものの機会なく今日が初めて・・
海から程近い支流なので海差しのモンスターが・・などと期待を膨らませていたのだが・・
今年が特別なのか・・それともいつもこんな感じなのか・・変化に乏しい直線的な流れかつ、魚が付きそうな深場がなく釣れる魚と言えば例のあの油ヒレのないQ様のみ・・でもでかいのでイイ引きします・・
早々に見切りをつけて・・先月、人生最大のモンスターレインボーを釣り上げた渓の支流を目指すことにした・・・
ここの渓も僕は初めて・・本流から数百メートル釣り上がった場所から支流へと入渓・・・
暫くは本流と遜色ない規模の渓なのだが・・釣り進むにつれ徐々に河川規模が小さくなっていく・・僕の8.6Ftでは少々、窮屈に感じる規模ではあるが、意外なことに結構なサイズのレインボーがところどころに入っている・・・
でも・・昨日同様に、酷い猛暑かつ太陽も高いこともありドライには無反応・・マーカーを付けてニンフを鼻先に送るもついにそいつらは口を使うことは無かった・・この時期、見える魚は釣れないですよね・・水量が復活し時期の良い時に再訪しようと2キロ程釣りあがって退渓するとこにした・・・
しかし暑くてどうにかなりそうだ・・・昨日、水がなくなり酷い目にあったので今日は、650mlのシグボトルにエマーゼンシー用に250mlの凍らせたパックを2つベストに忍ばせていたが、既に底をつきそうだ・・・
自販機を探して水を追加し、ダメ元に最後の望みをかけてとある実績河川へと赴いた・・・
はじめからここの渓にすべきだった・・河畔林が渓を覆い日陰が多いこの渓は、今日の様な猛暑には体力の消耗少なくうってつけ・・
既にかなりの体力を消耗し、今日の僕のコンディションでは出来てもあと2キロ位・・悔やんでも悔やまれない思いだ・・・
魚も素直・・・先程までの激シブが嘘のような生命反応・・・
ヒレの赤い珍しいレインボー
退渓までの2キロ程ではあったものの北海道サイズのレインボーと巡り合えました・・
猛暑の中での釣りに疲労困ぱい・・宿の温泉が無性に恋しくなり退渓することにしました・・・
DAY 5 「8月13日(木)」
訪道来、ずっと猛暑の中での釣りだったこともあり・・かなり疲れていたようだ・・・
目が覚めると目覚ましにも気付かなかったらしい・・・ もう7時を過ぎていた・・・
今日予定している渓は・・少し標高の高い渓・・・少しでも暑さを凌げるよう、上流部を選んだ・・・
しかし・・・ 僕の読みとは裏腹に今日は昨日と打って変わって涼しい
陽気・・・なんと気温18℃・・しかも今にも雨が降り出しそうな空である・・・
これは午前勝負になりそう・・ 早々に支度を行い、決めていた入渓点より釣りはじめることに・・と・・なんだか嫌な予感が・・・
昨日までの連日猛暑と打って変わっての今日の陽気・・・人里離れた上流部・・・そんな嫌な予感は釣り上がると奴の痕跡が・・・
2メートル近くありそうだ・・・ 嗚呼・・ やはり・・・
念の為、笛を吹きながら釣り上がっていくと、な・な・なんと・・カーブを曲がった矢先に突然それは現れた・・・
距離にして約10メートル位だろうか・・? はじめは野犬かな? と思ったのだが、そんなことはあるはずもなく・・・
奴と鉢合わせ・・じっと僕を見ている・・・
どうしよう・・・ ホルダーからアソールトカウンターを外し・・・腰の鈴に手をかけて・・数秒経過・・・ ・・・・ ・・・・・
どうにも耐え切れなくなり安全ピンに手をかけるとともに鈴を思いきり鳴らしてみた・・・
運が良かったとしか言いようがない・・・人里での遭遇ならこうはいかなかったろう・・
鈴の音に驚いた奴は早々と林道側の崖を駆け上がっていった・・・
助かった・・・ これまで何度となく奴に遭遇したが、一番の接近遭遇である・・数年前に他の渓で追いかけられてウェダーをビリビリに破ったことがあったが、その時よりも更に近い距離での遭遇である・・
奴らのテリトリーに侵入しているのは他ならない僕だ・・何があっても文句など言えない事は百も承知だが・・出来れば遭遇したくないものだ・・・
こいつを使う日が来ないことを祈るばかりだ・・・
もう、釣りどころではなく退渓すべく入渓点まで戻ることにした・・・
車まで戻り・・暫く休憩・・先程自分の身に起こったことを無かったことにしたい僕がいたが、そんな都合の良いことなどある訳もなく、平常心に戻るまで身体を落ち着かせることにした・・
何とか取り直し・・・気が付けば1時間以上経過・・昨日の渓の別の区間に向かうことにした・・・
1本捕れたら今日は上がろう・・・そう決めて入渓・・・不足の事態には直ぐに退渓出来るように林道が直ぐ横にある区間を釣りあがった。
そして・・・開始から1時間・・・約1.5キロ地点で渾身の1本・・・ 今日の僕には充分すぎる釣果・・
このレインボーを最後に今日の釣りを終了する事にした・・・
今日は道北エリアから十勝エリアへの移動日でもある・・・かなり早いが14時には十勝エリアへ向け車を走らせた・・・
DAY 6 「8月14日(金)」
十勝管内での定宿を7時に出発・・・
今日は十勝では珍しいバイガモの渓へ赴くことにした・・・ 本当は他の渓へ赴きたかったのだが、昨日の悪夢が脳裏をよぎり、人里からほど近い渓にしたかった・・・が正解である。
でもね・・・流石はお盆です・・・どこからも入渓し易い渓でもあり、ひっきりなしに釣人が前にも後ろにもわんさか入ってくる・・・
ひと昔前はモンスター伝説のあった渓なので油断禁物なのだが・・生憎、今日の人の多さでは・・そんな奇跡も起きることなく・・・
釣れる魚は手のひらサイズである・・
でもどうにかなるだろうと粘ってみたもののやはり厳しい訳で・・
明日の恩師との釣りに備えて早めに宿へ帰る事にした・・・
無情にも夜半から降りだした雨は直ぐにどしゃ降りに・・久しぶりの再会を楽しみにしていたがこの雨では予定していた水系は何処も酷い有り様だろう。次回の機会に延期することにした。明日は最終日・・苫小牧港までの道すがら、出来そうな渓があったらロッドを振ってみよう・・そう考えながら宿のコインランドリーで今回の旅でたまった洗濯物を片付け就寝した・・
DAY 7 「8月15日(土)」 最終日
天候悪いことが判っていたので起床 7時・・宿の朝風呂をいただいてからチェックアウトした。苫小牧までの道すがらには僕が知っているだけでも10本以上の有望河川がある・・
あとは昨晩からの雨の影響がどの程度なのかが問題だ・・途中の道の駅でヤフー天気をチェックし昨日からの雨雲の推移を確認・・
以外にも太平洋に注ぐ渓は雨雲はかかってはいたが道内の他のエリアと比べると薄い雨雲だったようだ・・
そこで僕の引き出しから導いた河川は 4本・・
その内 2本はこれまで試していなかった新規の河川・・
この 2本は河口から直ぐに渓流の様相でニジマスが棲息していたらスチールヘッドも夢ではないと思われる渓・・
しかし・・過去に通りかかった時には釣人と思われる車など見かけたことなかったのだが流石に今日はお盆期間中の土曜日・・
事前に国道地理院の地形図でチェックしていた各区間には釣人らしき SUV がどこも刺さっていた・・
でも、これで確信した・・この渓にはイイ魚が居るのだ・・
SUV の1台にはリアウィンドウに Sage と Simms のステッカーが貼ってあった・・
Sage のロッドではヤマメやイワナ狙いではない筈・・
この渓にはレインボーが棲息しているのだろう・・
後ろ髪をひかれる思いだったが入る区間なければ仕方ない・・
次の渓へ向かうことにした・・
次の渓は・・昨年の最終日に入ってみてそこそこの釣果だった渓・・
しかし到着してみると、遥か上流にあった鉱山の影響からなのか何故か水が赤い・・昨日の雨の影響からか濁りもあることから更に別の渓へ移動することにした・・
この渓は数年前に試してみたところ、レインボーの数釣りができた渓・・やや入渓が困難なことが起因し前回もだが今回も釣人は皆無・・
とても静寂な環境な美渓である・・
、
やや濁ってはいるものの幸い増水はいていない模様・・
他に選択肢も限られることもあり、この渓を今回の旅の上がりの渓にすることに決めた・・
早々に・・元気なレインボーが僕を迎えてくれた・・
そして今回の釣旅のフィナーレを飾るに相応しいとんでもない魚と対峙することに・・
オーバハングと倒木が日陰を造り水深も適度にあり、いかにもおあつらえのポイントである。
念の為、ティペットを確認しフライを交換してからポイントやや上流からフライを流す・・
白泡に揉まれフライが浮上しオーバーハングにさしかかったその瞬間、激しい水柱が・・
かけて直ぐに今回の釣旅の中で一番の大物だと実感出来た・・
しかし底へ底へとトルクフルにロッドを絞り混むファイトはレインボーとは違うように思え、大型のアメマスかと思った・・
格闘の末・・水面に浮かんだそいつはなんとアメマスではなくブラウントラウトだった・・
もはやこのサイズでは僕のネットは役立たずである・・
用意したネットを河原に放り投げて暫く奴のトルクフルな引きを耐え凌ぎなんとか浅瀬に誘導・・
丸太のような太い胴体に圧巻・・僕の釣人生の中でブラウントラウトのレコード更新を果たした・・ 64センチのそいつは僕の太ももよりも太い胴体の持ち主だった・・
こんなサイズのブラウントラウトが河川環境の中で育つなんて・・やはり北海道の豊かな自然環境の賜物だと思う・・
数枚の写真を納め、敬意を払い奴を流れに戻した・・何事もなかったかのごとく深みに消えていったそいつは威風堂々・・そんな言葉が一番相応しい・・そう僕には思えた・・
雨天明けのローライドな環境・・ささ濁りからの回復傾向と条件が良かったのだと思う・・
今年は前月のモンスターレインボーに続きツイてる年かも知れない・・レインボーに続きブラウントラウトもこれまでのレコードを更新出来るなんて釣人冥利に尽きる・・決して釣りが上手い訳ではない僕である・・出来すぎな結果に僕自身が一番驚いている・・
〆に三石温泉で疲れを癒し明日未明出港のフェリーに乗船すべく一路苫小牧を目指した・・
過ぎてしまえばあっという間の1週間だった。
昨年の同時期は台風の影響で1日もロッドを振れなかったことを考えると今年は前半は猛暑・中日には最も遭遇したくない奴とのまさかの接近遭遇に見舞われはしたものの総じて良い旅だったように思える・・
帰路につく為、乗船待ちをしている一時に今回の釣旅を回想している自分がいた・・