5万km走ったスクーターが消耗で駆動系の大破損

突然発進時の加速が激悪くなったと思えばクランクケース内、プーリーを中心にぶっ壊れていました。個人的ショッキングな映像です。

写真に写っているいつもと違う物はバールとオイル廃棄用の箱。あとはプーリーとは直接関係ないベルトとクラッチ側も外しています。

ケース内がグリスと、見えづらいですがサビも混ざってドロドロになっていて、パーツクリーナーの前に使い捨てのニトリルグローブでグリスを手で拭き取りました。パーツクリーナーを長時間噴くと地面がえらいことになるので廃オイル箱を持って来ています。

いつもは両手で引けば外れるプーリーも今回はサビかグリスかでジャリジャリになっていて全然外れず。

プーリーの裏側にバールの先端をあててコンコンするとウソみたいに20秒で外れました。ポイントは中心を裏から押す、これ。

ちなみにボスだけ抜けばジャリジャリが減って抜けるかな？と思いましたがムダ。その代わりここからパーツクリーナーをブシャーしてクレ556もブシャーできた。

ボスは少しだけでも頭を出してウォーターポンププライヤーとか広がるプライヤーでまっすぐ引くと抜けました。

その後、クラッチ側も外してベルトを取り出し。歯が欠けてとんでもないことになってます。

亀裂まで入っていて寿命を超えて使っていたように見られそうですが、半年前に見た時は全く亀裂などなくもちろん歯が欠けてもいません。

おそらくプーリーがクラッシュした瞬間にベルトにかかった負荷が歯を壊しベルトに亀裂を入れたのだと思います。
中古購入時33,000km、そこから＋15,000kmした半年前にベルト異常ないなと割と感心していたのがこれですよ。

プーリーを分解すると中身がぐちゃぐちゃに。

ローラーの1つは外側のプラ？部分が壊れて内側の金属が出た状態で、スライドピースは4個中3つがバキバキに壊れていました。

原因はおそらくこれ、ランププレート。

以前からやばいと思ってはいたのですが、中古で買ったジャンクのプーリー一式があまりにも使い物になりそうもなくて交換を断念し、次回のメンテで替えようと思っていたら遅かった……。

右上の緑で描いた線が本来のスライドピースがはまる枠で、左上の緑のように赤丸の中にも金属があるはずなのですが削れてなくなっています。4つとも。

回転する後ろ側に負荷がかかりスライドピース内側の金属がこの枠を徐々に削って行き、限界が来たのでしょう。以下推測。

1.枠が削れる
2.赤丸の突起まで削れて限界に
3.スライドピースが1つ外れる
4.ランププレートが斜めになりクラッシュ
5.ウェイトローラーや他のスライドピースが壊れる
6.ベルトが引っかかりクラッシュ
7.プーリーが遠心力で動かなくなりミッションんでいう低速に入らなくなる

3-6は一瞬で起こり、このタイミングに私は乗ってて気づいておらず、気付いたのは仕事先からの帰りにエンジンかけた時だったのでその時に壊れたのかと。

走行中でなかったのなら運がいい……。

壊れたキロ数がこちら。
5万キロ行ったぜヒャッハーって言った400km程度のことでしたとさ。

復路もおまけで。

灯油と汚れたグリスまみれで全行程4時間くらいかかっていてスマホ取り出す暇がなく。

クラッチ側のここのボルトもプーリー側と同じくらいクソ固い。手袋の下に見えてるつや消し銀の棒は1mくらいあるアルミのパイプです。後でまた出ます。テコの原理。

下に見えてるY時の工具はユニバーサル（プーリー）ホルダーという名前の回転をとめておく物で直径全然合わないのでクソ適当に引っ掛けて回転止めてます。

ガワの4箇所は8mmだったかの六角レンチで。それなりに固いので長いやつか電動で回せる本気のやつにしましょう。

斜めに写ってるパイプが1つ前で使ったテコ用でプーリー回すときにも必須。無いならインパクト必須。普通インパクト持ってるよねって話。

ブレーキシューみたいな部分がクラッチシューで、通常の厚みは4mm以上、2mmで交換時期らしいので交換時期ですが見なかったことにします。

この輪っか交換しようとしたら多分下に見えてるクソデカ六角ナット回すことになるので見てない見てない。

なぜここ外したかはベルトが交換できないからです。

クラッチ元に戻したらプーリーも。どっちもソケットは19mmです。ここでも鉄パイプ（またはインパクト）必須になります。

このナットをいくら手締めでしっかり回してもアイドリングで外れます。普通に。いやまじで。やってみ？クルクルーって外れてくる。
私が締める時の目安は、手締めでもう無理ポまで回したあと、パイプで4時方向まで、角度120度くらいまわしてます。軽いか？って思ったら5時まで回す。

あとはケース閉めて終わりですがそこからは昔の整備手帳探してください。アホみたいに疲れた。

ちなみに今回使用したウェイトローラーはストックして次回試そうと思っていたDr.プーリーという丸くないウェイトです。ローラーじゃないな。

右上に正常なランププレートが写っていますね。銀色の方が掘り出し物、かなり新品に近い。右下の黄色っぽい方はよく見るとスライドピースの枠が少ーーし削れていますがまだ使えます。

13gと14gが混在なのは中古品むりやりそろえたからで、8個入りってのはないし新品で14gの6個入り2ケースとか買ったら6千円以上するので。

形状が特殊なので中間は伸びないらしいし、トップスピードも回転数が少し上がりすぎるらしいのでランププレートにはよくないでしょうな。←こりてない

今回は私は運良く死んでませんが、ガチで運悪い時はプーリーのシャフトとかロックしたらタイヤが固定され滑ってこけて大往生のパターンもありえるので三途リバーの渡航ライセンスをお持ちでないならムチャしませんように。私も持ってません。

さらにおまけで、中古プーリーを選ぶ時の見分け方。

同じマジェスティでも種類があって、基本SG03JならSG03Jから外した物を選ぶべきですが「マジェスティ」としか書かれていなかった時の場合。

この写真は外周に5GMと書かれていてSG03J用です。5GMじゃなくて私が今回使った4HCもどっちが後か忘れましたがどっちかが後継の互換品なので型番違う同じ物です。

パッと見わかりにくいのがこのSG15J用でグランドマジェスティ用です。裏のフタがなく、ランププレートの内側に4つ小さな穴が空いてます。
ローラー8個、スライドピース4個、プーリーの形状も同じですがフタなし+穴あり。

SG20J用。もう見たら違いますがツルツル側な表からの写真は見た目同じですし、SG20JとSG03J何か似てるので行けるのでは？って思いましたが別物。

あとはコマジェ、マジェスティS、125CCはローラーが6個なので全然違います。
SG03J用、5GM、4HC、を探しましょう。または社外の新品がまだあるっちゃありますが単品7千円～セット13千円くらい。私はヤフオク、いつもの株式会社ジュピター計画さんでよりどり同梱、（目利きができるなら）激安おすすめ。