
「No Motorsports, No Life.」
そんな標榜してきたワケだけど、最近の僕は全然そんなことはなくクルマでスポーツしなくても充分カーライフを謳歌していたりする。この件は、以前より何度か書かせてもらっているので割愛するけど、とにかく趣向というものは年齢や環境によってやっぱり変化するもので、僕も特に例外ではなかった、という話なだけ。
で、コンペティションなSPECからツーリングなSPECへ、僕のこのクルマはかれこれ2年がかりで変更を...つい先日遂げた。快適ドライブ・スーパーおでかけマシン、完成~!
じゃぁ何をしたのかっていうと、ただただひたすら普通にしただけ 笑。元々このクルマは快適ドライブ・スーパーおでかけマシンである。それを10年かけて魚雷みたいにしてしまったので、元に戻したって話。でも単にもとに戻すのも性分じゃないので素に近い良質なものを試しながら着地させた。
なんだかんだ言って2年もかかっちゃった、そのあらましをもう少し具体的に書くと以降のような試行錯誤の経緯になる。
まず最初に取り掛かったのは、何より車高の見直し。このクルマは車高を下げれば下げるだけ顕著に機敏さが倍増するため低車高化は毒饅頭だ。他のどんなモノより単純に効果が出るためやめられなくなる。一時はその魔力に完全にのまれてしまい最低地上高が5cm程度ってときもあった。曲げやすいし止まりやすいけど、どこにも行けない 笑。以前につけていたフロントのスポイラーは友人にオーダーしてオリジナルで制作したものだが、車高を落としやすいように純正のフロントスポイラーの縦の長さとほぼ同等にしてもらっていた。
で、今回はまず標準車高を上げにかかったワケだけど、GT-R NISMOより1cmほど低い位置ならダルさも何とか妥協できるかなって。でもこの車高だとスタイルがイマイチ、グッとこないので、出来るだけ低く見えるエアロに変更した。お陰で2017ルックにもなった 笑。
車高が決まったので次は足。ゴムアッパーとダンプトロニックを使うことが絶対条件だったため、探すと選択肢は限られていてAragosta SA-PnPをチョイス。バネレートを大幅にダウン(F:24Kgf/mm R:14Kgf/mm → F:16Kgf/mm R:10Kgf/mm)した。癖の強い僕の好みのアライメントセットはクローズドなコースでは楽しいが、かなり神経質なため街中ドライブでは疲れてしまう。片減りも激しい。純正基準値に少し手を加えた程度に見直して、かつブレーキパッドをタッチ感が柔らかいものに変更した。渾身の10年かけて作ったレーシングな機敏さは儚くも消え、随分とダルく緩くなり...まぁ、でも純正よりは...。2007モデルのGT-R(僕のクルマ)のスポーツ度(速さではなくストイックな性能)が「10」だとして、乗ったことがある2017モデルは「8」。前のこのクルマのセットは「15」。今回は「11」か「12」を目指している。
足の変更に伴って全く出番がなくなったロールバーを取り外し、これを組み付けるために大穴を空けたリヤのサイドトリムも新調してついでにロブソンレザーに赤皮を張ってもらった。ロールバーがなくなれば、CRAFT SQUAREの必要以上にレーシーなミラーもスタイル的なバランスを崩すだけなので純正ミラーに戻す。でもただ戻すのもつまらないので、GT-R NISMO風にメタ黒に塗り、アンダーにカーボンを張って外装は完成。
次は、快適ドライブ・スーパーおでかけマシン造りに最も重要な操作系なんだけど、とにかくシートの選択に四苦八苦した。僕は操作系にもの凄く神経質で特にシートは全てのパーツの中でも最重要視する。当初の希望はRECAROのSportster。デザインが素晴らしく、展示会や店頭の物色で何度か座って試した際、見た目より座った感じが硬く、かつシートバックの剛性があり気に入っていた。しかしながらこのシート、致命的にステアリングセンターが出ない。座面がデカ過ぎるのだ。センターコンソールの内張を外さない限りはどうやっても無理。計算上、45mmドア側にオフセットされる。とてもじゃない。僕はステアリングセンターのズレは5mmが許容範囲でそれ以上は無理。フルバケだと1mmズレていても気になるタイプだ。色々調べてみるとGT-Rのドライバースペースは床の構造、空間的な点からリクライニングは必ずオフセットされてしまうとのことだが、レカロのSR7だと計算上はセンターが出る。店頭のSR7の座面やボルト位置を計測してあくまで計算上は何とかなることが解った。このシートならば、前にABARTHで使用しており今回のテーマにもモッテコイだ。シートレールを溶接を解きほぐしバラして作り直すことを前提に最も座面が低くなるモノを入手して組み付けた。悪戦苦闘したがステアリングセンターは完璧である。2mmズレくらいで全く気にならない。シートはロブソンレザーに技術的にかなり無茶な頼みを聞いてもらいフルオリジナルのデザイン、赤皮+アルカンターラで作ってもらった。
そして、最後がステアリング。momoのNEROを気に入って使っていたが、フルバケをやめた今、ステアリングがストイック過ぎてバランスが悪い。だけど、純正ではサイズ的に大き過ぎてどうも僕は苦手。momo NERO同様の35径は妥協できない。仕方なく純正をベースにフルオリジナルで制作してもらった。
それぞれの詳細はパーツレビューで別途記載させてもらおうと思っているんだけど、全体バランスとしては上々の出来栄えだ。とにかくドライブが楽しい。以前よりも身構えることなくお気楽に乗れて疲れない。
昨日、日帰りで軽井沢までドライブに行ってきた。紅葉シーズンの三連休のド真ん中、どこに行っても大渋滞。累計運転時間は9時間にも及んだが、モノともしない...とは言い過ぎだが、許容範囲であるのは間違いない。前のセットなら死んでいる。しかも、道が空けばそれなりのスポーツ感もしっかりと残してあるので、死神が見えるくらいに攻め立てて遊ぶこともできた。
今年50歳になってしまった僕のクルマ作りの新しい方向性は、まだまだ分からないことが多く未知で手探り感があるんだけど、まぁ、飽きるまでこのベクトルで楽しんでみようと...。
あ、そうそう。
僕の使用したパーツをご購入頂いた皆様、今回もその節は色々ありがとう御座いました! すべてのパーツはできる限り良質な状態で保てるよう大切に使っていますので、引き続き楽しんで頂けたらと思います! ありがとう御座いましたー!
Posted at 2019/11/04 09:47:37 | |
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