
土日を利用して、話題の新型アテンザを試乗してきました!
20日(火)の正式発売直後の週末、しかも世の中は三連休の真っ只中。
CX-5発売直後の大フィーバーの記憶もまだ新しい私は、ある程度の試乗待ちを覚悟し、家族を同伴せず一人で地元ディーラーへと向かったのですが、早朝や夕方遅くという時間帯が奏功したのか、幸いなことに訪れた2店ともに、出されたコーヒーで時間を潰すシーンもなく、速攻でステアリングを握ることができました(^^)。
(ちょっと拍子抜けしてしまったのは内緒・・・)
実際に私が試乗したのは、順に、①セダン・XDのLパッケージ(ディーゼル/6AT)、②ワゴンの20S(ガソリン/6AT)、そして、③セダン・XD(ディーゼル/6AT)の計3台。
こうして「3」という数字を出すと、一見意味不明だったブログタイトルにも合点がいきますかね・・・(^_^;)。
ただ、この3連戦の戦いぶりが、完全な五分五分のイーブンに終わったのか、はたまた内容的には一方的に押して(or押されて)いたのか、単に勝敗の数だけでは見えてきません。
まずは、記念すべき1台目の印象から記していきましょう。
土曜の夕方、行きつけのディーラーで試乗したのは、ソウルレッドプレミアムのセダンXD・Lパッケージ。
「匠塗」のイメージカラーに「フル装備」のTOPグレードとくれば、ある意味、今回の新型アテンザのアピールポイントを余すところなく盛り込んだ『代表車種』。
大事な3連戦の初戦、チームのエースが先発し、ベストメンバーの布陣を揃えて臨んだ感じでしょうか(笑)。
そそくさとオフホワイト色のレザーシートに身を沈め、とりあえずエアコンやオーディオのOFFスイッチを探していると、
「皆さん、走り出す前に決まってそうなさるんですよねぇ・・・笑」と、助手席の新担当セールス氏。
そりゃあそうでしょう、室内へ侵入する不快な音がどう遮断され、聞こえる音がどう演出されているかも、フラッグシップを自負するクルマならば大きな注目点ですからねぇ・・・。
さて、このディーラーは、自動車ディーラーや外食産業が立ち並ぶ商業地域のど真ん中に位置し、ごく近辺の試乗ではクルマ本来の加減速やハンドリング性能を十分には試せないのですが、過去のマツダ車試乗と条件を揃える意味で、欲張ったリクエストはせずに大人しくいつものコースへ。春先のCX-5試乗以来、久々にSKYACTIV-Dのエンジン音を聞きながら、そろりそろりと渋滞気味の幹線道へ合流していきました。
実は私、新型アテンザのコクピットに乗り込んだのは今回が初めて。
そのためか、真っ先に興味が向いたのは、最上級の”一番革”を贅沢に使用したという本革巻きステアリングでした。偶然にも我が家のクルマたちのステアリングは、実家の初代アテンザも含めて全て革巻き仕様なのですが、その何れとも異なる、独特の手触り。まだ十分馴染んでいなくて、ツルツルと滑り気味だったことも含め、「これが高級品の味わいなんだなぁ・・・」と感心することしきり(笑)。
で、短い10分ほどの初試乗を終て、強く印象に残った点が3つほどありました。
1つ目は、減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」の画面表示が、結構楽しめたこと(^o^)。
画面表示自体はシンプルなものですが、キャパシターを用いて電気を瞬時に蓄え、瞬時に利用するというi-ELOOPの基本原理通り、アクセルOFFで即発電が始まり、i-stop時にそれが消費されていく様子が手に取るようにわかるという、必要にして十分なモノ。
従来はバッテリーやオルタネータの電力に頼っていた仕事も、キャパシタが適宜カバーしていくことで、エンジンやバッテリーの負担をきめ細かく軽減できていることが実感でき、精神衛生上もすこぶるイイです(笑)。
惜しむらくは・・・白単色の画面表示があまりにシンプル過ぎ、イマイチ華やかさに欠けること、ですかね。
2つ目は、加速時のディーゼルのエンジン音が、思いのほか目立ったこと(-_-;)。
正直、CX-5のディーゼル試乗時よりも耳障りに感じてしまうとは全く想像していませんでした。
もっとも、私だって両車の加速音を同時に聞き比べたわけではないし、案外、実際に音圧を測定したらアテンザの方が数値が小さい可能性も否定できないのですが、イメージ的にはアテンザの方が「ガラガラガラ・・・」というディーゼル特有のエンジン音が耳に付きました。
そう感じるに至った理由を考えてみると、仮に遮音性能に著しい個体差がないとすれば、「SUV」として生まれてきたCX-5に対して、「セダン」のアテンザは、”フラッグシップ”や”プレミアム”と枕詞が飛び交っている分、自ずと元々の期待値が高まっていたのかもしれません。
いずれにしても、これはXDの別の試乗車を試してみないことには確証は持てませんね。
そして
3つ目・・・これもやや意外だったのですが、海沿いの産業道路を50キロ前後で巡航した時、ヒョコヒョコとリアが落ち着きなく動く傾向が見られたこと。
私がこれまで個人的に「アテンザセダン」に抱いていたイメージといえば、シリーズきっての「高剛性ボディ(構造)」と、それをベースにしっかりと煮詰められた「しなやかな足廻り」、これに尽きます。
そして今回は、2830mmというロングホイールベースとの相乗効果で、舗装の傷んだこの幹線道でもピタッと吸い付くように直進してくれると思いきや、細かいながらも神経質な上下動を伴い続けたことは、二重の意味で意外でした。
しかも、運転席でこの調子なら、後席はもっと不快に感じるのでは?・・・との余計な不安も過ります。
ただ、この原因がXDグレードの19インチ・45偏平タイヤの特性に拠るものか、リアサスのセッティングに拠るものか、はたまた、試乗車の空気圧管理に問題があったものか、たった1回限りの短い試乗では、それを解く鍵は得られませんでした。
今回の新型アテンザは、抜群の存在感を漂わせるその秀逸なデザインをはじめ、なにかと試乗前の好印象が強かっただけに、念願の初試乗を終え、やや「意外な」印象とともにクルマを降りた私は、その印象のギャップに少なからず動揺していました。
というわけで、①のセダンXD・Lパッケージの試乗結果は、「ドロー」。
と同時に、自らの疑念を解消するためにも、海沿いのゴキゲンなハンドリングコースで試乗ができる旧アンフィ二店の訪問を心に誓った土曜日でした。
(つづく)