
昨年10月に発表された新型アクセラ。
マツダの最新パッケージ“フルSKYACTIV+魂動デザイン”が、ついに身近な最量販車種へ展開されたとあって、私の期待値も高く、11月下旬の正式発売を待たずして、スポーツ(5HB)の15S/20S、さらにセダンのハイブリッドモデルと、立て続けに何度も試乗(^_^.)。
フルSKYACTIV車らしい統一感のある素直なレスポンスと、グローバルCカーのアクセラならではのコンパクトさ・軽量さが相俟って、ガソリンエンジン車ではカジュアルで軽快な気持ち良さが、ハイブリッド車(セダン)ではフォーマルで落ち着きある心地良さが、それぞれ際立っている印象でした。
しかし、それでもまだ役者が出尽くしていないのが新型アクセラのワイドバリエーションの真骨頂で、もう一種類、魅力的なパワートレインが用意されていました。
それは、この1月20日にやっと正式発売となった
ディーゼルエンジン車(XD)。
フルSKYACTIVのCX-5や新型アテンザに相次いで搭載され、日本のディーゼル乗用車市場を掘り起こしたSKYACTIV-D 2.2が、最大トルク420N・mというゆとりのスペックを維持したまま、一回りコンパクトなアクセラに詰め込まれているのです。
きっと、このディーゼルエンジン車には別次元の刺激的な走りが待ち受けているに違いない・・・。
そんな期待を胸に、私はアクセラXDの試乗車が配備されたばかりの旧アンフィニ店へと向かいました。
もちろん、届いたばかりのGRAND-AMキルティングベストを着て(^_^.)。
私を出迎えてくれたのは、ディープクリスタルブルーマイカのスポーツ・XD(クロスディー)。
担当セールス氏によれば、この週末はやはりXD目当てのお客さんが多く、頻繁に試乗が繰り返されたようですが、ラッキーなことに私が訪れた時は完全フリー状態。
ビアンテから降り立った私は、店舗に一歩も足を踏み入れずにラックススウェードのシートへ直行(^_^;)。
そのまま、担当セールス氏と海沿いの起伏に富む試乗コースへ出発することと相成りました(^^)v。
てな按配で、安全・快適装備がテンコ盛りのトップグレード・XDのステアリングにすんなり辿り着けた私。
昨秋にアクセラスポーツ20Sやアクセラハイブリッドを走らせたゴキゲンなワインディングコースにこのXDを持ち込み、圧倒的なトルクを誇るディーゼルターボならではの豪快なパフォーマンスを味わおうと走り始めたわけです。
が・・・
なんと、今回の試乗では、目からウロコが落ちるような
感動体験には結局ありつけず(^_^;)。
なぁんていうと、アクセラXDのパフォーマンスが期待外れだったように聞こえてしまうかもしれませんが、決してそうではないんですm(__)m。
ただ単に、所定の試乗コースをごくフツーに走行する限りにおいては、XD特有の圧倒的な加速や専用チューンの足廻りを十分堪能できるシチュエーションの創出が、あまりに困難だったのであります(苦笑)。
事実、その刺激的な走りの片鱗を感じさせる瞬間は間違いなくあって、マニュアルモードで意図的に高回転まで引っ張ってみれば、他のアクセラでは味わえない異次元の加速感と、意識を高揚させる勇壮なエンジンサウンドに包まれ、思わず「おぉ~!」と声を上げそうになったほど。
このまま力強い加速を全身で感じながら、一気にスポーツドライビングの快楽の世界に入っていきたい!と心底思いつつも、都度スピードメーターの数字を見て我に返るという残念な展開の繰り返し・・・。
そう、クローズドの試乗会コースで心ゆくままXDのハイスピードドライビングを堪能し、動画で
「コレ、気持ちいい~!」と叫んでおられた某評論家の方ほどには、恵まれた環境でなかったということですね。(当たり前か)
うーん、楽しいお食事でせっかくムードが盛り上がったのに、「また今度ね」と別れを告げられてしまったような無念さ(爆)。
そんなこんなで、待ちに待ったXDの試乗を終えて、期待していたほどの好印象を持ち帰られなかったばかりか、走り慣れたコースでうまくスポーツドライビングの機会を創り出せなかった体たらくさに、かえってストレスを溜めてしまった私。
でも、欲求不満を感じた理由は、何もそのことだけではなかったのです。
XDの秘めたるポテンシャルに対して、あまりにもフツーに走らせてしまった分、低回転域でややリニアさを欠くSKYACTIV-Dの”本領発揮前の”レスポンスや、巡航中に意外な程に侵入してきた専用18インチタイヤのノイズが相対的に目立つ結果となってしまい、常用域における快適さ・爽快さという点では、先に試乗した他のアクセラたちに対して、やや分が悪いと言わざるを得なかったのです。
それと、今回はもうひとつ気付いた点が。
もはや、ディーゼル特有の「カラカラカラ・・・」というアイドリング音にも慣れ、以前ほど違和感を感じなくなったこの私でしたが、それでも、超トルクフルなディーゼルエンジンと軽量コンパクトなアクセラとの組み合わせではさすがに動力性能を持て余し気味で、走行中に慌ててアクセルを戻してしまう機会が増えた結果、カラカラ音の出番もそれなりに多かったように感じました(苦笑)。
そんなわけで、初体験となったアクセラXDに関しては、やや消化不良に終わった感じに。
できれば半日くらいクルマを独占し、様々なコースを思いっきり駆け抜け、XDらしい豪快な走り、余裕の走りを満喫したい!・・・そんな思いを殊更強くしました。
あ、でもひとつ、明らかな収穫だったのは、初めて戸外で見たディープクリスタルブルーマイカのボディ色がとても魅力的だったこと(^^)。
凝縮感のあるアクセラのスタイルをさらに引き締め、グリルをはじめとしたメッキパーツとのコントラストも良好。
XD専用装備であるグリル内部の赤塗装とのマッチングも私は十分「アリ」だと思うので、もし自分がXDを買うなら、このボディ色が筆頭候補になりそうです。
(だって、個人的にイチ推しのチタニウムフラッシュマイカ色は、XDに未設定だし・・・苦笑)