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　間一髪、２機のガルダ級輸送機、“アウドムラ”と“スードリ”でジャブローの核爆破から逃れたクワトロ達。そこへ地球でエゥーゴを支援している組織“カラバ”のハヤト・コバヤシが現れる。クワトロ達はハヤトの誘導の下、カラバ制圧下のケネディ宇宙空港へと辿り着き、カラバの支援で宇宙に戻る準備を始める。

クワトロ　「ケネディ空港は安全なのか？ハヤト･コバヤシ君」
ハヤト　　「カラバで制圧しております」
クルー　　「ハヤト艦長！ご苦労様です」
ハヤト　　「宇宙に戻すパイロットは40名近くいる」
カラバ　　「クルーシャトルは2台あります。大丈夫ですが…」
ハヤト　　「何だ？」
カラバ　　「クルーシャトルのパイロットは１人しかいません」
ハヤト　　「分かった」
クワトロ　「カラバの組織がこれ程とは」
ハヤト　　「当然と言いたいのですが、もうここは使えません。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ガルダ２機を着陸させましたから」
クワトロ　「どうします？」
ハヤト　　「北欧にでも移動します」
クワトロ　「ほぉぅ」
ハヤト　　「シャトル用のパイロットを1人用意できませんか？」
クワトロ　「了解」

　その頃、内密に軍の監視を受けながら、北米で軟禁されるように生活していたアムロの元へ、ハヤトと結婚したフラウ・コバヤシと、二人の養子になったカツ、レツ、キッカが訪れる。

アムロ　　「よく･･･来れたものだ。フラウ･コバヤシ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　カツ、レツ、キッカも！」
フラウ　　「アムロも変わりなく」
アムロ　　「ありがとう。みんなも変わりなく。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　背が伸びたな、カツ。また、どうして？」
フラウ　　「話たい事は山ほどあるわ。今夜はお邪魔させてもらえて？」
アムロ　　「ふふ、大歓迎だよ、フラウ」

レツ　　　「アムロさんは何でジャブローに行かないんですか？」
アムロ　　「えっ？」

　アムロはメモ用紙に書いた。ここの使用人は軍のスパイだと。

フラウ　　「じゃあ、あのメイド夫婦も軍の人？」
アムロ　　「広告を見てやってきたって言うけれど、僕の監視役の軍人だね」

　食後、アムロはカツに誘われて庭を案内した。もちろんカツは庭を見たいわけではなかった。カツにとってはヒーローであったアムロが、未だにこのような豪邸に暮らしていることが不満だったのだ。すっかり気が抜けてしまったアムロに落胆したカツは「アムロもカラバに参加すべきだ」と主張するが、監視の目を気にするアムロの生気は戻らない。

カツ　　　「父は、ジャブローの動きを知って、
　　　　　　　　　　カラバの一員として支援に向ったんです。
　　　　　　　　　　　　　　　　それなのに何故あなたはここにいるんです？」
アムロ　　「僕は、カラバという組織のことは知らないな」
カツ　　　「エゥーゴのことも？」
アムロ　　「報道されている程度のことは」
カツ　　　「なら、カラバに参加するとか。アムロさん！」
フラウ　　「カツ！」
カツ　　　「あなたはここの生活が無くなるのが
　　　　　　　　　　　　　　　　怖くって軍の言いなりになってるんでしょ？」
フラウ　　「カツ、いい加減にしなさい」
カツ　　　「アムロさん！子供の僕にこうまで言われて平気なんですか？
　　　　　　地球連邦政府の監視は緩んでます。本当のことを言ってください！」
アムロ　　「ニュータイプは危険分子として、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　僕はここに閉じ込められているんだ！」
カツ　　　「僕らにとって･･･いえ、
　　　　　　　　　　　　　　母にとってアムロさんはヒーローだったんです！」
フラウ　　「カツ！お止めなさい！」
カツ　　　「ぐっ･･･はい！」
フラウ　　「あたしたち、明日、出るわ」
アムロ　　「君の立場で出国できるのか？」
フラウ　　「何故かビザは下りたわ。カツの言う通り、
　　　　　　　　　　　　　地球連邦政府の動きがいい加減になっている証拠ね」
アムロ　　「切符は？」
フラウ　　「ごめんなさい。
　　　　　　　　　　　４～５日はここにゆっくりできると思ったから、まだ…」
アムロ　　「よし、明日僕が手配しよう」
フラウ　　「ありがとう。ごめんなさいね、生意気な子供ばかりで…」

　一方、カラバでは、カイがハヤトに「クワトロはシャアで、正体を隠してリーダーになろうとしないシャアは卑怯だ」という内容の手紙を残して姿を消す。

ハヤト　　「カイのやつ、顔も合わせずにどこに消えたんだ？」
クルーＡ　「アーガマは追いかけてくれるんだな？」
ハヤト　　「どうした？」
クルーＡ　「あっ、オークランドのニタ研がティターンズに回ったと」
ハヤト　　「ニタ研が？まずいな…」
クルーＢ　「ハヤト艦長。今しがた背の高い方がこれを渡してくれと」
ハヤト　　「ありがとう。んっ？カイからだ。カイのやつ、単独で情報集めをするというのか。クワトロ大尉はシャア･アズナブルだと思える。そのシャアが偽名を使って地球連邦政府と戦うのは卑怯だから、一緒には行動ができないと言うのか」

ハヤト　　「カイはあなたのことをシャア･アズナブルだと言っています。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本当のことでしょうか」
クワトロ　「買い被ってもらっては困ります。
　　　　　　　　　　　　　　ジオンのシャアが何でエゥーゴに手を貸すのです」
ハヤト　　「ザビ家は7年前に滅びました。となれば、
　　　　　　　シャアという人は地球再建に志を抱いてもおかしく無い人です。
　　　　　　　　　その人が地球圏に戻り、エゥーゴに手を貸す…分かる話です」
クワトロ　「仮に私がシャアだとしたら、君は何を言いたいんだ？」
ハヤト　　「カイの手紙にこう書いてありました。リーダーの度量があるのに
　　　　　　　　　　　　　　　リーダーになろうとしないシャアは卑怯だと。
　　　　　　　　モビルスーツのパイロットに甘んじているシャアは、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　自分を貶めているのです」
クワトロ　「シャアという人がそういう人ならばそうでしょう」
ハヤト　　「10年20年掛っても、地球連邦政府の首相になるべきです！」
クワトロ　「しかし私は、クワトロ･バジーナ大尉です」
カミーユ　「もしそうなら、それは卑怯ですよ!
　　　　　　　　　　　　シャア･アズナブル、名乗った方がスッキリします！」
クワトロ　「ガンダムをシャトルに移動させろ！」
カミーユ　「しますよ。どっちなんです？教えてください！」
ハヤト　　「お認めになっても良いのではありませんか？」
クワトロ　「今の私は、クワトロ･バジーナ大尉だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それ以上でもそれ以下でもない」

　そこへ地球連邦軍の強襲部隊が現れる。

ブラン　　「一気に攻める！奴らシャトルで脱出するつもりだ！」

ハヤト　　「総員、アウドムラ始動！」
アポリー　「カウントダウンは継続しろ！」
クルー　　「そのつもりだ！安心しろ１」
クワトロ　「カウントダウンは続行しているな？我々を待つ必要は無い！」

ブラン　　「流石に展開は早いな。
　　　　　　　　　　　　あれにエゥーゴのパイロットが乗っていると見た！」
カミーユ　「邪魔するから！」
ロベルト　「何て時に来るんだ！」
アポリー　「発射1分前！」
ロベルト　「来させるかっ！」
クワトロ　「んんっ！？モビルスーツに変形をするのか。うぉっ！」
ブラン　　「ふっ、醜いな」
クワトロ　「なめるな！」
ブラン　　「うっ！」
アポリー　「30秒前！」
ブラン　　「むぉっ！」
ロベルト　「うぬぅ、デカいだけで勝てると思うなーっ！」
ブラン　　「伊達じゃないんだよ！」
ロベルト　「うっ！何だーっ！？」
カミーユ　「ロベルトさん？」
アポリー　「5秒前！4！3！2！レディっ！ゴォ！」

ブラン　　「生存者を集め、ケネディポートを制圧しろ！
　　　　　　　　スードリに残ったエゥーゴのモビルスーツを叩き出せ！
　　　　　　　　　　スードリを我がブラン小隊の指揮下に置く！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　アメリカ大陸を抜けられると思うなよ」

　その後、ブランはケネディ宇宙空港を制圧し、スードリの奪還にも成功する。辛くもアウドムラで逃げ切ったカラバのクルーとクワトロ、カミーユは、次のアーガマ帰艦計画を練る為、ヒッコリーを目指す。その頃、アポリーやレコアが乗ったシャトルは、無事にアーガマとのランデ・ヴーに成功する。ジャブロー侵攻作戦は終了した。この作戦によって世界は、改めて地球連邦軍が、かっての正規軍とは異なり、二つの勢力によって抗争を開始したことを知った。



　　　次回予告

　　　　長い間眠っていたアムロの心に火が点き､
　　　　アムロはカツと共にアウドムラに向かった。
　　　　変形するモビルスーツ､アッシマーに苦戦するガンダムmk-II。
　　　　そのアッシマーの前に現れたアムロ｡
　　　　かつての敵が、いま地球上に再会をする。
　　　　次回、機動戦士Zガンダム、アムロ再び。
　　　　君は刻の涙をみる･･･