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ミライ　　「私に、アウドムラに乗らないかというのはあなたの考え？」
アムロ　　「そうです。でもハヤトだってそう思ってるはずです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　宇宙行きの切符はまだ取れないんでしょ？」
ミライ　　「とってもありがたいと思うのよ、でも…」
アムロ　　「戦局が悪化すればするほど、宇宙に出るのは難しくなりますよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そうなればいつまたブライトさんに…」
ミライ　　「主人には会いたいわ。でも、
　　　　　　　　　　そのために子供達を戦いに巻き込むようなことはできないわ」


　アウドムラが補給品の搬入を開始する中、アムロはベルトーチカを連れてミライ親子を訪ねた。彼は、情勢の悪化から思うように宇宙へ行けないミライにアウドムラへ来ることを勧めるが、子供達を戦争に巻き込みたくないミライは返事を保留する。そこへスードリを抜け出したフォウがやって来る。一方、アムロ達を探しに来たカミーユは、二人に早く帰るように告げるが、その会話をフォウに聞かれてしまう。


ベルトーチカ「あの人達は軍人でもエゥーゴでもないのよ。
　　　　　　　　　　　　　　なんでアウドムラに乗せようって言うの、アムロ？」
アムロ　　「君にはわからないことだろうが…」
フォウ　　「アウドムラ？アムロ…？あれがアムロ･レイ…
　　　　　　　　　　　　　　ならばガンダムMk-Ⅱを操っていたのもヤツか！？」

ベルトーチカ「私はアムロの引き止め役で来たわ」
カミーユ　「わかりました。じゃ、すぐ戻ってください」

フォウ　　「私を不愉快にさせたのはアイツか」


　フォウは名高いアムロがMk-IIのパイロットだと思い込み、アムロ達と別れたカミーユから情報を得ようと、彼の車をヒッチハイクする。その頃、アムロとの関わりがばれたミライ親子が、ウッダーの策略で囚われてしまう。


フォウ　　「君、旧市街まで乗っけてくれない？」
カミーユ　「えぇ、いいですよ」
フォウ　　「助かるわ。あの恋人達とお知り合いなの？」
カミーユ　「知りませんよ、傷を舐め合うような男と女なんて」
フォウ　　「あぁ、そういうこと？」

兵　　　　「フォウは、移動開始。アムロ･レイは、コーラル･オリエンタル号
　　　　　　に泊まっている二人の子供を連れた女性と、個人的に関係ありです」

ハサウェイ「お母さん、洗濯物持ったよ」
ミライ　　「チェーミンの分も？」
チェーミン「はーい」
ミライ　　「偉いわ、チェーミン。さ、行きましょ。はっ！あなた達…」
ハサウェイ「やめて！何すんの！？」
ミライ　　「子供には手を出さないで！」


　何も知らずフォウとの会話を楽しむカミーユ。そこへ、ミライ親子を人質にしたウッダーから、エゥーゴ及び関係者に向け、アウドムラ引き渡しを要求するラジオ放送が入る。


ウッダー　「エゥーゴ並びに、その関係者の諸君に聞いてもらいたい。
　　　　　　　　　　　自分は、スードリの艦長代理、ベン･ウッダー大尉である」
カミーユ　「何だ？」

ウッダー　「諸君が24時間以内にアウドムラを当方に引き渡さない場合は、
　　　　　　　　　　　　　　　　　このニューホンコンの無差別攻撃を開始する」
アムロ　　「ん？」
ウッダー　「諸君が卑怯にも、攻撃を掛けてきた場合は、人質の命は保障しない」
アムロ　　「何だと！？」
ウッダー　「人質はかつてのホワイト･ベースのキャプテン、
　　　　　　　　　　　　ブライト･ノアの夫人、ミライ･ヤシマと、二人の子供だ」
ベルトーチカ「アムロ！」


　これを聞いたアムロは単身ウッダーに会い、自分とミライ親子の人質交換を交渉するが、あえなく彼も捕まってしまう。


ウッダー　「アウドムラがそのままホンコンを脱出したら、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人質の４人を、虐殺する予定である」
カミーユ　「人質が増えた？」
ハヤト　　「アムロがミライと交代するために行ったのだが、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　開放してはもらえなかった」
カミーユ　「アムロさんは甘いんだ」


　アムロとミライ親子を人質に取られたハヤトは、フォウと別れて戻ってきたカミーユに一計を託し、白旗を掲げたアウドムラでウッダーの居る港に近づいていく。


カミーユ　「そんなバカな！ここで降服したら、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今日までのことが無駄になるでしょう？」
ハヤト　　「力押しでは無理だから、アウドムラは降服をして見せるんだ」


ウッダー　「出て来たか、素直だな。死なずに済んだようだな、大尉」
アムロ　　「アウドムラが来たのか？」
ミライ　　「大丈夫。ほら、あの大きな飛行機のおじさん達が、来てくれるからね」
アムロ　　「ハヤトめ、何を考えてるんだ？」

ハヤト　　「これでこちらに戦う意思がないとわかるでしょう」
ステファニー「海の中に敵は伏せてますね？」
ハヤト　　「おそらく」
ステファニー「でもカミーユは…」
ハヤト　　「やってくれるでしょう」


　密かにMk-IIで潜行し始めたカミーユは、ウッダーが潜らせていたマリン・ハイザック隊を次々と撃破し、アムロとミライ親子は、その混乱に乗じて無事逃げ出すことに成功する。


ミライ　　「ハヤト！」
ハヤト　　「ご無事で、ミライ！」
ミライ　　「ありがとう、ハヤト。アムロとカミーユ君ががんばってくれて」
ステファニー「カミーユ、見事でした」
カミーユ　「ありがとうございます。ご苦労様です、アムロ大尉」
アムロ　　「ありがとう、君こそ…」



　　　次回予告

　　　　　カミーユとフォウが､与えられた短い時間の間に、
　　　　　新しい記憶を手に入れることは出来ない｡
　　　　　ホンコンの火の中に､青春の甘酸っぱい濁りが消えていく。
　　　　　二人は､敵と味方に別れていく宿命だけを見る。
　　　　　次回、機動戦士Zガンダム、シンデレラ･フォウ。
　　　　　君は刻の涙をみる･･･