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2008年01月18日 イイね!

CCA編 #59「 世直し 」


 シャアも、別のアクシズの入口を探した。この時に、まずνガンダムの機体を破壊する事を考えなかったのは、シャアがアムロを追う事だけに気を奪われていたからだ。それが生の肉体を持つ人としての、悲しい習性なのかもしれない。アクシズの表面は、激しい爆撃の跡がそこここにあったが、飴のように溶けた金属材の隙間に坑道の入口を見つけると、シャアは、その金属材の間にサザビーを忍び込ませるように固定して、コックピットから流れ出した。

アムロ   「ブライトたち、まだ上がっていないか?」

 アクシズの坑道をすすむアムロはブライトたちの気配を探った。シャアが追ってきていることは感じとっていた。

アムロ   「ん?」

 シャアはアクシズの坑道の配置は、かなり正確に承知しているつもりだった。アムロを追いつめる自信はあった。

アムロ   「…」

 アムロはシャアが来るだろうと思われる坑道にバズーカを仕掛けて撃った。

アムロ   「てぃっ」

 爆発がシャアをかすめた。

アムロ   「逃げられた?」

 シャアは爆発から逃れながらも、アムロを追った。気配はあるのだ。その感触は、正しいと思えた。

アムロ   「世直しのこと、知らないんだな。
          革命はいつもインテリが始めるが、
              夢みたいな目標を持ってやるから
                      いつも過激な事しかやらない」

シャア   「四方から電波が来る」

 シャアは辺りを見回したが、その声は足下から聞こえて来るように思えた。ヘッドフォンのステレオ感覚が思わせるのではない。もう少し、直感的な感触だった。下の坑道だ。シャアはゆっくりと声のする方に移動した。もう使わなくなっていた机の上に、トランシーバーが、アンテナを長くして置いてあった。シャアはそれを放り捨てたが、それだけが、アムロの声の媒体をしているとは思えなかった。

アムロ   「しかし革命のあとでは、気高い革命の心だって
         官僚主義と大衆に飲み込まれていくから、
             インテリはそれを嫌って
                世間からも政治からも身を退いて
                       世捨て人になる。だったら」


シャア   「 私は世直しなど考えていない 」


 低く叫ぶと、シャアは一方の坑道に、一発のランチャーを撃ち込んだ。爆風が坑道に吹きこんで、荒れ狂い、アムロはその爆風に飛ばされた。ヘルメットの一部が割れて飛んでいた。応急用のテープを貼り付けると、拳銃を持ち直してその場を離れた。

シャア   「愚民どもにその才能を利用されている者が言う事か」

 声は四方から聞こえてくるが、アムロ自身の発する『気』は、ひどく近いように思えた。

アムロ   「そうかい」

 アムロの身体が、目の前の坑道を突っ切って流れた。シャアの拳銃はアムロのいなくなった空間を撃った。シャアはアムロを追った。ランチャーを撃ったが、アムロには爆風しか届かなかった。

アムロ   「うっ」
シャア   「逃げた?ブライト達は?」

 アムロは坑道をあとにすると、νガンダムのコックピットに流れこんだ。


Posted at 2008/01/18 08:08:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | 音楽/映画/テレビ

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