2020年07月25日
最近、マスメディアって報道されるようになった
「ハイオク混合疑惑」
「ちゃんとしたハイオクを入れるならシェルを選べ」
「いろんなハイオク試したけどシェルが良いわ」
「V-Powerすげぇな」
と何度か聞いたことがあります。
(この間、プレマシーにシェルのハイオクを初めて給油)
そもそもハイオクってなんだ、という話だが、
クルマを良くわからない方に説明すると、
「レギュラーガソリンよりも性能が良いガソリン」
といったところだろうか。
ハイオクとは「ハイ(=高い)・オクタン価」の略語で、
では「オクタン価」とは何か?
オクタン価とはガソリンエンジンの
ノッキングのしにくさ(アンチノック性)を
数字で表したもの。
レギュラーガソリンは89.0以上、
ハイオクガソリンは96.0以上として
定められている。(日本の場合)
では「ノッキング」とは何か?
それはガソリンエンジンが動いているとき、エンジンから
「キンキン」「カンカン」「ガラガラ」と音を立てて、
さらにそれが原因でパワーダウンを起こしたり、
最悪の場合はエンジンが釈迦になるもの。
(ディーゼルエンジンは構造が若干違うので除外)
要はエンジン内部で、各エンジンの設計者が理想とする
燃え方をしていない (異常燃焼、デトネーション) から、
それが原因でノッキングが発生してしまう。
最近はどのタイミングでプラグに火花を
飛ばして燃やすか (点火時期) を
電子制御 (コンピュータで制御) で行う時代なので、
ノッキングセンサーというノッキングを検出できる
センサーも用いてノッキングしないように制御している。
つまり、レギュラーガソリンに対応しているエンジンに
わざわざハイオクを入れる必要はない。
設計上、レギュラーでも問題なく動くように
設計がされているわけだから。
この話をすると、ハイオク指定車以外にも
ハイオクを入れる人を見かけて
「アホなんちゃうか?」「金持ちやなぁ〜」
と思う人がいると思う。
でもハイオクはオクタン価が高いだけではない。
それは「添加剤」が燃料に含まれているということ。
レギュラーガソリンには添加されていない添加剤が
ハイオクガソリンには添加されている。
では、どんな「添加剤」なのか?
そもそもエンジン内部ではガソリンを燃やして、
それによって得られた動力で動いているのが
クルマである。
燃やすということは、どれだけ上手に燃やしたとしても
わずかにスス (燃えカス) が生成されてしまう。
これを、まずは念頭においた上で説明をする。
具体的にはエンジンのスス (燃えカス) を清浄したり、
ススの付着を防ぐもの、それからエンジン内部に
ガソリンを噴射するインジェクターという部品の
清浄作用をもたせた添加剤だ。
また、インマニという部品に蓄積したススを除去したり、
付着を防ぐ役割も持ったものだ。
ハイオクを各社販売しているが、各社のハイオクの違いは、
前述したオクタン価も違いはもちろんあるだろうが、
この「添加剤」にも違いがあるのだ。
例えばエネオスは現在扱っているハイオク
「ENEOSハイオク」は
エンジンにススが付着するのを
防ぐことに重きを置いている。
また、シェルが現在扱っているハイオク
「Shell V-Power」は
エンジンに付着したススを清浄するとともに、
ススの付着を防ぐことに重きを置いている。
さらに出光が現在扱っているハイオク
「出光スーパーゼアス」は
ENEOSと同じような性能の加え、
燃費を最大2.7%低減
させることを謳っている。
コスモ石油の「スーパーマグナム」は
Shell V-Powerに似た性能に加え、
燃費を最大2.8%低減できる
と謳っている。
キグナス石油のハイオクでは
ノッキングを抑えて登坂能力を発揮すること、
燃焼効率を最良に保ち燃費向上、
愛車のエンジンパワーを最大限に引き出す
と謳っている。
もちろん他の石油会社もあるが、これ以上挙げると
キリがないのでこの辺にしておく。
さて、様々なメディアから報道があった通り、
シェル以外は、混合を認めるような形となり、
さらにコスモ石油には消費者庁が調査に入るという
大事になっている。
つまり例えばエネオスで入れたハイオクは
キグナスとコスモのハイオクが若干ながら混入していたり、
例えば出光で入れたハイオクは
エネオスやコスモのハイオクが若干ながら混入していたり、
という可能性が否定できない、ということある。
つまり、エネオスのハイオク性能を必要とする人や、
コスモのハイオク性能が1番クルマに合うと考える場合
など、各社のハイオクを求めるユーザーにとって
果たして本当に純度が100%に近い
ハイオクを手にできているのか。
ということが今回の問題の1つ。
当然オクタン価においても、日本の基準であれば
オクタン価96.0以上であればハイオクと名乗れるので、
オクタン価96.1のハイオクもあれば、
オクタン価98.7のハイオクもあるし、
オクタン価100.0を超えるハイオクもあるわけである。
当然オクタン価が高くなればノッキングを防ぐ
性能が高くなるので、ノッキングに悩まされる
ユーザーにとって、これは無視できない。
ところが、この事件によって、
例えばオクタン価100.0のハイオクのつもりが
実際は他社のハイオクもどれだけか混入していたことで
実測値でオクタン価98.0しかなかったり、
このような可能性が出てくるのである。
これが今回の問題の2つ目。
つまり、極端に言うと「詐欺事件」に値するかもしれない
事件が公になったわけだ。
また、シェルだけは「混合していない」と
回答があったと毎日新聞が記事にしていたが、
「なるほど」と思ってしまった自分がある。
それは冒頭にも記したように
ハイオクの中で差が出るのがシェルという話を
何度も聞いたことあることだ。
一番印象に残っているのは、知り合いが
中古で買ったダイハツ・70ミラのノッキングがひどく
近所の安価なハイオクを入れたらだいぶ収まったが、
まだノッキングするので、
当時シェルをハイオクを試しに入れたところ
一切ノッキングしなくなった、という話。
その人は今もシェルのハイオクを
愛用している (笑)
私の友達でBP5レガシィ (5MT) に乗っている友人が
ハイオク指定車なので、いろんなハイオクを試したが
シェルを入れた途端に高回転まで回るようになって、
あまりにも回しすぎて燃費が伸びない (笑)
という話しを聞かせてくれた。
同時に低回転域のトルクは太くなったらしい。
「エコ運転しろよw」と私は言い返したが(汗)
そんな周りの「シェル神話」に釣られて
私のマツダ・プレマシーについにV-Powerを給油。
最初の数百メートルを通過したあたりから、
明らかに変化が。
「エンジンの振動が少なくなった!」
(私のプレマシーはエンジンマウント死んでます)
あとはマニュアルモードで走るとよくわかるが
「低回転域のトルクが朗らかに太くなった」
さらに油圧パワステのフィーリングもしっとりした感じに。
おそらくエンジンの振動が少なくなったことで、
ステアリングに伝わる振動が減ったからなのだろうか。
明らかに燃料計がFからEまで下がっていく
までのペースも遅くなっているので、
燃費向上の期待ができそうだ。
Posted at 2020/07/25 16:32:43 | |
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