
今年導入された輸入車の中でも特異な存在であるのが、
『ルノーアルカナ』
大衆ブランドとしてはかなり珍しいクーペSUVスタイルを採用しており、そのデザインだけで目を惹く存在。

↑顔つきはメガーヌ、キャプチャー、ルーテシアなどのデザインを踏襲しており、しっかりルノー顔。

↑横から見たシルエットは、大胆なほどにクーペSUV。若干クーペっぽいとかではなくしっかりとクーペのルーフを持っている。
こういったデザインはBMWX4、X6
メルセデスのGLCクーペ、GLEクーペ
最近ではアウディのQ3スポーツバック、Q5スポーツバック、etronスポーツバック
などのドイツ系のプレミアムが主流であったが、ルノーからこのデザインが出たのはかなりインパクトが強い。
全長4570×全幅1820mm というサイズ感でCセグメントに分類されており、ライバルはQ3スポーツバックや、クーペSUVっぽいシトロエンC4が上げられる。
横からのシルエットはドイツ系にも負けてないくらいかっこいい。

↑斜め後ろからのデザインも存在感バツグン。メガーヌ系のテールランプを採用しており、夜だと格好良さに更に磨きがかかる。
ルノーアルカナが特異なのは見た目だけではない、
『E-TECH』
と呼ばれる輸入車初のフルハイブリッドを備えて、日本にデビュー。
このフルハイブリッドは後に、ルーテシアとキャプチャーにも採用されることになる。
アルカナのパワートレインは
94馬力、最大トルク148Nmの
1.6リッターのNAエンジンに、2つのモーターを搭載したフルハイブリッドモデルで合計出力は143馬力。
EVを除く輸入車のエコカーはダウンサイジングターボやディーゼルが主流であったが、アルカナはターボを用いないフルハイブリッドを採用。
ミッションも面白く、2速のモーター、4速のエンジンを組み合わせた
『ドッグクラッチミッション』を採用。
これにはF1などの技術も採用されており、実に12速通りのパターンが成立するとか。
ハイブリッドと聞くとまずエコなイメージだが、日本のハイブリッドとはまた毛色が異なる。
確かにWLTC燃費で22.8km/Lという低燃費を実現しているが、実際走らせてみると面白い。
ターボを多用する輸入車にありがちなターボラグは当然なく、出足から大変スムーズ。
30km/hくらいまでの速度は基本的にEV走行となるのだが、それ以上の速度でエンジンの力が組み合わさったのがわからないくらい切替もスムーズだ。
143馬力は特別パワフルな数字ではないが、走らせてみるとストレスなく前に進んでいき、加速も結構気持ち良いのだ。
アクセルとの応答性もよく、基本的にレスポンスに優れている。
また重量は1430kgとフルハイブリッドの割には結構軽い。
走ってる時は浮いてる感じもするくらい、不思議な感覚を覚えた。
街中では輸入車らしからぬスムーズな動きを実現し、高速域では欧州車らしい動きを実現している。
渋滞も高速もシーンを選ばないという意味ではなかなか日本に合ってるとも言える。
フランス車らしくガチガチな足回りではないものの、安定感はしっかりあって安心して乗れる車である。
また気になるドッグクラッチは想像に反して大変スムーズな変速を行う。
総じてスムーズに走れて気持ち良い車に仕上がってる。
これは日本車にも他の輸入車にもない味だと思う。

↑内装は至ってシンプルだが、さりげなく赤色やカーボン調のパネルを配置してスポーティな感覚も与えている。
アンビエントライトやスウェード素材も備えており、シンプルで上質と言った感じ。
後席は見た目ほど狭くはなく、大人4人が座れる空間にはなっている。後席にもエアコンとUSBポートを備える。
シートはフランスらしく柔らかいけど体を支える、疲れにくい仕様。

↑荷室も結構広く、後席を倒せば2mくらいの長物も詰めるので、アウトドアやスポーツでも活躍が見込めそうだ。
オートマチックテールゲートはないのが、欠点だが逆に壊れにくいのはメリットかも。
装備面も結構充実しており、ステアリングヒーター、ヒーター&ランバーサポート付きの前席パワーシート、フランス車ではありがたいブレーキホールドのほか、
日産プロパイロット相当の運転支援システムが付いてる。
ナビはスマホ連携が基本で、ディーラーオプションで30万円くらいのものも選べるが、この辺は許容の問題だろう。
フルハイブリッドと装備充実度から考えて429万円はかなり頑張った価格設定だと思う。
そして…

↑この度1.3リッターターボ+マイルドHV仕様のガソリンターボ仕様も追加されました!
12月1日より発売。
アルカナ良いけど、フルハイブリッドよりもガソリン仕様に乗りたい!
という人には朗報である。
こちらは158馬力、最大トルク270Nm、WLTC燃費17km/Lとなっている。
馬力がE-TECH版よりも上で重量も1380kgと更に軽くなっているので、パフォーマンス面ではE-TECHよりも優れていると思われる。
こちらはミッションが7速DCTとなる。
装備類はE-TECH版と同一で値段は399万円。
ギリギリとは言え、400万切っているので内容を考えればかなり頑張ってると言えるだろう。
またE-TECHもマイルドHVも駆動はFFのみ。
フルハイブリッドか、ガソリンターボマイルドHVか…
どちらを選んでもアルカナは大変魅力的な車になっているに違いない。

↑ルーテシアもキャプチャーもガソリンとフルハイブリッドかが選べる。
キャプチャーは後席にもエアコンがあるなど、装備も充実しており、後席の広さもBセグメントSUVではトップクラスで、ファミリーユースでもイケる。
またルーテシアのE-TECHはWLTC燃費25.2km/Lと輸入車トップの数値。
プジョー、シトロエン、DS、アルピーヌ含めて最近のフランス車は大変魅力的な車が多い。
ルノーと言えば、メガーヌRSやカングーのイメージが強いが、他のモデルも大変魅力的だったと改めて認識。ルノーという選択肢も全然アリだ。