エンジンオーバーホール（4）

エンジンの洗浄が終わったので、各部を計測していきます。
一応、主要寸法計測しますが、明らかにおかしな形状になっていない限りは部品を再利用します。

シリンダー内径をシリンダゲージで測定。
整備書によると、シリンダ内径φ68mmに対して、基準値68.000～68.020mm、限界値68.050mm。
ラジアル、スラスト方向、それぞれシリンダボア上下で測定します。
#1～#3実測値最大で+0.030mm。
真円度は限度値0.01mmに対して0.005～0.015mm。
円筒度（テーパ）は限度値0.01mmに対して0～0.005mmくらい。
限度値超えている項目もありますが、測定誤差の範囲内ということで。

あまりにも細かい数値なので、どこまで正確に測れているか自信がありません。

シリンダ内面。
さすがに当たりの強いところはクロスハッチが消えています。
それ以外は、まあまあの状態かと。

ピストン外径計測。
3個とも刻印"2"のピストンなので、基準値は67.970～67.980mm。
実測値は3個とも67.955mm。
シリンダ内面と強く当たるところは、ちょっと小さくなっているようです。

バルブクラッシュしたピストンなので、てっぺんはへこんでいます。
ハードチューンエンジンにはしないので、このままの状態で組み立てます。

ピストンリングをシリンダボアの下まで差し込み、リングのスキマを計測します。
ファースト、セカンド、オイルリングとも、整備書の基準値よりは大きなスキマでしたが、限度値は超えていないので、リングも再利用します。

オイルリングのスペーサにオイルスラッジがこびりついていたので、洗浄液で煮込みます。

子メタル
左から＃1コンロッド。
結構キズだらけで、表面も荒れているようなので、これは新品にします。
上の1個が新品のもの。

ピストンのオイル穴が詰まっていたので、細いキリでスラッジをほじり出してから、再利用のピストンリングを組み立て。
新しいメタルを組み込み、ピストン回りが完成。
シリンダ、クランクまわりの組み立て待ちです。